June 02 [Tue], 2009, 23:52
うひぃ!眠いです(´▽`*;)

今日blog本発送しました(*´∀`*)
29日までに入金された方です。
到着までもう暫くお待ちください。
本当はメールしたいのですが、まだまだ仕事が山積みで…すみません…
さっきもパソコン前で居眠り、風呂で居眠りでした(笑)
↑眠いだけじゃねーの!


さて。

6月15日は待ちに待った研修!
待ち遠しい…
テスト嫌いだけど座学は好きなのです。

鎌届いたし、コスプレしたいでふー
鎌関係ないけど、とりあえずコスプレしたい。
現実逃避したい。

KHみんなでやりたいねー
私的にはソウルもまたみんなでやりたいんですよ(´;ω;`)
それは願望なんだけど…

KHは…やるキャラないけどさ。
波ねのづらを何とかしたいな。


KHやりながらソウマカ書いてると、
マカがデスサイズーなんて脱線します。
丸さま見るたびに、丸さまは凄い職人だわとか思うんです。

ついでに、シグが六に優しいと、
小鬼がソウルにー!ってなる今日この頃(ばかたれが)

みけこーKHやってるかぁぁ



…コスプレしたい。

HAPPYBIRTHDAY

February 11 [Wed], 2009, 11:21
カチカチカチ・・・

時計の音が腹立たしい。

誰もいない部屋なんて慣れているのに、なんだって今日はこんなにも独りが強調されて
苛々して、どこか、哀しくて。
誕生日なんて、スッカリ忘れていたのに
乾いた洗濯物を届けにパートナーの部屋に入ったらカレンダーにサイン。

birthday

俺の?
聞くまでもない・・・いや、きっと俺だ!!!


そんなこと思っていたのに、肝心なパートナーは帰らない。
どこへ行ったのかもよく分からない。
朝起きたらもういなかったんだから。


「・・・寝るか。」



もう少しで、日付が変わる。
ひとりぼっちの、俺に


「おめでとーさみしーおれー」

馬鹿みたいだ。

誕生日なんて、忘れてた方が



「うっわ、電気くらいつけろー!ただいま、ソウル!」

「おっせーよ。どこ行ってたんだよ。」
俺の誕生日に。
つか、自分の彼氏の誕生日にいなくなる彼女とか聞いたことねぇよ。

「文句言うな!あんたのために、朝から電車を乗り継いで、
頑張って買ってきたんだからねー。入手不可能と言われた・・・
幻のレコードー!」
「え、まじで?」
「マジに決まってるでしょ。あと、ケーキ!!凄く美味しいんだって!」


がさがさと袋をあさる音に
マカの良い笑顔。


「ハッピーバースデー!ソウル!!」


ぱちぱちと瞬きをしたら
ぽたぽたと涙がこぼれた。


「うっわ、だっせ。泣いてるのソウル。」
「うっせーな!」



お前様がいなくて寂しかったなんて間違ってもいわねぇから。

意外に似合う。

December 30 [Tue], 2008, 19:50


「ただいまー。」

機嫌良く入っていったら、リビングから聞こえる声。
もちろん、それは愛しい奥さんの声。
ソウルは寝室にコートをかけて、さっさとリビングへ向かっていったのだが


「ぶっ・・・おまえ!」
「あ、お帰り!!」

いつもと違うなんてものじゃない。
結婚して以来久しぶりに見る赤いミニスカートに、キャミソール、
赤と、ふわふわの白い飾りがついた赤いエプロン。
一体誰がこんな服を用意したのか、色々突っ込みどころはあるのだけれど。

「ごめんっ・・・やっぱり、似合わない?!・・・」
「・・・。」

放心するソウルを目の前にして、マカはひたすら困っているだけ。
眉根を情けなく下げて、瞳はうるうると光って
これを喰わずして今日は一体何を喰えというのか。

「あ、・・・うんと・・・脱いでくる!!」
「待て!」

そうだ、確か・・・据え膳喰わぬは男の恥!
確かブラックスターが椿に習ったとかなんとか・・・
(なんでその単語をならったのかは知らないけれど)
そうだ・・・だからこれは、つまり・・・喰ってくださいと言っているんだよな?!


ソウルは逃げ出そうとするマカの腕をしっかりと掴んで、壁に追いつめた。
見下ろせば、影が彼女に落ちて、
部屋の明かりに光る彼女の潤んだ瞳が頼りなげで、愛しい。

胸元に覗く、昨夜の情事の痕が艶めかしい。


愛して良いですか
好きにして良いですか
葛藤を繰り返していたら、
顔を真っ赤にした奥さんが、ついに泣き出した。


「似合わないなら似合わないって言ってー!!」
「ばか!脱ぐな。俺の楽しみが減る・・・。」
「え?・・・ちょっと、そーる!!ご飯は?!お風呂は?!」
「いらねぇ。・・・こんな上手そうなモン前にして、
他のモノなんて喰えねぇよ。」


にぃ。と笑えば、犬歯が光る。
真っ赤な顔をしたマカが、耳まで赤くしてキスを待つ。


今日だけは、特別。



私を食べて。
そんな、サービス。


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text by 6

アホだなぁ・・・なんだろう・・・これ。
ソウル君、アホでごめんなさい。

仕事でクリスマス会当日、所長先生に「ハイ。」って手渡された
エプロンがサンタのエプロンだったので、
いつか書こうと思いながらこれでした。

箱の中身は僕等しか知らない

December 28 [Sun], 2008, 20:59
お決まりのクリスマスソングが街のBGMになって頭から離れない、そんな時期。赤と緑が街の所々に使われ、金銀のオーナメントがキラキラと輝いてそれの存在を高らかに主張しているかのよう。夜が近づけば街の明かりにイルミネーションが華を添えて、行き交う人々も自然と浮き足立つ。

寒い季節の中で最も街が華やぐイベントにも関わらず、俺のパートナーは、クリスマスが嫌いらしい。

マカがそれを口にしたことは無かったが、なんとなくクリスマスイベントを避けているのは伝わってくる。学校のイベントやパーティには必ずと言っていいほどソウルよりも乗り気だし、楽しんでいるのに。
そしてとある冬の学校帰り、すれ違った楽しそうに買い物をして帰る仲睦まじい家族を見送る彼女の横顔に寂しさを盗み見てしまったとき、勝手に納得した。幼かった頃は、さっきの家族のように両親に挟まれて、三人並んでクリスマスの買い物をしたのだろう。大多数の人にとって、クリスマスは家族の為のイベントなのだから、マカがクリスマスをあまり好きになれないのも仕方ないとも思う。
そんな事情で、我が家には季節物のインテリアがない。マカがツリーやリース、靴下も飾りたがらないからだ。男の自分が率先して飾るような物でもないから気にしなかったが、シーズン毎に出し入れするのは面倒だからと頑なに購入を拒んだのも、家族と過ごした昔の楽しい思い出が悲しく思い出してしまうからかもしれないと思い至る。
ただひとつ、マカの部屋にひっそりと飾られているスノードームだけが、我が家で季節を感じさせるインテリアだ。ドームの中には、可愛らしいスノーマンと、彼を作った子供たちが住まう小さな家が佇んでいる。その家の窓はクリームイエローの光が灯り、雪がキラキラと舞う仕掛けになっているらしい。ブレアから聞いた話によると、マカはときどきそれのスイッチをいれて、父と母それぞれから送られてくるクリスマスカードとをぼんやりと眺めていることがあるという。

このスノードームはマカにとって、家族で過ごしたクリスマスの結晶なのかもしれない。

そして自分にとっても、温かい家族の思い出なんて苦いだけの代物だ。

クリスマスを祝う積極的な理由が、二人には無かった。


***


クリスマス当日。死武専は一週間ほど前からクリスマス休暇中。マカは自室に引きこもって休暇前に図書室で借りた本の山に埋もれて過ごすつもりらしく、夕食の買い物へ行ってくると声をかけても、部屋から出る様子もなく「いってらっしゃーい」と言われた。今週の当番は自分なので文句はないが、マカは休暇前から家にいる間ほぼ部屋に籠りっぱなしなので少し不安になってくる。無理やり連れ出したところで、肝心の本人がうわの空なうえ、この寒さですぐ家に帰りたがるので、用の無い外出はとうに諦めている。今日は風が強くないといいのだが。寒さに対する心づもりをつけて、外へ出た。

街に行き交う人々も、背を丸めて肩を寄せ合うようにして歩いている。連れとひっつくようにして歩いていく連中は、寒い中でも何故か幸せそうで少し腹立たしい。
今日も寒いし夕食は煮込み系にしようか、楽だし。
ねこ背をさらに丸めて、いつものマーケットへ急いだ。暖を求めて駆け込んだ店の出入り口では、就学前くらいの女の子が母親を急かして手招きをしている。

「ママー、サンタさんのケーキィー!!」

少女の指差した先にはクリスマス仕様のケーキ。
「ケーキはもう買ったでしょ」と、ショウウィンドウの前でぐずる少女の手を引いて母親は歩いていく。
あの親子はこれから寒さから守られた家に帰って、切り分けたケーキを食べるんだろう。クリスマスにふさわしい、ささやかなご馳走と共に。これがきっと家庭的なクリスマスの過ごし方。
その想像図に出てきたのはさっきの親子の姿ではなくて、両親に挟まれて笑うマカの姿だった。

マカは今、どんな思いで今日を過ごしている?

たまらなくなって、弾けたように走りだした。
寒空の中、人ごみの中、イルミネーションできらめく街の中。急がなければ、時間が足りない。全速力で走りながら、これからの予定を脳がフル回転で段取りしている。買うべきものを買い、友人たちの家を回って幾つか借り物をしていく。

クリスマスなんてただの年中行事の一つ、かつて散々付き合わされた意味のないパーティと同意義だった。クリスマスを祝う理由なんてどこにもない。そう思っていたのだ、ついさっきまで。
マカと過ごすようになって、はじめて思った。クリスマスって実は、聖誕祭にかこつけた、大切な誰かと一緒にいられる奇跡を再確認する日なのではないかと。プレゼントも、今隣にいてくれるアナタにありがとうを伝えたくて贈る。彼女と出会う以前からクリスマスは毎年来ていた筈なのに。

俺には温かい家族の在り方は正直よくわからない。家庭的なクリスマスの過ごし方なんてものも。俺は、彼女の家族じゃないけれど。両親の代わりにはなれないけれど。それでも。大事なパートナーだから。
マカには、笑っていて欲しいのだ。
だって不公平だろう?世界中の屋根の下で家族や恋人たちが笑って過ごしているのに、彼女は一人部屋であのスノードームを眺めているのかと思ったら、じっとしていられなかった。
方々走りまわって、とりあえず必要と思えるものはそろえた。問題はこれからだ。

ソウルはアパートの階段下であがった息を整えながら、友人らと楽しい悪戯を思いついた時と同じ、不適な笑みを浮かべた。


***


年の瀬でさすがに日も早々に暮れて、街の中心部以外の明かりが灯り、住宅街には夕食の匂いが漂って程よく食欲と帰巣本能を刺激する。我が家の献立はシチュー。準備も万端整って、ソウルは部屋に籠もったっきりのマカを呼びにいく。

「マカ、飯」

ドアを二回ノックして、少し距離を置く。

「はぁーい」

ドアノブがカチャリと音を立てて回転し、マカが顔を覗かせた瞬間。

―――パパンッ!

「うわっ!」

クラッカーの炸裂音に驚いたマカと目が合ったのはパティから借りたサンタの帽子を被ったソウル。クラッカーはブラック☆スターがくれたもの(椿が爆竹と取り換えてくれた)。

「…メリークリスマス」

慣れないことをして、正直ちょっと恥ずかしい。

「へ??あ、あはははは!びっくりした!!」

サンタ帽姿を大爆笑されて複雑ではあるが、意表を突く狙いどおりではあるので良しとする。まだ笑いの止まらないマカを半ばやけくそになって準備の整っている共有スペースへ追いやった。

マカを連れて入ったダイニングの明かりは落とされていて、リズから借りてきた色とりどりのキャンドルがやわらかく照らしている。聖歌隊が歌う定番のクリスマス讃歌をボリュームを絞って流す。テーブルの真ん中にはキッドの家から拝借してきたうちには立派すぎる燭台と、それを挟んで二人分の食事の用意が整えてある。手前側には、二人で食べるには大きすぎるサイズのブッシュ・ド・ノエル。トナカイがサンタの乗ったそりを牽いている形をした砂糖菓子が乗っている。驚いて声も出ないのか大きな瞳をさらに丸々と大きくさせたまま動かないマカを見て、予想以上の反応に満足する。マカは突然の演出に弱い。

「まぁ、席につけよ。飯にしようぜ」

驚いて貰えて万々歳だが、このままではせっかくの料理が冷める。
自分の席に着いてマカに向き直ると、オリーブ色の瞳が潤んで揺れている、と思った。

―――ソウル。

「ありがとう」

マカの囁くような感謝の言葉が気恥ずかしくて、顔をそらして「おぅ」とだけ辛うじて言えた。


***


ケーキは一度冷蔵庫に戻して、二人向かい合ってシチューを食べた。
マカの瞳から涙はこぼれなかった。いつもの食事と変わらず、あまり中身のない会話がポツポツと続く。食後は共同で皿洗いをする。マカが洗って、ソウルが拭いて棚にしまう。どちらかが言い出すわけでもなく、自然と役割分担する。ケーキを三等分にするときも、マカがケーキカットを、ソウルは紅茶を淹れる。ケーキと紅茶をリビングへ運び、それぞれの部屋からマカは本を、ソウルはレコードを持ってきてお互いの定位置に腰を落ち着ける。リビングのローテーブルにもキャンドルと、椿から貰ったポインセチアが飾ってある。

「ソウル」
「ん?」

レコード選びから顔をあげると、目の前にダークグリーンの何かを差し出された。

「メリークリスマス」

今度はソウルが不意打ちを食らった。マカが渡してきたものは毛糸の編み物。

「帽子?」
「は・ら・ま・き!」

手作りらしく、ところどころ網目がガタガタしている。あまり器用ではない彼女のことだ、かなり苦労したのではないかと推測する。マカには悪いが、結局サイズが小さいので、頭に被るかネックウォーマーとして使うことにする。季節柄、女子の間で編み物ブーム到来だったらしく、椿達もそれぞれのパートナーに何かしら手編みの物を贈る算段になっていたらしい。こういうイベント時での女子の団結力というか連帯感には恐れ入るばかりだ。ここのところ部屋に籠もりっぱなしだったのはこれのせいだったとわかると、流れで仕方なくとはいえ自分の為に懸命に作ってくれたマカの気持ちが嬉しいのと、自分ばかり焦って走りまわっていたのが滑稽でがっくりきたのとで、非常に複雑な気持ちになった。

「見て見て!これブレアの!」

そんなソウルの複雑な心境に気づくはずもなく、マカが次に取り出した物はマフラーらしい、のだが。

「…短くね?」

それに極細だ。腕輪ぐらいにしかならないだろう。

「ネコ用なんだもん」

なるほど。そりゃあマフラーじゃなくて毛糸の首輪だろ。作った本人がご満悦のようなので何も言わないでおくけれど。

「これ、ありがとな」

プレゼントの礼を言うと、マカは首を振って笑う。
少し躊躇うようにして、言葉を選びながらマカが言う。

「ホントはさぁ、クリスマス、苦手だったんだけど…」
「うん」

その理由は聞かない。わざわざマカに言わせたくはなかった。

「でもさっき、ちょっと感動した」

マカは、昔両親が自分の為にサプライズパーティをしてくれたことを思い出し、切なくなって胸が詰まった。同時に、自分の為にこんな演出をしてくれる人が今ここにいることを感謝した。
静かなクリスマスをこんなに穏やかな気持ちで過ごせるなんて。
感動で涙ぐんでいた時の表情とは違い、嬉しいときのマカの笑顔がそこにあった。

「…そっか」
「うん」
「そりゃ、良かった」

急に照れくさくなって二人で笑い合い、ケーキを食べた。
ケーキを片づけた後も、なんとなく二人ともリビングに留まっていた。
ソウルはソファに座って音楽を聴く。マカはカウチで分厚い本を読む。
時々他愛のない話題でひとしきり笑う。その、くりかえし。
いつもと変わらない。
だけど、いつもよりたぶん長く一緒にいた。
座る位置も変わらない。
だけど、いつもよりお互いが近いような気がした。

静かにクリスマスの夜が更けていく。


***


冬季最大のイベントの夜も明けて、12月26日。
店が忙しい時は、ブレァは大抵朝帰りだ。ソウルが昨日の片づけの為にマカより早く起きて、リビングとダイニングで使った借り物の燭台やキャンドルを箱に納めていると耳慣れた鈴の音がした。昨夜も大いに繁盛したのか、さすがに疲れて猫の姿になってリビングの出窓から首の鈴を鳴らして帰ってきた。

「ただいまぁ」
「おかえり」

ブレアはブレアで、静寂からは程遠いクリスマスを満喫できたようで、疲れてはいても機嫌はすこぶる良さそうだった。ブレアが帰ってきたのがわかったのか、マカもリビングに顔を出した。

「おかえり、おつかれさま」
「にゃーん!つかれたぁ〜」

ソファに座ったマカの膝に飛び乗り、ゆっくり背中を撫でてもらう。気持ちよくてだんだん眠くなってきたのか、大きな欠伸をしたのをマカがクスリと笑ってブレアの頭上から声をかけた。

「ブレア、遅れちゃったけどメリークリスマス」
「ふにゃ!ブーたんに!?」

甲斐甲斐しくも、さっそくふわふわした白い首輪ならぬ猫用マフラーを巻いてやっている。

「わぁ、かわいー!」

二人(正確には一人と一匹)は一日遅れのクリスマスプレゼントにきゃらきゃらと笑い合っている二人を尻目に借り物を収めた箱を玄関へ運ぶ。

「ねぇねぇ、ソウルくんは?」

何をくれるのか、大いに期待の籠った声と、瞳に一瞬返答に詰まる。

「あー…ケーキあるぞ、ケーキ。」

申し訳ないことに…まったく考えてなかった。当人は気にせずケーキ!ケーキ!とはしゃいでいるので、ほっと胸を撫で下ろす。へそなんぞ曲げられたら、夜這いという嫌がらせにマカチョップのおまけ付き状態になるのは確実で、いろいろと厄介だ。かと言って、物をねだられるのも面倒だけど。
それでも、無邪気に喜ばれてしまっては後ろめたいので、ケーキに好みの紅茶もつけてやることにしよう。
残してあった一人分のケーキと、紅茶を三人分用意しにキッチンへ発つ。

「あーあ、ブーたんも二人と一緒に食べたかったにゃあ」

腕に抱かれたまま甘えるブレアに笑ってマカが答える。

「来年は一緒に食べよ」
それから。
「ツリーも、買お」

その提案に、ソウルははっと顔を上げた。
ね?と確認するようにマカがこちらを見つめて微笑む。
その穏やかな表情に安心して、言葉にならない思いを笑顔に代えて返事した。

「ねぇ、マカはソウルくんに何もらったの?」

箱(プレゼント)の中身は僕らしか知らない。

「「ヒミツ。」」

来年も、その先も。
聖なる夜に君へありがとうを贈る。




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ゆひか様

ありがとうございました!

寒さは言い訳、抱きしめて

December 27 [Sat], 2008, 21:10

寒さは言い訳、抱きしめて。

今日は、クリスマスイブ。本当はブレアもいっしょにケーキ食べたりするはずだったんだけど、急にバイトしなければいけなくなったんだと。
だから、わたしは、ソファーで本を読んでて、ソウルはケーキを切ってくれているんだけど・・・。
「ソウル〜まだ〜。」
「はいはい。ただいま〜。」
「ケーキ切れたぞ~。」
ミルクコーヒとケーキがやってきた。
「ソウルありがと。」
「ん。」
せっかく、用意してくれたんだから・・・。今日はト・ク・ベ・ツだよ。
「あーん」
「うんがっ!」
ケーキあげた。
「このケーキおいしいね。」
「そうだな。」
冷静装っちゃって。
クス。

ケーキが食べ終わったら、ろうそくだけつけた部屋でふたりきり。
わたしは本を読んでいたし、ソウルは雑誌を見ていた。
「こんな、暗いところで本読んでたら、目がわるくなるぞ。」
「ソウルもね。」
「そうだな。」
「なんか寒くない?」
言ったとたん何かがのしかかってきたように感じた。
それは、ソウルだった。
ソウルがわたしを抱きしめているのだった。
「ソウルあったかい。」
「さっきの仕返し。」
仕返しだといわれたからちょっとソウルを睨んだ。でも、うれしい。
寒さは言い訳、抱きしめて。


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miku 様

ずっとここに

December 26 [Fri], 2008, 23:43
   
未来設定
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    「今日、ラストの曲はこちら。では、よいクリスマスをv」


  
    リビングにコンポからの、FM局が流れる。ここ一ヶ月何度か耳に入ってきた、定番クリスマス曲。いつものソファーには、絵本が数冊広げてあり、娘がツリーの飾りを嬉しそうに見ている。
    本当なら3人で、ショッピングのはずだったのに・・・
    ソウルが出勤・・・おまけに生徒は休暇に入ったから、学食も無く弁当持参・・・
 
    ソファーと軋む音と一緒に、娘の笑い声がまじる、ラジオの曲。
 
    「シキ、ソファーはジャンプするところじゃないの」 痛いって言ってるよ。
    急に顔が強張り、ソファーに耳を付ける娘。
   
    「なにも いわないよ まま」
    「ママには聞こえるの!」娘を睨むと口を尖がらせながら、そろそろと足先を床に着けた。
    今日何回、こんな会話しているのだろう。
 
    「ただいまぁ」  リビングのドアが開いた。
    「おかえりぃ」
    抱っこをせがみ、両腕をあげるシキ。
    紺のスーツに、黒のカシミヤウールコート姿の夫。もう、12月末、コート無しでは寒い。見るたびに少々心ときめくが、悔しいから言わないでおく。
    「夜になると急に、冷え込むなぁ〜」
    「昼間は暖かかったけどね」
    娘と頬をすり合わせ、笑顔を見せている2人。銀髪で、特に目元がソックリだ。  でも、
   
    「シキ、ちょっと降りてくれる?ママとお話したいの」
    「おはなし?」
    「そう、大事な。」
    「だいじぃ?だいじぃ?」
    大きな赤い目をくりくりして、右手の親指を口に入れた。
    「いいよ、てれび みてゆ」
    シキはTVのスイッチを入れると、慣れた手つきでチャンネルを変えて行き、お気に入りの子供番組で落ち着いた。丁度、始まる所だ。
    コンポからのラジオを消し、彼のコートをハンガーに吊るすと、背後から声がした。
   
    「マカ、ちょっと来て。話がある。」
    リビングのドアを閉め、2人寝室に入る。誰も居ない部屋の温度が冷たく、肌に刺していく。ベッドに2人腰掛ける。
    お気に入りのベッドカバー、ピンクのリバティ柄。どの花も不安げな私を見ている。
    「うぅ〜、寒いなぁ・・・」
    「なあに、話って・・・・?」
              不安で声が出ない。 転勤?それとも、単身・・・
 
           あぁ、口の中が乾いていく。
    
    「怒らないで聞いてくれる?」彼の低い声。そう言いながら、私の腰に腕を回した。
    「今日、弁当たのんだろ。俺」
    「ウン」
    「俺、会食入っちまって食えなかったんだ」
    「そっか・・・誰が食べたの?」
    「・・・・・おやじさん・・・・」
    「えぇ〜!!ぱぱっ???」
    「怒った!?」         彼の目が光る。
    「・・・・うぅ・・でも、なんで??」
    「俺は後輩にあげたんだけど、マカが作ったことが広まり競りが始まったらしい。で、止めに入ったのが親父さんだったんだと、俺も後から聞いたんだ。」
    「パパは会食行かなかったの?」
    「来なかったよ。本当は来るはずだったけど」
    「そっか・・・」会食より娘の弁当を選んでしまう、パパ・・パパらしい思わず頬が緩む。全身の力も抜けてしまった。
    
    「怒った?ごめんな  マカ・・今日だって仕事になっちまって、ランチする所もチェックして楽しみにしていたの、知っているんだ・・・俺・・」
    
    そんなことないよ。
    ソウルの優しさがどんなに大きいっていうのが、凄くよく分かるよ。あなたの瞳の中でいつまでも見つめて欲しい。だって、こんなにも私のこと大事にしてくれる。
    我侭で甘え下手ってことも、ちゃーんと分かってくれてる。その優しさに包まれて、ここにいたいの。ずっと、ここに。
   
    「私、弁当屋やったらどうかしら?」何気なく呟くと、「それはダメ・・俺、専用なんだから!」 ちょっと、睨まれた。
    胸の中に温かいものがこみ上げて、思わず彼の頬にキスした。唇にちくりと感じる。彼の髭。すぐに離れると、
    「めずらしいな、マカからなんて」
    「・・・いいの。ありがと、言ってくれて」
    「怒ってない?」
    「怒ってないよ」   彼が首を左右に振り、左手で黄色いチェックのネクタイを緩めていく。しなやかな手の甲が綺麗、色気さえ感じて直視出来ない。
    
    自然とお互い目を閉じていき、彼の唾液が自分の喉頭に入っていくのが分かる。ざらりとした舌を絡めた感覚が、好き。少しタバコのヤニの味というか・・彼らしい唾液の味。
    じゃあ、タバコを辞めたらどんな味なんだろう?ちょっと寂しくなる、この味が味わえないなんて。でも、タバコは辞めて欲しい・・・そんなこと思っていると、コトッ、コトッ 隣の部屋から音がする。
    
    「なんだこの音?」
    「あぁっ!シキったら、またソファーでジャンプしているんだわ!」
    「今、ジャンプしているの?」
    「そうなのよ!もう!」立ち上がろうとすると、腰に回した彼の腕に力が入る。
    「まだ飛んでんだから、ゆっくりしようぜ」 な。 抱きしめ直され、目を瞑った時、ガチャ、ガチャ、ガチャ ドアのノブが動く。
    
    シキだ。  やれやれ。「続きは、今夜な」と、耳の傍で囁いたと思ったらそのまま甘噛みして立ち上がって行った。  もうっ!噛まれた右耳が熱く感じる。
   
    「あっ!パパなんか言ってなかった?」
    「休暇中は1度は来るんだろ?って、あと」 
    「あと?」
   
    「弁当、ありがとうって」
    シキが寝室に、ボールのように弾んで飛び込んできた。彼とじゃれあって抱っこして出て行く。ぼんやりとそれを目で追いながら、思い返していく。 
    パパは嬉しかったはずだ、だって今日のお弁当。ママ直伝の味だったんだもの。
    
    「おーい、マカ〜」「ままぁ〜おなかへったよぅ〜あめ、たべたい〜」
    リビングから2人の声が、私を呼んでいる。
 
    冷たい寝室で深呼吸すると、リビングにむかいドアを開けた。
 
     end
    
           
    

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       ろくさんの企画に参加出来嬉しかったです。
また、色んな形でのソウマカが伝わりますね。ろくさん、本当にありがとうございました。  


    


*私以外の方が、シキを書くのはこのとき初めて読んだので
とても感激しました!可愛い・・・
凄く大人で、良い関係だなーと思います!
こちらこそ、素敵な作品をありがとうございました!


ろく

ワルツを一曲

December 26 [Fri], 2008, 23:40
 思えば、少し前まで聞こえていたのはもっと別の曲だったはずだ。戦いと安息、2拍子だけで刻まれたメロディの心地よさを、今となっては思い出すことができない。歩を進めるように。繰り返されたそこには確かに前進があったはずなのに。
 いつからか旋律は変調をきたし、忍び寄る音は不都合な和音を奏でて、音色は舞人を蝕み始めた。
 踊ること。狂うこと。温かな光を守るために、温かな光をすり減らせていっていることだけを理解して、闇に踊る。







 他の神の誕生日をよく祝えたものだな。
 普段口にすることがないだろう料理を載せたテーブルと緩やかで心地いい音を奏でる楽団。
 いつもと趣の異なる様相を呈した室内を眺めながらソウルはこの学校の最高権力者を思っていた。
 “死を司る神”が神の中でどれほどのものかなどわからないが、彼が人を生き返らせる神様を祝うことはどことなくアイロニーが漂っているような気がしないでもない。
 無論あの人に限ってはそんなつもりなどないだろう。単に殺伐な戦いにいつも身をおいている生徒に楽しい思いをさせる口実としてこのクリスマスパーティは開かれたのだろうが、それはそれで何千年前の救世主が哀れにも思えた。
 もっとも、無宗教なソウルからしてみれば、今となっては姿の見えないナザレの男よりかは、絶対的な力を振るい平穏を維持する神様のほうが積極的に信頼できそうなものだが。
 呼び声が聞こえる。見知った同級生たちが手を振るっているが、対してソウルは片手を上げるだけで止めた。


 そもそも取りとめも無い考察はこのパーティの参加へ対する意欲の低さからでた逃避だった。ソウルは一貫して光の溜まる中央部に躍り出ることはなく、天井を支える柱に背を預けて傍観者に徹している。
 壁の花とは言えない、さしずめ花瓶か? 
 自分でたとえて、その妙なハマり具合に、ソウルは苦笑しかできなかった。
 キッドたちは極上のBGMに合わせて高々と足を上げてラインダンスしているし、ブラックスターもまた高々と汚れた皿を積み上げてコックたちを急かしている。椿は相方の無礼な態度と、一張羅についた食べかすに気を揉んでいるようだ。仲間たちも思い思いの行動をしている。良くも悪くも人一倍目立つ奴らだ。周囲には人だかりもできていて、その光景は嫌でも目に付いた。

 何もかもが一致しすぎている。
 そうして思い出した悪夢の始まり。今年の前夜祭に起きた事件。鬼神・アシュラの復活。そして派生するように頭角を現したアラクノフォビア。畳み掛けられた問題にこちらも尽力するものの、根本的解決はまだまだ地平線の彼方だろう。
 だからこそ、英気を養うためにこれは開催されたのだろうが。
 ソウルは思わず重く息を吐き捨てた。

 どうにもこういう場の空気は苦手だった。先天的なものか後天的なものかは定かではないにしろ、現在のソウルがこの空気に抵抗感を感じているのは変えがたい事実だった。いつもの面子の着飾った衣装にか、潔癖すぎるテーブルクロスにか、広い人と人との間隔にか、どれでもないほかの要因かもしれないし、それらの要因の全てかもしれない。
 その場所に立つと思い出される過去がある。そんなものに現在の仲間たちとの距離感を狂わされそうになるのだ。嫌だ、と思う感情はせめてもの対抗心なのだろう。
 体中に毒素が蓄積されていくような気がした。一度外に出たほうがいいかもしれない。そう思ってバルコニーに向かう背中によく知った声が掛かる。

「ソウル」

 花瓶に活ける花が来たのだ。






 今更ながらの確信、ソウル・イーターはマカ・アルバーンという少女にめっぽう弱いということ。
 潜在的に武器が職人に抱く使役的感情だとかそういう次元ではなくて、むしろそれよりもかなり低くて、そのクセかなり重要度の高い感情でソウルは彼女につき動かされている。
 まったくもって今更だ。だが、ここに定言しとかなければ、自身のプライドが保護されないのだ。状況に納得できるわけがほしかった。誰だってできることなら現実と理想のギャップから目を背けたい。

 煌びやかにデコレートされた室内に辟易していた。にもかかわらずその人工的な陽だまりの中にいるのはどうしてなんだろうか? 人前で踊るなんて恥ずかしい真似ができるはずが無い。にもかかわらず彼女の手を取ってステップを踏む自分はなんなんだろうか?
 元凶は眼前で慣れない足運びに悪戦苦闘していた。覚束ない足元ばかりを見ているパートナーはソウルの憮然とした表情などに気を配る余裕など当然無く、気付かれない感情は虚しさを覚えると次第に収束していく。
 断ることだってできるのだと、言い訳めいた抗弁をソウルは内心で叫ぶ。そこまで自分がふがいないつもりは無い。それこそ前夜祭のように快活に、「踊るか!?」といわれれば、同じようなテンションで迎撃だってできた。
 だが「踊ってくれない? 私と」なんてらしくないしおらしさで懇願の表情を浮かべられてしまったら、否定という選択肢など立ちどころに消えてしまった。結果生まれたのは矛盾だらけの自分。

 たどたどしい足運びを見ていると、魔剣との戦闘の最中で踊ったときに経験値は貯まらなかったのだろうか? と邪推してしまう。つま先に貫く衝撃がこない分成長したともいえるかもしれない。もっと力を抜いて適当でいいものを。難しい顔して顔を沈められては、ソウルの身としても何の面白みもなかった。それは指摘したところで聞きもしないのだろうが。
 それに頭は固いが要領の良い彼女のことだから繰り返していけば慣れるだろうし、波長に敏感に反応できるのだから、自分の動きに重ね合わせることもわけないだろう。
 折りしも曲はワルツ。同じ3拍子を繰り返す舞曲を覚えるのに時間はかからないと高を括り、ソウルは錆の入ったブリキを引っ張るように踊っていた。






 単調なリズムを繰り返す旋回舞曲。それがふとどこかで現状の自分たちと重なった。同じ場所に戻るために繰り返されるステップは自分の尾を追い掛け回す犬を彷彿とさせて、ソウルの眉が寄る。
 実際、進んでいるのだろうか? かつてのような実感は湧いてくれない。強くなっているのだろうか? その問いに答えを求めること自体が余裕の無い自分を暴いていく。
 乱入してきた3拍子目はかつての音色を塗り潰した。狂気という名のそれに侵されて、聞こえなくなった行進曲。マーチはワルツへ。目標への前進が繰り返す旋回へ。そんな現状への皮肉なほどの酷似。
 それでもその拍子をやり過ごさなければならないときがあった。
 守りたいものが、失いたくないものがあったから。
 音を繋ぐため。平穏へ帰るため。
 そうして現在進行形でワルツの旋律は啼いている。  





 不平をたれるパートナーが虚ろな心境のままに映った。声が遠くなって、目の前の明度が落ちてゆく。
 気付けばいつの間にか、ソウルの踊る足が止まっていた。
 唐突に水を被るように襲ってきた恐怖。情けない話だと自嘲する。悪戯に踏み続けた3拍子目の代償の跳ね返ったときのことを思うと全身が凍りついてしまった。
 たとえばそれが自分の身にふりかかるならば。そんな覚悟はいくらでもできれいる。この魂が果てる代わりに彼女が救われるならば、厭う理由は微塵も無い。
 けど、逆なら。繰り返し研ぎ磨かれ、鋭さを帯びた牙の矛先に守るべきものがいたら。

「ソウル?」

 不安げに訝る声で我に返る。絡む視線の翠に溶ける紅が不安だけを垂れ流している。心臓を氷が貫く。
 悟られる。
 もともと自分の主は魂の色に過敏に反応できる上に、今は互いの魂を響き合わせるダンスの最中。長い月日をともにした自分の心情など容易く見透かされてしまう。それだけは避けたかった。
 ソウルは視界の外にはずすと慌てて声を押し出した。

「あぁ、……ワリぃ」

 足は依然として動かない。いつの間に靴底に取り付けられた鉛は赤い絨毯に根を張り、ソウルを縛する。
 動け、と念じれば念じるほどに、不愉快な五線譜が身体に絡みつく。
 野卑た笑みを湛えた子鬼。音飛びの激しいジャズ。古臭い布の香り。手で触れるほどの漆黒。獰猛な犬歯が噛み砕く、有翼の青い魂。
 暴力的なほどに脳裡にイメージが流れ込む。
 暗闇が両手を広げて包んでいく。






 その身体が、不意に流れた。いとも容易くカーペットからはがれた靴が、たたらを踏むとヒールに寄り添う。
 静かな湖面につま先を置くように、光の波紋が急速に辺りを照らしていった。
 キッドが四つんばいで沈んでいる。大方ダンスをトチったリズと口論の末に禁句でも言われたのだろうか。慌ててあやす2人を囲んだ観衆が笑っている。
 バルコニーへ繋がる窓際にはブラックスターと椿がいた。出産でもするつもりなのかと思えるほどに膨れた腹を抑えながら、椿にされるがままに口元を拭われている。
 やっと、音が帰ってきた。それはただのワルツ。高価な楽器が奏でるだけの曲。

「ソウルは、さ。自分の不安とか、悩みとか、なかなかいってくれないでしょ」
 
 スムーズな軌道修正の仕方なんて知らない。パートナーを引っ張って、無理やり音に乗せなおしたマカは、不機嫌な声を上げて、依然足元に注意を払っている、ふりをしていた。
 床に落とした言葉はそれでも不思議とソウルの耳に届く。

「『いって』なんていわないよ。ソウルが戦っているのは、私の手の届かない場所だから。それを知りたいなんて私のわがまま。だから、私からは聞かない」

 マカは顔は上げなかった。上げられなかった。押し留めた本音が喉を突き破って零れそうだったから。
 わがままを、いいそうになるから。
 例外があるにしろ武器を振るうのは職人だから、戦闘において武器は職人が傷ついても、見ていることしかできない。
 待つことの辛さ、歯痒さを強いているのは自分のほうが多い。チェコでの戦いのときのソウルの横顔をマカは思い出していた。
 黒血の抑制。そのためにかかる負荷。
 守りたいという願いを具現化する、手を伸ばせば届くほど近い力の魅力。それと同等の守りたいものを壊す狂気に対する恐怖。
 全てが自分のためだと思うことは自惚れでは無くて、事実。
 だからこそ、苦しい。
 解放してあげる術を、自分は知らない。
 だから聞けない。わがままはいえない。
 だから。

「だからずっと、そばにいるから」


――恐れる貴方は優しい人
  誰かを傷つけることを
  与り知らぬ自分が誰かに牙を剥くことを恐怖している
  恐ろしいのはそんな貴方
  独りきりで傷つく貴方を見ていることしかできないのは辛い
  救ってあげる方法を私は知らない
  だから私のできる最大のことを――


「1人でダンスは踊れないでしょ?」

――だから独りでなんて踊らないで――





 かち合った瞳が濡れていた。それでも何かを堪える姿が愛しくて心が震える。
 たゆたう音に踏み続ける三拍子。はじまりに戻って、ソウルがマカをリードしていく。
 不器用なマカの三角形を描く足捌きがスムーズになっていく過程はソウルにとって少し新鮮だったりもしていた。
 紅玉と翡翠が甘い色をなして絡みあう。先に気恥ずかしくなったのはソウルだった。

「だいぶ様になってきたじゃねぇか」
「へへっ、まぁね」
「前みたいに人の足踏んづけることも無いみたいだし」
「アレは、……事故よ。事故」
「どー見たって人災だったろ。ピンヒールだったし、指ちぎれるかと思ったぜ」
「まだ根に持ってたの? ちっちゃい男。前々クールじゃない」
「だっ、バカ。そういうことじゃねーよ。上達したこと褒めてんだから素直に受け取れバカマカ」
「ソウルの褒め方はわかりにくすぎ。どうしてそういう言い方しかできないの」

 いつもの皮肉めいた物言いに、翠の瞳がいつもの勝気を取りもどす。垂れ込めていたしんみりとした雰囲気を払拭するような低次元な罵り合い。
 それでも確かに感じるお互いの波長の、その暖かさを感じた。視線で火花ほとばしる膠着状態の沈黙も決して悪いものではなかった。
 何が可笑しいわけでもなく、どちらとも無く笑いが零れた。口汚い小規模な舌戦はお互いにしかわからない確認作業。
 そもままの勢いでソウルはさらりと声をかける。

「なぁ」
「ん?」
「踊ってくれるか。これからも。俺のそばで」


――音が君に牙を剥くなら
  奏者となって君を守るから
  恐れるものは何も無い
  力の糧は傍らのぬくもり
  君がそばにいるなら
  共に踊り 音を奏でよう――


「当たり前でしょ。嫌っていったて傍にいるからね」

 いつものように歯を見せて笑う彼女。密着した身体から感じる温度。
 何だ、コイツも十分俺に甘いじゃねぇかと、ソウルは犬歯を見せて笑ってみせた。


       ワルツを一曲。

――いつかこの曲が終わりを告げて 幸福の色を聞く日まで――










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竜巳さま より



どうしてきてくれないの?

December 26 [Fri], 2008, 23:31






私なんでこんな寒空の下、一人で虚しくこんな所に座っているんだろう


どうしてきてくれないの?


今は夜の7時半
もう12月だから日が落ちるのは早いし、加えてかなり寒い
いつもなら家に直行
帰って夕飯を作っている時間帯
本当なら今日は私が当番の日だもん
だけど何故ここに一人でいるか
このいつもに増して人通りの多い、かなり輝いているイルミネーションが施された大きなツリーの下で
周りと反対に一人で!!

今日は12月25日
一週間ほど前からソウルに広場のツリーを見に行きたいと言っていた
ソウルは、というと面倒くさそうで、別に家にいればいいじゃん、と毎日返していた
それがつい先日、やっと折れてくれたのだ
そこでめでたく今日は二人でこのツリーを見て、何か食べて帰る予定が立った
ところが、死武専を出るとき
「わりぃ先行ってて、忘れ物した」
本当に申し訳なさそうに言うから
「わかった、すぐ来てね」
と言って私は一人で歩き始めた
私は歩きだし、あっちはバイク
忘れ物とやらを取りに戻ったとしても、広場までの道で合流出来るだろう、
そう思っていた
それなのに、着いて暫く経った今も合流できないってどういうこと…
もう30分は経っただろう
周辺を歩く人も、二人組が多くなってきた
端から見たら私はきっと惨めだろう
こんな日に一人で待ちぼうけ
周りはとても幸せそうな多数の男女
最初は怒りの気持ちの方が強かったけど
今はなんとも言えない感情が胸を圧迫する
淋しい、のかな
悲しい、のかな
一人で見るツリーはやっぱり綺麗じゃない

もしかしてソウル帰っちゃった?
私とツリー見る約束忘れてた?
やっぱり無理矢理誘った部分があったからしょうがないのかな
結構楽しみにしてたのにな…

そうして手の甲に落ちる、想い
頬を伝って落ちるそれは、私を余計惨めにする
恥ずかしいから止めなくちゃ
そう思うのに体は正直で、私の想いが凝縮し、具現化したそれは次から次へと頬を伝って落ちてくる
もう嫌
そう思って泪で濡れた瞳を両手で覆ったとき

「マカ!」
そう呼ぶ聞き慣れた声に思わず顔を上げた
遠く、前方に慌てた顔が見えた
すぐに立って近寄りたかったけれど、泣いていた自分がバレるのが嫌でその場で素早く俯いた
視界に見慣れたお洒落な男物の靴が目に入り、上からはぁはぁという乱れた息遣いが聞こえる
「…お前、なんでここにいるんだよ」
少し息が整ってからの彼の第一声に驚き勢いよく顔をあげた
「なんでって…!だってツリー見るって言ったじゃん!!」
自分が泣き顔だということも忘れて、怒りが先走って反論
「だから向こうにいたんだって!」
そう言って彼が指差した方向には、確かにツリーの先端部が見えた
「え…」
ツリーが二本あるだなんてことにまったく気付かなかった
ソウルは向こうで待ってたのだ
「いつまで経っても来ねーし、俺より先に行ったはずなのになんでだろうって、そしたら向こうにツリー見えてさ、もしかしてと思ったら…て、え、泣いてる…?」
暫く一人で喋ってたくせに突然人の顔をのぞき込んで訊いてくる
「うううるさい…っ!」
ソウルに裏切られたと思って泣いた自分が馬鹿らしくて、それが勘違いだったと分かったら安心してか、また泪が出てたようで今度こそ本当にソウルにバレてしまった
剰りにも恥ずかしいから手で顔を隠すと、暖かいものが私を包んだ
「ごめん、最初から一緒に行けばこんな事ならなかったのに」
そう言いながら優しく私を抱き締める
彼の背中に手を回すことでそれに答え
「いいよ、こうやって会えたし、走ってきてくれたから十分」
そう言った
本当にそう思ったの、さっきまで怒っていた自分が嘘みたいに満たされていく
やっぱり君は凄い






家までの帰り道
いつもどおり彼が運転するバイクの後部座席に乗り二人で帰る
うん、やっぱりこれが自然
「ところで、忘れ物ってなんだったの?」
「あー…、うん、家帰ってから言うわ」
「?」



家についてから渡されたもの、クリスマスプレゼントって
彼がくれた彼の瞳と同じ色の宝石がついた控えめなネックレス
この予想もしていなかったクリスマスプレゼントに私はまた泣かされることになる


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拙い文章ですが、愛は込めて書きました!
本当にお手数おかけしますが、よろしくお願いします。
では、失礼します。






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地下鉄の中で先読みして、鼻血吹き出しそうになりました。
京さんのサイトで、その後が更新されているようです!
そちらもチェック!!

byろく

甘い夜

December 25 [Thu], 2008, 20:52
真っ白なシーツの中で、くすくすと笑う愛しいお姫様。

なんて口に出して言えば、キザだの気持ち悪いだの
散々言われるだろうから言わないでおくけどさ。


お前様は俺だけの姫様でいて欲しいんだよ、ホントのところは。






甘い夜を








「や・・・くすぐったい。」


また笑う。
首筋にキスをしたら、甘い香り。
だって今日は2人でクリームを泡立てたんだ。
どうしても2人で作りたいって、この姫様が我が儘を言ったからな。

コイツに姫なんて言葉似合わないのも分かってる。
コイツはどちらかというと王子で、俺の方が姫君なんじゃないかと思うときがあるくらいだ。
男気溢れるパートナーに完敗。でも、今は違う。


シーツに組み敷いた姫は、マロンペースト色をした華を咲かせて
キスを待つ。
トクトクと、うつ鼓動に
小さな膨らみに、意地悪くキス。

知ってるさ。この姫様がどこにキスをして欲しいかなんて。


「そーる」


甘さに酔って。
この夜によって。



せめて今日だけは、甘く。
また明日から素直じゃないお前様に戻っても許してやるから


今だけは甘く。




「なぁ、マカ・・・キスしたら、甘いよ。」
「ん・・・そーるも。」




ベッドサイドに置かれたケーキが、
キャンドルに照らされて揺れていた、


甘い、あまい・・・聖なる夜。



甘さによってしまえ。


愛しい姫君。
この、腕の中で。




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text by roku



げらげらげら。
後から見返すと、結構被ったお題が多くて、すみません!!
残りの期間、私もお題を上げていくので
今からでも間に合います・・・どんどん送ってやって下さいv
あ、小説に挿絵なんてのも有りですので(大マジ

そいえば!

October 02 [Thu], 2008, 22:01

このあいだ、のとさんちの茶会に遊びに行かせていただいたのですが
「のとさんとはオフともですか?!」と聞かれてしまいました!
え、そんなに仲良しに見えましたか!!

えー・・・個人的には、のとさんが大好きなので、
たぶん、それを垂れ流したのだと思います。電波で。

・・・そしてチラとみた二の腕が黒くてビックリ。
今年は後半気を抜いたから綺麗に黒いぜ。
足は白いけどね!!(マカコスするのに足だけは死守。)



うん、大好きなんだ!ニコッ
P R