新彊ウイグル自治区家庭料理
シルクロード・ムラト @さいたま市
ラグメン(ラグマン=lagman)という中央アジアで、ごく普通に食べられている麺料理がある。ひとことで言うと、トマトソース味みたいなカレー風味のぶっかけうどん、手打ちではなく、手延べラーメンであり、手延べうどんである。カレーみたいな、とその印象を述べたには、コリアンダーの実を入れるからである。
そのラグメン(ラグマン)は、はっきりと文献などで、その歴史的な発生過程が分かっていないが、『 文化麺類学ことはじめ 』、前述の石毛先生によると、10世紀以後、ウイグル族が遊牧生活から、しだいにオアシスへと定住生活をし始め、農耕に従事するようになって、東である中国文明から西へと、この麺食の技術を取り込んだのだとされている。
ラグマンを主に食べているのは、中央アジアでも、中国人から伝えられたウイグル族、ウズベク族、タジク族など中国本国に近い東側で、カスピ海に近い西側=カザフ族、キルギス族、トルクメン族、カラカルバク族などは、あまり食べないという。拉麺=ラアミエンが、ラグメン(ラグマン)の語源だとされる。
ウイグル料理には、西アジアに起源を持ち、シルクロードと逆に伝播した=ピラフがある。しかし、ピラフは漢民族に伝わることがなかった。一方、麺の技術が中国からウイグル族を通じて、シルクロードで西側へと伝わる。ウイグルの水餃子は、見るからに、イタリアだったらミネストローネとラビオリである。
シルクロード、絹の道を通じて、中国の食生活を取り入れてきたウイグル族。トルコ系遊牧民たちの文化と中国文化が混ざり合う興味深い地域、その魅力に取り込まれそうである。
ラグメン(ラグマン)、本で読んだり、写真で見かけたことはあるが、羊肉とトマトを絡めたソースで食べる、その感覚を是非とも、体感したくて、日本では、目下、ただ唯一のウイグル料理を出してくれる=シルクロード・ムラト (HP)というお店が、さいたま市桜区(旧浦和市)の埼玉大学近くにあると知って、行ってみた。
アクセス : JR埼京線の南与野駅西口から、埼玉大通り(国道463号線)沿いにある南与野駅前から、埼玉大学行きのバスに乗って、5分強ぐらい、栄和北町(さかわきたまち)で下車、進行方向へと少し歩いた街道沿いに目立った看板が出ているので見つけやすいです。バスも埼大生御用達路線なので、かなりたくさんの本数が出ていますし、同じ463号線沿いで、JR京浜東北線の北浦和駅西口からもバスが出ています。
* 埼玉県さいたま市桜区栄和3−20−13 火曜休
12:00〜15:00 17:00〜26:00
埼大通りに面して、ひときわ派手な看板が、B級モードをくすぐります。知らないと入るのを躊躇しがちですが、怖がらないで(笑)。とっても、ひとなつこい主人が愛想よく、迎えてくれます。主人は、カシュガル出身とのことですが、日本語がとても堪能で、平身低頭なナイスガイです。開店当初は、ラーメン店の居抜きだったのでしょうか、右半分のカウンターのみでオープンしたようなのですが、今では、左側のスペースがテーブル席となっていて、広々としたところで食事も落ち着いてできます。
料理は、さほど種類があるわけでなく、リクエストが多そうなものに絞って、メニュー化されています。写真入りですので、なんとなく、どんなものか想像できるので、頼みやすいです。主に、羊肉料理がメインで、どれも同じような味付けなので、バリエーションは、悩むほどはありません。
羊肉といえば、シシカバブですね、とってもやわらかくて、しかもクセがなくて、とても食べやすいです。この羊肉は、水餃子にも、ワンタンの具にも入っていました。そのジューシーな脂がクセとなって、独特な味わい感を出しています。
水餃子 : ☆☆☆ かなり美味しいです。肉は羊、塩加減と皮の厚みも程よくて、小ぶりですが、ヤミツキになる味わい。香酢のようなタレを付けて食べます。
ラグメン : ☆☆☆ 細麺タイプと平麺=きしめんタイプが選べますが、今回は、細麺をチョイス。いわゆる、手延べ麺ですが、切れ目がないほどに、長〜くつながったままの麺です。注文が入ると、店頭で作ってくれるので、出来立てが味わえますが、手延べで、作り上げるまで、少々時間が掛かります。
食感は、稲庭うどんを太くした感じ、塩加減も程よく、コシもかなりあって美味しいです。茹で上げた麺を、一度、水で冷やして、その上に、具財を炒めたものが、掛かっています。ジャガイモ、インゲン、にんにくの芽、ニンニク片、たまねぎなどがトマト味でスープで絡めてあります。味は、シンプルで、しつこくなく、脂っこくなく、アッサリめです。ラグマン作りは、ウイグルでは、女の仕事らしく、女性の方が注文を受けてから作ってくれます。
ここの料理は、主人が、日本人好みに調整して、合わせてくれて調理しているみたいで、とっても細やかな味使いで、やさしさにあふれた料理です。けっして、塩っぱすぎたり、辛すぎたりそういうエスニック食にありがちな、ハプニングはありません。(ただし、主人が、ほぼひとりで調理に取り掛かっているので、お客さんの注文量が多いと、なかなか時間が掛かります。ご愛嬌です。ウイグル時間に合わせて急かさず、ひたすら待ちましょう。)
ワンタン : ☆☆☆☆ 羊肉ミンチの入った小ぶりのワンタンが多数、トマトベースのスープ。かなり濃厚で、コクのあるスープなのですが、しつこさは大して感じさせません。イタリアでいうところのラビオリといわれれば、そんなルーツかなとも思います。
ナンとお茶 : ☆☆☆ 写真は掲載できなかったが、インドのナンより、パンに近いような丸い形状で、タマネギが乗っていて、スパイスも多少、ふりかけられている。素朴な味ながら、甘みがあって、美味しい。それをつまみながら、お茶を淹れていただいた。アップルティーのようだったが、バラのお茶とのこと、ハマナスのつぼみのお茶とは味が違っていた。おそらくフレーバーティーなのだろう。ご主人に、ウイグルのお茶について質問したら、やはり以前、旅行先から貰った黒茶を塩とか入れて煮込んで飲むのだと説明してくれた。現品は、お店になかったが、今度、取り寄せておくよ、とか言ってました。
総評 : 普段、食べつけていない羊肉料理が主体でしたが、思ったよりも、食べやすく、味付けもあっさりとしているので、日本人好みで、気兼ねなく、たくさんの量が食べれますが、どれも、似たりよったりの味なので、一度で、すべて味わえませんでした。ぜひ、また機会があったら、訪れてみたいものです。
* ムラトさんと、似たような雰囲気を有している店としては、千歳烏山の中国遼菜府 烏山店、こちらも本場って感じが出ています。
シルクロード・ムラト @さいたま市
ラグメン(ラグマン=lagman)という中央アジアで、ごく普通に食べられている麺料理がある。ひとことで言うと、トマトソース味みたいなカレー風味のぶっかけうどん、手打ちではなく、手延べラーメンであり、手延べうどんである。カレーみたいな、とその印象を述べたには、コリアンダーの実を入れるからである。そのラグメン(ラグマン)は、はっきりと文献などで、その歴史的な発生過程が分かっていないが、『 文化麺類学ことはじめ 』、前述の石毛先生によると、10世紀以後、ウイグル族が遊牧生活から、しだいにオアシスへと定住生活をし始め、農耕に従事するようになって、東である中国文明から西へと、この麺食の技術を取り込んだのだとされている。
ラグマンを主に食べているのは、中央アジアでも、中国人から伝えられたウイグル族、ウズベク族、タジク族など中国本国に近い東側で、カスピ海に近い西側=カザフ族、キルギス族、トルクメン族、カラカルバク族などは、あまり食べないという。拉麺=ラアミエンが、ラグメン(ラグマン)の語源だとされる。
ウイグル料理には、西アジアに起源を持ち、シルクロードと逆に伝播した=ピラフがある。しかし、ピラフは漢民族に伝わることがなかった。一方、麺の技術が中国からウイグル族を通じて、シルクロードで西側へと伝わる。ウイグルの水餃子は、見るからに、イタリアだったらミネストローネとラビオリである。
シルクロード、絹の道を通じて、中国の食生活を取り入れてきたウイグル族。トルコ系遊牧民たちの文化と中国文化が混ざり合う興味深い地域、その魅力に取り込まれそうである。
ラグメン(ラグマン)、本で読んだり、写真で見かけたことはあるが、羊肉とトマトを絡めたソースで食べる、その感覚を是非とも、体感したくて、日本では、目下、ただ唯一のウイグル料理を出してくれる=シルクロード・ムラト (HP)というお店が、さいたま市桜区(旧浦和市)の埼玉大学近くにあると知って、行ってみた。
アクセス : JR埼京線の南与野駅西口から、埼玉大通り(国道463号線)沿いにある南与野駅前から、埼玉大学行きのバスに乗って、5分強ぐらい、栄和北町(さかわきたまち)で下車、進行方向へと少し歩いた街道沿いに目立った看板が出ているので見つけやすいです。バスも埼大生御用達路線なので、かなりたくさんの本数が出ていますし、同じ463号線沿いで、JR京浜東北線の北浦和駅西口からもバスが出ています。
* 埼玉県さいたま市桜区栄和3−20−13 火曜休
12:00〜15:00 17:00〜26:00
埼大通りに面して、ひときわ派手な看板が、B級モードをくすぐります。知らないと入るのを躊躇しがちですが、怖がらないで(笑)。とっても、ひとなつこい主人が愛想よく、迎えてくれます。主人は、カシュガル出身とのことですが、日本語がとても堪能で、平身低頭なナイスガイです。開店当初は、ラーメン店の居抜きだったのでしょうか、右半分のカウンターのみでオープンしたようなのですが、今では、左側のスペースがテーブル席となっていて、広々としたところで食事も落ち着いてできます。
料理は、さほど種類があるわけでなく、リクエストが多そうなものに絞って、メニュー化されています。写真入りですので、なんとなく、どんなものか想像できるので、頼みやすいです。主に、羊肉料理がメインで、どれも同じような味付けなので、バリエーションは、悩むほどはありません。羊肉といえば、シシカバブですね、とってもやわらかくて、しかもクセがなくて、とても食べやすいです。この羊肉は、水餃子にも、ワンタンの具にも入っていました。そのジューシーな脂がクセとなって、独特な味わい感を出しています。
水餃子 : ☆☆☆ かなり美味しいです。肉は羊、塩加減と皮の厚みも程よくて、小ぶりですが、ヤミツキになる味わい。香酢のようなタレを付けて食べます。
ラグメン : ☆☆☆ 細麺タイプと平麺=きしめんタイプが選べますが、今回は、細麺をチョイス。いわゆる、手延べ麺ですが、切れ目がないほどに、長〜くつながったままの麺です。注文が入ると、店頭で作ってくれるので、出来立てが味わえますが、手延べで、作り上げるまで、少々時間が掛かります。食感は、稲庭うどんを太くした感じ、塩加減も程よく、コシもかなりあって美味しいです。茹で上げた麺を、一度、水で冷やして、その上に、具財を炒めたものが、掛かっています。ジャガイモ、インゲン、にんにくの芽、ニンニク片、たまねぎなどがトマト味でスープで絡めてあります。味は、シンプルで、しつこくなく、脂っこくなく、アッサリめです。ラグマン作りは、ウイグルでは、女の仕事らしく、女性の方が注文を受けてから作ってくれます。
ここの料理は、主人が、日本人好みに調整して、合わせてくれて調理しているみたいで、とっても細やかな味使いで、やさしさにあふれた料理です。けっして、塩っぱすぎたり、辛すぎたりそういうエスニック食にありがちな、ハプニングはありません。(ただし、主人が、ほぼひとりで調理に取り掛かっているので、お客さんの注文量が多いと、なかなか時間が掛かります。ご愛嬌です。ウイグル時間に合わせて急かさず、ひたすら待ちましょう。)
ワンタン : ☆☆☆☆ 羊肉ミンチの入った小ぶりのワンタンが多数、トマトベースのスープ。かなり濃厚で、コクのあるスープなのですが、しつこさは大して感じさせません。イタリアでいうところのラビオリといわれれば、そんなルーツかなとも思います。ナンとお茶 : ☆☆☆ 写真は掲載できなかったが、インドのナンより、パンに近いような丸い形状で、タマネギが乗っていて、スパイスも多少、ふりかけられている。素朴な味ながら、甘みがあって、美味しい。それをつまみながら、お茶を淹れていただいた。アップルティーのようだったが、バラのお茶とのこと、ハマナスのつぼみのお茶とは味が違っていた。おそらくフレーバーティーなのだろう。ご主人に、ウイグルのお茶について質問したら、やはり以前、旅行先から貰った黒茶を塩とか入れて煮込んで飲むのだと説明してくれた。現品は、お店になかったが、今度、取り寄せておくよ、とか言ってました。
総評 : 普段、食べつけていない羊肉料理が主体でしたが、思ったよりも、食べやすく、味付けもあっさりとしているので、日本人好みで、気兼ねなく、たくさんの量が食べれますが、どれも、似たりよったりの味なので、一度で、すべて味わえませんでした。ぜひ、また機会があったら、訪れてみたいものです。
* ムラトさんと、似たような雰囲気を有している店としては、千歳烏山の中国遼菜府 烏山店、こちらも本場って感じが出ています。
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