電話 

2004年07月24日(土) 1時43分
夏合宿では、いつもみんなを引き締める鴨川会長がいない為に、夜は鷹村らを止める人物は誰もいない。つまり野放しという事だ。
そんなときにやり玉に挙げられるのは元いじめられっこの一歩になるのは容易に想像できるだろう。
「一歩よぅ、お前、本当に宮田の事が好きなんだな」
ふと、脈絡もなく青木がしみじみと言ってきた。
「す、好きだなんてそんな!ボクはただ純粋に宮田君の事が格好いいと思うだけで」
真っ赤になって目の前で手をぶんぶんと思いっきり振るがそれは全く意味を為していないというか、なっていないというか。
「いや、普通男が男をカッコイイとか言う時点でヤバいだろ」
男が男に格好いいと言って良いのは任侠の世界の人だけだ、と無駄に変なラインを引いて、青木は一歩の話を畳みかける。
「で、でも普通に思いませんか?宮田君って本当にそこにいるだけで目を惹いちゃうような」
「確かに女にはもてる風貌してるけどな〜…男には通用するかどうか…」
一歩も一応、反論を試みるが生来口べたな上に、宮田の話題になると余計に思考回路がショートしてしまうため、青木を納得させるほどの言い訳は出てこない。
「そんなぁ〜。それじゃ、ボクがホモだって言いたいんですか!」
ホモだと疑われる事は心外だ。自分には久美ちゃんという女の子を好きだという気持ちもちゃんと持っている。宮田が格好良すぎるから、そうなってしまうのであって、決してホモではないのだ。
「だってなぁ…」
しかし、周りにはそうは思われていないようで。
「どう見てもな…」
「木村さんまで…」
まだこの3人の中では比較的常識人だと思っていた木村まで、そんなことを言い始める。
木村まで言い始めてしまったのなら、常識と言う文字をその辞書にもっていないあの人はどうなってしまうのか。と思っているところにいきなり後頭部にラリアットが降ってきた。

電話2 

2004年07月25日(日) 0時42分
「一歩、お前がホモじゃないってなら、誰がホモだって言うんだよ!」
そのままコブラツイストがかけられて、為す術がない。完全に技が決まってしまっている。
「鷹村さん!!そんな!普通にいるじゃないですか!二丁目の人とか!」
必死に声を張り上げれば
「そんな話今しているんじゃねぇ!そんな事いったら二丁目の皆さんに失礼だろうが!!」
と余計に力を込められ、体に痛みが走った。
「理不尽な!!なんで皆さんはそうボクをホモに仕立て上げたいんですか!!」
「そんなもん決まっているじゃねぇか!単なる暇つぶしだ!!」
「暇つぶし・・・」
最低だと呟く一歩の声は見事に無視された。
「一歩、良いことを教えてやろうか。宮田もお前の事がまんざらではないらしいぞ」
カウントをとる青木の横で、にやにやと笑いながら木村がそんなことを言ってくる。
一歩に取っては寝耳に水のことで、現在技をかけられている痛みを忘れるほどの驚き様だった。その驚きの為に、木村のその笑みは何かをたくらんでいる笑みだと気が付くことも出来なかった。
「一歩。技を外して欲しくば宮田に電話しろ」
「は!?」
しかもいつの間にか鷹村と通じ合っているし。
こう言うときの3人の意気投合は凄まじい。今は感心している場合ではないという事は分かっているのだが、止められない。

電話3 

2004年07月25日(日) 0時46分
技は凄い。なんでこの技を開発したんだ猪木と、恨みたいが、今はそう言う場合でもない。
「そ、そんな…いたっいたたたた!じゃ、仮に電話した所で、ボクは何を言えばいいんですか!?」
今すぐ宮田に電話をしろと言われても、宮田との話題と言えばボクシングの話しかできない。
まだ技をかけられっぱなしのしょっぱい顔をしている一歩の隣で、木村が、ぼそっと一歩に耳打ちする。
「そりゃぁ…思いのたけをこう、ずばっとな」
「ずばっと…」
ずばっとと言われても。だから話すことが何もないというのに。
そんな一歩をまだ締めつつ鷹村が言い切った。
「告白しろ。告白」
命令形だ。しかも技をかけられている一歩には拒否権はない。
「ぇええええ!?だからボクは宮田くんの事は普通に格好いいと思うだけで、好きだなんてそんな!思った事もないですから!!」
一生懸命そんなことを言うが、3人には全く相手にされていない。
「木村!!宮田に電話しろ!!」
「実はもうしてあります」
「!?」
木村の手の中にある携帯の液晶のディスプレイに表示されているのは宮田一郎と書いてある。勿論すでに通話中だ。
「行けぇ、一歩!!」
そのまま鷹村にやっと解放されたかと思えばまた速攻、電話を突きつけられる。
そのまま切ろうかと思えば、3人の視線がいたい。
切ってしまえば、良いのだろうが、その後どのような報復にあうのか分からないので、結局一歩は携帯を手に取った。

電話4 

2004年07月26日(月) 22時58分
『一体何の用だ。幕の内』
電話越しとはいえ、直接耳に入ってくる声。
この声を聞くのは久しぶりだ。しかも滅多に聞かない自分の名前を聞けば、余計に緊張してきて、何を言えばいいのか分からない。
「み、みみ宮田くん!あの、その…」
ちらりと鷹村達の方を見れば、口でこーくはくっ、こーくはくっと調子を付けながら言っている。
そんな事無理だって言っているのに、拒否出来ない。
何時までも話そうとしない一歩に対して宮田は一つ溜息をつき。
『下らない用だったら切るぞ』
と言ってきた。
「わあぁあ!お願い待って、切らないで!!」
このまま何も話さずに切られるのはもったいない。
折角宮田と電話出来ていると言うのに。
もしかしたらこんな機会は一生訪れる事はないかもしれないのだ。
『だから何なんだ』
それでも溜息をつきつつまだ電話を切らない宮田は実は優しいのだという事を実感する。
そう言うところが格好いいのだと、一歩は思う。
勇気を持って一歩は言った。
「お、怒らないで、聞いてくれる?」
『内容による』
絶対切られる…。
しかしこれを言わないままには鷹村達にどんな仕打ちを受けるか分からない。
「ボク…ボクは…」
心臓の音が高鳴る。
好きという言葉一つ吐き出すのに、こんなに勇気がいるとは思わなかった。むしろこんな風に真剣に物事を考えるから行けないのかもしれない。普通に言えば良いんだ。
「ボくは!!宮田くんの事が好」
ブツッ、ツーツーツー。
非情な電子音が耳に響いた。

「切られちゃいました…」
一歩はしょっぱい顔をして鷹村達の方へ振り返った。
「フラれたか」
「フラレましたね」
「速攻切るとは宮田もやるもんだな」
元からその反応は予測出来たものだ。
しかし、聞いた後で何かしらの行動を起こして切るものだと思っていたのだが。
そのスピードといい判断能力はさすがにボクシングで鍛えたことだけある。

「……いいわけしなきゃ……このままでいいはずがない…」

すみませんでした…!! 

2004年07月27日(火) 1時23分
リンクフリーでないサイト様に勝手リンクしておりました。
これで十分失礼な事をしているのに、まだリンクの許可をもらいに行くだなんて恥知らずな子…!!と罵られても仕方ないものです。
生来人と関わるのが苦手だというか、このサイトは多くの方に知られるほどでもない。という思考ですので、極力人と関わる事はしておりませんが(しかし仲間は欲しくて一宮交流サイト様にカキコしてきた奴)それがこういう事態となってしまい…。
すみません…。どうしてもリンクしたかったのです…。

今更言っても(しかもここで)遅いのですが、それでも。
一宮憧れサイト様にリンクお願いしました。
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