ろ:ろくな男じゃありません NO.2 

April 08 [Sun], 2007, 16:43
 
 【ろくな男じゃありません】の続きです。一件下からお読みください。

 「うーん。いいねえ。この何ともいえないダメさが」
 美術館の館長は満足げに頷いて見せた。その隣にいた男が照れくさそうに微笑んだ。
 二人の視線の先に、額縁に入った二枚の油絵があった。大笑いでふんぞり返った、お坊ちゃんと、仮面を被ることを忘れていた泥棒の絵である。顔に当てられたスポットライトの明かりで、泥棒の頼りない顔もばっちりだ。
「駄作をもう一枚描いてしまうとは、いやはや私もろくな奴じゃありませんな。ところで館長さん。次は自画像にでも挑戦しようかと思うのですか……」
 館長の横にいた画家は自分の描いた絵を愛しそうに眺めると、また新たな芸術の筆を取りに掛かった。

   END

  ☆   ☆   ☆
 短編って結構楽しいです。今は中編をやっているのですが、登場人物の設定とか話の流れが難しくて、中々スムーズにはいけません。それでも一つ完成させました!短編のほうも進めていきたいと思います;更新遅くてごめんなさい

ろ:ろくな男じゃありません 

April 08 [Sun], 2007, 16:31
 
 かなり更新遅れてしまいました。ちょっとのんびりが過ぎました(汗
 今のところ、お題ではない長編のほうも考えているので、短編のほう疎かになりそうです。

 闇夜に溶け込む黒いマントに、それとは正反対に黒に浮かぶ青白い仮面。それのおかげで、美術館は大騒ぎだった。今、世を騒がしている大泥棒が、絵を盗みに来るらしい。駄作だと呼ばれた画家の絵であり、駄作といっても価値はある。時価一億である。美術館にはもっと値の張るいいものがあるのだが、駄作を盗むなんて風変わりな泥棒だ。
「泥棒何てなあ、コソコソして人様の物盗むなんざ」
そう言って刑事は、今夜盗まれるであろう絵を見上げて、そりたてのヒゲをじょりじょりさそった。
「ろくな男じゃありませんね」
隣に立っていた巡査は敬礼とともに肩をすくめた。
正義に逆らうなんて、男のやる事じゃない。彼らはそう考えている。

もう夜の零時をまわっただろうか。犯行予告が発表されてから5ヶ月が経ったある夜のことだった。結局、犯行予告は予告で終わり、示した日時に泥棒が現われることはなかった。きたない男だ。警備が緩んでいるであろうこの頃を狙って泥棒は美術館に潜入した。それなら、最初から犯行予告など不要。否、大泥棒には必須アイテムなのだ。ただ、この泥棒は目立ちたがりやで臆病者なのである。
泥棒は興奮気味に絵に近寄った。周りに人の気配は感じない。絵の取り外しに掛かる前に、泥棒はふと手を止め絵を見つめる。「お坊ちゃん」とタイトルのついた絵は、言葉にあるそのままを描いた作品だ。右手に赤ワインのボトルと、左手に美女を、そんな大笑いしてふんぞり返った男が描かれていた。
「ダメ男だ。ろくな奴じゃねえ」
 含み笑いをしながら、男はそう呟いた。
 スリルがあってこその、男の一生。安全な場所でぬくぬくと金を使うなんて、男のやる事じゃない。彼はそう考えている。

   NEKT

い 異人館で逢いましょう NO.2 

October 29 [Sun], 2006, 15:26
 【異人館で逢いましょう】の続きです。一件下からお読み下さい。

「よしといたら?」
 私が男に近づこうとすると、野良はそう言って私を引き留めた。なぜだかわからないけど、悲しそうに「にゃあ」と一声鳴いて。
「すいません」
 2回目の呼びかけが聞こえて、私は野良に眉を上げてみせた。少しイタズラしてやろうかと、私はすました顔をして男の目の前に立った。
 霊感に乏しい人間には、私の姿は見えないはず。なのに、気づいたときには、私は男と目を合わせていた。男は微笑んだ。
「よかった。まだいたんだね!もしかしてとは思ったけど……数十年もずっと……。
 ああ、もう日が昇ってしまう。いくら僕でも、太陽の光がさせば君の姿は見えない」
 もう太陽は頭の端っこを民家の屋根から除かせている。男が見える私はもう輪郭がわかる程度に違いない。
「あなた、どなた?」
 かすれた声でそれだけやっと言った。男は一瞬悲しそうな表情を見せたけれど、それを隠すようにすぐ愛想のよい微笑みに戻った。
「あなたの旧友です。もし良かったら、明日の日がおちる時刻、またお会いしましょう」
 男が言い終えたときには、太陽が館を朝靄の中、くっきり浮かびあがらせた。男の視線が私ではなく、その後ろの無造作に生えた雑草に移るのが、わかった。
 そして男は静かに踵をかえした。朝日は彼を別世界に招くようにきらきら輝いていた。太陽の光に照らされた私の声は、彼に聞こえることはない。
 何故こんなタイミングで?もう少しはやい時刻に来てくれれば、もっと話ができたのに。それ以前に、生まれ変わった後だなんて。
 ずっと忘れていた。私が友達だと言ったもの。背を向けられ軽くあしらわれたのを、今、はっきり思い出した。今更会いに来るなんて、なんて気ままな猫だろう。
 私がふと一息ついたときだった。ふわりと身体が軽くなった。死んだときよりも、ずっと、ずっと……。未練が果たせたのだ。自分の意志でここにいることができなくなった、ということだ。
 最後に野良に見守られながら、私はすっと空気にとけこんだ。

 次の日、三日月の夜の下、異人館のさびれた門の前に、黒ずくめの変人が、立っているだろうか。
                   
                 ・END・ 
     *   *   *
 意味不です。はい。ごめんなさい;
詳しく言っておくと、「私」というのは異人館の昔の持ち主の娘で、15歳に病で死んでから、ずっと現代まで幽霊になって居続けた子で、「黒ずくめの男」というのは、その子がむかし飼っていた猫の生まれ変わり、というわけです。
 もっと意味わかんなくなりました(死

い 異人館で逢いましょう 

October 29 [Sun], 2006, 15:21
明治25年、私は父の仕事の都合により、こちらに引っ越すこととなった。その時は立派だった白壁も、綺麗な花があふれていた庭も、今はくすんだ景色に変わった。
 異人館、もとい私の家は無人だった。幽霊の私を除けば。
 父も母も使用人もぺっとの猫も、この世を惜しむことなく他界した。齢15歳にして病で死んだ私にとっては、未練が強すぎて、とてもそんなこことはできず、西暦が換わった現代でも、まだこの館を離れずにいる。
 問題は、生前友達がいなかったこと。生まれつき病気持ちで、外に出る機会が無かったのが原因だろう。そのため、毎日を部屋でペットの猫と遊んで過ごした。だけど、猫はどうも飽きっぽい性格で、特に私のペットはクールに思えた。それも、球を投げてやっても数回つっついただけですぐにそっぽを向いてしまうからである。猫にも興味を持ってもらえなかった私に、外に出たところで果たして人間の友達など、できただろうか。
「そんなこと気にすんな。あんたと同じ悩みを抱えている幽霊はわんさといるんだから」
 いつもここの庭を通り道につかう野良猫はそう言った。今夜は少しばかりそわそわとしっぽを動かして「何か来るぞ」と鼻をひくつかせている。一体こんな古ぼけた異人館に猫以外の何者が来るというのだろうか、と呆れたときだった。
「すいません」 
 門のほうからたしかにそう聞こえた。門の前には、ひょろりと背の高い黒ずくめの男が立っていた。無人の館をたずねたのは、ほかならぬ、変人だ。もう午前4時をとっくにまわっているというのに。酔っぱらいだろうか。

              ・NEXT・
 

短編書きたいと思います 

October 25 [Wed], 2006, 19:36
 ゆっくり消化していきたいと思ってます。題サイト様は横→のリンクからどうぞ。

創り手さんにいろはのお題

い 異人館で逢いましょう        ろ ろくな男じゃありません
は パラボラアンテナ危機一髪     に 二枚目と三枚目
ほ ほう、それが正体か         へ 変人は誰だ
と 取り返しのつかない失態      ち ちらちらと瞬くひかり
り 理由はたったひとつだけ       ぬ ぬしは逃げた
る ルパートさん出番です        を ヲトメゴコロ
わ 罠の数は35             か 枯れない花
よ 夜を盗みにくる男           た ただの婆さん
れ レタスとキャベツとマヨネーズ
そ その他の人々             つ 吊り橋のまんなかで
ね 値切るつもりじゃなかったのに   な 涙を舐める
ら ラストバトル2060
む 無の境地はどこにある        う うるさい人形
ゐ イミテーションはどっち        の のめりこみ症候群
お 面白いわけがない          く 車が一台足りません
や 山の中に男がひとり
ま 真似ばかりしないでくれる?    け 消し炭で作られた塔
ふ 踏まれた猫の物語          こ こわいかもしれない
え えげつないよ
て テキーラは夜に呑め         あ 明日になれば、すべて
さ 冷めないうちに召し上がれ     き 君は頭が悪いのか?
ゆ 許された罪のかたち         め 面倒だよね
み 見たね?               し 指名手配の裏側に
ゑ エスケープの合図を送れ      ひ 暇を下さい三分ばかり
も もしもの話               せ 台詞忘れた!
す すみませんでした

影のお話 

October 21 [Sat], 2006, 17:49
 手始めに詩なんか載せてみようと思います。
OFF友とやっている交換日記の使い回しですが

  ☆  ★  ☆  ★ 

 朝は久々の豪雨に打たれ、僕はぼこぼ穴をあけた。
 
 それでも、呆れるぐらい必死に君の後を追いかける。

 昼は君のまるまった背で昼寝をして、

 夕方には、沈む太陽とたたずむ君を背に、僕もふと足を止める。

 それから僕は背伸びをして、太陽と一緒に、すうっと暗闇に溶け込んだ。

 君はちょっぴり残念そうに、だけど後ろに目もくれず、

 歩き出す。

 闇が明けたら、また会おう。

ブログはじめました!! 

October 21 [Sat], 2006, 15:49
 やりたいなあと前から思ってはいたのですが、なかなか時間がとれず後回しに↓
日記というか、主に詩や小説を載せていきたいと思っています。更新はのんびり気長にやっていきます^^
2007年04月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
最新コメント
アイコン画像猶鬼
» ブログはじめました!! (2006年12月31日)
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:蒼赤
  • アイコン画像 性別:女性
  • アイコン画像 誕生日:1992年
  • アイコン画像 職業:小中高生
読者になる
Yapme!一覧
読者になる