第一話 旅立ちの日に 

September 30 [Sun], 2007, 18:35


――3月1日。


最後のチャイムが校庭に響き渡る。


私達は今日、この学校を卒業した。


「そろそろ帰っろか」

「うん、そうだね…」


春からは、大学生。
みんなそれぞれの道を歩んでいく。


そして私も……。


教室の電気を消して、廊下に出る。

誰もいない廊下に、私達の足音が響く。

長い廊下の先にある昇降口。

下駄箱から靴を出して、上履きを袋にしまった。


外に出ると、グランドでは、まだ野球部が練習をしていた。

少しの間、その姿を見つめて、グランドに背をむける。


校門まで続く咲きかけの桜並木が、私達を送り出してくれるようだ。



校門で立ち止まって、ふり返る。

三年間お世話になった校舎に、深く一礼。



顔をあげると、私達の思い出が、初春の夕日に輝いていた――


2007年09月
« 前の月  |  次の月 »
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
最新コメント