信州岡谷名物 観光荘の鰻
うなぎのまち岡谷
これぞ、本場、やなのうなぎ、地焼きの醍醐味!
東京近郊美味しい鰻店巡り百撰 第12話
天竜川沿いにある、"観光荘"さんの鰻を喰らえば、東京で食べれる数多の、お上品に蒸された蒲焼、あるいは、蒸す手順を省いただけの焼きオンリーな蒲焼などとは、いっしょにされたくない、まったくもって、別格本山、別次元、別物なんだということが、瞬時に呑み込めます。そして、これを知らずして、地焼きなどという言葉を、都会で、片時も軽々しく口にして欲しくないのです。蒲焼の食べ方には、こういうのもあるのか、って言う感じです、それは、こちらに来てみなければ分からない、そう思います。こういうのも好きです、盛夏の信濃路に陽炎、炭火焼きの逸品、此処に有り。
観光荘さんがあるのは、岡谷ICを降りて、天竜川に沿って、国道14号線を南下し、並走するJR中央本線で川岸駅近くになります。店は、天竜川の流れを眺められるような絶好の河岸高くに位置しており、駐車場を降りるなり、もうもうと立ち上った炭火焼きの煙と、あたりに香ばしい匂いが立ち込め、ほおを綻ばせ、すぐにそれと分かるような大きな建物です。
昭和29年創業。こちらの観光荘がある場所には、かつて、諏訪湖に端を発する天竜川本流を堰き止め、川を下って海へと向かう鰻を仕留めるための大規模な梁場(やなば)=”本瀬締切り梁場”がありました。これは、江戸時代中期、高島藩が用いた仕掛けで、以来、この地方での伝統的な漁法として定着してきましたが、昭和49年、諏訪湖治水事業の一環として整備された天竜川護岸工事のために姿を消してしまいました。
そういった古くからの梁場の漁法・文化への想いを、いまに伝えるのが、梁師として活躍した宮沢さんが創業者となって、同地にある、観光荘なのです。まるで、旅館のなまえのようでありますが、辰野がある天竜川で、その昔は、蛍が舞い、綺麗な光を放っていたとの謂われから、”ホタルの舞う光を観る、荘(やかた)”の意味合いで名付けたとされています。
* 長野県岡谷市川岸東5−18−14
水曜定休(他不定休につきHPにてチェックのこと)
11:00〜14:00 16:15〜20:00
付き出しの骨せんべい他 : ☆☆☆☆ (サービス品)
待ってるさなかに、待ってる肴(さかな)として出される、骨せんべい。お店からすると、料理が出されるまで、待ち時間が長いことのお詫びとしてサービスされる、ほんのジャブ程度の牽制なんだろうけど、、こちらの付き出しで、もう既に、鰻好きには、ムードが高まりつつ、出来上がってしまい、ダウン寸前となるのです(笑)。
まったく臭みなどない、カリッカリに揚がった骨せんべいに、小振りで食べ易いぐらいな鰻の頭を丸ごと素揚げした”カブト”、そして、季節の川魚のフリッター、この日は、わかさぎの稚魚。まったくもって、予期せぬ僥倖、嬉し美味しい限り。パリパリ、ポリポリやりながら、待つ蒲焼の恋しさよ。
日曜日来訪だったので、昼時は、かなりのお客さんが押し寄せてました。諏訪湖方面は、バイク乗りにとっても聖地らしく、それに子連れの家族も多く訪れてます。”うなぎのお子様ランチ”もあるので、子連れにも好評なのかも知れません。とにかく、都会でも格式張った料亭風ではない、農家の居間に上がるような気さくな感覚、いつでも気取らない、ざっくばらんに大勢でワイワイ言いながら食べる、田舎風がイイ感じです。
店内は、けっこう広くて、別に宴会場スペースもあるなか、入れ込み式ではない、顧客単位のテーブル対応にて、ゆったり席に着けます。広い座敷形式、開け放たれた窓から、川面を渡った風が、心地よく入ってくるような、よいロケーションでしたが、そのうち、客の意向で窓閉めてクーラーをかけてました。
向かって、右側の窓からは、1両だけで走る電車=中央本線を眺めながら、鰻が食べられ、左手の座敷からは、合歓の木(ねむのき)が満開の中、眼下には、天竜川の流れが望めます。観光荘では、すべて活鰻(かつまん)を使用し、地下50メートルから汲み上げた井戸水にて、うたせて、その後、鰻を捌き、じっくりと炭火で焼き上げて出されます。
うな重(竹) : 2300円
☆☆☆ (小鉢・肝吸・漬物付)
美味しい!岡谷の鰻は、東京でみる蒲焼と、少々違う形状となってることが多いです。こちらの観光荘さんでは、火力の強い炭火で、蒲焼を金串で打って炙ってます。鰻の上中下は、ほぼ無くって、選別されたものだけを同店で下ごしらえし、あとは、1切れ〜3切れというように、あらかじめカットしたようなコンパクトな切り身で、焼き上がった枚数を、大きさを調整しながら割り振っているように思えます。
あと、産地についても、国産のみという書かれ方をしておらず、そのときどきに似合ったものを使用しています。したがって、値段から察するに、たぶん、鰻としては国産より台湾産のほうが多いと思われます。しかし、このダイナミックな調理法の前では、きっと、肉厚でプリッツプリな仕上がりを残せるようなものだけが相応しい素材のような気もします。正直、見た目では、思ったより小さめではありますが、これは、蒸さずに、そのまま炭火焼するため身が適度に縮むからなのです。見た目、少なく見えても、なにしろ、味付けが濃い関係上、二切れでも十分堪能でき、却って、うな重(松)=2700円で、三切は、どうしても多くて、しつこいような気もしてきます。
こちらでは、食事に際して、きも吸いか味噌汁かの選択をすることが可能です。蒲焼は、もう地焼きの真骨頂ともいうべき、パキパキ系とでも言いましょうか、岡谷独特の水飴が入った極甘なタレが、パリッパリに焼かれた蒲焼の表面をしっとりとコーティング。この食感を味わうと、自分にとって、地焼きの理想形は、おそらく岡谷の蒲焼なんだなぁ〜という感慨が漏れます。
蒸し時間が長い=江戸前の蒲焼、いわゆる、ふわとろ系の対極にある、無骨で、見た目ワイルド、炭香が効いた、もっとも漁師町での川魚料理らしい荒削りな蒲焼、その下品でも、バクバクと貪り喰らう地焼きの醍醐味が味わえます。
肝吸い : ☆☆☆☆ (旨い!)
吸い地は、かなりメリハリの利いた濃い感じながら、それに見合った、大ぶりな肝、それも、炭火でしっかりと焼けて、焦げ味が風味として加わった絶品が味わえて、まことに嬉しい!
お新香&小鉢 : ☆☆☆
お新香自体は、田舎臭いふつうのものではあるが、まぁ、美味しい。キノコの和え物は、非常に美味しい!
**総括 : 蒸さずにじっくり炭火焼きの蒲焼!水飴入りの甘いタレが絡みます。
店の雰囲気&ロケーション=◎ 田舎の鰻屋さんの醍醐味!
待ち時間=かなり長時間
蒲焼自体のパフォーマンス=△(炭焼きが好きなひと向け)
タレ=○ 岡谷独特な水飴が入った、照りと甘さがキテマス。
店ならではの蒲焼の個性=◎ ボリューム&CP=◎
やなまぶし丼 : 2400円
こちらが、当店オリジナルの食べ方らしく、東京あたりだと流行りで、ふつうは白焼き丼などで見られるようなものを、タレ付けた蒲焼で焼いたものを、甘めのワサビ醤油でいただくものと、うな丼のツーウェイが楽しめるものです。うなぎとネギとワサビのコラボです。おススメ品と、謳われてはいますが、あまり、あれこれ見た目で変化させるのは、どうも正統派から外れるため個人的感覚からは、アウトです。
ほかに、人気メニュー!として掲げられていた、二色御膳(=2500円)は、やなまぶし(わさび・ねぎ)と唐辛子を使った、まぶし丼をツーウェイで揃えた欲張りメニュー。シャキまぜ丼(=2500円)は、ねぎとみょうが、柚子胡椒、にんにくおろしなどを、お好みで、ザックリと混ぜて味わう鰻丼です。
訪問時、土用丑の日を控えた、夏場の忙しい時季故、表メニューが限られており、裏メニューがたのめず、うなぎの白焼き等はなかったのが、非常に残念ではありました。
肝焼き : 1300円
☆☆☆☆☆
これまで食べてきた、肝焼きの中でも、大きさ、風格、風味共に、いちばん美味しかったもののひとつでしょう。炭焼きの焦がし具合が効いて、表面は、カリッカリッとして、なかは、程よい弾力性。少しだけ甘いタレが、また、程よく絡められていて、これは至極、美味い筈ですわ。絶品大賞!まぁ、素材的には、おそらく肝として仕入れたもので国産のものではないと思います。1皿で、9つぐらい入ってます。豪勢です。夏バテした身体に、精が付きます。
うなぎのまち岡谷
これぞ、本場、やなのうなぎ、地焼きの醍醐味!
東京近郊美味しい鰻店巡り百撰 第12話
天竜川沿いにある、"観光荘"さんの鰻を喰らえば、東京で食べれる数多の、お上品に蒸された蒲焼、あるいは、蒸す手順を省いただけの焼きオンリーな蒲焼などとは、いっしょにされたくない、まったくもって、別格本山、別次元、別物なんだということが、瞬時に呑み込めます。そして、これを知らずして、地焼きなどという言葉を、都会で、片時も軽々しく口にして欲しくないのです。蒲焼の食べ方には、こういうのもあるのか、って言う感じです、それは、こちらに来てみなければ分からない、そう思います。こういうのも好きです、盛夏の信濃路に陽炎、炭火焼きの逸品、此処に有り。観光荘さんがあるのは、岡谷ICを降りて、天竜川に沿って、国道14号線を南下し、並走するJR中央本線で川岸駅近くになります。店は、天竜川の流れを眺められるような絶好の河岸高くに位置しており、駐車場を降りるなり、もうもうと立ち上った炭火焼きの煙と、あたりに香ばしい匂いが立ち込め、ほおを綻ばせ、すぐにそれと分かるような大きな建物です。
昭和29年創業。こちらの観光荘がある場所には、かつて、諏訪湖に端を発する天竜川本流を堰き止め、川を下って海へと向かう鰻を仕留めるための大規模な梁場(やなば)=”本瀬締切り梁場”がありました。これは、江戸時代中期、高島藩が用いた仕掛けで、以来、この地方での伝統的な漁法として定着してきましたが、昭和49年、諏訪湖治水事業の一環として整備された天竜川護岸工事のために姿を消してしまいました。
そういった古くからの梁場の漁法・文化への想いを、いまに伝えるのが、梁師として活躍した宮沢さんが創業者となって、同地にある、観光荘なのです。まるで、旅館のなまえのようでありますが、辰野がある天竜川で、その昔は、蛍が舞い、綺麗な光を放っていたとの謂われから、”ホタルの舞う光を観る、荘(やかた)”の意味合いで名付けたとされています。
* 長野県岡谷市川岸東5−18−14
水曜定休(他不定休につきHPにてチェックのこと)
11:00〜14:00 16:15〜20:00
付き出しの骨せんべい他 : ☆☆☆☆ (サービス品)待ってるさなかに、待ってる肴(さかな)として出される、骨せんべい。お店からすると、料理が出されるまで、待ち時間が長いことのお詫びとしてサービスされる、ほんのジャブ程度の牽制なんだろうけど、、こちらの付き出しで、もう既に、鰻好きには、ムードが高まりつつ、出来上がってしまい、ダウン寸前となるのです(笑)。
まったく臭みなどない、カリッカリに揚がった骨せんべいに、小振りで食べ易いぐらいな鰻の頭を丸ごと素揚げした”カブト”、そして、季節の川魚のフリッター、この日は、わかさぎの稚魚。まったくもって、予期せぬ僥倖、嬉し美味しい限り。パリパリ、ポリポリやりながら、待つ蒲焼の恋しさよ。
日曜日来訪だったので、昼時は、かなりのお客さんが押し寄せてました。諏訪湖方面は、バイク乗りにとっても聖地らしく、それに子連れの家族も多く訪れてます。”うなぎのお子様ランチ”もあるので、子連れにも好評なのかも知れません。とにかく、都会でも格式張った料亭風ではない、農家の居間に上がるような気さくな感覚、いつでも気取らない、ざっくばらんに大勢でワイワイ言いながら食べる、田舎風がイイ感じです。
店内は、けっこう広くて、別に宴会場スペースもあるなか、入れ込み式ではない、顧客単位のテーブル対応にて、ゆったり席に着けます。広い座敷形式、開け放たれた窓から、川面を渡った風が、心地よく入ってくるような、よいロケーションでしたが、そのうち、客の意向で窓閉めてクーラーをかけてました。
向かって、右側の窓からは、1両だけで走る電車=中央本線を眺めながら、鰻が食べられ、左手の座敷からは、合歓の木(ねむのき)が満開の中、眼下には、天竜川の流れが望めます。観光荘では、すべて活鰻(かつまん)を使用し、地下50メートルから汲み上げた井戸水にて、うたせて、その後、鰻を捌き、じっくりと炭火で焼き上げて出されます。
うな重(竹) : 2300円☆☆☆ (小鉢・肝吸・漬物付)
美味しい!岡谷の鰻は、東京でみる蒲焼と、少々違う形状となってることが多いです。こちらの観光荘さんでは、火力の強い炭火で、蒲焼を金串で打って炙ってます。鰻の上中下は、ほぼ無くって、選別されたものだけを同店で下ごしらえし、あとは、1切れ〜3切れというように、あらかじめカットしたようなコンパクトな切り身で、焼き上がった枚数を、大きさを調整しながら割り振っているように思えます。
あと、産地についても、国産のみという書かれ方をしておらず、そのときどきに似合ったものを使用しています。したがって、値段から察するに、たぶん、鰻としては国産より台湾産のほうが多いと思われます。しかし、このダイナミックな調理法の前では、きっと、肉厚でプリッツプリな仕上がりを残せるようなものだけが相応しい素材のような気もします。正直、見た目では、思ったより小さめではありますが、これは、蒸さずに、そのまま炭火焼するため身が適度に縮むからなのです。見た目、少なく見えても、なにしろ、味付けが濃い関係上、二切れでも十分堪能でき、却って、うな重(松)=2700円で、三切は、どうしても多くて、しつこいような気もしてきます。
こちらでは、食事に際して、きも吸いか味噌汁かの選択をすることが可能です。蒲焼は、もう地焼きの真骨頂ともいうべき、パキパキ系とでも言いましょうか、岡谷独特の水飴が入った極甘なタレが、パリッパリに焼かれた蒲焼の表面をしっとりとコーティング。この食感を味わうと、自分にとって、地焼きの理想形は、おそらく岡谷の蒲焼なんだなぁ〜という感慨が漏れます。
蒸し時間が長い=江戸前の蒲焼、いわゆる、ふわとろ系の対極にある、無骨で、見た目ワイルド、炭香が効いた、もっとも漁師町での川魚料理らしい荒削りな蒲焼、その下品でも、バクバクと貪り喰らう地焼きの醍醐味が味わえます。
肝吸い : ☆☆☆☆ (旨い!)吸い地は、かなりメリハリの利いた濃い感じながら、それに見合った、大ぶりな肝、それも、炭火でしっかりと焼けて、焦げ味が風味として加わった絶品が味わえて、まことに嬉しい!
お新香&小鉢 : ☆☆☆
お新香自体は、田舎臭いふつうのものではあるが、まぁ、美味しい。キノコの和え物は、非常に美味しい!
**総括 : 蒸さずにじっくり炭火焼きの蒲焼!水飴入りの甘いタレが絡みます。
店の雰囲気&ロケーション=◎ 田舎の鰻屋さんの醍醐味!
待ち時間=かなり長時間
蒲焼自体のパフォーマンス=△(炭焼きが好きなひと向け)
タレ=○ 岡谷独特な水飴が入った、照りと甘さがキテマス。
店ならではの蒲焼の個性=◎ ボリューム&CP=◎
やなまぶし丼 : 2400円こちらが、当店オリジナルの食べ方らしく、東京あたりだと流行りで、ふつうは白焼き丼などで見られるようなものを、タレ付けた蒲焼で焼いたものを、甘めのワサビ醤油でいただくものと、うな丼のツーウェイが楽しめるものです。うなぎとネギとワサビのコラボです。おススメ品と、謳われてはいますが、あまり、あれこれ見た目で変化させるのは、どうも正統派から外れるため個人的感覚からは、アウトです。
ほかに、人気メニュー!として掲げられていた、二色御膳(=2500円)は、やなまぶし(わさび・ねぎ)と唐辛子を使った、まぶし丼をツーウェイで揃えた欲張りメニュー。シャキまぜ丼(=2500円)は、ねぎとみょうが、柚子胡椒、にんにくおろしなどを、お好みで、ザックリと混ぜて味わう鰻丼です。
訪問時、土用丑の日を控えた、夏場の忙しい時季故、表メニューが限られており、裏メニューがたのめず、うなぎの白焼き等はなかったのが、非常に残念ではありました。
肝焼き : 1300円☆☆☆☆☆
これまで食べてきた、肝焼きの中でも、大きさ、風格、風味共に、いちばん美味しかったもののひとつでしょう。炭焼きの焦がし具合が効いて、表面は、カリッカリッとして、なかは、程よい弾力性。少しだけ甘いタレが、また、程よく絡められていて、これは至極、美味い筈ですわ。絶品大賞!まぁ、素材的には、おそらく肝として仕入れたもので国産のものではないと思います。1皿で、9つぐらい入ってます。豪勢です。夏バテした身体に、精が付きます。
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