柴又 山本亭

February 20 [Tue], 2007, 0:00
柴又 山本亭
 アクセス : 帝釈天の広い境内を出て、向って右側の通用口から、敷地の大谷石塀を伝うように歩き進めると、そこは江戸川の堤防に向っていきます。いわゆる矢切の渡しで、対岸は松戸になります。その堤の下あたりに、なにやら立派な日本建築のお屋敷があります。この建物は、もとはカメラの部品工場を経営されていた山本さんの四代続いた邸宅だったそうですが、山本さんが関東大震災の被害のため、台東区小島から、こちらに移住し、もとからあった建物を改築して住んだそうなのです。

 その大正時代末期から昭和初期にかけて、いくどか増改築がなされた、書院造から洋風建築、外には、広い書院庭園など、当時の和洋折衷のもっとも誠実な様式美を伝えて、いまに残す文化的な価値あるものとされ、昭和63年に葛飾区が取得して、現在は、一般公開しているものです。
( * 柴又7−19−32 第三火曜日休館ほか。 ) 
 この正面は、形態的には、伝統的な長屋門を踏襲しながらも、外観は、しっくいで固められ、内部に到っては、床部分には、六角タイルや窓にステンドグラスなど、実に和洋折衷な意匠をもった建築に仕上げていて、非常に興味深いものとなっています。

 そして、対比として、おもしろいのは、アプローチは、飛び石や苔、シダ類の植栽など、実に書院風のモチーフに忠実な純和風のつくりなのです。
 帝釈天を左側の車道、駐車場出入り口伝いに向っていくと、鰻家・川魚料亭の川甚に突き当たります。それを右に折れて、しばらく歩きを進めると、表玄関に出ます。

 ここで、入場料100円を払うと、館内に上がれて、なかの客間から庭園が見えるほか、お茶などの休憩所として使用することも可能となります。向って左手には、離れとして、お茶室もあるようです。
 初めて訪れた、平成3年の委託当初は、ハッキリ行って、何にも整備されていないスカスカの状態であった記憶があるのですが、いまは、すっかりと手入れが行き届いており、その趣きにも、やっと重厚感がでてきて、非常に楽しみな場所になったと思います。

 観光スポットといえば、隣接した敷地内に、寅さん記念館が完成しており、この山本亭で、併用する場合、入館料が50円だけ割引になります。
銭湯もそうですが、昭和初期の建造物は、都内に残っていない遺産なので、是非、取り壊す前に、保存も考えて欲しいものですね。* まぁ、別にノンビリとこういう木造建築物が眺められるといいのですが、さきごろ法改正があって、今年の6月から、新築された一般住宅の火災警報器の設置が義務付けられることとなりました。なにを今更?と思うかもしれません。

 既存住宅の場合、設置時期に猶予があって、平成23年までに取り付けがされればいいとなっています。果たして、これが可能なのでしょうか?法制化に意味があるのでしょうか?疑問です。報知機能があったからといって、火事が減るのでしょうか?

 これも、あざとい策略のひとつでしょうね。デジタル放送化と同じ罠です。どこでも、一斉にそうなるんだから、従え的な発想で、実に社会が硬直化してきています。火災警報よりも、むしろ、そういう社会になりつつあることを、警告したいくらいです!
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