僕は、あの頃。 

June 19 [Tue], 2007, 22:10
ひらひらと、舞い落ちる蝶々。
貴方は何処から舞い降りてきたのですか?

僕は、貴方をこの手にとって、見ることも出来ない。
だって、両手がないんだもの。


僕は両手を伸ばす。
蝶々は、僕の手を掠めもしなかった。
そして、地面にパタリと落ちた。

僕は、掲げていた手を下ろした。
何もない。
僕の腕の先に、手は、指は、掌は、存在していなかった。

僕の頬を、生暖かいものが流れた。
泣いていた。
もう、きっと、誰にも触れることはできないのだろう。



僕は、あの時、あんなことをしていなければ、存在していただろう、この両手で、顔を覆った。
涙を、隠すために。
誰にも泣き顔を見せたくなかったから。


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