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November 03 [Sat], 2007, 19:01
発電所の地下は堅い岩盤で囲まれている。囲まれているというより岩盤を削りその空隙に建造したというのが正しい。外より地中は冷えるな。そう思いながら神谷は身震いした。高速で移動するエレベータは電磁力と重力子で加速度を制御している。搭乗者はなんの違和感もなく地下数kmまで数分で移動した。エレベータのハッチが開くと神谷は重いであろうアルミのケースをひょいと担いで歩き出した。自動で点灯した照明で辺りは明るいが蜃気楼のようにぼやっとゆれている。神谷が30分前に薬剤投与されていなかったら、彼は真っ直ぐに歩くこともできないだろう。日頃からジムに通い自身の体を鍛え抜き体能力だけでなく六感能力でもA級なのだが。明るいが手掘りのトンネルを進んでいくと広い空間が現れた。空間はほぼ半球形でその中心には地面に機械が埋め込んである。極低周波の音が感じられる。いや音ではないのかもしれない。神谷は感じてはいるがどの器官であるのか不明瞭だ。ここでは感覚が不明瞭になるのだ。
「今日は歪が大きいな」
そうつぶやくとアルミのケースを地面に置き作業に取りかかった。長い時間ここにとどまるのは危険なのだ。
P R
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