ドア 

October 02 [Sun], 2005, 21:31
その頃の私は毎日規則にガチガチにされていた。
学校に行けばみんなと同じ格好をさせられ、
同じ時間に同じ授業を受ける。
この考え方は良いけど、この考え方は駄目。
個性も何もあったもんじゃない。
小学校から学校が嫌いで仕方なかった。その頃の私は毎日規則にガチガチにされていた。
学校に行けばみんなと同じ格好をさせられ、
同じ時間に同じ授業を受ける。
この考え方は良いけど、この考え方は駄目。
個性も何もあったもんじゃない。
小学校から学校が嫌いで仕方なかった。
しかし学校に文句を言ったってしょうがない。
それが日本の学校の実態なのだと諦めていた。

私がみんなと違っていたのは、
家でも本当の自分でいる事が出来ずにいた事だ。
家では学校と同じように決まりが数え切れないほどあった。
大きなものから細かい事まで。
中学になった途端、決まりが一気に増えたのだった。

そんな私は、自由に走り回っている彼らを見て、私の居場所を彼らに求めたのだった。

着地したとき、足に少し電流が走ったようにビリっとしたが、そんな痛みは、これから起こる未知の世界へのワクワク感でかき消された。
案内された部屋は一階の真ん中の部屋だった。
本当に古いそのアパートは彼らが始めてきたとき、簡単にドアを開ける事が出来たそうだ。
私の楽園へのドアは、木で出来たそれこそ泥棒に入ってくださいと言わんばかりの、ちゃちなドアだった。しかしその時の私にはそのドアは凄く重く、立派なお城のドアなんかより、何よりも一番開けたいドアだった。

そしてやんちゃな男の子の手がドアノブに掛けられ、そのドアは開いた。



HEAVEN 

October 02 [Sun], 2005, 20:04
タバコに火をつけた。
タバコの煙を浴びながら、一つの楽園を見つけた気がした。

そこは古い木造アパートの一室。
もうこのアパートには誰も住んでいない。
後は取り壊されるのを待つだけだ。
そんなアパートに私達はいた。
その頃仲良くしていた子と、やんちゃでハーフみたいな顔の男の子、
そして学年一カッコいいと言われていた男の子。
私達四人は、学校帰りにこのアパートで決まってつるむようになっていた。

初めてアパートに入ったのは、その男の子達と初めて遊んだ日の事だった。
「高いところ大丈夫?」と聞かれ、連れて行かれたのはアパートの塀の前だった。
いつ取り壊されてもおかしくないそのアパートには、ちゃんとした入り口はなく、
高い高い塀があるだけだった。
その塀は12歳の女の子にはとてもじゃないけど、登れるような高さではなかった。
しかしその男の子達は馴れたように、隣の小さな段差をうまく使って、
あっという間に塀の向こう側に行ってしまった。
私はどうする事も出来ずにいた。
男の子達は、大きな塀の向こう側から大きな声で上り方を説明してくれた。
言われるがままに私ともう一人の子は恐る恐る小さな段差に足をかけた。
塀の一番上にたどり着いたとき、私は後悔した。
登りはクリア出来ても、下に下りる時には何の足掛けもない。
この高い塀からジャンプしなくてはいけないのだ。
私は後ろを振り返り戻ろうとした。
すると学年一カッコいい男の子が、「来いよ」と言った。
その瞬間私の体は宙に浮いていた。ジャンプしたのだ。

私はその男の子を心から好きだとか、淡い初恋だとかそういった感情で見ていたわけではない。
その男の子達に付いていけば、何か変わる気がしたのだ。

冷たい風 

October 02 [Sun], 2005, 19:51
私は家族に愛されていなかったわけではない。
むしろ母親には愛されすぎていたのかもしれない。
しかし、その頃の私はまるでサボテンで、
誰の事も信用出来ないでいたし、
それでもやはり愛に飢えていたのだ。

母はワーキングウーマン。
毎日毎日働きづめだった。
そんな母を私はカッコいいと思っていたし、
大きくなったら母のようになりたいとさえ思っていた。
でもそれは一人の女性としてだった。
母親としては、私の心に冷たい風を吹き込むようになっていった。

愛をください。 

October 02 [Sun], 2005, 19:29
16才の冬、家を出た。
先のことに不安はなかった。
心に開いた大きな穴に入り込む冷たい風の痛さから、
私は逃げ出したのだ。

私は居場所を探していた。
そしてその居場所が何なのかを、私は知っていた。
私が欲しかった居場所は、愛そのものだった。
―愛をください。

私が心の穴に気づいたのは、12歳の時だった。
ポッカリ開いた穴は次第に大きくなっていき、
もう自分の手では埋める事の出来ない大きさにまで達していたのだ。







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