入学式〜H澤先生編〜 

2005年08月03日(水) 1時18分
「だー!わー!寝坊だ寝坊!シャレにならんッ」
起きっぱなしの髪形に不躾な化粧。それでも不似合いなスーツを着こんでいるのは、勤め先となる学校の入学式に出勤予定時間から1時間も寝坊したからに他ならない。


-入学式〜H澤先生編〜-
「っと、ココ通ると近道なんだよねん」
なんて独り言を良い、細い路地に入っていく。寝坊しといてよくもまぁこんな余裕があるなと言う感じだが、H澤先生にとって遅刻など日常茶飯事。これぐらいでは同時無い。
また、彼女には絶対の自信があった。
「・・・ん〜10分の遅刻かなぁ・・・」
腐っても体育教師の彼女は、1時間の朝寝坊を50分の遅刻に変えるだけの足があるのだ。

・・・それでも10分の遅刻になる、と言う事実はどうでもいいのか・・・?

「らっくしょー☆」
とか言いながら細い路地を走り、間に置いてあった荷物をスーツで飛び越える。
普段はジャージな為だろうか、身のこなしは良いがはしたない。

「・・・げ」
ところが、そのH澤先生が突然にブレーキをかける。
立ち止まったH澤先生の前には普段は無い鉄格子のような扉。
「ふだんはこんなん無いのに・・・まいったなぁ」
高さ的には胸のあたりまでだが、飛び越えるには大きすぎる。
かといって引き返す時間もないか…

そう思って後ろを向いた時…


「―――よッ!」
「!?」
自分のすぐ横を高く、格子の向こうまで飛んでいく人影。一瞬何があったのかわからずその背を見送る―――
「今の…Uっちー先生!??」
Uっちー先生とは、H澤先生と同じ男子体育教師。机も隣だし、良く話しをしたりもする。冗談や雑談をするような仲だ。
それが…

「へ…あ…ちっくしょーっ」
ボーっとしていたH澤先生は慌てて格子をよじ登る。

それが…突然風のようにさわやかに見えたのは…これが初めてだった。


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「すみません」
「へ?」
格子を越えたところで突然声をかけられた。
MMH学園の制服にさえない黒髪。小さめの身長。まるで制服に着られているかのような風体。
「道に迷っちゃって…MMH学園はどこですか?」
「MMHなら私の学校だよ、一緒に行く?」

「あ、先生ですか。僕A達っていいます」
そう笑った生徒が…
(か…かわいい…)

ってコラ。

…どうなることやら…

君の名は・・・【後編】 

2005年07月21日(木) 2時07分
さて、前回のお話で講堂を出て行ったY田先生。

―向かった先は、初めてのホームルームが行われている1年2組の教室。
保健医であるY田先生は、通常HRに参加は出来ない。

「ぁ、いたいた☆・・・結構早い出席番号なのね・・・」

独り言を呟きながら、教室の後ろのドアからこっそりと中を覗く。
そこからは丁度“彼”の後姿が見えた。
その周りでは、1年2組のクラスメイトが順番に自己紹介をしている。

(もう!あんた達はどうでもいいから、あの子紹介させなさいよ〜!!)

・・・今のY田先生にとって、彼以外の人間は意味を持たないようだ・・・。

「よし、次」
「はい」
「きゃ・・・!」

・・・・・・・ん?

「・・・なんだ?」
「今・・・きゃって・・・」

教室がザワつく。

「〜〜〜〜っ!!」

廊下では、手で口を押さえたY田先生が心臓をバクバクさせてしゃがみ込んでいた。

(やば・・・、つい・・・)

ばれなかったかしら・・・とドアに付いた小窓から顔を出すと、まさに“彼”が話し始める所。
今の失態をどこかに忘れ、Y田先生は真剣な顔をしてその様子を凝視している。

「O田と言います。M黒中学から来ました。よろしくお願いします」
「よーし、次〜」

真面目な口調で短くそう言うと、“彼”は席に着いた。
その後も自己紹介は続いたが、廊下にY田先生の姿はなかった。

―1年2組の前の廊下を突き当たった先にある、職員室へと続く曲がり角。
その壁に背を預けて、Y田先生はボーっと・・・、

・・・いや・・・。

「O田君・・・か・・・☆」

独りで満面の笑みを浮かべながら、さっき見た姿と耳にした名前を脳裏に焼き付けていた。
その光景は、傍から見たらかなーーーりだったが、今のY田先生にはどうでも良い事―。

こうして、Y田先生とO田君のMMH学園生活が始まったのである。

君の名は・・・【前編】 

2005年06月23日(木) 3時25分
(・・・えーっと、確かあの子は一年生だったわよね・・・)

入学式が行われる講堂には、続々と生徒が集まっている。
その様子を見ながら、職員席ではY田先生が誰かを探していた。

・・・保健室の窓から見た新入生・・・。
ネクタイの色から、一年生だという事だけは分かった。

(何組の子なのかしら?)

Y田先生の表情はいつになく真剣だ。
・・・さっきまで『楽しい事ないかしら』とぼやいていた人物と同一人物とは、到底思えない。

(・・・あ!)

「見つけた〜〜〜っ!!」

―ザワ・・・ッ―

思わずそう叫んだY田先生に、人々の視線が集中する。

「ちょ・・・!Y田先生・・・?!」

周りに居た先生方は慌ててY田先生を制すが、当の本人は周囲の様子など全く気にしていない。
まさに“ぽーっ”という顔である方向を見つめていた。

(やっぱり可愛いわ〜♪)

視線の先には【1−2】と言う立て札。
その中でもとりわけ小柄な、栗色の髪をした生徒にY田先生の目は釘付けだった。

(1年2組・・・、名前は何て言うのかしら?)

入学式は滞りなく行われた。
・・・が、校長先生の祝辞も、来賓紹介も、Y田先生の耳には届いていなかったようだ。
閉会の言葉が読み上げられ、新入生達がそれぞれのクラスへと戻って行く。

「よっし!私もっ!」

勢いよく立ち上がると、Y田先生は軽い足取りで講堂を後にした。

入学式〜F田先生編〜 

2005年06月17日(金) 2時41分
「・・・は?・・・転任?!」
「んー、らしいねー・・・」

MMH学園開校3ヶ月前、とある高校の昼休み、職員室での会話である。
あまりに唐突な転任話に、持っていた箸を落としたのは理科担当のF田先生。
自分の転任を人事のように話しているのは、英語担当のY口先生。

「らしいって・・・、そんな急に決まるもんなんですか?!」
「どうだろうねぇ?」
「・・・どうだろうねぇ、じゃないですよ・・・自分の事でしょう・・・?」

Y口先生の反応に、F田先生はがっくりと肩を落とす。

「ま、決まった事について僕は何も言えないから」
「・・・確かにそうですけど・・・」

会話から分かる通り、Y口先生はかなりマイペースな人間である。
普段はボーっとしていて、何を考えているのか全くと言って良い程分からない。

が。

教師としての腕は確かなようで、新設されるMMH学園の英語担当に抜擢されたのだ。

そんなY口先生に、新任当初から惚れ込んでいるF田先生。
こんな急な転任騒動、動揺しないはずがない。

(・・・どうしよう・・・。このままじゃ・・・!)

「ちょっと失礼します!!」

ガタンッと勢いよく席を立つと、F田先生が走って行った先は・・・。

「校長っっ!!」

「おや、F田先生、どうしたんですか?そんなに慌て・・・」
「MMH学園に転任します!!」
「・・・は?」
「ですから!私、MMH学園に転任したいんですっ!」
「いや、そんな事を言われましてもねぇ・・・」
「言われましてもも何もありません!とにかく!転任しなきゃいけないんですッ!!」
「あの・・・F田先生?少し落ち着いて・・・」
「これが落ち着いていられる訳ないでしょーがッ!条件付きでも何でも良いから、早く何とかしろって言ってんのッッ!!」


―開校当日―

「ここがMMH学園かぁ〜、新しいだけあって、綺麗な校舎ですねぇ?Y口先生」
「・・・それより、F田先生いつ転任決まったの?」
「え?!い・・・、良いじゃないですかそんな事!ねっ!」
「・・・ふーん・・・?まぁ、良いけど・・・」


F田先生のあまりの迫力に、校長先生も「YES」と言わざるを得なかったようで・・・。
こうして、Y口先生と(オマケの)F田先生は、MMH学園の門をくぐったのだった。

入学式〜K寄先生編〜 

2005年06月09日(木) 2時23分
「きゃーっ!きゃーっ!遅刻しちゃう〜!」

MMH学園に通じる道を、全力疾走(?)している人影があった。
ふわふわの髪にピンクと白を貴重とした服。
おおよそ関係者には見えないこの人物はK寄先生。MMH学園の現代文を担当するれっきとした教師である。
・・・と言っても、今年教員免許を取得したばかり、と言う超新米教師だ。

初出勤、しかも新設校へのお呼ばれという事ではりきって早めに家を出たのだが、反対方向の電車に乗ってしまい結局遅刻ギリギリ・・という状況らしい。

「も〜っ!あの電車、どうして反対方向へ進むのよ〜ぅ!!」

・・・。
ノーコメント。


そんなこんなで、やっと学園が見える所まで辿り着いたK寄先生。

「ふにゃ〜・・・疲れたぁ〜・・・」

そりゃそうだ。
現代文専攻の彼女は、普段“走る”なんて事とはかけ離れた場所にいるのだから。

「ここまで来れば間に合うわよね・・・、飲み物でも買って行こうっと♪」

立ち寄ったのは、学園の前にちょこんと建つ一軒のコンビニ。
あれこれ悩んでいる時間はない。K寄先生は棚からペットボトルのお茶を取り出し、急いでレジへと持って行った。

「148円になります」
「あ・・・、はい」
「・・・ふふ、随分とお疲れですね、大丈夫ですか?」
「えっ?!あ・・・、はい!ちょっと走ったもので・・・っ」
「そうですか、転ばないように気をつけて下さいね」
「・・・ありがとうございます・・・っ」

ありがとうございました、と言う声に見送られコンビニを出たK寄先生だが、
・・・どうした事か、いつまでもコンビニの前から動こうとしない。

「・・・・素敵かもー・・・」

そう言ったままぽーっとコンビニを見つめるK寄先生。
その後ろでは、入学式開始を告げる校内放送が流れ出していた。

・・・―初日遅刻は確実なようだ・・・。

入学式〜Y田先生編〜 

2005年06月07日(火) 2時04分
−キーンコーンカーンコーン・・・―

真新しい校舎に、学校特有のチャイムが鳴り響く。

『間もなく、MMH学園開校式を兼ねました入学式を執り行います。新入生は講堂に集合して下さい』

校内放送が入ると、校門付近や校庭に集まっていた生徒達は連れ立って校舎へと入って行く。


・・・そんな生徒達の様子を、校内から見つめる人物がいた。

―Y田先生、MMH学園の保健担当医である。
少し明るめの髪にバッチリ化粧をし、白衣の下には小花柄のトップに薄手の上着を羽織り、ミニスカートとパンプスを合わせている。
一般的な“保健医”のイメージとは少し違う気もするが、MMH学園はそう言った常識にこだわらない校風を売り物にしているのだ。

「・・・はぁ・・・、せっかく新しい学校に来たって言うのに、楽しい事の一つくらい転がってないものかしら・・・。・・・あらっ?」

窓枠に肘をつきながら、流れる生徒の列を眺めていたY田先生の目に一人の生徒の姿が飛び込んできた。

「きゃ〜!あの子可愛い〜!!」

講堂へと移動する生徒の波に混じって、同じ中学から来たのであろう友人達と話しながら歩く一人の一年生。
小柄な体に茶色の髪、一見小学生のように可愛い容姿をしたその生徒を、Y田先生はひと目で気に入ってしまったようだ。
慌てて白衣を脱ぎ、鏡を取り出し髪型とお化粧をチェックする。

「・・・、よしっ!」

最後に備え付けの大きな鏡で全体を確認すると、足早に保健室を出て行った。

〜MMH学園開校〜 

2005年06月03日(金) 3時15分
ここは、都内近郊の森の中。
深い緑の中に白く輝く建物が見えた。

−MMH学園−

今年開校したばかりの、全日制共学校である。
クラスは各学年2クラスずつ。
3学年・計6クラスの、至って普通の高校であった。

校門付近は新入生で賑わっている。
他校からの編入と言う形で入学した2・3年生。新しい学園生活に希望を持って入学してきた1年生。他方面から集められた教師陣。

それぞれ、様々な思いを胸にこの門をくぐって来た訳だが・・・。


・・・なぜかその多くが、一癖も二癖もあるような人間ばかりなのであった・・・。
作者:‘妄想隊’の素顔
バイト先で知り合った女の集いで、活動内容は主に妄想を膨らませる事。
隊長→F田
副隊長→Y田
隊員→岐杏
見習い→H澤(以下3名続く)
MMH学園物語
「脳内ラブコメ」はMMH学園内で繰り広げられる恋愛コメディ(?)です。MMH学園の生徒や先生達が、それぞれの愛を求めて暴走。妄想があまり得意でない方は、読むのを控えた方が良いかもしれませんよ・・・☆
MMH学園とは?
妄想隊の中で創り出された空想上の学園。しかし、登場人物については存在したりしなかったり・・・?
学園の人々
MMH学園の教師陣
理事長:I崎先生
校長:M浦先生
教頭:N山先生
保健医:Y田先生
現代文:K寄先生
英語:Y口先生
理科:F田先生
体育:H澤先生
体育:U野先生
学園の人々2
MMH学園の生徒達
1年2組:O田君
?年?組:A達君
学園外の人々
MMH学園構成人物以外で、重要な役割を持った方々を紹介
コンビニ店員:Uさん
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