6 

November 18 [Fri], 2005, 12:17
アオバの次の言葉は、私を責める、そして自分を守る言葉。
そんな身勝手な、思いやりのない言葉を刺されても、絶望に似た感覚はあったものの、何故か私の頭は冷えたままだった。

さて、どう出るか。
この修羅場に、そんな駆け引きめいたことを考えている自分はもしかしたらどこかおかしいのかもしれない。
でも、アオバに『分かってもらう』ための手段を必死で考えていたのは確かだ。
『信じたい』という気持ちから出てきた狡さ。本心を晒すばかりがうまくやる全てではない。
一瞬のうちにそう考えた。理不尽な方向に攻め込むこともやむを得ない。

ガンッ、と、力任せに一発、車のダッシュボード上を殴る。
初めて、物相手とはいえ、暴力に任せた。
「私が悪い・・・それでいいね?」
と、一言。
「明日早いんなら帰りなよ。終わり終わり」
二言。アオバは動かない。
「私にまた、『私が悪い』って言わせたこと、覚えておきなね」
「覚えておけって何だよ?復讐でもする気か」
やっと、言葉が返ってきた。顔を見ることはできない。
「そんな小さいこと言ってない。アオバ、一体何のために通院勧めたの?自分の手に負えない部分を医者とか薬に押し付けようってつもりだった?自分は何一つ協力するつもりもなく?どれだけ都合いいの?」
そうじゃないのは分かっていた。敢えて傷をつけた。体が、震えた。
でも、この頭に血が上った状態のアオバには、そうでもしないと分かってはもらえない。
思い出して、私を心配した瞬間を。思い出して。気持ちを。


5 

November 17 [Thu], 2005, 19:20
アオバの部屋につき、車を停め、まだまとまらない話をどうにかして落ち着けようと私は考える。
話の焦点は「無理なく付き合うにはお互いどうすればよいか」。簡単なようで難しい。
バランスを崩したのは私だという負い目から、アオバの負担の少ない形を、押し付けがましくない方法を、私が考えなければ、と思った。アオバから提示されるものは何もないから。
アオバは、私と同じく人の言葉に傷つきやすい。私との違いは、「傷つきやすいが故に人に優しくする」ことをしないという部分だろう。基本的にやり返す。
好きな人を傷つけたくない、やり返されるのも怖い・・・。
今までに、思いもよらない言葉を拾って機嫌が悪くなることが多かったため、慎重に言葉を選ばなければ、と、思った。
言葉が足りなくなった。

沈黙を避けるように、私は「ちょっと待って、考えてるから・・・。待って・・・」と、つぶやくように言い続けた。
15分くらい、その状態が続いたあとだろうか。アオバが痺れを切らした。
「そんなに考えたいなら一人でやってろよ。お前の長考にはうんざりだ」
車から降り、部屋へと帰っていった。
何が起こったのだろう、掌を返したようだった。

取り残された私は、一瞬、動揺から涙が出たが、直ぐに治まった。悲しさより先に、アオバの行動に驚いたためだろう。
悲しいと言う感覚は麻痺してわからない。しかし、足が震えている。焦点も合わない。
どうしたものか、このまま一時間以上も運転して帰るということは難しそうだ。自分に希死念慮があることは自覚していて、このまま帰ったら死ねるだろうかとまで考えた。

それから少しの間、動けずにいるうち、何のために今日病院へ行ったのか、医者に何と言われたかを、必死で思い返していた。

このままではだめだ。

電話で、呼び戻した。
アオバはいやいやながら車に戻ってきた。もう、寝る支度をしていたことに頭にきた。普段は入れない攻撃用のスイッチを、「敢えて入れた」。


 

November 16 [Wed], 2005, 18:31
今日はアクティブでありネガティブ。自分を追い詰めるほうへの行動力が凄まじい。昨日体を休めたせいだろうか?


私は心を病み、心療内科への通院を決めた。もともと鬱でアオバが通院している小さなクリニックだ。
その頃はまだ希望が大きくあった。また良い関係に戻れると信じていた。アオバのことも、信じきっていた。嘘で塗り固められた部分を見抜くことが出来なかった。そんなスキルも、なかった。
ただただ、私が安定すれば揉め事は起こらなくなるだろうと。私が悪い、付き合い下手な私の言動に全ての原因があると、そう思っていた。

医者に思うことを時間の許す限り伝えた。

「自分を責めることから不調が引き起こされている。まずは、自分の心の負担を軽くするよう、信頼できる相手に刺激になる言葉を控えてもらうよう協力してもらってみてはどうだろうか」

そう、言葉を頂いた。
薬は処方されなかった。必要ないのではなく、私には自傷の気があると判断され、ODの危険を避けるためだ。

待合室でアオバが私を待っていて、当然のごとく「どうだった?」と、訊かれた。
「薬は出なかったよ」と、それだけ伝えた。

そのあと、ごく普通にお茶を飲み、街を歩くが、医者に告げられたことを説明することはできず、夕食をとるためある店へ入った。
もう、夕食を食べたあとは言う機会が失われる。言わなければ。言わなければ。

「言ってなかったけど、実は医者にこう言われたんだよね」
淡々と、医者の言葉そのままで説明した。

「どう思う?」
「・・・モミジはまだ若いんだし、俺にとどまる必要は無いと思う」
「別れるってこと?」
「モミジがそうしたいなら」
なんてずるい男だ。自分の意思は表に出さない。
「協力する気はないってこと?」
「正直、自分を抑えられる自信はない。そうしないと、俺は自分を保てない」

無理は、言えない・・・。アオバも、私と同じかそれ以上に心を病むものだから。

口調を荒げないよう、話をこじれさせないよう、細心の注意を払い帰路につく。
その日は、私の車で動いていたため、青葉の家に到着するのが先だった。話はまだまとまっていない。

3 

November 15 [Tue], 2005, 12:02
あまりの体調の悪さに、今日は仕事を休んでしまった。
今朝、自宅テーブルの前で、支度をするため立ち上がることも諦めて座り込むことも出来ずに前屈みでしゃがみこんでいた。かなり長い時間だったと思う。
そして、自分の体調と、仕事の内容が結びついてこないこと自体が相当まずいということに気付き、休むことにしたのだ。
このまま出勤したら、同僚に迷惑がかかる。きっとミスに気付けない。何より、ここで休まなかったらもっともっと酷い状態の明日が待っている、ということに怖くなった。

なぜ体調が悪いのか。
半月前からまともな食事を摂っていないから。体重が5キロ減った。
食欲なんて湧かない。先なんて見たくないから、無理に生きる力を摂る必要なんかない。

悩みや重たい考えに取り巻かれて、恋愛以外の楽しさや希望に目を向けることが出来ない。絶望しているのだ。

受動的に、『死にたい』と願う時間がある。
いや、『死にたい』というより『消えたい』だ。

2 

November 14 [Mon], 2005, 22:26
どこからか二人の関係が崩れた。
私に対しての気持ちが薄れたのか。それとも、もともと中身なんて無くて、上モノだけで私を騙し続けるのが億劫になったか。

確かに私は厄介な女だ。自我が強く、自意識過剰。その癖自信が無い。マイナスの刺激を受ければ、そこを発端としてありとあらゆる被害妄想に悩まされる。
寂しがり屋で見捨てられることに激しい恐怖を感じ、だからと言って捨てられないように相手に合わせることも、強固な自我が許してはくれない。

アオバは最初に、「モミジの全てを丸ごと受け止める」と、言ってくれた。
嬉しかった。
今まで、全てを認めてくれる人なんていなかったから。家族でさえ、私の性格を煙たく感じているのではないかと思うことが多々ある程だ。

本当に嬉しかったのだ。
(後日、撤回されるのだけれど)

今思うと、それは私がアオバに対して向けた気持ちとなんら変わりは無く、特別なことでも何でもないかもしれないけれど。
自分の中身が、到底人に受け止めてもらえないであろうものだから、必要以上に喜んだのかもしれない。

その言葉自体、女を自分に依存させることに長けた、アオバの技のひとつなのではないか。
その言葉を必要としていた私を操作するための餌なのではないか。
疑いだすときりが無い。

いつから私を操作する対象として見ていたのか。
私の『思い遣り』は、いつから向こうに届かなくなった?
最初から、とらえることすらしない相手に、一方的に投げ続けていたんだろうか。
自分で言うけれど、私は思いが強く、情に厚いほうだと思う。
どうして伝わらないのか不思議でならないほどだ。

1 

November 13 [Sun], 2005, 22:06
私はモミジ、彼はアオバという仮名を使いたい。そうしたほうが書きやすい。
読んでくださる誰かも、そちらのほうが分かりやすいだろうと思う。

私は20代半ば、アオバは七つ上。付き合って半年近い。私にとっては遅咲きながら初の恋人だ。
もともと自分に自信の無い私は、自分に好意的な異性全てに、恋愛感情を抱いてしまうようになってしまっていたのかもしれない。そして、たまたま押しの強かったアオバに、

『引っかかった』。

きっと恋に恋をしていた。
最初はすること全てが新鮮で、新しい世界に踏み込んだ実感に溢れた。今まで無かった安定した気持ちを得ることが出来、些細なことで心躍る日々だった。
一般的な恋人がしていることをなぞるだけの行為や言葉ばかりではあったものの、むしろそれが嬉しかった。
今でもあの頃に戻りたいと切に思う。例え全てが嘘や虚栄によって構築されていたのだとしても、幸せで何物にも代えられない日々だった。

戻れるなら、相手はアオバである必要は無い。
アオバで無ければよかったと思うこともある。
初めての全てのことを、誠実で信頼できる誰かに委ねたかったと。

傷つけられることの連続で、心まで病んでしまった私が今でも別れられないのは、アオバではなく「恋」という事象そのものなのかもしれない。

恋愛 

November 13 [Sun], 2005, 22:00
今日から始めます。

今苦しい恋愛をしています。死んでしまいそうだ。
もう、恋愛と言うにも抵抗が感じられるほど。
どうして別れられないのか。気持ちの整理をつけるために、ただ書く。

それだけのためのページ。
2005年11月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
最新記事
最新コメント
アイコン画像モミジ
»  (2005年11月17日)
アイコン画像ちー
»  (2005年11月16日)
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:momiji_kaede
読者になる
Yapme!一覧
読者になる