「ガラス細工」 陽氷 

February 16 [Thu], 2006, 4:13
 彼女はまるで。
 触れれば壊れてしまいそうで。
 俺は随分と前から、気にしていた。


 背中合わせの君たちと、見つめるだけの俺 


 彼女、香苗が渚と別れたと聞いたのは、雪の舞う日だった。
 黄昏の綺麗な時間に、ぼろぼろになった渚の声で聞いた。
 渚は俺の友人の一人で。中高とずっと同じクラスだったという、とんでもなく腐れ縁の相手で。
 俺の香苗への視線を知っても友人のままだった。

 その渚が、俺に。
 奇妙なことを、言い出した。

「楽しみにしてたんだ。」 ラボ 

February 15 [Wed], 2006, 16:49
朝と月3



クリスマスなんて嫌いだった。今までクリスマスにイイコトなんて一つもなかったし。
そもそも他宗教の行事なのに、なんで皆そんなにお祭り騒ぎするワケ?わっけわからん。


「助けて」 陽氷 

February 12 [Sun], 2006, 21:52

貴方を呼ぶ声だけ、素直に出ないのはどうして?


  強がりの君と、引っ込み思案な僕。

 サヨナラの台詞を、飲み込んでしまえばよかった。
 毎日、朝が来るたびに。陽の光に焼かれるたびに。朝日を見るたびに、同じことを性懲りもなく思う。
 今この身を焦がすのは、貴方の笑顔が見れない苦痛だけじゃない。
 この世界に、あたしの世界に、貴方以外の光などなかったことを気付いて。
 今更どうしようもないことに、苛苛と爪を噛むのなんて。
 掴んでいた幸せを自ら放した馬鹿なあたしに相応しい罰なのかもしれない。
 貴方の光があたしの総てだった。
 なんて。
 失ってからしか分からなかったよね。
 後悔なんて、言葉の意味。こんなことで分かりたくもなかったよ。


「ン、美味い!!」 ラボ 

February 09 [Thu], 2006, 10:35
朝と月2



いきなりだが、アサトはバンドマンである。それはもう、誰がどう見てもバンドマンである。

しかも、俗に言う『V系』だとか呼ばれるバンドメーン(ちょっと気取って複数形にしてみたが、特に意味はない)であるがために、ライブがある日に一緒に並んで歩いていると、蒙古斑が取れたか取れてないかといった年齢の可愛いお子さん連れ親子に「おかぁさーん、あのヒト、おとこのヒt・・・」「ッシ!見ちゃいけません!」とか言われちゃいそうなバンドマンである(偏見)。

多分彼が保育園の先生になったら、2〜4歳児の部屋の子供は一斉に泣き出すであろう(5歳以上の子供に至っては、どこかの星の敵(ショッカーとか、そんな感じの悪者)と勘違いして、地球を守るため自分が持ってる渾身の力を込めて背後から襲い掛かってくるであろう)ほどのV系バンドマンだ(意味不明)。

「んー…」  陽氷 

December 31 [Sat], 2005, 2:57
それは太陽がまぶしい朝でした。

泣けない君と未練がましい僕

 初めて渚と二人で迎えた朝。
 綺麗な海の見えるコテージ。みんなと旅行にきたけれどあたしたちはお互いしか見ていなくて。
 今でも鮮やかに思い出せる。
 それは幸せな朝だった。

 毛布を巻きつけて、ゆっくり身体を起こすと、左側に渚が寝ていた。
 渚の長い前髪が、閉ざした目蓋にかかって、綺麗に透けて。
 それはあのカフェのときのように。
 穏やかな寝顔は、あどけない少年のようで。
 あたしは胸がいっぱいになってたまらなかった。
 今にも泣きそうで、笑いそうで、叫びそうで、ぐちゃぐちゃだった。
 それでもこう思ったことを、覚えている。

これが幸せというものなのでしょう。と。

 一晩眠っても、身体はまだだるいけど、何かを失った気さえしたけど。
 それでもあたしは嬉しくて。
 手に入れたものが多すぎたように思った。
 一言でも漏らせば、その幸せが途切れてしまうような気がして、声を殺して笑った。
 それでも耐えられなくて、思わず渚の右手を枕にひっそりと寄り添って。
 普段は冷たい渚の暖かい体温に、思わず溜息が出た。

 嗚呼。
 これが幸せというものなのでしょう。
 これが幸せというものなのでしょう。

 渚の身体に手を伸ばして、巻きつけて。
 その感触を確かめているうちに、渚が身じろぎした。

「んー…」

 渚が一瞬眉を顰めて、うっすらと目を開けた。
 まぶしい太陽を遮るように右腕を上げようとして、上がらないことに気付いてこちらを見る。

「カナ?」

 寝ぼけた声が私を呼んで。
 その薄い唇がゆっくりと弧を描く。

「よく眠れた?」
「うん。ねた」

 小さな子どものような受け答えは、まるでロマンティックでもなくても。
 なんだか満足げなその顔に、許容量の狭いあたしの胸はいっぱいになってしまう。

 嗚呼、嗚呼。
 これが幸せというものなのでしょう。

++++++++++++++++++++++++++

 もう二度と手に入らない幸せを、思い出して。
 あたしは今、もう一度涙を流す。

終わってしまった恋を洗い流すように。

****************************

「サンタクロース信じてるの?」 ラボ 

December 27 [Tue], 2005, 11:48
朝と月




「・・・なに、この大惨事・・・」

 一人の女子大生風の女ー名前をツキというーは、家の前で立ち尽くしながら呆然とそう呟いた。
 それもそのはず、買い物から帰って来るなり、彼女の彼氏である男が、天井をぶち抜いていたからだ。

「あ、お帰りツキちゃん。フライドチキン売ってたー??」

 まだぶち抜き作業の途中である男ー名前をアサトというーが屋根の上からドリル片手に(ていうか何でそんなもん持ってんだ)爽やかな笑顔で問いかける。
 ああ、白い肌には黒いスーツと汗がよく似合うね(現実逃避)。
 ・・・ていうか、よく壊れなかったな、この家・・・
 どうやらこの家は、この頃流行(というわけではない)の「欠陥住宅」の心配はなさそうだ。
 ・・・まあ、もっと深刻な事態には陥っているけれど。


「サラッとひどいこと言うね」 陽氷 

December 26 [Mon], 2005, 23:46
 好きだなんて
 たった一度も言わなかった


虚言症の僕と目を合わさない君


 いつものカフェ。窓際の席。
 日当たりのいいその場所は香苗のお気に入り。オレンジの髪が金に透けて、大抵俯いている渚の顔が良く見えたから。
 向かいに座った渚の、骨ばった手が摘んでいるセヴンスター。灰が、落ちた。受け止める灰皿の硬質な輝きが、まるで渚の心のように思えた。
 思わずこぼれた溜息が、空気に溶ける。
 渚と付き合うようになってから香苗は変わった。とても恐がりになった。渚の持つ空気が、一つ一つの動作が、とても愛しいのに不安にさせる。
「……ねえ、別れよっか」
 一時間と四十分を浪費して、やっと言えた言葉に、香苗はそっと笑った。
 何をイマサラ。
 自嘲の言葉を唇でだけ言った。きっと、渚の頭の中ではとっくの昔にそんな答えは出ていたはず。きっともう、ずっと前に。けれど優しくて甘い渚は自分からそれを言い出すことはない。ずっとずっと渚はこれを待っていたのだろう。
 けれど渚は何も答えないで、先ほどから同じ動作を繰り返している。長く伸びた前髪を気にして引っ張っては離す。引っ張っては、離す……。
「ねえ、別れようよ」
 焦らされる苦痛に息切れして言った台詞も、二度目になるとやけに陳腐なものに聞こえた。
 渚が煙草を灰皿に軽く擦り付けた。渚の瞳が香苗の方を向く。
「渚?」
 香苗が少し怯えた顔で呼ぶと、渚は今日初めて目線を合わせた。
 渚の目は黒い。とても。まるで闇夜のように、暗い。何もかもを映さない、認めない、渚の目。香苗はこれが怖かった。
「いいよ。カナがそう言うなら」
 ふ、と息を吐くように渚は哂った。きっと香苗の愚かさを笑ったのだろう。
 素直に縋れなくて、妙なプライドにこだわる香苗が愚かで哀れだと、渚は思ったのだろう。
 渚はいつものように席を立った。
 引き止める言葉は渚からも香苗からも無い。ただそこには、終わった関係の名残が漂っているだけだった。

とうとう来ましたネ☆(ラボ) 

December 22 [Thu], 2005, 22:48
先ほど書いてアップしようとしたらエラーが出て凹み中のらぼです、こんばんわ。
ちくしょうヤプースめぇっ!!(←?)いいさいいさ、何度でも書き直してやるさっ!!(←メモ帳にコピっとけよ)
それにしても、流石陽氷ちゃん、お仕事早いですvv
全部やってもらっちゃってごめんです>A<
ありがとうvvラブチュッ☆(←やめなさい)


++++++++++++++++++++++++++

ってなわけで、ちゃっかり陽氷ちゃんにもお題を出しちゃいます!


  「さ」…サラっとひどいこと言うね

  「ん」…んー…

  「た」…助けて

  「が」…ガラス細工

  「ま」…まだ間に合うよ

  「ち」…血、出てるよ

  「に」…ニセモノだよ、全部

  「や」…やってらんないね

  「っ」…っ!!

  「て」…庭園

  「き」…奇跡

  「た」…ただ、そこにいるだけで


クリスマスに関係なさげなお題ばっかでごめんね☆(←反省の色なし)
お互い頑張ろう>w<)ノ


・・・「っ」がちょっと被っててごめんね・・・(ボソボソ)


らぼ

クリスマス限定企画ついに始動!! 

December 22 [Thu], 2005, 1:55
「鳴雷月」の陽氷がむりやり誘いをかけ、
「ELEGY」のらぼ姉上が仕方なく承諾してくれた限定企画、
ついにスタートです!!

++++++++++++++++++++++++++

 とりあえず、らぼ姉上にはお題を一つ!!

「さ」…サンタクロース信じてるの?
「ん」…ン、美味い!!
「た」…楽しみにしてたんだ。
「が」…がっかり。
「ま」…待ってたんだよ?
「ち」…違うのが欲しかったのに。
「に」…似合う?
「や」…やらしー顔してんじゃねーよ。
「っ」…っ、バカ!!
「て」…天使なんていないってば。
「き」…君って、幸せそうだね。
「た」…宝物がいっぱいだ。

以上のお題を、
「絵」「詩」「小説」「その他」で消化してくださいねvv
頑張って、姉上vv

陽氷
P R
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