地方交付税に関して

August 08 [Wed], 2012, 12:57
一般会計の地方交付税交付金と地方財政の歳入の地方交付税の額が異なっていますが,これは地方交付税交付金が「交付税および譲与税配付金特別会計」に入り,そのあと地方政府の歳入となるという仕組みになっているからです。
地方交付税は交付を受ける地方にとっては,地方税収入と同じように自由に使えるものです。
図2−3は国の一般会計歳出で,金額の大きい項目の1位から5位の時間的推移です。
地方交付税,国債費そして社会保障関係費は1980年代の上位ビッグスリーです。
地方交付税交付金にはいくつかの国税収入の一定割合であるといテルール(1991年現在では所得税,法人税,酒税の32%,一般会計歳入における消費税の24%,たばこ税の25%)が設定されています。
つまり,地方交付税交付金は,税収が増加すると自然に増加するようになっているわけです。
国債費とは,国債の利子支払いや償還のための経費です。
国債の残高は1990年現在で164兆円です。
このうち特例国債(いわゆる赤字国債)の残高は63兆円で,のこりは建設国債の残高です。
1985年以降に特例国債の本格的な償還が始まり,国債費は一般会計の重要な部分となってきました。
この傾向はしばらく続くでしょう。
社会保障については第2節で見ることにします。
地方財政には使い道があらかじめ決められているものがあります。
たとえば図2−2の歳出項目のひとつに一般行政経費がありますが,これには国の一般会計歳出の社会保障関係費のうちの生活保護費や社会福祉費が国庫支出金として含まれます。
普通,国から地方に引き渡される国庫支出金は,使途があらかじめ定められています。
一方,地方交付税は地方財政計画の歳入ですが,使途は限定されていません。
国庫支出金や地方交付税をみると,国の一般会計と地方財政の歳入・歳出は重複していることがわかります。
つまり,表2−1の一般会計と地方財政の単純合計は政府の活動の総計として適切ではありません。
では重複を除いて,中央政府と地方政府はどれだけの比率で最終的な歳出をしているでしょうか。
図2-4には国と地方の純歳出の比率が描かれています。
防衛費,公債費,恩給費そして農林水産事業費では,国の歳出する部分が地方よりも大きくなっています。
国に対して地方政府の最も大きなものは,学校教育費で全体の87%です。
一般行政費,国土開発費では地方がそれぞれ84%,81%を歳出しています。
民生費とは社会福祉行政にかかわる費用ですが,これは国と地方が同じくらいの率で歳出しているとみてよいでしょう。
また地方政府の歳入のうちで,地方独自の歳入である地方税の額は図2−1から,約31兆円です。
これに対して国税の額はだいたい60兆円です。
一般会計の租税および印紙収入は58兆円ですが,これが国税の総額ではありません。
地方譲与税は国税として徴収される間接税のうちで地方に譲与される部分です。
したがって,国税は一般会計の租税および印紙収入に地方譲与税部分を加えたものになります。
こうして国税は60兆円となります。
税の収入においては中央政府が地方政府の約2倍の規模を持っていることになります。
一方,1989年の純歳出額のなかで中央政府は45兆円を,地方政府は71兆円を歳出しています。
地方は国のほぼ1.5倍の純歳出規模を持っています。
税収と純歳出の規模では,国と地方は逆転しています。
これを国民総支出に占める中央政府の支出と地方政府の支出とを比べて再確認してみましょう。
支出という用語については次節で説明します。
ここでは歳出と支出はちがうのだと思っていて下さい。
表2−2に国と地方の支出の国民総支出に占める割合を示しました。
表2−2から支出者としての地方政府は1989年には中央政府の3倍の大きさとなっています。
中央政府と地方政府における純歳出と税収との逆転現象は,最終支出において,より鮮明に観測できるわけです。
これは財政システムの特徴を物語っていて興味深い点です。
前節では国の一般会計と地方財政計画で政府の活動を見てきました。
これ以外に政府の活動をあらわすものがあります。
たとえば政府支出という用語もよく使われます。
マクロ経済学の教科書でも頻出します。
政府支出は政府消費と政府投資の合計と定義されます。
「消費」はある一定期間(具体的には1年間)に使われてなくなってしまうことを意味しています。
一方,「投資」は設備あるいは資源として翌年度以降に残されるものを意味しています。
たとえば瀬戸大橋の建設費は政府投資で,公務員への給与の支払いは政府消費,つまり労働サービスの消費となります。
政府支出をこのように定義すると,国債費や社会保障関係費は一般会計歳出の一部であっても,消費や投資には該当しません。
国債費や社会保障関係費は,むしろ,所得の移動(所得移転といいます)となります。
表2−3では表の左半分に政府支出の時間的推移を示してあります。
表2−3から政府支出は非常に安定的で,ほぼ17%程度であることがわかります。
もっとも石油ショックにつづく期間に一時的に20%に達する時期も見られますが,1980年代の後半では15%台になっているのは特徴的でしょう。
ここで,第1章図1−1で見た租税・税外負担の著しい増加を思い出して下さい。
表2−3を見ると,負担率の著しい増加の原因は政府支出の増加によるものではないことが判明します。
負担増の原因を捜すためには「一般政府」を考えなければなりません。
一般政府とは,独立の運営主体となっている公的企業(独立採算の公企業)を除いて,中央政府,地方政府,社会保障基金を総称するものです。
表2−3の右側には,一般政府の支払いの国民総支出に対する時間的推移が示されています。
政府支出とは対照的に,一般政府支払は,めさ”ましく増加しています。
1970年代前半には20%台であったのが,1980年代後半には30%を超えています。
1988年つまり昭和63年には国民総支出は372.5兆円ですから,それの34.8%=129兆円の一般政府の支払いがなされたわけです。
一般政府支払が10年間で国民総支出に対して10%も増加するのは,基本的な変化があることをうかがわせます。
表2−3を見ると政府支出は安定した数値ですから,増加をもたらした原因は,社会保障の支払いにあるわけです。
前章の図1-1で示された租税・税外負担の著しい増加も,租税負担増とあいまった社会保険料の負担増のためと考えられます。
財政における社会保障の位置は加速的に重大になるでしょう。
日本が高齢化の道を歩みつつあるからです。
そこで,政府がどの程度社会保障に関与しているかを見ておきましょう。
図2−2をみると,1990年度の一般会計歳出予算では,社会保障関係費に約11兆円か計上されています。
社会保障関係費のなかで,社会保険費は約7兆円(約63%)で一番大きな費目です。
社会保険費は,年金保険への補助,健康保険への補助とから成っています。
表2−4の社会保障関係費の時間的推移を観察すると,社会保障関係費の中で社会保険費がめさ”ましく増加しているのが読み取れます。
ただし,表中の社会保険費は保険給付の総額ではありません。
たとえば年金保険では,掛金があります。
掛金は公債の購入等で運用されて,各年度の年金給付をファイナンスします。
公的年金はいろいろな特別会計で経理されています。
社会保障の給付額は1988年には約37兆円に達しています。
また同年の国民総支出は372兆円ですから,社会保障給付は国民総支出の10%程度となっています。

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