痴呆日記に変更 

2004年07月12日(月) 13時28分
この日から、しばらく行動メモにきりかえる。

「はてな」もしばらくお休みして、ココにメモ。ブログ機能は無視。



・昨晩から朝〆の仕事にとりかかるが進まず。昼までかかる。
 〆切過ぎて送信。すみません。

・じいさんの病院から携帯に電話。
 緊急に相談したいことがあると言われ、飛んでいく。


・総看護士長さんから、最近じいさんの痴呆徘徊がひどくなってると報告が。
 苦情、注意など。ここは病院で老人ホームではないので、
 フォローにも限界があるとのこと。で、週末は病院に泊まりにくることにした。

・じいさんと8時まで一緒にいる。

・9時出社。超重役出勤。

・記憶を失う。

・記憶復活。靖国通り沿いで自分発見。夜中だ。

・記憶、ふたたび行方不明。

・記憶復活。どこ?ここ。


・携帯に十数件の着信履歴、およびメール。
 おや、同居人が心配しているぞ。すみません。
 元上司も心配しているぞ。おや?なぜ?

・タクシーで帰る。運転手さんに行き先が告げられず苦労する。
 交差点で同居人が待っていてくれた。
 ずっと待っててくれたの?ありがとう。

禁止/ピザ/迎え火 

2004年07月13日(火) 13時24分
・仕事禁止令、派手な社交禁止令出る。

・気持ちは落ち着いている。

・今日はじいさんの介護と見舞いも行くなとのこと。1日部屋でゆっくりしてろとのこと。

・ゆうべのことは思い出せない。

・同居人がコンビニでボカスカ食料を買いだめしてきてくれるが、
 食べる気なし。そういえば昨日?一昨日?から何も食べてない。

・夕方、にわかに食欲復活。

・記憶失う。

・ピザーラが家にくる。あたしが頼んだの? だな。

・モリモリ食べる。

・食べすぎて気持ち悪くなってリバース。

・ハサミを使おうとしたらハサミがない。
 カッターもない。あれ、カミソリもない。
 家中の刃物を同居人に隠されたことを悟り「え、私ってそんなにヤバイ?」と焦る。

・ショックにもめげずテレビを見て笑おうとする。おもしろくない。

・メールに返信など。返信したくない人もあり。

・お盆の迎え火に付き合う約束をすっぽかしたと、いま思い出した。

昭和風景/包丁なし 

2004年07月14日(水) 13時22分
・おい、包丁も無いぞ。料理も禁止か?

・じいさんの見舞い&介護。午後から夜8時まで。
 入院してるのに在宅ぐらい手間がかかる。でもじいさん大好きだから、へっちゃらさ。

・今日のじいさんは小康状態。記憶も確か。むしろあたしの方が記憶が不確か・・・

・じいさんトイレが最近うまい。

・昭和の新宿の風景を収めた写真集を買ってきてじいさんに見せる。
 都電の話や二幸ビル、TAKANOの話などを話すじいさん。
 しっかりしてるじゃん、じいさん!と嬉しくなる。

うんざり/ピザ/痴呆対決  

2004年07月15日(木) 13時11分
今日は出社する予定のはずだったが止められる。お詫びの電話を入れようとすると、その必要もないといわれる。すべての仕事相手に同居人から連絡済みとのこと。

自分がどうなってるのか、周りが知っててあたしが知らない。そんなの、変。うんざり。

洗濯したかな、わからないので洗濯機を空けてみるとやっぱり洗濯し終わったままになってる。うんざりしながら干す。掃除機かける。いいかげんに。

くずもち/あんぱん/なかおち 

2004年07月16日(金) 1時01分
・じいさんおとなしく、ボケもひどくはない。小康状態ってやつ?
 お義父さんがきのう高島屋で買ってきたくず餅を食す。
 冷蔵庫に入れてあったので少々固くなっていたのだが、
 ハサミでこまかく切り、汁物好きなじいさんのため
 黒蜜を多めにかけてサーブ。
 するとあんなに「歯茎が痛い」と騒いでいたはずが、
 痛いともいわずペロリと食ってくれた。固いのに。
 最近、じいさんの歯茎は都合が悪いときに痛むことがわかってきました。

 「船橋屋のくず餅なんだって。有名なところ?おじいちゃん」と聞くと
 「そうだね」「んまいね」「はい、ごちそうさまです」とじいちゃん。

・相撲に興味を示す。その調子、じいさん。

・夕飯にはいつも通り、軟炊白飯と汁物にしか手をつけようとしない。
 おかずも柔らかいものにしてもらっているのに「かたくていやだ」という。
 そこで夕方買ってきた鮪の中落ちを小皿に盛って出すと、
 大好きな醤油をジョビジョビかけて、ペロリと完食。

・夕食後、「いいです、いいです」と断るじいさんを
 半ば無理やり車椅子に乗せて、病院内をお散歩パトロール。
 ようやくここがどこの病院かわかってきたらしい。

西瓜/大トロ/ばあさん 

2004年07月19日(月) 0時36分
ばあさんの病院。差し入れはブドウ、たらこ、アミの佃煮。昼食と共に美味しそうに食べてくれる。食後、リハビリは休みの日だが「早く治すために動きたい」とのたまうバイタリティあふれるばあさん。看護士に許可をとり、病室の外の廊下で、歩く練習に付き添う。大病院の長い長い廊下を、新しい杖を使って器用に歩くおばあさん。とってもゆっくりだけど、足もひきずってないし、重心も傾いてない。「クララが立った!クララが立った!」に近い感動的な光景。大騒ぎする私へのサービスか、とうとうばあさんは、長い廊下を1往復してくれたうえ「まだ物足らないけど」と強気な発言をしながら病室に戻る。

自主練のあとはさすがに疲れたか、ベッドに横になるばあさん。車椅子から移し、家から持ってきたタオルケットをかけてやり、ばいばい。去る私の背中を追いかける、「じいさんをよろしく頼みますね」というばあさんの大きな声。いくつになっても、さすが嫁だ。

ホラー漫画/芥川賞受賞作/初ギター 

2004年07月20日(火) 0時26分
親愛なる売れない漫画家IGと会う約束。じいさんの洗濯物をもったまま。

下町の喫茶店に入る。アド街ック天国に出たらしく、撮影風景や放映画面の接写、キンキンの顔写真などが飾ってあり、可愛らしい店内。コーヒーフロートをいただく。とても居心地がよかったので、お礼に、つい先ほどガシャポンで当てたキャプテンハーロックの巨像を、メニューの隣にそっと置いて店を出る。だが人のいいマスターに「お客さん、忘れ物ですよ!」と後を追いかけられ、あっけなくハーロックま間も無く私の手元に帰還。

IGに本を借りる。「ロック豪快伝説」は、新旧のロックスターによる、長嶋監督語録に負けない迷言が盛りだくさん。「ゆとりが無ければ、家は買うな――ジーン・シモンズ(KISS)」など。大道珠貴著の「銀の皿に金の林檎を」は、貸すではなく、くれてしまうという。読破したあと古本屋に売りたくなったらどうしよう。読む前から良心の呵責が。ほか、山咲トオルの初期作「屍少女」など。インコの飼い方の本も貸してくれようとするが、丁重にお断りする。この前ハムスターの飼い方の本を無理やり譲りうけたばかりだ。

迫りくる三十路という大きな津波を前に焦りはじめた私に、IGはギターを教えてくれるという。今日は初回レッスン日。指がつれただけで、コードは覚えられず。前途多難。

床屋/ジャム 

2004年07月20日(火) 23時59分
今日は昼ご飯に間に合うようじいさんの病院へ。
病院についたらまず一緒にお茶をするようにしているのだが、今日はすぐ昼飯だったのでやめる。今日のメニューは・・・なんだこりゃ。老人向けの軟食のため、原型をとどめないペースト状になったものが、皿に盛ってある。じいさんも「なんだねこりゃ」と聞くので、我が輩、毒見。正体はハンバーグだった。柔らかくなった肉がそぼろ状にほぐされ、ケチャップソ−スがかかっている。付け合せは、くたくたに煮て細かく刻んだニンジンとブロッコリー。じいさんは酸っぱいものがキライなので、ケチャップの部分は私が食べ、残った肉そぼろと野菜を、持参したすき焼き風のタレを割って和え、じいさんの持つご飯茶碗に強引にのせる。じいさん一口食べて「わりにうまいね」と合格サイン。やった。

デザートはオレンジだったが酸味嫌いなじいさんは口をつけず。代わりに昨日の残りのスイカをやる。ポカリもゴクゴクのむ。

英会話/メロン/リハビリ好青年 

2004年07月21日(水) 0時28分
午後、じいさんにハローと挨拶すると「ハロー」とかえってくる。じいさん、実は英語が読める。以前、家で一緒に「たべっこどうぶつ」を食べていたら、ビスケットにプリントされた単語をスラスラ読み上げてくれた。ハイカラじいさん。ちなみに本日あたしが着ていたTシャツには、かのジョン・レノンの名曲をもじった「WORKING CLASS ERO」というでかでかとしたロゴが踊っていたのだが、じいさんは読んでしまったのであろうか。EROってわかるかな、じいさん。

じいさんのリハビリを担当してる理学療法士さんと久しぶりに会い、おしゃべり。
退院後の自宅での体操方法や気をつけることなどを聞く。この先生はあたしと同い年で、たぶんなんかのスポーツをやっていたに違いないがっちりとした体つきとガチガチした髪型。ブコツだがやさしげな好青年である。じいさんの机の上をみると、体操の方法を絵と文字で丁寧に説明した先生による手書きのメモがおいてあった。お礼を何度もいう。じいさんと3人でしばし歓談したあと、じいさんのボケ具合や留意点などをうかがう。理学療法士というお仕事についてなど、しばし雑談もはずませる。実にいい青年だ。実にお名残惜しい。お茶でもいかがですか・・・。

にわかメロス/にせキャバ嬢 

2004年07月21日(水) 1時31分
じいさんの世話をしてたらあっという間に7時。知人と映画を観にいく約束を忘れかけていたところに、本人から「少し遅れそう」と携帯メールが届き、「?・・・なにが遅れそう?・・・アアッ!」と、危ないところで思い出す。医者は副作用による健忘というけれど、最近のもの忘れのひどさは、じいさんとタメをはるほど生活に支障をきたし始めている。

疲れて疲れて電車に乗る気力もないが友人との約束は果たせばならなぬ。にわか走れメロスと化した私は金もないくせに思わず「タクスィ〜」を使ってしまう。工事渋滞にいらつきながらも運転手さんは「いまから出勤?大変だね〜」などと私にねぎらいの言葉をかけてくれる。運転手さんの脳内では、こんな時間に池袋にタクシーを飛ばす女は皆キャバ嬢らしい。ケバくもなくかわいくもなく貧乏くさいあたしを、そんな金のかかってる女と勘違いしてくれて有難う、おじさん。あたしはキャバじゃないの。痴呆よ。

映画は良かった。来てよかった。しかし、タクシー代4000円弱。レイトショー1000円。
・・・釈然としない、あたしの金の使い道。