うなぎ かぶと@池袋
東京近郊 美味しい鰻屋さん巡り 百撰 第50話
旨いものばっかり喰ってると、後戻りできなくなる
ってことで、きょうは、まごころに溢れた名店。
都内で、おいしい鰻を食べましょう。
オヤジさんの歯に衣着せぬ毒舌、痛快な語り口に、バッチリ決まった美味しい鰻と串焼きが名物だそうで。ついに宿願叶って、”池袋 かぶと”さんへの来訪と相成りました。
これまで知りつつも、なかなか行く機会に恵まれないお店が、なんと多いことか。ほんとに後回しになってしまって、申し訳ない気持ちと、鰻が早く食べたい気持ちでいっぱいです。いつも、店の近くへは、通りかかっていたものの、飲めないし、もちろん夜だけの営業ということで、実は、いささか気後れして、入り辛かったのです。
夕刻5時過ぎぐらいになりますと、オヤジさんが、道端に出て、七輪で炭にワシワシと火を熾し始めます。やがて日干しされた捌き台を店内へと導き入れ、縄のれんが出され掛けられると、もう、まもなくの開店です。創業は、30余年。新宿 思い出横丁の名店=カブトさんにて、数年修行したのち、認められて、こちらに暖簾分けとなったようです。
オヤジさんは、多くを語りませんが、見受けるに、かなりの勉強家であり、多くの鰻を食して全国を回り、また、職人としての特別に、厳しい目利きでも、もちろんあるわけで、まじめに、正直に、こだわりの美味しい鰻を廉価にて、提供し続けている、鰻好きに、知るひとぞ知る名店なのです。
* 豊島区池袋2−53−2 日月祝休
(* もちろん土用・丑の日は、ご他聞にもれず休業)
17:30ごろ〜23:00
場所は、池袋駅東口方面から、ロサビルを目印にして、その先にある池袋郵便局前交差点から、もうひとつ奥の小路を左手へと入ったところにあります。徒歩10分内外。こじんまりとしたお店、オヤジさんとママさん、ふたりで営む、うなぎ かぶと、でも、いつも常連さんで、店内は賑やかなのだそうだ。
縄のれんを潜って、店内は、小上がりもひとつありますが、ほぼ、カウンターだけ、10席ほどの広さ。うなぎを捌く台と焼き台、団扇で扇ぐと炭の細かな灰が店内に舞うような、まさに鰻一筋専門店です。
6時過ぎる頃から、ぼちぼち客も入り始め、予約の電話がひっきりなしに鳴り始めます。10席ほどの店内は、連夜、常連さんで、いっぱいです。日によって、入荷状況は違ってきますが、天然ものの鰻が、利根川方面や宍道湖辺りからも仕入れられてきます。匁(重さ)にもよって値段は違いますが、伺った、この日は、最上級宍道湖もので、8000円〜ぐらいからでした。
鰻の心臓 : まず、鰻を目の前で捌くところから始めまして、真っ先に取り出した、鰻の心臓(=この皿の上に乗った、小さくて赤い塊がそうなのです)を戴きます。まだ、見るからにピクピクと動いているままの心臓ちゃんを、パクッと呑み込みますので、味は無いのですが、なんとなく精が付きそうな気がしますね。
鰻重 : 特=2200円
☆☆☆☆☆ (* 肝吸いと新香は、あらかじめ付いてきます。)
値段も含め、都内では間違いなく、最上級のテイスト。地焼きということでいえば、もちろんこちらが、都内〜近隣で最上の選択肢ということになろうかと思います。
鰻重は、ほぼ同じ目方(大きさ)の鰻を使用して、ご飯の上に乗せる、身の量が変わるだけので、こちらが(中)くらいの(特)バージョンですが、もちろん、ひとつ下である(上)=1700円でも個人的には満足いくのではと思います。その上が、(特特)=2800円、その上が、さらには、その時々入荷してくる天然物で時価となります。
鰻 : 愛知一色や鹿児島大隅産など使用。こちらに伺ったのは、もちろん、蒸し無し、焼きオンリーのお店だからです。タレは、やや辛め、しっとりと鰻自体に絡められ、旨く染み込むように施され、ふっくら理想的な具合に仕上がっています。
皮の部分は、かなりパリッとした食感、見た目にも上手に仕上がり、身の部分は、しっかりとほんわり柔らか、焼きの旨さが、地焼きにより、蒲焼本来の肉厚さの旨さを引き出しています。もちろん、こちらでは、炭火焼使用。炭の使いかたは、かなり旨いし、焼きも上手です。
焼き上がりには、ほんのりと、炭の焦げた香りがほのかにするだけで、鰻の炭火焼による身の調理の仕方が芸術品です。ぜひ、味わって、体感してみてください。地焼きなら、佐原に行かずとも、池袋で体験できます。間違いの無い、都内随一の味わいです。
(* 閑話休題 : 自分が思うに、よく、箸先で、”崩れてしまいそうなくらい柔らかな蒲焼”がありますが、あれは、駄作。技術的に未熟か失敗作だと思うのです。食べつけていないと、それが最高の鰻だと勘違いしているひともあるので困りものです。蒸しに頼れば、素人を騙すには、よほど簡単なのです、ほんとうに美味しい鰻のふんわり感は、ほんわりしたふくらみが肉に感じさせる仕上がり方です、いきおい崩れてしまうような体たらくなら、間違いなく、串打ち段階からの失敗作でしょう。水っぽい感じがする蒲焼っていうのも、いちばん、たち悪いもんです。そういう店は、気をつけましょうぜ。)
ご飯 : ☆☆☆☆☆ 正真正銘、生粋の魚沼産の極上物。もちろん、炊き方にも拠るのでしょうが、きわめて粒立ちがしっかりとした、一粒一粒に旨みが刻まれたのが分かるように、しっかりと詰まった、非常に吟味された美味しいもの。
たとえ、ごはん少量でも、内容が好いので、満足度合いは高いのですが、客観視するに、ご飯の分量的には、ごく少量。鰻重としてみた場合、やはり、ご飯が比率的に多いのは、バランス的によろしくないと思うので、このぐらいが、実は、品良く味良く、まさに黄金比率で、バッチリ。
肝吸い&新香 : 別計上で、頼めば、違うのかもしれないが、この値段内で自動的に付いてくるのは、素朴な大根の塩もみ、そして小ぶりの椀に入った肝吸い。具は、三つ葉だけ。とくに、どうということはない、主役の鰻重に対して、あくまで、控えめがよいのだとも思う。
* 池袋かぶと : オヤジさんが、頑固一徹の職人肌なので、人によって、合う合わないの差が激しいかもしれません。真剣勝負で鰻に対峙しているとわかって、その粋を汲んでくれるような真剣な付き合い、長く通って、お互いに楽しい会話が弾めるようなものを感じたら、贔屓として大切にしてくれると思います。鰻屋としてよりも、日本酒も旨い居酒屋として捉える。くれぐれも、予知無く、評釈するような態度だけは、慎みたいものです。オヤジさんの鰻に対し、商いに対しての熱い思いに対して、感謝した日でした。オヤジさん、とっても美味しい鰻を、ありがとう。
( * 池袋 かぶと 串焼き篇へと つづく)
東京近郊 美味しい鰻屋さん巡り 百撰 第50話
旨いものばっかり喰ってると、後戻りできなくなる
ってことで、きょうは、まごころに溢れた名店。
都内で、おいしい鰻を食べましょう。
オヤジさんの歯に衣着せぬ毒舌、痛快な語り口に、バッチリ決まった美味しい鰻と串焼きが名物だそうで。ついに宿願叶って、”池袋 かぶと”さんへの来訪と相成りました。これまで知りつつも、なかなか行く機会に恵まれないお店が、なんと多いことか。ほんとに後回しになってしまって、申し訳ない気持ちと、鰻が早く食べたい気持ちでいっぱいです。いつも、店の近くへは、通りかかっていたものの、飲めないし、もちろん夜だけの営業ということで、実は、いささか気後れして、入り辛かったのです。
夕刻5時過ぎぐらいになりますと、オヤジさんが、道端に出て、七輪で炭にワシワシと火を熾し始めます。やがて日干しされた捌き台を店内へと導き入れ、縄のれんが出され掛けられると、もう、まもなくの開店です。創業は、30余年。新宿 思い出横丁の名店=カブトさんにて、数年修行したのち、認められて、こちらに暖簾分けとなったようです。
オヤジさんは、多くを語りませんが、見受けるに、かなりの勉強家であり、多くの鰻を食して全国を回り、また、職人としての特別に、厳しい目利きでも、もちろんあるわけで、まじめに、正直に、こだわりの美味しい鰻を廉価にて、提供し続けている、鰻好きに、知るひとぞ知る名店なのです。
* 豊島区池袋2−53−2 日月祝休
(* もちろん土用・丑の日は、ご他聞にもれず休業)
17:30ごろ〜23:00
場所は、池袋駅東口方面から、ロサビルを目印にして、その先にある池袋郵便局前交差点から、もうひとつ奥の小路を左手へと入ったところにあります。徒歩10分内外。こじんまりとしたお店、オヤジさんとママさん、ふたりで営む、うなぎ かぶと、でも、いつも常連さんで、店内は賑やかなのだそうだ。縄のれんを潜って、店内は、小上がりもひとつありますが、ほぼ、カウンターだけ、10席ほどの広さ。うなぎを捌く台と焼き台、団扇で扇ぐと炭の細かな灰が店内に舞うような、まさに鰻一筋専門店です。
6時過ぎる頃から、ぼちぼち客も入り始め、予約の電話がひっきりなしに鳴り始めます。10席ほどの店内は、連夜、常連さんで、いっぱいです。日によって、入荷状況は違ってきますが、天然ものの鰻が、利根川方面や宍道湖辺りからも仕入れられてきます。匁(重さ)にもよって値段は違いますが、伺った、この日は、最上級宍道湖もので、8000円〜ぐらいからでした。
鰻の心臓 : まず、鰻を目の前で捌くところから始めまして、真っ先に取り出した、鰻の心臓(=この皿の上に乗った、小さくて赤い塊がそうなのです)を戴きます。まだ、見るからにピクピクと動いているままの心臓ちゃんを、パクッと呑み込みますので、味は無いのですが、なんとなく精が付きそうな気がしますね。鰻重 : 特=2200円
☆☆☆☆☆ (* 肝吸いと新香は、あらかじめ付いてきます。)
値段も含め、都内では間違いなく、最上級のテイスト。地焼きということでいえば、もちろんこちらが、都内〜近隣で最上の選択肢ということになろうかと思います。
鰻重は、ほぼ同じ目方(大きさ)の鰻を使用して、ご飯の上に乗せる、身の量が変わるだけので、こちらが(中)くらいの(特)バージョンですが、もちろん、ひとつ下である(上)=1700円でも個人的には満足いくのではと思います。その上が、(特特)=2800円、その上が、さらには、その時々入荷してくる天然物で時価となります。
鰻 : 愛知一色や鹿児島大隅産など使用。こちらに伺ったのは、もちろん、蒸し無し、焼きオンリーのお店だからです。タレは、やや辛め、しっとりと鰻自体に絡められ、旨く染み込むように施され、ふっくら理想的な具合に仕上がっています。
皮の部分は、かなりパリッとした食感、見た目にも上手に仕上がり、身の部分は、しっかりとほんわり柔らか、焼きの旨さが、地焼きにより、蒲焼本来の肉厚さの旨さを引き出しています。もちろん、こちらでは、炭火焼使用。炭の使いかたは、かなり旨いし、焼きも上手です。
焼き上がりには、ほんのりと、炭の焦げた香りがほのかにするだけで、鰻の炭火焼による身の調理の仕方が芸術品です。ぜひ、味わって、体感してみてください。地焼きなら、佐原に行かずとも、池袋で体験できます。間違いの無い、都内随一の味わいです。
(* 閑話休題 : 自分が思うに、よく、箸先で、”崩れてしまいそうなくらい柔らかな蒲焼”がありますが、あれは、駄作。技術的に未熟か失敗作だと思うのです。食べつけていないと、それが最高の鰻だと勘違いしているひともあるので困りものです。蒸しに頼れば、素人を騙すには、よほど簡単なのです、ほんとうに美味しい鰻のふんわり感は、ほんわりしたふくらみが肉に感じさせる仕上がり方です、いきおい崩れてしまうような体たらくなら、間違いなく、串打ち段階からの失敗作でしょう。水っぽい感じがする蒲焼っていうのも、いちばん、たち悪いもんです。そういう店は、気をつけましょうぜ。)
ご飯 : ☆☆☆☆☆ 正真正銘、生粋の魚沼産の極上物。もちろん、炊き方にも拠るのでしょうが、きわめて粒立ちがしっかりとした、一粒一粒に旨みが刻まれたのが分かるように、しっかりと詰まった、非常に吟味された美味しいもの。たとえ、ごはん少量でも、内容が好いので、満足度合いは高いのですが、客観視するに、ご飯の分量的には、ごく少量。鰻重としてみた場合、やはり、ご飯が比率的に多いのは、バランス的によろしくないと思うので、このぐらいが、実は、品良く味良く、まさに黄金比率で、バッチリ。
肝吸い&新香 : 別計上で、頼めば、違うのかもしれないが、この値段内で自動的に付いてくるのは、素朴な大根の塩もみ、そして小ぶりの椀に入った肝吸い。具は、三つ葉だけ。とくに、どうということはない、主役の鰻重に対して、あくまで、控えめがよいのだとも思う。
* 池袋かぶと : オヤジさんが、頑固一徹の職人肌なので、人によって、合う合わないの差が激しいかもしれません。真剣勝負で鰻に対峙しているとわかって、その粋を汲んでくれるような真剣な付き合い、長く通って、お互いに楽しい会話が弾めるようなものを感じたら、贔屓として大切にしてくれると思います。鰻屋としてよりも、日本酒も旨い居酒屋として捉える。くれぐれも、予知無く、評釈するような態度だけは、慎みたいものです。オヤジさんの鰻に対し、商いに対しての熱い思いに対して、感謝した日でした。オヤジさん、とっても美味しい鰻を、ありがとう。
( * 池袋 かぶと 串焼き篇へと つづく)
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