18歳のころ(1) 

December 04 [Fri], 2009, 23:44

18歳、高校3年生、冬。

このころの私は、専門学校に進路を決めて、受験生だった。
その傍ら、受験のギリギリまでアルバイトを続けていた。



高校3年の春、2年間バイトしていた某ファーストフード店をクビになって。
その後、同じクラスの女の子からの紹介で、レストランのウエイトレスのバイトをしていたのだけれど。

社員やパートのお姉さま方と居る時間は、とても楽しくて。

厨房のコックさんには、とてもカッコイイチーフ(当時38歳くらいだったかなぁ。おじさん?)も居て、『憧れ』ていて。
話しかけてくれると、舞い上がって。ドキドキして。
「チーフカッコイイ!チーフの愛人になりたい(笑)」とか言ってみたりして。

優しいお父さんみたいな、店長も居て。
父親が居なかった私は、その優しさにも、また、ときどき、ドキドキしてみたり。



そんな居心地の良いバイト先だったから、働くのも楽しくて。
真冬の、受験ぎりぎりになるまで、働いていたの。


ある時、バイトが終わって夜9時。
バス停で、帰りのバスを待つ私。
その夜は大雪が降っていて、待っても待ってもなかなかバスが来なくて。

店長に、電話した。


前にも、一度送ってもらったことがあって。
店長は、嫌な顔ひとつせず
「よく、社長も、アルバイトの子送って帰ってたから」と、自分の家とは正反対の私の家まで送ってくれた。

その日も、快く、家まで送ってくれて。


良い人だな、と
この、チーフに対してとは違ったドキドキした感じは。
恋なのか、それとも父親像と重ねているのか・・・

自分よりも15歳も年上の、店長のことを。




そして、私は無事に専門学校に合格して。

「合格祝い」と称して、バイトの後、店長にご飯をご馳走になる約束をして。



食事の後、家まで車で送ってもらって、家に帰るはずが
そのまま家の前に車を停めて、何故か恋愛話をしたり、仕事の話をしたり。

助手席の私の右手に、運転席から左手が重なって。

凄く、戸惑って。ドキドキして。



二人だけの、秘密が出来てしまったことに
【トクベツ】な感じがして。

店長の、何事もなかったかのような
「今日は?送っていくかい?」の問いかけに
少しだけ戸惑う私に

――「社長もそうしてたから、遠慮しなくていいんだよ」
必ず、その一言を付け加えて。

なんだか、もやもやして。



その”答え”が知りたくて。
「・・・はい」と。

少し遠慮がちに、助手席のドアを開ける私が居た。

17歳のころ(6) 

December 04 [Fri], 2009, 23:16
寒い北国の短い夏の終わりと、K君との別れ。
ぽっかりと、心に大きな穴が空いたみたいで。

Y君の時と同じ
「もう、しばらく恋はいいや」
そう思った。

恋愛って、それだけエネルギーを注ぐものなんだ。
それだけ、夢中に恋していたってことなんだ。
――全力で、すきだった。


木々の葉はだんだん深みを増し
この頃は、学校に行くバスを待つ時間も、肌に当たる風がひんやりと感じるようになった。


ちょうど、この時期だった。
1年前、Y君と急接近したのは。
まだ、1年しか経っていない。
だけど、もう1年も経ったんだね。

そう思わせてくれたのは、K君との時間があったからだよ。



到底、K君のことは嫌いになれそうにない。
いまさら、元に戻れるなんて・・・
だけど、願う私がいる。



新しい恋はお休み。


並んで通った自転車での辛い坂道、は
バスでの通学になり

授業中のメールチェック、は
携帯ゲームに変わり

放課後のデート、は
友達との恋バナ。

休みの日の予定、は
次の月まで空白。
アルバイトの休み希望も「無し」



だけど、不思議と、寂しさは大きくなることは無かった。

新たな友達が出来たり

進路を真剣に悩み始めたり



時間は足早に過ぎていき
気がつくと、高校最後の年になって。

あっという間に、高校生活も終わりを迎えようとしていた。

17歳のころ(5) 

June 26 [Fri], 2009, 0:17
「ねぇ、W子聞いて・・・昨日ね、K君にコクられたさ・・・」
嬉しそうに言うはずの言葉。
だけど、今の私はとても動揺していて、語尾が震えて小さくなっている。


「それで、返事は?」W子が聞いてくる。

私は黙ったままだ。

「え、まだ返事してないの?好きなんでしょ?」

私はきっと今凄く困った顔をしている。
「うん・・・たぶん、好きなんだと思う。だけど、いいのかなぁ」

「何が?」

「まだY君のことも忘れられてないし、比べちゃうと思う。K君の言葉も本当かなって疑っちゃう。本当に好きかどうかも私自身はっきりしてない」

W子は言う。
「本当に好きかどうかなんて、今分からなくてもいいじゃん。けど、少しでもKのこと良いなって思ってるんでしょ?だったら付き合ってみたら?」

「それに、」
W子は続ける。
「返事、待ってると思うよ。あんまり遅いと、断られたと思っちゃうかも」


それは、嫌だ。

・・・・ん?嫌?
ってことは、やっぱり好きなんじゃない。
K君が離れていくのは嫌なんでしょ?

自問自答してみる。




そして、告白から一夜明けたその日。
学校から家に帰って
半日返せずにいたメールを開き、K君にメールを打った。


>>昨日の返事。 すぐに答えが出なくてごめんなさい。
考えたけれど、
私も、K君が好きです。
私でよければ付き合ってください。


ドキドキしながら送信ボタンを押す。
そして、返信を待つ。
まだ、間に合うかな?間に合ったかな?


――返信がない。
いつもなら、すぐに返事が来るのに。



22:00過ぎ、ようやく返信が届いた。

>>ごめん、バイトだった。今メール見た。
マジで??
もう、ダメかと思ってた。
こっちこそ、俺でいいの?
改めて、よろしくお願いしますm(__)m




こうして、K君とのお付き合いが始まった。


一緒に、自転車で登下校したり
時にはK君の自転車の後ろにつかまって2ケツして帰ったり。

K君のクラスで噂になって、知らない男子たちがうちのクラスにぞろぞろと来た時は本当に焦った。

まさか、K君にとって私が初めての彼女だなんて、驚いたよ。
一緒に夏祭りに行ったり、アイスを食べに行ったり
プリクラを撮ったり、一緒に服を選びに行ったり
毎日毎日、濃い1日を過ごしていたね。

親には内緒で、初めてのお泊まり。
お互いに初めて同士のH。
最後までは出来なかったけど、心は一つになった気がした。

(それと、これは今だから言えるけど、初めて見たAVが無修正だったのは衝撃的だった・・・笑)


けれど、幸せな日比は長くは続かず。
つまらない意地の張り合いから、一方的に別れを告げられ。


電話口で「泣いてるべ?」と言われ
「ううん、大丈夫・・・ごめんね」
と、分かりきった嘘をついた。

Y君の時とはまた違った、だけど辛い別れだった。
凄く、好きだった。

17歳のころ(4) 

June 25 [Thu], 2009, 23:58
K君の真剣なまなざし。

「え・・・」
本当に突然の出来事に、言葉が出ない。

「付き合って」
K君が頭を下げている。
それも、私の部屋で。

本当に予想外だよ。
なに、この展開。


K君が、私に、付き合って・・・?
うまく頭の中で変換できない。

「え、え・・・?」


窓の外から、雨の音が聞こえる。
だんだんとその音は強さを増している。

私の目線の先にはK君のまなざし。
少し見上げると、時計が動いている。
20:40

「あ・・・バス・・・」
かろうじて出てきた言葉がそれだった。

K君はいつにも増して冷静な声で言う。
「ああ、大丈夫。いざとなったらタクシーでも歩いてでも帰るから」
その声が、冷たくも感じる。

「私・・・え、どうしよう」

「どうしようって俺に言われても」

時計は20:45


「じゃあ、行くわ。考えて」
透明なビニール傘を差して、K君は雨の中一度も後ろを振り向かずに、我が家を後にした。


なんだか、とても寂しくて。
「いかないで」
と、引き留めたくて。

きっと、私K君のことが好き。

だけど、何か引っかかって、踏み込めない。

だってまだ遊んだのは2回め。
だってメールしてまだ1か月。
だって・・・本当に本気なの?

これまで何年も何年もY君のことを好きだった私には、こんな短期間で人を好きになる感覚が信じられなかった。
自分の感情ですら、何か間違いじゃないのかなと思っていた。
けれど、K君が言ってくれたこと、頭まで下げてくれたこと、これは夢でも嘘でもないんだ・・・


K君がいなくなった部屋で、そんなことを考えていると
メールが届いた。

>>バスに乗って、無事に家に着きました。誰も乗ってなかった(笑)


ほっとする気持ちと、そんな短文に寂しさもあり
その日はK君へメールの返信も出来ず、眠りについた。

17歳のころ(3) 

June 25 [Thu], 2009, 23:19
翌日、月曜日。
教室に入ると、同じクラスのナナちゃんが大きな目をさらに大きくして、近づいてきた。

「ね〜え、まみ。ナナに隠してることあるでしょ?」
身に覚えのない私は、ううん。と首を振る。

「い〜や、ナナは知ってるんだからね。見ちゃった、昨日・・・K君と映画館に居たでしょ」

体じゅうから汗が噴き出そうになる。
「えーーー!ちょっと、ナナこっち来て!」
ナナを教室の後ろ側、窓側の方に引っ張っていく。

カーテンに身を隠して、ひそひそと耳打ちする。
「な、なんで知ってるの!!居たの?」

ナナはにやにやと笑みを浮かべている。
「なんで教えてくれないの〜?付き合ってるんでしょっ」

「ち、ちがっ!そんなんじゃないし!」

「まみもそろそろ新しい恋してもいいんじゃない?K君いい人だし。ナナは応援してるから!また話聞かせてね〜」

「ちょっと、待って!ナナ、他の人に内緒ね!!!」
ナナは仲良しグループの輪に入っていった。


席について、K君にメールを打つ。

>>昨日のこと、ナナにばれてたさぁ。同じ時間に映画見てたらしぃょ(゜o゜)
びっくりしたぁ・・・


すぐに返信が来る。

>>俺も、朝イチで聞かれた↓↓ しかもほかの奴に言いふらしたっぽい(-_-メ)


すかさず返信する。

>>ぅーん、こっちはそれはなぃけど・・・
だけど、別に隠すことじゃなぃし、私はぃぃよ。




そうして
「また今度」がやってきた。

映画の10日後。
今度は学校帰り、制服でうちの近くのカラオケボックスに2人で来たのだった。


K君はHY、ガガガSP 、オレンジレンジ
私はELT、ちょっと頑張って流行りの曲も歌った。

K君は隣に座っているけれど、2人の間には少し距離がある。
だけど、この距離がもどかしくて心地よい。

いつかの時と同じ空間。
一緒に居る相手が違うだけで、こんなに居心地が良いなんて。


カラオケの帰り道、すっかり外は暗くなっていた。
しかも、雨。
我が家はママがちょうど仕事で留守。
「傘貸すよ!ちょっとうちに上がってく?」

全く、予定外。


部屋はそんなに綺麗じゃないし、でもそんなこと言ってられない。
時間もそんなにあるわけじゃない。

予定のバス時刻まで、あと20分も無い。



真四角の白いテーブルの上に、お菓子とお茶。
私とY君は向かい合わせに座っている。




沈黙・・・



なんか嫌、この雰囲気。
何か話さなきゃ、と言葉を探す。

けれど、K君が真剣な顔と目が合ってしまう。


また、しばらくの沈黙・・・



K君が沈黙を破った。


「突然だけど、




好きなんだ。俺と付き合ってください」


P R
プロフィール
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  • アイコン画像 ニックネーム:mami
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    ・恋愛-初恋から今まで*
    ・ファッション
    ・読書
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22歳 これまでの出会いと別れを小説風に綴っています。

懐かしさや共感できるような、そんな空想のようで現実の話。
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