Rainy season color〜梅雨色篇:壱ノ壱〜 

2007年04月05日(木) 14時43分
━雨の時期には紫陽花が咲く様に……━



梅雨の時期のジメジメした空気が嫌い。
大切にしている髪が湿気を吸って膨脹するから。
教室の窓の外で降り続く雨にうんざりしながらも、先生の話しに耳を傾ける。
前の席は桂。
いつもの様に寝ている。
嫌いな授業の場合たいてい寝てる。
羨ましさも感じながらも、その子供っぽさに惹かれていく私……。
『起きなさい桂!
退屈だよ、雨って憂鬱な気持ちになる。
寝てたって雷に言いつけちゃうぞ★
砂紅羅 』
私は意地悪にも、寝ている桂にメールを送った。
桂の体から携帯のバイブ音が聞こえた。
學校ではマナーモードな為にバイブ音が聞こえてくる。
メールに気付いた桂は起き、制服から携帯を出した。
メールを見た桂はちらりと後ろを向き、また前へ戻った。
桂からメールが返信されてきた。
『雷だけには言わないで(T-T)
姫、ごめんなさいm(__)m
桂 』
顔文字入りのメールにくすりと笑ってしまった。
桂のメールは女の子らしいので好きで、メモリーカードに保存してしまう。
桂にメールを返信した。
『冗談だよ★
雷には言わないから、今日一緒にお祖父 ちゃんの車で帰ろう。
パパが話しがあるから来てねって言って
たよ。
砂紅羅 』
パパの話しは婿に来る人にしかしないって言ってたけど……。
候補が三人いるので、三人に話すんだろうなって想像は出来る。
桂から返事がきた。
『わかりました。
予定を消して、姫と帰宅するね★
姫も真面目に授業受けて。
雨が降っていても、姫は雨に負けない
くらい綺麗だよ。
桂   』
奥手と言いながら、桂なりにアピールしてくる。
思わず最後の一文だけで私はやられてしまった。心に深く刻まれていく、桂の言葉……。
このメールを見た後は、桂にメールの返事を返せなくなった。




━深く心に刻まれていく貴方の愛の言葉……━




放課後になり帰宅の準備をするクラスメイト達の中、私は雨降る窓の外の景色をぼんやりと眺めていた。
クラスメイトの話し声が聞こえない程、自分の心の中の世界に浸っていた。
(姫……姫、帰るよ)
誰かが話しかけてくる。
「姫、帰るよ」
紛れも無く桂の声だった。
我に返った私は、目の前にいる桂が笑顔で待っていた。
「砂紅羅独り言言ってた?」
「言ってないよ、俺ずっと姫の顔眺めてた」
良かったと安堵しながら、眺めていたという言葉に引っ掛かった。
「眺めてた……どれくらい?」
「20分くらいかな」
20分間も私はぼんやりしていたの。
私は一瞬我を忘れそうになった。
それでも表情は崩さずにいた。
「砂紅羅どんな顔してた?」
「姫は綺麗な顔して、ずっと窓の方を見ていたよ」
恥ずかしさを隠しつつ帰宅の準備をしよう、と鞄に手をのばしたらなかった。
よく見たら桂の机の上に私の鞄と桂の鞄、二つ置いてあった。
「姫の俺がしておいた、あとは総一おじいちゃんを呼ぶだけだよ」
「あ、有難う……」
目が点になりながらもお祖父ちゃんに連絡をいれた。
お祖父ちゃんが来るまでカフェテラスでお茶をしてのんびりした。




会話が弾んでいる時に、お祖父ちゃんから電話が入った。
『砂紅羅、校門前に着いたよ。お祖父ちゃん待ってるね』
『うん、わかった。今から桂と一緒に向かうね』
会話中桂は、私の鞄を持ってくれた。
優しいとこがある桂には、私はいつも感謝している。
カフェテラスを出て、待っているお祖父ちゃんのとこへ向かった。
校門で待ってるお祖父ちゃんの車を発見した。
私は思わず駆け出した。
雨で濡れる事を恐れず、まるで子供の様に……。
お祖父ちゃんの車に乗り込んで、私の実家へと向かった。
お祖父ちゃんは何も言わずに、車を運転していた。
後部座席に座っている桂は、どことなく色気を感じる。
雨音が淋しげに聞こえた。
「寝ちゃダメだからね」
「わかってるよ、學校から姫の自宅と俺ん家近いんだから」
ふて腐れながらも、眠たそうなのを我慢していた。
数分もしないうちに自宅に着いた。
そのままパパの待ってる部屋へ行った。




「砂紅羅、おかえりぃ〜雨に濡れなかったか?」
勢いよく抱き着いてきたパパに少しは嫌気をさしながらも、安心させるべく笑顔で甘えた。
「パパ大丈夫だよ、桂が濡れないように護ってくれたから」
「そうか、桂君が砂紅羅を……パパは嬉しいよ」
実は自らはしゃぎましたなんて言えずにいる私……。
桂を踏み台にした私を許してねって思わず心の中で言った。
「はぁ、どうも……」
少し複雑そうな顔をしながらも、桂がパパへの株が上がる姿を見て私は嬉しくって堪らなかった。
「パパは桂が1番だと核心している」
涙ぐむパパは桂の肩を軽く叩いた。
「叔父さん、俺に話しがあると聞いて来たんだけど」
パパは涙ぐんでいた顔を拭き、真面目な顔付きになった。
「実は、砂紅羅の事なのだが……桂君は砂紅羅をどんな女性と見てる」
真剣な話しに桂は、背筋を伸ばし緊張感が体から伝わって来た。
パパも元は緋崎家の人間、なのでこの婿取りシステムの事は良く知っている。
知っているからこそ真剣になる。
いつも甘ったれパパとは違うんだなってまじまじと知った瞬間だった。
「姫は可愛い女性です。俺は、姫の事1番に考えています」
「そうか……」
真剣な顔付きをしたパパは、慎重になっているのが伝わる。
隣にいる私でさえ緊張してしまう。一大事な出来事なだけに、両者真剣なんだろう。
「砂紅羅は、桂の事をどう見てる」
「桂は良い男性だと思います。雷や聖にない部分を沢山持ってます」
私の思ってる事を、パパに真剣に伝えた。
桂にも伝わるように……。



━雨の音が淀んでる景色に拍車をかける……━



NEXT⇒弐ノ弐へ

Sign of spring〜春色篇:壱ノ弐〜 

2007年04月02日(月) 17時00分
桂の体温が心臓の音で癒されていた。
大學近くでバスの中が空き、座席へ座れるようになった。
私は春の心地よい日差しを浴びながら、窓の外の景色を楽しんだ。
桂はうとうとしていた。
私の肩に頭を乗せて寝ちゃった。
寝顔が少年の顔で、思わずキスをしちゃいそうになった……。



あっという間街へ到着したので、寝ていた桂を起こした。
起きたての桂は子供だ。
「ほら、ランチ食べよ」
「ふぁあ〜、食べる!」
大きな欠伸と目を擦りながら受け答えた。
桂の手を引っ張りバスを降りた。
賑やかな街の風景に驚きつつも私達はランチと買い物をする為に歩いた。
ランチはファーストフードで済まし、お気に入りのコスメブランドショップに向かった。
ショップでは、リクイドファンデーションと下地・新作グロスを買った。
新作グロスはほんのり淡い櫻色だった。
桂に買い物した荷物を持たせて街の中を歩いた。
途中でカフェでお茶をした。
「姫って肌が白いから櫻色のグロスがとっても似合うよ」
「砂紅羅は赤とかベージュ・オレンジが苦手だからだよ」
恥ずかしさを照れ隠しした。
時々言う恥ずかしい台詞に私は弱い。
「そろそろパパさん呼ぼう、日が暮れて来た」
「そうだね」
携帯でパパを呼び出し、到着する時間まで話した。
桂は兄妹の事で愚痴ってた。
雷と桂は婿様候補で争っている、だけど雷には付き合ってる人が居て遊びで参加してる。
私は知っていたから、雷にはあまり興味がない。
私は桂一筋だから……。
パパが到着して、一応桂も一緒に帰宅へ着いた。
パパはいつもの事ながら親バカだ。




帰宅した私は桂とさよならして、自分の部屋へ直行した。
私の部屋から桂の部屋は近い距離にある。
窓を開けたら桂の部屋へいける……。
相変わらずパパはママに頭が上がらず、娘の私にべったりと付きまとっていた。
お風呂に入り、ご飯を食べ少し窓越しから櫻を眺めた。
そのあと眠りに着いた……。
明日は入学式で學校が休みだからゆっくり寝よう。
寝付きについた途端窓を叩く音がした。布団から出て音のする方へ行った。
窓を開けたら桂がいた。
「少し姫の部屋にお邪魔する、兄貴がちょっかいかけてくるから……」
「良いけどまたなの」
緋崎兄弟恒例の喧嘩です。いつも桂は雷に意地悪されると私の部屋に来る。
なんやかんや言っても仲が良いんだからこの兄弟は……。
「雷が来たら追い返してあげるから見えない場所にいなさい」
「有難う姫」
話していたら雷が桂の部屋から桂を探していた。
「姫、桂を見なかったか」
「見てないよ、雷は桂をイジメ過ぎ」
「桂はからかいやすいタイプじゃない、姫だってそうだろ」
同じ事を思ってる私は反論できない事に悔しかった。
確かに桂は無邪気過ぎる。
いじけた所が可愛いのがたまに良いけど……。
「そんな事は良いから、見つけたら部屋に戻るように言うから」
「姫には逆らえないな、わかったよ退散します」
やり切れない感を残しつつも桂の部屋から出ていた。
桂を探すために部屋中を見渡した。
桂は見当たらなく、ふと小さい頃を思い出してベット脇を見たら桂の姿が見えた。
可愛い寝顔で寝ていた。
本当にこの場所で寝るのが好きなんだなぁと実感した。
風邪引くと困るので、下にいるパパを呼んで桂の部屋に戻した。
それから私は、桂の可愛い寝顔が忘れられず……。
今日の夜空は晴れていて、まだ日中の強い春の風が吹いていた。
まるで私の心の中を表している感じにも見えた。





━今日も貴方が夢に現れてくれますように……━



NEXT⇒弐(季節は梅雨です)

Sign of spring〜春色篇:壱ノ壱〜 

2007年04月02日(月) 16時55分
━私達は、偶然という言葉ではなく必然的に出逢うようにこの世に産まれて来たのかもしれない……━




「姫、お迎えにあがりました」
私の朝は、桂のお迎えで一日が始まる。
「まだ準備出来てないの、待って!」
黒埜家・緋崎家は、歩いて5分もかからない所に家がある。
学校へ行く準備が遅い私は、いつも桂を待たせるのが日課。
母曰く、男は黙って女を待つものって言うのが口癖。
自由奔放に育った私は、いつも桂に我が儘言い放題です。
「姫外見て、今年も櫻が咲き始めて綺麗だよ」
「あの櫻咲き始めたんだ、一週間したら地面が櫻色になるね」
我が家の敷地にある大きな大木……樹齢百年の櫻が花を咲かせた。
私と桂にはゆかりのある櫻の木なだけに、毎年咲く頃は心がワクワクする。
準備がてら部屋の窓を全開に開けた。
「うわっ」
風が強く、でも日差しがキラキラして気持ち良い朝だった。
下に目を向けたら桂が居た。
「姫終わりましたか?」
桂が大きな声で呼んだ。
「今終わったから行きます」
私は部屋の窓を閉めて、玄関へ向かった。
革靴を履き玄関の扉を開けたら、青空と櫻の色で染まってた。
桂が笑顔でいた。
「早くしないと遅れますよ」
「桂の癖に生意気な事いうな!」
私達は學校へ向かった。



━貴方と出逢うことに意味があるんだ……━



学校に向かう途中で緋崎家の兄と弟、妹と出くわした。
雷は大學生なので同じ敷地に有っても校舎が遠い。
あと雷はモテる。
聖ちゃんと冥ちゃんは中學生なので校舎は近い。
今日も機嫌が悪そうな聖ちゃん、冥……
「おはようございます」
笑顔で挨拶した。雷はさわやかな笑みで返してくれた。
「おはよう……」
二人同時に返ってきた。
双子なだけ重なる。
緋崎家との登校が毎日の日課。
本日は始業式、午前中で學校が終わります。
その後は、桂と買い物に行く予定。
桂は私の騎士(ナイト)役兼恋焦がれる存在。
桂は気付いているのかいないのかわからない。雷曰く、桂は恋愛に関して奥手だと言っていた。
「砂紅羅さん、聖兄にちょっかいかけないでくださる」
歩きながら聖をイジメてたら冥がいじけてた。
「良いじゃない、聖ちゃんは嫌がっているようで悪戯されるのが好きなんだから」
「そんな事はなくてよ!」
冥は泣きそうになりながら、強い口調で私にきつく当たってきた。
冥はやはり子供だなと思った。
聖ちゃんの事は兄妹としては見てなく、一人の男性として見ている感じ……。
「はいはい、冥は聖ちゃんの事がすきなんだもんね」
「砂紅羅さん!!」
顔を赤らめ恥ずかしがりながらも嬉しそうな感じでいた。




話しながら歩いて學校に向かってたらあっという間に到着した。
雷とは中等・高等部の校門前でさよならした。
中等部と高等部は同じ校舎で、校舎の半分は中等部でその半分は高等部って感じになってる學校です。
講堂と格技場・カフェテラスは、共同になってる。
なにせ大きい學園なので、この街では有名な程……。
「今日はクラス発表があるね、姫と同じクラスになれたら嬉しいな」
無邪気な笑顔で桂は言った。
「えぇ〜砂紅羅、桂と一緒のクラスになりたくないわ」
本当は嬉しいんだけど、少し冷たい態度をとった。
「姫、そんな事言わないでくださいよ」
寂しそうな顔をした桂はしょんぼりしていた。
好きな人をからかうのが好きな私は、ついつい桂をからかいたくなる。
「姫を護ることが俺の役目だから」
「そうね、一応これでも婿様候補の一人だし……」
「そうだよ、姫が1番だよ」
1番、その一言で心の中が熱くなり妬けた。
桂は気付かないとこで私の心を熱くさせてくれる。
笑顔が可愛くて、無邪気で何より誠実。桂のそこが私は好き。
「桂、もう掲示されてるよ見よう」
桂の手を握り引っ張って走り出した。
桂の手は温かくて大きくて……。
「姫、急に走らないでください」
二人は息を切らせながら掲示板の前で自分達の名前を探した。
お互いの名前を探すのは一苦労しながらも探し続けた。
いち早く見つけた私は、桂のも探した。
「俺の名前はどこにあるの、姫は見つけた?」
「砂紅羅は見つけたよ、一緒に探してあげるよ」
もう見つけていた。
桂と同じクラスで私は嬉しかった。
「桂の砂紅羅見つけたよ」
「どこにある?」
「ほら、此処にあるよ」
桂の名前のとこに指を指した。
「あった!有難う姫、ところで姫は?」
「桂と同じクラスだよ」
「やった、姫と同じクラスで……」
桂の顔に安堵の色が見えた。
幼等部からずっと桂と同じクラス。
私にはわかってた事だった。
「姫教室に行こう」
「うん」
私達は綺麗に咲いた櫻並木を歩いて教室まで向かった。




始業式・HRも終わり私と桂は買い物をする為に街へ向かった。
私達の學校から街へはバスで20分はかかるので、街へはいつもバスを使って街に行く感じです。
「今日はどんなのを購入するのですか?」
「うんとねぇ、コスメと洋服を買いたいの」
猫撫で声で甘えながら、バス停まで歩いた。
學園前には一日70本以上バスが停まる。
バスが来るまで私達は停留所で座りながら話した。
「コスメ好きだよね姫は……春の新作狙い?」
「コスメ可愛くて好きなの、そうね今回は新作と買い足しかな!?」
「お供いたしますよ、帰りは総一お祖父さんの車?」
毎回買い物したらお祖父ちゃんの車で家に帰宅です。私は優しいお祖父ちゃんが好き。
「今日はパパの迎えだよ」
そうなの、今日はパパが街まで車でお出迎えしてくれます。
「珍しいね、パパさんが迎えって」
「パパは砂紅羅に甘いから、いつでも呼べば来るよ」
パパは私にべったり。親バカっぷりが体からわかるくらいな人です。
ママには頭があがらないけど、素敵なパパです。
「パパさんが心配しない時間、遅くならない様にしなくちゃね」
「今日もさくさく行くよ、全て桂にかかってます!」
話してた途中でバスが来た。少し混んでいたので桂とはぐれないように、抱き着いて離れないようにした。
朝や夕方・夜には、痴漢が現れると言われていたので不安な気持ちでいっぱいなんだけど……。

まだ見ぬお話 

2007年02月03日(土) 17時34分
アタシの頭の中で動いてる・・・・・・
早くココで出してと囁く。

ゴメンね。
まだ待って。

全てのことがまとまったら動かすから・・・・・・

アタシの愛するMYキャラ達。

沢山葛藤したら上手く表現するからね。

愛する子供達よ。
プロフィール
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  • アイコン画像 現住所:神奈川県
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    ・読書-三島由紀夫・ドストエフスキーをこよなく愛してます。
    ・写真-風景写真やデザイン(建物とか)写真好きです。そこに詩を書いたりするのもLOVEです★
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