幼馴染のあの子へ 

2004年07月04日(日) 23時50分
あの子のうちは
もう18年くらい前から誰も居ない

確かあれは自分が退院して帰ってきた年だった
あの子とは赤ちゃんだった頃からの幼馴染だ
入院中ずっと会えなかったから
空いた時間を埋める様に遊びまくった
久々に会ったあの子は相変わらず元気で
毎日、家の前の広場でカケッコしたり
あの子のうちでお話したり
前と変わらず一番の友達だった

可愛くてお洒落なあの子が好きだった


その年のある日の朝
鮮明に覚えてる
救急車のサイレンが家の近所で止まった
立ち去る時のサイレンは鳴らなかった
彼女のお父さんが亡くなったんだ
その前の日
あの子のお父さんと他愛もない話をしたのを未だに覚えてる

その日あの子は学校に来なかった

それからあの子はすぐに違う街に引っ越した
連絡先もわからない
ずっと一緒だった二人は
それから会う事はなかった

そう、今も



時が経つのはとても早いもんだ
あの子の顔も忘れてしまった

でも
未だに表札はそのままの
あの子のうちの前通ると
思い出すんだ

今は障子も湿気で剥がれ落ちたあの窓から
二人は体を乗り出して
色んな景色を見た
今は自分の身長よりも伸びきった草むらの奥に
玄関扉があって
あの子のお母さんが「いらっしゃい」と笑って挨拶をした


人気のない
この家は
もう18年間時を刻まない
あの子のお父さんは
ここで独り寂しそうにしてるように感じる

ふと思った
あの子はどうしてるんだろ
あの子の家の木は
道路までも覆い隠す様に
巨大に成長している

ここはあの頃の景色と
まだあまり変わってないよ


ここで
またいつか
笑って会えたらいいのにね

 

2004年06月22日(火) 2時02分



霧雨を小走りでぬけて
家に着いた
部屋はいつも通り 誰もいない
電気は自分でつけたけど 何も見えない
ただ 少しほっとしただけ

冷たい風にカーテンが静かになびいた
そこに透ける外の景色はいつもとかわらず
単調

空っぽの部屋に閉じ込められている
今日の事も
明日の事も
鉄格子の中にいるみたいで
先に描く将来も
ただただ単調


生きて
何を見る
生きて
何を知る
ただ生かされてる気分なんだ
特に今日は



あの人が随分前に言っていた
この世ってもしかしたら地獄じゃない?

多分この目が永遠に閉ざされる
その直前にしかわからないこと

でも、何となく今、あの人の言ってた事
ふと思い出して
そうなのかもとか思う

こんな夜中
どんな誘いにでものってしまいそうだ

この価値なんて
自分で如何様にもできる



なんかそんな気分


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