いつかきっと。(種D/キラ) 

October 11 [Tue], 2005, 21:50
僕はいつかきっと誰かに殺される。


「って、思わない?」

「そうですわね」

にこやかに微笑む彼女は、きっと内心穏やかではないだろう。
けれどそれは僕の本音だった。
誰かの立てた政策は(たとえば彼の運命計画)、多くの人が信じたように明るい部分だってゼロじゃなかった。
マイナス面を危惧した僕らはそれはよくないって思ったけれど。
でも、きっと誰がやってもそうだと思う。
賛成してくれる人もいて、それは違うって思う人もいて。
きっとそういうものなんだ。
それは違うといい続けたらきっと永遠に平穏なんて訪れない。
僕らはある意味火種かもしれない。

「少なくとも、穏やかには死ねませんわね」

「やっぱり、そうだよね」

別に後悔しているわけではないけれど。


END


//『されど罪人は竜と踊る』2巻のレメディウス氏に投影。

nearest.(???) 

September 20 [Tue], 2005, 14:43
自分をふと見下ろした。
プロポーションなどというものに大して興味は持たないけれど。
別に貧相だろうが豊満だろうが。
それでもこの身体は女で。
法的にも誰から見ても、好きな人と結ばれることに異を唱えられたりはしないけれど。
もしも、男であったなら。
きっと親友という何よりも近い位置に立ち続けられたのではないかと。
そんなことを思った。


END


恋愛と友情の話。

いのちのたいか。(鋼映画後 エド→  ) 

September 13 [Tue], 2005, 10:39
お前は赤い花が好きだっただろうか。
白い墓石に血の色の花は目に痛い。
けれどそうとわかっていてその花を手向けた。

「俺、お前のこと何も知らなかった」

知っているのは、名前と、年齢。
それから、好きなもの。
それしか、知らなかった、知ろうとも、しなかった。

「ごめん、って言ったら怒るだろうな」

それしか言えないけれど。
科学知識ばかりに長けたこの頭はそういう言葉を紡ぐことを得意としなかった。

「ありがとう」

結局お前は俺の話なんかちっとも信じちゃくれなかった。
夢ばっかり見て、と呆れていたのは知っているけれど、
俺の話は少なくとも俺や弟にとっては夢なんかではなかったのだ。
それを夢としたのは、お前だ。

「なぁ」

等価交換。
それは俺が元いた世界の約束事だ。(この際、もう帰れないだろうというのはどうでもいい)
人は何かを得るために同等の何かを失う。

「お前は、命と引き換えに何を手に入れたんだろうな?」

なぁ、アルフォンス・ハイデリヒ。
赤い花が風に揺れた。


END

信じる。(種D アス+キラ) 

September 13 [Tue], 2005, 9:43
先ほどからひたすらに手の中でぐりぐりと弄り倒しているそれは、
それなりに力を入れてはいたけれど破損することはなかった。
さすが、とでも言おうか。

「捨てちゃうの?それ」

「さぁ、どうだろう」

肩からひょいと顔を出した腐れ縁の親友は、軽やかな動きでそれを俺の手から奪い取った。
一応、俺だってエリートだのなんだのといわれていたのだが。

「綺麗だね。白くて、ぴかぴかしてて」

「そりゃあ、な」

最高峰の勲章なので、素材や見た目にもそれなり以上には気を使う。

「捨てちゃう?」

「・・・どうだろう」

自信を持って今、この白い物体を身につけるつもりはないけれど。
正直、今見ているのだって心苦しい。
己の過ちと向き合っているようで。

「捨てなくても、手放さなくてもいいと思うよ。僕は」

「なんで」

遠まわしに責めているのかとさえ思った。
一度ならず二度までもお前に刃を向けた俺を。

「これ、もらったとき、なんて言われたの?」

一切の偽証を許さない透明な紫の目に見られて、嫌だと思いつつも過去を回想する。
何故だろう、この親友はこんな目をする人間ではなかった。
暗い部屋、無機質な光、それから。

「"俺自身の信念に忠誠を"と」

「だったら、いいじゃない」

そうだな、とどこか納得したフリをした。
身につけることは躊躇われるが、あの白い勲章は机の引き出しの一番奥で、
今も俺を見張っている。


END

白い服、それから。(鋼映画後 アルフォンス) 

September 06 [Tue], 2005, 13:49
それは耳慣れない音楽だった。
聞きなれない、けれどそれは美しい音楽だった。
白い服を着た女性が舞う。
彼女も、その服も、その両方が今の僕には眩しいくらい綺麗だった。
どこか物悲しいその曲も、彼女も踊りも、すべては葬送のものだった。
黒い服に身を包んで、僕らは墓石の前に立つ。
最後まで、僕はこの人に何を言えばいいのかわからなかった。


はじめまして、そしてさようなら。

夢を歌う。(種D ミーア) 

September 06 [Tue], 2005, 10:35
あなたの夢を使われないで、とその人は私に言った。
あなたは、あなたの夢を歌いなさい、と。
名前が欲しければ差し上げる。
それがどんなに嬉しく、残酷なことなのかあなたにはわかるでしょうか。
あなたの名前を貰ってしまったその瞬間、
あたしはあたしとして歌う機会をなくしてしまった。
本当は、止めて欲しかったのかもしれない。
聡いあなたがそれに気付かないはずが無かった。
平和を愛し、手を血に染めることなく、騎士を従える卑怯な、
敬愛する、歌姫。


*あなたはあなたのゆめをうたっていますか。

宵闇(種D/ミーア) 

July 20 [Wed], 2005, 16:46
もうだれもあたしのなまえをよんでくれない。

窓を冷たい雫が立て続けに叩いていた。
外の夜景が歪んで見えるのは雨の所為か涙の所為か判断なんてつかない。
あの人はいってしまった。
その手を振り払ったのは他でもないあたしで。
決断が正しかったなんて思わない。
けれど間違っているとも。
あの手を取ってしまったら、あたしのいる意味なんかなくなってしまう。
『あたしはラクス!役割だっていいじゃない!』
そうよ、だって人に必要とされるのだもの。演じていたっていいじゃない。
誰にも必要じゃないあたしじゃなくて、
みんなが必要としている歌姫で居てもいいじゃない。

『ミーア』

複雑そうな彩を宿した緑の目。
本当のあたしを呼んでくれたあのひとは、もうあたしを呼んではくれない。

吠えない負け犬。(種D/アスシン) 

July 19 [Tue], 2005, 18:46
はい、またもや何かを間違えたブツです。(ホントすみません・・・)
追記でどうぞ。


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羨ましい金色、鬱陶しい蒼(種D/シンレイ) 

July 19 [Tue], 2005, 18:26
何かもう色々間違ってしまった気がしなくも無いので、
頼むから追記で見てやってください。
ここはアスキラサイトじゃねーのかよ!って苦情は・・・
拍手にでも投げ込んでやってください。(土下座)



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触れる手。(種D/あすきら) 

July 15 [Fri], 2005, 20:35
そういえば、この人が泣くのを見たのは2回目だ。
ずっと一緒にいたのにそんな場面には出会わない。

「大丈夫。君も、僕も・・・生きてる」

白いシーツに宵闇色の髪が綺麗に映えた。
色々あったのだろう。記憶の中のそれよりずっと疲れた顔をしている親友の手を取った。
確かにそこにある体温に、不覚にも泣きたくなってしまった。
泣くなよ、と、慰める幼い君の声が聞こえた気がした。


End。


//キラアスかもしれない。
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