音楽評論Vol.53

November 18 [Thu], 2004, 1:44
「ウソツキ」 上戸彩

M-1 ウソツキ 80点
    作詞:織田哲郎・NORI 作曲:織田哲郎 編曲:織田哲郎・長田直也

悔しい。悔しくてたまらない。
この曲は間違いのない名曲だ。上戸が歌わなければ。小畑由香里(サッカー柳沢敦夫人)あたりが歌っていればたぶん100点だと思う。
まぁないものを求めても仕方がないので現実と向き合うことにする。とにかく上戸の歌唱が酷い、酷すぎる。これに尽きる。基本的に歌唱力にはあまりこだわらない僕がここまで露骨に苦言を呈しているのだから、とても歌手のレベルにないことはおわかりいただけるだろう。「愛のために。」はまだタイトなアレンジとアップテンポの曲ということもあり、ここまで酷いとは感じられなかったが、この曲はバラードということもあり声もかすれがすれ。純粋に歌唱力自体も衰えていると思う。
そんなダメダメな上戸に反して織田のソングライティングとアレンジには見事という言葉以外見当たらない。いつもながらの包み込まれるような感覚さえ覚える極上メロディーはキメるところはきちっとキメるキャッチーさを有していて、フォルクローレ調のアレンジが冬のもの寂しげな雰囲気を醸し出す。歌詞は字面の通りで“読めばわかる”というようなものだが、上戸ファンには行間を読む力がないというふうに理解しても良いだろう。織田の詞はいつもテクニックには頼らない、けっこうストレートなものだが、上戸作品ではその傾向がより顕著に思える。
上戸への織田の楽曲提供、安倍麻美への筒美京平のそれと、偉大なる作曲家の作品をボイストレーニングもまともに行っていないような人間に提供するのはやめてほしいと思う。曲がかわいそうだ。

M-2 あの人に会いたい 〜hatsu ratsuu style〜 0点
    作詞:荒木伸二 作曲:川西純・川嶋可能 編曲:Koma2Kaz

「オロナミンC」のCMのアレ。こんなものを音源にするとはイカれたことをするものだ。

音楽評論Vol.51

November 07 [Sun], 2004, 1:02
『Happiness』 岩崎宏美

M-5 哀しみの環状線 75点
    作詞・作曲・編曲:大江千里

歌唱力以外はなかなかの実力者と言えるであろう大江千里が文句ない歌唱力を有した歌い手に楽曲提供すれば、このくらいの仕事をして何ら不思議はないことを改めて証明した1曲。
Aメロとサビだけというシンプルな構成ながらも、それ自体は複雑なメロディーと広すぎる音域、独特の歌詞のはめ方などいかにも大江らしい曲を、彼本人は歌いこなせないであろうが岩崎はまったくものともせず歌いこなしているから見事。
詞のモチーフはややべたな感もあるが、アレンジと合わせて大人の恋愛の世界を連想させる…まぁ若造の僕にはちょっと理解しがたい世界ではあるのだが。
総じてなかなかの出来なので80点としたいところだが、アウトロが長すぎてくどい(約2分!)のでそれについて-5点。

M-6 ひととき 55点
    作詞:藤田千章 作曲:佐藤竹善 編曲:下野人司

藤田千章・佐藤竹善というSING LIKE TALKINGのコンビによる提供。彼らもまた実力者なのは百も承知なのだが…。
竹善の独特のメロディーを岩崎が、優れた歌唱力を有した岩崎ですら歌いこなせていないこと、これに尽きると思う。それゆえにまったく盛り上がらず、抑揚に欠ける曲としか聴こえなかった。この曲に限って言えばメロディーそれ自体もそこまで良いとは思えなかったが、それ以上に彼の作る曲は彼にしか歌いこなせないことを改めて痛感した。

音楽評論Vol.48

October 25 [Mon], 2004, 0:39
「群青グラフィティ」 オオゼキタク

M-1 群青グラフィティ 60点
    作詞・作曲:オオゼキタク 編曲:SUNNY

音楽雑誌等で“デビュー前にRAG FAIR「Old Fashioned Love Song」を作曲提供したことでも知られるシンガーソングライター…”と紹介されているが、個人的には神山さやかに提供した「蛍橋」のが格段に良い曲だと思う。まぁ知名度が違いすぎるというのはわかってますが。
さてデビュー曲であるこの曲はと言えば、まぁまずまず、としか言えないかな? メロディーには比較的癖がなく、それを歌うオオゼキのボーカルもやや個性的な声ながらファルセットに切り替わると綺麗。トランペットをフィーチャーしたアレンジも結構好きな部類。
難点は全体に綺麗にまとまりすぎているということか。もう少し引っかかるところがあっても良いのでは?と思う。あとは2番がAメロからサビへと展開するのだが、そこが無理やりな感じで違和感を覚える。
えっと個人的にはなかなか好きな部類だし、今後にも期待とは思うのだが、何だか小奇麗な感じで特筆すべき点というのはこの曲では見られなかったのが残念。そしてそのために僕も書くことが思いつかないので短いがこの辺で終了。


目指せ25位以内!

音楽評論Vol.47

October 23 [Sat], 2004, 19:29
「Boom-Boom-Boom」 愛内里菜

M-1 Boom-Boom-Boom 75点
    作詞:愛内里菜 作曲:大野愛果 編曲:corin.

“24歳になった云々…”と言われているが、メイクといい詞といい、まわりまわってデビュー当初に戻っただけのような気がするのは僕だけ?
詞はエロス全開で「It's crazy for you」を彷彿とさせる。大人の証=エロスだとしたらそれはそれは短絡的だと思うのだが…。それよりも大人なら“I don't want nobody but you”のような意味の通じない歌詞をどうにかしたほうが良いと思う(ちなみに無理やり訳すと“ただ貴方だけは欲しくないの”となる…)。だいたい“マイブーム”はみうらじゅんの造語だし。
詞の問題はさておいてサウンド面に目を向けるとしよう。最近、大野の曲を聴くたびに彼女のリハビリに付き合わされているような錯覚に陥る。この曲も良いんだけど…。毎回言っていることだが、彼女に求めているのはもっと高いレベル、それこそ業界最高峰のものなのでどうしても不満が残る。それを抜きにすれば良いと思うのだが、僕にはそう上手く割り切って考えられない。毎回といえばcorin.もまた然り。作曲家としては輝門以下だが、ロック系のアレンジをやらせるとまずまずか。ただやはりいまいちメリハリがついていないのと、無駄な電子音が入りすぎというこの2点は改善されていない。またこの曲に限って言えば、サビへの展開が強引に感じる。まぁこれは大野のメロディーも、愛内の詞のメロディーへの乗りが悪いのも関係しているが。
この曲を総合的に評価すると、細かな諸々の問題を愛内の見事な歌唱力でねじ伏せている、とでも言えようか。ただその彼女の歌唱も巻き舌などの癖が出てきてしまっていて、その点はいただけない。
今年に入って、悪しき輝門路線をやめ戻った大野とのコンビ。それでもデビュー当初のような良曲への期待は今回も叶わなかった。大野がオーバーワークによって疲弊し、C/Wを手掛けた川島は完全に失墜し…。愛内が再び世に名曲を送り出すには、その可能性は低いのかもしれないが小松未歩の楽曲提供を期待するしかないのだろうか。三枝に提供するなら愛内でしょうって。また、愛内自体にはそこまで非はないが作曲家に左右されてしまうのはやはり非作曲アーティストの辛いところだ。

音楽評論Vol.19

August 27 [Fri], 2004, 0:59
「金魚花火」 大塚愛

M-1 金魚花火 45点
    作詞・作曲:愛 編曲:愛、Ikoman

僕の中でシングルをリリースするごとに順調に評価を落としている大塚愛の新曲。今回の曲でその評価を多少持ち直せたと思う。
前作「Happy Days」とは打って変わって“日本の夏”を感じさせる曲となっている。その“和”のテイストの中に所々挿入されたシンセサウンドが曲のドラマチックなイメージを増幅させるのに役立っていたりと、全体的によくまとまっていてまずまずの出来と言えるだろう。ただ、サビメロのインパクトがやや弱いように思う。今までの曲はしっかりキャッチーなサビを決めてきただけに、余計に強くそう感じたのかもしれない。
それよりも強く疑問を抱いたのは、アウトロで大きく主張するドラムンベース。“ここから盛り上がっていくのか?”と思うと、そうではなくてそのまま終わる。はっきり言って意味不明。今勢いにのっている大塚のシングルだけに、淡々と終わらすことができなかったのだろうか? 残念ながらこれについて−5点。
先に述べているように、全体的にはよくできていると思う。それだけに最後のアレンジが非常に残念。それと、“和”を感じさせるこの曲や島唄的な要素を持ったデビュー曲「桃ノ花ビラ」のような曲のほうが、少なくとも今の段階では大塚の魅力を引き出せているのではないかと思う。
「Happy Days」の直後のこの曲のリリースということで、“大塚の今後の路線が見えない”と感じる人もいるだろう。だが、僕はこういったある種の“雑多性”というか音楽性の振り幅の広さも彼女の魅力だと思う。また、こういった様々なタイプの曲を聴けば、“aikoと似ている”という意見がいかに的外れかがわかるだろう。彼女には、今後もくだらない外野の声をかき消すような活躍を見せてもらいたい。

音楽評論Vol.18

August 26 [Thu], 2004, 0:32
「Happy Days」 大塚愛

M-1 Happy Days 30点
    作詞・作曲:愛 編曲:愛、Ikoman

「さくらんぼ」で一躍注目を浴びた大塚愛。この曲はそのイメージを継承した作風になっている。
さて、その出来はといえば、はっきり言って期待外れ。今の彼女の勢いを象徴するかのようなタテノリのパンクロック的アレンジは悪くはないが、そこに乗る大塚の声にエフェクト(拡声器?)をかけ過ぎていて1曲通して聴くのがかなり辛い。彼女の魅力のひとつである声質をあえて殺すかのようなアレンジにはかなり不満。
詞は関西人丸出しのノリツッコミなど、お遊び的要素が全開。個人的にはまったく受け付けない部類。お遊びはせいぜい「さくらんぼ」程度にとどめてほしい。
最も注目されているこのタイミングなら、どんな曲を出しても売れる。だからといってふざけすぎてやいないだろうか。確かに好きな人は好きな曲だろうとは思う。しかし「さくらんぼ」以上に聴き手を選ぶだろうし、新たなファン層の拡大には至らないだろう。
「さくらんぼ」でブレイクしてしまったことが、今の彼女には不幸なことに思える。勝負曲であっただろう「甘えんぼ」がその売上を下回ったのだから尚更である。先に発売されたアルバムの収録曲でもそうだったが、“大塚愛=さくらんぼ”というパブリックイメージを、リスナー以上に本人が意識し過ぎているのではないだろうか。ソングライティングには独創性があってなかなか良いと思っているし、ここで埋もれてしまうには惜しい人材。今後に期待したい。

音楽評論Vol.7

August 06 [Fri], 2004, 2:20
リライト//ASIAN KUNG-FU GENERATION

M-1 リライト 50点
    作詞・作曲:後藤正文

個人的に未だ人気の理由がわからないアジカンの新曲。今回はその理由を探るべく聴いてみたのだが…。
確かに若者の心の葛藤を代弁しているかのような歌詞には魅力は感じられる。J-POPの枠に囚われないメロディー展開もまあ悪くはないと思う。しかし、同系列とされているMr.Children、BUMP OF CHICKENと比較しての決定的な違いは、ボーカリストの“カリスマ性”のようなものだと思う。後藤の歌唱には、歌唱力・声質ともに桜井・藤原両名のような聴き手を惹き付ける魅力が感じられない。特に、ただがなるように歌う部分は聴き苦しい。
はっきり言って演奏もまだまだ拙いし、“荒削り” と言えば聞こえはいいが…。これからも、このバンドがここまで売れていることに疑問を持ち続けることになりそうだ。
余談だが、この曲の編曲がクレジットされていないようなのだが、ご存知の方がいたら教えていただきたい。

音楽評論Vol.4

August 03 [Tue], 2004, 9:23
あふれそうな愛、抱いて//上戸彩

M-1 あふれそうな愛、抱いて 40点
    作詞:三浦徳子 作曲:織田哲郎 編曲:清水信之

予め断っておくが上戸彩のファンではないです、念のため。織田哲郎目当てで聴きました。
さて評価のほうだが、メロディーはさすが織田哲郎というキャッチーさを有している。彼のスゴイところは、提供するアーティストに合った曲を書くということ。例えば槇原敬之や小田和正、広瀬香美などの曲なら、別のアーティストが歌っても「あ、○○の曲だ」とわかるようなアイデンティティを持っているが、彼の曲にはそれがない(これはどちらが良い、悪いという問題ではない) 。これは実は難しいことで、わかりやすく言えば“裏方に徹する”ことができるということだ。歌い手の歌唱を最大限に引き出せているメロディー、これこそが織田哲郎の真骨頂。現に上戸の曲でも、以前の小難しいT2ya作品と比較すれば一目瞭然だろう。
話を元に戻すが、しかしこのメロディーの良さに反して楽曲としての出来はあまり良いとは言えない。上戸の歌唱にも難ありだが、今回はそれ以上にアレンジの悪さが耳についた。メリハリがなく、全くもって盛り上がりに欠けるのである。前作「風」も清水のアレンジだったのだが、これも良くなかった。彼の実力のほどは知らないが、少なくとも上戸作品には合っていないと思う。織田に編曲もさせればいいのに、と思わずにはいられない。

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『heaten 〜a day/green〜』
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「超特急」
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『Natural』
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