ある犬の話A 

November 13 [Sat], 2010, 12:36
朝、お腹が空いて目が覚めた

昨日夜中、私を拾ってくれた
その人は機嫌が悪そうだ
二日酔いみたいだ


どうやら酔った勢いで
私を迎え入れてくれたようだ


ここは空気を読んで
元気に丁寧なお礼を言って
部屋をあとにした


ある犬の話 

November 11 [Thu], 2010, 23:47
前の飼い主が、新しい犬が来るからと
私は道端に放り出された

私には右の前足がない
病院代がかかるらしい

しょうがない
これ以上迷惑かけられない

放り出された時
悲しくて吠えまくったけど
甘えて生きてくのもいやだ



前から人がやってきた
吠えすぎたから怒られるかな

すると私を抱き抱えて
その人の家までつれてかれた
前足がないから同情されたのか

前の家と違って
一人暮らしのアパートのようだ

暖かいミルク
使い古しの毛布
出してくれた
甘えておこう


気がつくと同じ布団にいた
あったかい
ずっとここにいたいな

ある女の子の話A 

November 11 [Thu], 2010, 23:45
山が目の前に現れた。
山には何もなかったけど、
でも美しかった。
もっと美しくなると思った。

それから山は少しずつ
大きくなりながら
春には満開の桜が咲き誇り
夏には強い風に木がざわめいて
秋には真っ赤な紅葉で
冬にはずっしり雪に包まれる。

どの季節もふつうなんだけど、
どれもやっぱり美しかった。


目が奪われた。
心が奪われた。

登りたい。きっと頂上はすばらしい。
でも、登山の服や靴がない。
まず登り方を知らない。
登山装備ばっちりの人達がどんどん登っていく。

わたしには無理だ。
わたしは見てるだけで十分満足。


ある日真っ赤な炎に包まれて燃えていた。
驚きと心配になったけど、
なによりも燃える姿がかっこよくて
ずっと見惚れてた。
いずれ全て灰になるのに。

その一瞬のかっこよさに賭けた山。
ずっと見惚れてた。

やがて灰になった。やっぱり。
悲しそうだった。

灰になった山に洞窟があるのを見つけた。
入ってみると、暖かかった。
しっかり生きていた。
きっと頂上はすばらしい景色。
でも洞窟でもいい。
ここは山の声が聞こえる。
ずっとここにいたい。

ある女の子の話 

November 11 [Thu], 2010, 23:43
 キレイな山の頂上に 辿りついて、
 キレイな景色に空気に 文句はないよ。

 でもやがて 果てしない海が見たくなるんだ。
 海を見たさに、苦労して登りきった事も、
 登りきった感動も忘れて、
 山を簡単に下りてしまう。
 海に行くのは簡単。
 海だって景色は負けてない。
 でも海を見ていると、山に登りたくなる。

 いつも忘れてしまうのが、
 変わらず空が見守っててくれる事。

 どこ行っても満足できないのはなんでだろ。

 きっともっとすばらしい山があるのを
 知ってるからかな。
P R
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