鉢きり妖パロ小話

November 04 [Mon], 2013, 23:59
支部の年賀状企画の希望者がぼちぼち集まりましたので、手をつける前にちょっと鉢きり小話でもv
妖パロですけどwそして最後は双忍きりでw




黄昏横丁。
それは妖が住む世界にあり、居酒屋等の店が軒を連ねいつも賑やかな場所。
その居酒屋激戦区とも言われる場所に、きり丸が開く店があった。
元々育ての親兼元教師でもあった土井の家を勝手に改築し、屋台を合体させたような居酒屋はきり丸の働きと他の人を惹きつけるスキルのおかげで大繁盛。
その常連には名の通った大物がいるほどだった。

「もうすぐ今年も終わるなー……年末年始も宅配おせちとかで忙しくなるからな。今のうちに色々、確保しておかないと」

昼間、きり丸は料理の仕込みや食材の予約も兼ねて商店街へ買出しに来ていた。
いつも世話になっている八百屋から魚市場まで駈けずり回り、一通り済ませると甘味処の多い通りに向かい始めた。

「さすがにこれだけ回ったら疲れたな…。この間勘右衛門さんから貰った割引券でなんか甘いものでも……」

グルメ雑誌のコーナーを担当している勘右衛門は常連の客で、よくきり丸にお得な割引券をくれるのだ。
あまり利用することはないのだが、貰っておいて使わないのも勿体無いし何より申し訳なさも感じ、きり丸は一番安くなる店を探して辺りを見回した。
そして一本裏の通りに入ればそこは雰囲気の良い静かな通り。
甘いいい匂いや香ばしいしょうゆの香りが漂う中、目的の店を見つけた。

「あ、ここだ。ここの豆大福が美味しいって言ってたんだよなー……」

この間話してくれた内容を思い出し、店へ入ろうと一歩踏み出したその時だった。
フワッとした風がきり丸を包み『何?』と思って見上げた瞬間、白い布が視界を遮る。
身体はヒョイッと宙に浮き、身構えていなかったきり丸の足から下駄が脱げ落ちてしまった。
再び視界が戻るとそこには見慣れた顔が。

「え、あ、何かと思ったら三郎さん!?」

「やぁきり丸。ようやく捕まえた」

「いや、捕まえたって…お、おろしてください!」

「それはダメだ。やっと捕まえたのに…このまま社に連れて行く」

「え!?いきなり何言い出すんですか!?僕まだ帰って仕込みが…」

「それなら私が手伝うから。任せておけ!それに話が終わったらすぐに返すから…まぁ、そのままきり丸の店で飲むんだけど」


ジタバタとするきり丸だったが三郎が術を使い宙に浮くと落ちないようにとしがみついた。

「きり丸軽いな。料理するばかりでちゃんと食べないとダメだぞ?」

「食べてますよ。全く、今日はお仕事じゃないんですか?」

「今日はもうお役目はなかったから。こんな事滅多にないと思って雷蔵と一緒ににきり丸とお茶をしようって決めたんだ。それに年末年始の事お願いしたかったしな」

「んー…まぁ、ちょうどお茶しようと思ってたし…年末年始って事は御節の注文ですよね?」

「そうそう」

ちゃんと話してみればタダでお茶とお菓子が頂けて、さらに仕事ももらえる。
きり丸にとってはお得な話だ。
さっきまで無理矢理連れ去られる形でブスッとしていたきり丸だったが、話の内容でご機嫌モードに変わった。

「こうして抱っこするとわかるが、きり丸はまだまだ子猫なんだな」

「子猫って言わないで下さい。そりゃ皆さんほど長くは生きてないけど……もう40年になるところなんスから」

「それでも子猫さ。こんなに小さくて可愛いんだから」

「ち、小さいも可愛いもあんまり褒められた気がしないですっ」

そういいながらも顔を赤くするきり丸が可愛くてたまらない三郎は、さらに強く抱きしめた。

「そんなにしなくても落ちませんからっ」

勘違いしたのかごまかしたいのか。
小さく抵抗するように腕の中で動くきり丸。
それすらも子猫の仕草にしか感じられない三郎は、社に着くまでずっと『可愛いなー』と呟いていた。

そして社につきようやく下ろしてもらえたきり丸は、突然三郎の尻尾を一つぎゅっと抱きしめた。

「き、きり丸?」

「さっき沢山ぎゅうぎゅうしてきたからお返しです。……モフモフっすね、相変わらず」

きり丸は三郎と雷蔵のフワフワに柔らかい尻尾が大好きだった。
一緒に時間を過ごす時にはよくじゃれる様に抱きついてきたのだが……。

(これは何というか……デレ?)

きり丸自身が複雑な過去を持ち、愛情表現というものが上手く出来ないところがある。
どうやって相手に気持ちを伝えればいいのか。
特に『好き』という感情に関しては難しいと感じているらしく、甘える方法も探り探りなのだ。
最近はようやくそういった場面が見られるようになってきたと、三郎も感じてはいた。

今回のソレはまた、きり丸にとっての一歩なのだろう。

そう解釈する事にした。



信頼できる人の温もりを感じる事で、きり丸は安堵感を得ている。
それをきり丸は真似して返したかったのだ。
でもいきなり抱きつくのも恥ずかしかったので、尻尾に抱きつくことにした。

そんな気持ちを悟るかのように、三郎はきり丸の小さな手をぎゅっと握り締めた。

「!三郎さん?」

「年が明けたら御節持ってきたときにちょっとだけ酌してくれないか?1日なんて我侭は言わないから」

「三郎さん………。…まぁ、初詣も兼ねて一番最初に来ますから。だからちょっとだけなら……そ、その代わり高いッスよ?」

「えー、まけてくれよー」

冗談を言い合っていたが、きり丸が言ったことはきっと照れ隠しだとわかっていた。
きり丸だって本気じゃない。
一緒にまた過ごしてくれる事が嬉しいのだ。

干支にいつも選ばれる他の皆は宴に参加しなければならない。
でも猫又のきり丸には関係の無い事。
だがそれはお狐である三郎も同じだった。
年末に神様を宴へ送った後は、それが終わり迎えに呼ばれるまでは社に篭る。

それならきり丸と一緒にすごしたいと思った。

勿論、雷蔵も含めて3人で。


「おかえり三郎。いらっしゃいきり丸。あれ?どうしたのそんなにひっついて」

「ただいまー。ん、ちょっとな」

「お邪魔します。えっと、これは……お礼です!年始の事聞いて…また一緒にって」

「あぁ、話したんだ!そう。きり丸また宜しくね?」

「はい!こちらこそ、ありがとうございます!」

「じゃあお茶にしようぜ」

「三郎はきり丸にいっぱい甘えられたんだから、仕込み先にしてあげてきて。きり丸行こうか?」

「はい!」

「えー!!ちょっ…はぶっ……くそー…こうなったらちゃっちゃと終わらせるぞ!」

こうして三郎が仕込みをする中、きり丸は雷蔵の尻尾に包まれつつ楽しいお茶会を過ごしましたとさ。

「いや、めでたしめでたしじゃないからな?私もいるからな?」




終。



纏まりきれなくてすいません!
いつもの突発ネタでした><
年賀状ガリガリしまするぞ!!
P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:巳影
読者になる
2013年11月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
アイコン画像巳影
» 久々の!! (2013年07月31日)
アイコン画像やさし
» 久々の!! (2013年07月31日)
ヤプミー!一覧
読者になる