荊棘忍法帖 

2010年07月07日(水) 20時54分
通り過ぎたのは 離脱の糸
悔やみ切れぬ儘 蠅になる

ばらばらに 離れた 精神と身体は
もう 見向かれぬ 伽藍芥

帰るな所など無い 浅き睡りさえ 嗚呼
生きてすら無い 深く刳る様に
絡み付くのは 荊棘の径よ

喋り過ぎたのは 紊す祝詩
酬われる程に 癈になる

粉々に 砕ける 心溶かすのは
そう 許されぬ 伽だけ

帰るな所など無い 浅き睡りさえ 嗚呼
生きてすら無い 深く刳る様に
絡み付くのは 荊棘の径よ

帰るな所など無い 其処に夢など無い
浅き睡りさえ 嗚呼
生きてすら無い 其れが只草の 相

救いなど無い 紅い夜にさえ 嗚呼
理由すらも無い 深く刳る様に
絡み付くのは 荊棘の径よ

 

2010年07月07日(水) 20時54分
骸 藪から棒に
骸 穢土から浄土
骸 躯は朽ちて
骸 蠅虫が「御馳走様」

骸 正直者も
骸 業突張りも
骸 孰れも終に
骸 畢りが待つ

なれど此の世はいけず也(衲)
生くるも死ぬも儘ならぬ(衲)
架空無稽の鐘の音に(膿)
諸行無常の響き無し

骸 死ぬるを忌みて
骸 死に遠ざかり
骸 死ぬるを忘れ
骸 生くるも忘る

骸 生くるは業
骸 死ぬるは渺
骸 何れも対に
骸 目指すは骸

なれど此の世はいけず也(衲)
生くるも死ぬも儘ならぬ(衲)
支離滅裂の鐘の音に(膿)
諸行無常の響き有り

産まれ生くるは 節理
伽や戯れに非ず
生きて死ぬるは 条理
人間の肆意は不要

赤子も 老入も
生くれば 死に逝く
野郎も 女郎も
死ぬれば 消え去る

然り乍ら ともすれば 舞い墜ちる

聖者も 愚拙も
生くれば 死に逝く
美童も 醜男も
死ぬれば 腐れ切る

然り乍ら ともすれば 舞い墜ちる
惟神 在りし世は 遠離る

産まれ生くるは 節理
伽や戯れに非ず
生きて死ぬるは 条理
人間の肆意は不要

我 生きて 塵に継ぐ
我 逝きて 散りぬる

魔王 

2010年07月07日(水) 20時54分
産まれ落ちた 鬼子は
遙か遠く 宙を睨める
有智に雑じる 邪道は
何故か惶懼 虚夢の如

栄え墾る 刻よ
萬壽を越えて
無期に 永らえ

剥がれ落ちた 箔沙
在るが儘に 子良をなぞる
無恥を詰る 霸道に
何時か参来 後楽の園

往き交う 雲よ
然らば 今 吼えて
唾棄に 諍え

深く 冥く 濁る
無彊の闇を
切り裂いて 躍れ
己の信義 辿りて

堅く 赤く 光る
究竟の濤を
振り放いて 興せ
行き着く前は 鬼か羅刹か

「現世に 生くること
泡沫の 如くなり
滅ぶこと 常なれば
事を成し 憂き世に花を」

大罪奴(罪) 傲然漢(傲)
憎悪喰らい(憎) 悪鬼羅漢(羅)
大英雄(雄) 豪胆漢(豪)
賛美の舞(舞)
第六天魔王 有りの紛い

栄え墾る 刻よ
萬壽を越えて
無期に 永らえ

深く 冥く 濁る
無彊の闇を
切り裂いて 跳れ
己の信義 辿りて

堅く 赤く 光る
究竟の濤を
振り放いて 興せ
還らぬ上は 鬼と成りて

不倶戴天 

2010年07月07日(水) 20時54分
天蓋屋が 舌の先
売り代の 算用に勤しむ
揚屋が 溢れ出し
ど外道が 為たりて 跳る

零れ落ちた 報せは 誰の許に 訃音齎す
後から 囀る輩 我が為倒す 屑

東西屋が 群を成し
亡骸を 躙りて冒す
三昧耶の 熱が醒め
下手人が 筵道 渡る

腐れ堕ちた 白沙は 上の下に 仇を戴く
彼処から 囀る輩 態とがましき 屑

罪! 罪! 罪!

零れ落ちた 報せは 誰の許に 訃音齎す
後から 囀る輩 恥と情を 知れ

ひょうすべ 

2010年07月07日(水) 20時53分
善かれ悪しかれ 骰子は放られて
疎い頭で 蝶や花ではないなりに

当たり前の 言の葉を
目映い程 赫かす まほろば

(ひょうひょう)
百遍云っても 見るにゃ勝らぬ
何遍振っても 為るにゃ敵わぬ
ひょんな 拍子に
ひょっくり嗤えば
鶴も 釣られて 月に飛ぶ

敢えて敢えなく ふらり振られて
又のお越しを
今日を限りじゃあるまいに

取り留めない 言の葉を
有り得ぬ程 棚引かす まほろば

(ひょうひょう)
天辺盗っても 此にゃ勝らぬ
満遍売っても 其れにゃ敵わぬ
ひょんな 拍子に
ひょっくり嗤えば
亀も 駆られて 勝ち急ぐ

鮮やかな 紅の
其の 魂で 飛んで征け

(ひょうひょう)
百遍云っても 見るにゃ勝らぬ
何遍振っても 為るにゃ敵わぬ
どんな 堅磐も
にっこり嗤えるて

(ひょうひょう)
天辺盗っても 此にゃ勝らぬ
満遍売っても 其れにゃ敵わぬ
そんな莫迦なと
にんまり嗤えば
虎も ころりと 猫に成る

覇道忍法帖 

2010年07月07日(水) 20時53分
夜空を 籠める 雲は
鬼が神 屠る 兆し
畏れと 憎しみに 満ちゆく
霸業の 道を

何処から出 何処へ征く
終焉の無い 此の行路
焉から出 其処へ征く
結びの無い 此の往路

聳える 猛き 山は
神が鬼 殖ふ 寝屋処
(神 神 神)
寝惚けた 寝穢き 餓鬼達を
蹴ゆりて 散らす

何処から出 何処へ征く
終焉の無い 此の行路
焉から出 其処へ征く
結びの無い 此の往路

擦れど 己が 旅路
夢幻と 虚無への 供物
忘れじ 語り部の 孫よ
伝えよ 鬼は 其と

何処から出 何処へ征く
終焉の無い 此の行路
焉から出 其処へ征く
結びの無い 此の往路

何処から出 何処へ征く
終焉の無い 此の行路
焉から出 其処へ征く
結びの無い 此の往路

嗚呼 遙か越えて
嗚呼 無愧を抱いて

接吻 

2010年07月07日(水) 20時53分
如何して 私に生まれた
如何して 貴方に生まれ 其処に居るの

焼け付く 貴方への想い 燃ゆ程 赤く濁る
其れは 固く 痼る 私の罪

どうか せめて 結ばれないのなら地獄まで
愛も 傷も 頬を伝う泪に変わる頃
溢れる吐息が 魔になる

斯うして 私が生まれた
斯うして 貴方も生まれ 此処に居る

凍て付く 貴方への想い 温めど 冥く澱む
其れは 固く 閉ざす 貴方の罰

何も 言わず 結ばれないのなら地獄まで
愛も 傷も 頬を伝う泪に変わる頃
溢れる吐息が 魔を喚ぶ

尽きせぬ 貴方への想い 忘らぬ 終の辞
其れは 歪み 歪む 私の性

どうか せめて 結ばれないのなら地獄まで
愛も 傷も 頬を伝う泪に変わるから

何も 要らぬ 酬われないのなら地獄まで
肉も 色も 許されない契りを嗤うだけ
魔の吐息で 嗚呼 接吻で

大頚 

2010年07月07日(水) 20時53分
樹雨のそば降る
霧らふ 森の中に
鉄漿染めを 塗した
黒き歯が 浮かぶ

垂髪 乱す
頚の他に 持たぬ
女は 滑滑
恋歌 口遊む

仄冥き其の歌に流るる 侘よ
其は 騙し絵の 如く

黄色い花娶り
赤い花を囲う
白い花を手折り
青い花を手籠む
嫡妻の糺問
のらりくらり躱す
堪り兼ねた末に
黄色い花は散る

泪を 流して
彷徨う 頚在らば
躯を 探して
流離う 折返し

黄色い花は散り
赤い花は逃げる
白い花に刺され
青は実は男
散ったはずの黄色
化けて出て云うには
然れど わっち矢張り
あんた無しじゃ居れぬ

何かを 無くして
呻吟ふ 頚在らば
貴方を 探して
漂う 女郎花

仄冥き 其の歌に流るる 侘よ
其は 騙し絵の 如く
惑い 募り 新に白く
此の寛に流るる 刻よ
其は 永久の 如く

羅刹 

2010年07月07日(水) 20時52分
寧悪なる貌形 闇に紛れて
怨み辛み纏いて立つ

静寂なる真秀ら場 酸鼻を極め
月の貌も朱に染まる

暴 憎 念
血達磨の族 呪いを込めて
烙印 押さるる鬼は

忘れじの追儺と紊る汚吏の流れ
聯亘の罪 連れを枕かれ
手くろもの相応の拷を以ち贖え
淵謀の荼毘 怨は絶えぬと

啓白する内憤 神に疎まれ
継ぎの吾子も呆気に縊れる
暴 憎 念
火達磨の族 救い求めて
経絡 突かるる餓鬼は

忘れじの追儺と紊る汚吏の流れ
聯亘の罪 連れを枕かれ
手くろもの相応の拷を以ち贖え
淵謀の荼毘 怨は絶えぬと

暴 憎 念
茹だる魔の嬰児 挿げる鬼殿
脈々 続く蛇道は

忘れじの追儺と紊る汚吏の流れ
聯亘の罪 連れを枕かれ
手くろもの相応の拷を以ち贖え
淵謀の荼毘 怨は絶えぬと

朧車 

2010年07月07日(水) 20時52分
青ざめた水面に映る月が
朧気に揺蕩い乍ら

浮雲の如き空蝉の身は
漫ろはし想いを手操る

彼方に目掛けた 虚ろな詞に
灰と塵を浮かべて
無明の明日へと 遍く全てを
抱き締めて 舞い上がる

風よ 空よ
未だ見ぬ異郷に聳える彼の闇を
突き抜けて行け

彼方に目掛けた 虚ろな詞に
灰と塵を浮かべて
無明の明日へと 遍く全てを
抱き締めて 舞い上がる

風よ 空よ
未だ見ぬ異郷に聳える彼の闇を
突き抜けて行け

雨よ 雲よ
何時の日か此処で朽ち果て消えゆるとも
躊躇いはせぬと

P R
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