キャラ絵『CS』
2008.04.07 [Mon] 03:00

桜さん☆
 

第一章「カンツォーネ」第02話〜カランコエ〜
2008.04.07 [Mon] 02:58


カラン「キミが最後か…かかってくればいいよ…。」

ジム隊最後の一機が向かってくるのをかわし、撫でるようにマシンガンを乱射すると、無機質な感触とともに小さな爆発が起こる。
連邦にジムが配備されると、それまでの戦局は大きく覆された、などと後の歴史家は語るのだろうか…。……戦局は…そもそも不利だったさ。しかしだからこそ、俺はやらねばならないんだ。祖国のために、待っている家族の為に。
熱くなった砲身が、無重力下でチリチリと音を立てているようだ。武器自体は熱を冷まさねばやはり脆くなるもの。さっきから回転の軸に多少の違和感をかんじる。

カラン「…まぁこんなものか。実弾兵器だもんね…。」

機体の状態は悪くない。戦局的に追いつめられているとはいえ。…だ。

カラン「このあたりの敵は粗方、片付いたかな?さて…」

レーダーとナビゲーションシステムを弄る。赤い点は二、三を残し索敵範囲内にはもう、手応えのある者はいないようである。しかし、それは味方機も同様。艦が落とされ帰る場所を失ったMSなど、もはや手足の付いた棺桶のようなものだとは、良く言ったモノだと思う。

カラン「…探せど探せど、味方の痕跡も見当たらず…とは。あと12時間持てば大したものと言ったところか。どこまでながされたんだ?」

しかし…手練を相手にしたいだなんて馬鹿げた考えで艦を振り回した挙げ句…自業自得、だね。カラン。

カラン「…やれやれ。この座標…帰るのは絶望的…か。終わったね。俺の戦争も。」

諦めるのは嫌いだが、それは足掻く余地がある場合だ。今回に関しては、確率は無いに等しい。いまさら救難信号を出すなんて…。どんな面下げて助けてくれなどと言えるだろうか。などと考えていると、目の前のモニターが異変を察知した。

カラン「ん!?なんだっ!!あの光っ!?戦闘?」

こんな暗礁宙域で?戦闘…?なにか妙だな…。最大望遠で…

カラン「艦がある!!それに、ザク??」

見つけた時には動かなくなっていた黒色に金色の装飾が施されたザクは、片腕、片足を綺麗に切断され、いまにも漆黒に溶けようとしていた。すでに、戦闘は終わった。そんな感じを妙に漂わせながら。 それを成したと思われる敵の姿ももう見つけられない。

敵影のないのを見計らい、ザクに近付く。コックピットは損傷し開かないが、歪んだフレームの隙間から中を覗くには、なんとも生気を感じられない。

カラン「…そんな。まさか…。」

カラン「これは…『くろざく』が落ちるなんて…いったい相手はどんな…?」

俺はこのザクをよく知っていた。いや、憧れていたというべきだろうか。オリジナルの装飾はエースにのみ与えられる誉れであり、ことこの黒色一点張りに金色の散りばめられたザクには、特別な思い入れがあった。パイロットのオリバー・ブラック大尉は佐官級の武勲を持ちながら、なぜか数年も大尉のまま、という謎もまた、魅力的だ。この505宙域からはほど近いルウム宙域での先の戦いにおいて、敵艦隊の後方から単独にて数艦を落とした実力エースだ。しかしなぜ、名実が伴わなかったか、それは様々に噂があるのだが、俺はその、知る人ぞ知るエース、といったニュアンスに憧れた。

そのオリバー大尉が、落とされている。そこにはかなりの衝撃があった。
が、同時にそれを成した相手の事を考えて、武者震いをしている俺に気がつく。

カラン「…震えてるね…手が。…」
カラン「あは、あははは、あははははははははっ!!」

なぜか笑いが止まらなかった。悲しくて、嬉しい。そんな妙な感情は、俺はかつて感じたことがなかった。

カラン「あはははっ!ははっ!!…はぁ…はぁ…。」

しばらく黒色のザクのコックピットの上で。涙と笑いがとまらず、ただ自分の境遇と情けなさを噛み締めた。しかし、本当に何故か。嬉しかった。それは、この目で憧れの機体を見る事ができたからだとか、そう言った類いの喜びでは無い。この瞬間に、ここにいるとう自分の運命への歓喜とでもいうのか、なにか、言葉では言い表せないような感情だった。

カラン「…いくよ。オリバーさん。貴方を破ったヤツは…俺がやる。」

俺はそう独り言をつぶやき、俺は自分のコックピットに戻ると、モニターにアイコンが点滅しているのに気が付く。

カラン「ん…?通信のログが…?友軍が近くにいるのかな!?」

何故か通信が入っていたことに驚きつつも、内容を急ぎ確かめる俺は、なんの疑いもなくそれが友軍からのものだと確信していた。内容はこうだ、『CNR.05BL』。恐らくは座標を表すものか、軍用コードのよう。すぐにデータベースにアクセスするが、結果は…

カラン「データ照合…無し?だって?しかも、送信先は…あのクロザク!?」

慌てて先程のザクの方を見るが、変化はない。コックピットが開かず気絶しているだけ…ということもあり得る。と、なればこの通信ログは救難要請だろうか?
再度コックピットをおりて、クロザクのコックピットを開けようと試みるが、どうにも歪んだフレームがつかえて動かない。

カラン「オリバー大尉…生きているなら返事をしてくださいっ!!」

ガンガンとコックピットの外から叩き続けてみたが、やはり反応がない。遅かったのだろうか…いや、もしもあの通信がオリバー大尉本人からのモノならば、まだ生きている可能性の方が高い。

カラン「…下手に衝撃を当ててもって思ったけど、これしかないか…。」

俺はまたコックピットにもどり、ザクのマニュピレーターでコックピットをこじ開ける。 中から残っていた少しばかりの空気が外に漏れ出した。

カラン「!!いたっ!!」

見つけたパイロットはスーツのまま、気を失っているようだ。
おれはパイロットをそっと回収し、自機のコックピットに座らせる。

カラン「オリバー大尉!!オリバー大尉なんでしょう!?」

オリバー「っくっ!!」

カラン「気が付きましたかっ!?どこかに怪我を…?」
オリバー「…あばらが数本もって行かれたようだ…ここは?」

カラン「俺…あ、いや、自分のザクのコックピットです。」
オリバー「……学徒…か…すまんな。キミに助けられたみたいだ。名は?」

カラン「は、あ、カランコエ伍長でありますっ!」

敬礼をしながら、なんとも気の動転した状況に、自分でもなにをしているのか、わからなかった。

オリバー「カランコエ…か。よい名だ。ありがとう、わたしの部下はあの黒いガンダムに…。しかしキミはよく無事だったな。」
カラン「…は、実は…」

自分の今までの経緯を話すと、オリバー大尉は一瞬、厳しい顔をしたが、すぐに優しげな、そして寂しげな表情になり、言った。

オリバー「…若さとは…時に足の踏み方を間違わせるものだ。しかし、それは先に生きる者がかつての自らとを重ねて抱く、エゴイズムでもあるのだな。」

カラン「…」

オリバー「しかし…あれがオリジナルの…ガンダム…なのか?噂では白い色をしていたと聴くが…あまりにも速く、的確な動きをしていた。あれではザクで対等に戦うなど、絶望的だ。」

カラン「…今からどうします、帰還する当ては…?」
オリバー「絶望的、だろうな。しかし、可能性が無い訳ではないだろう。」

カラン「…まさか、サイド5を目指すなんて言いませんよね?」
オリバー「フ…勘がいいな。それ以外は可能性がゼロだ。」

カラン「確かにそうですが…サイド5へ行くなら、この宙域を完全に抜けなければなりません。それには酸素と燃料が足りませんよ。」
オリバー「若いな。カランコエ伍長。アレをみろ。」

カラン「アレって、艦…の残骸…ですか?」
オリバー「そうだ。おそらくは俺の戦ったあのガンダムのやってのけた事だろう。生存者はなかったが…数カ所を除いてかなりの部品が無事だ。」
カラン「燃料と予備の酸素…ですか?そんなモノ、それこそ無事に残っているかどうか…それに、補充している間に酸素がなくなる事だって。怪我も一刻も早く手当てしないと。」

オリバー「アレだけの数だ。それに時間もそうたってはいない。何とかここを抜けたいとおもうなら、それしかないだろう。怪我も大した事は無い。」

カラン「…たしかに、諦めるのは、やはり嫌いですから。やってみましょう」



そして、俺たちは補充を済ませ、瓦礫となった艦の医務室で簡単な手当を済ませる。
何故かオリバー大尉は自分のザクのコックピットに医務室で横たわっていたパイロットの亡骸を載せ、自分の胸にかけてあるペンダントとタグをそれにかけて言った。

オリバー「…これで『くろざく』は死んだ。戦争はじきに終る。しばらく身を隠した方がいいだろう。俺は、まだ死ぬわけにはいかないからな…すまん。」

カラン「…負けるんですね。我が国は…」

オリバー「カランコエ。キミには家族がいるか?」
カラン「ええ、まだ幼い弟と母を国に残してきました。」
オリバー「ならば、まだキミも死ねないな。さて、サイド5が我々を引き取ってくれるといいが。」

カラン「実は、アテがあります…。親戚がいる筈ですから。」


そして、サイド5に逃げ込んで3年。時はU.C.0083年。
505宙域はミノフスキー濃度も濃く、探索が困難であることから、戦争が終った今、俺も、オリバー大尉も戦死扱いになっているはず。
未だ俺たちは祖国に戻ることもかなわず、また親族の行方もわからなくなってしまった。俺達はやむなくサイド5でひっそりと暮らし、ほどなく、505宙域での『くろざく』の噂が囁かれるようになった。なんだか複雑な心境だ。あそこに置いてきたザクがひとりでに動く等、有り得ない事だ。オリバーさんもそう言って笑っていた。

オリバーさんは、しきりに俺にいつかアクシズへ行こうなどと言っていた。そんな方法もないのに。

しかし、少しして俺たちはアクシズへの帰り方を見つけるのである。世に言う『エギーユ・デラーズ事件』である。それは大きな事件であり、そのタイミングでアクシズの艦隊と接触する事ができたのは幸運だったが、この時にオリバーさんとはぐれてしまってから、その姿を見ていない。

ナツミさんとは、また会えたのだろうか?

それからまた一年が経った。俺の家族は…未だにその手がかりさえなく、あの戦乱のドサクサにまぎれて、きっと何処かで生きているだろうと考える事しか出来ないが、きっとそうだ。

ダーシュ「おい、兄ちゃん…コア3はどっちの方向かわかるかい?こっちに着いたばっかりで右も左もってヤツなんでな。」
カラン「え…?あ、俺っすか?ああ、ここからだとモノレールが通っているらしいですが。」

ダーシュ「ふぅん。サンキュー。んじゃ。」
カラン「あ、いえ…」

アクシズに帰ってから一年、ようやくここの暮らしにも慣れた。マハラジャ・カーンの指導の元、ジオンの再建を目指してみな活気づいている。それはいい事だと思う。

また平和な日々が続くなら、なおよい事だと考えるようになった自分に、少し驚きながら。
 

第一章「カンツォーネ」第01話〜ナツミ・ハーベンス〜
2008.04.07 [Mon] 02:47

わたしは、わくわくしていた。

4月は出逢いの季節だから。

出逢いといっても…素敵な異性との…っていうのもほら、あるんだけれど…アハハ。
何よりも、新しい環境、知識、仲間、感覚!そう言ったものとの出逢いがある。それが自分を大きく成長させてくれるし、きっと、わたしのフルートの音色も変えてくれる。

今日からわたしは、ジオン共和国軍の栄光ある楽隊員なんだ。

軍っていっても、戦争とかはピンとこないし、そんなの起こるはずないかな。って思ったりもする。だって、こんなにも平和なんだもの。そして、なによりもダイクン公王への国民の信頼は厚い。
人が宇宙で暮らすようになって、半世紀以上が経った。そしてわたしたちは宇宙で生まれた。
それをスペースノイドと差別するひともいるけれど、コロニーはその名の通りの植民地、ではないし、わたしたちは誇り高く生きている。それが尊いことなんだとわたしは思ってる。

わたしの入るジオン共和国軍第二音楽隊は、とても優秀な楽隊で…って、自分で言うのも…なんだけど、その実力と競争率は国内トップクラス。最高峰のコンクールであるダイクン王賞も三度に渡って頂いている、エリート集団だ。エヘへ。

わたしはとても運よく、ここに入ることができた。今年の合格者はわたしともう一人、コントラバスの…名前は忘れちゃったけれど、ちょっとカッコいい男の子だ。

お父さんもとても喜んでくれて、わたしの為に金のフルートを買って祝ってくれた。わたしがお金持ちの人達に囲まれても見劣りしないようにって、無理しちゃってさ…。

ウチは、はっきり言って普通の家庭だ。親が貴族だとかそう言ったステータスは…ないし、資産家…それも違う。お父さんは平凡な一、研究所の所員。
わたしが生まれてすぐに、母は天に召されたと聞く。それから、父は男手一つでわたしを育ててくれた。父はいつも言った。お前に不自由は絶対にさせないって。そして、わたしがお金のかかる音楽の道に進みたいと言ってからは、イヤな顔一つせず毎日必死に働き、笑顔で応援してくれた。

本当は…心苦しかったのもあるんだ。

だってお父さん、すぐ無理をするから。それでも…母がフルートが好きだったらしく、わたしは父に教えられ、幼い頃から母の遺品であるフルートを吹いて育った。

家計のため、楽器を辞めてしまおうと考えたことは何度もある。その度に父は言った。父さんもっと頑張るから。と。それが、辛かった。
だけど今は…フルートを吹き続けることが、父への想いを遂げる、わたしにできる唯一の孝行なのかもしれないなどと考えるようになった。
音楽のハイスクールにまで通わせてくれた父が多額の借金をしているとわかったのは高校にはいってすぐ。私は必死にそれを隠す父をみて、部屋で泣きながら毎日毎日、フルートを吹いた。もっと巧くなりたかった。父のためにも。

そして、わたしはとうとう、父に恩返しができる。こんなにも気分が軽い。

ずっと、ずっと待っていた春が、やってきたから。


ショートショート 第一話「ナツミ・ハーベンス」
however Short Short Films episode1 "Case of Natsumi Hervenes"

オリバー「やぁ、ナツミ!聞いてくれよっ俺もとうとう、ジオン軍の宇宙戦闘機のパイロットになれるんだぜっ!今日の選考会で決まったんだ!」
ナツミ「わぁ、決まったのねっ!おめでとう、オリバー。」

オリバー「ありがとうナツミ。俺がさぁ、宇宙をギューンッてさっ、誰よりも早く飛んで見せて、それでさ、ナツミはセレモニーの演奏で、ソロをとるんだ。そんな日が、いつかくるかもしれないなっ!」

ナツミ「アハハ、オリバーってば、気が早いよ〜。セレモニーで宇宙を飛び回るなんて、アインスターゼン隊に入るってことじゃない。」
オリバー「あぁ、俺はやるよっ!」

ナツミ「全く…お調子者っ!」

オリバー「あ、ナツミ、まってくれよー。」
ナツミ「クスクスッ、さぁ、早く行かなきゃ遅れちゃうよ。午後からは検査でしょう?」

オリバー「いっけねぇ!そうだった!またなナツミっ!!」

オリバーは同じ街で育った、所謂幼なじみ。年が同じだったから、小さいころはずっと一緒にいて、『ぼく、ナツミをお嫁さんにしてあげるよー!!』なんて、ありふれたセリフまで頂戴した仲なんだけど、きっと覚えていないんだろうな…フフッ

ナツミ「いっけない、もうこんな時間。わたしが遅刻しちゃうよっ」

廊下を走るのはいけないけど…ちょっと今は緊急事態っていうかっ!はじめての顔合わせに遅刻なんてっ…あわわわっ

ナツミ「きゃあっ」

な、な、何っ!?前になにもなかったじゃないっ

???「ってて…なにをするだぁー!ちゃんと前を…」
ナツミ「ご、ごめんなさいっ…いたたたっ」

わぁっ!スカート!めくれて…ないよね。ふぅ…。さすがにお約束は回避…。

???「これ…フルート?って…鼻血でてるじゃないかっ!!大丈夫っ!?ほらっ、ハンカチっ」

ものすごい勢いで赤面していくのが自分でわかる。鼻血って…恥ずかしいぃ。

ナツミ「えっと…だ、大丈夫。あ、ありがとっ」
???「え…あ、ちょっと?」

思わず走りだしてた。あ、ハンカチっ、汚しちゃったな…。新しいのを買って返さないと…でも、所属も名前も聞いてなかった。失礼なことしちゃったな…。

ナツミ「あ、時間っ!!遅れそうなんだった!!」

〜無我夢中で集合場所に着く。隊のみんなはもう揃っているみたいだった。でも、ギリギリ間に合った。

教官「ナツミ・ハーベンスさんですね。」
ナツミ「あ、は、はい。よろしくお願いいたしますっ。」

教官「元気があって大変結構ですね。…おや?またシエスタ君はまだかな?」

シエスタ…?凄い名前(笑)怠惰を字にしたような…遅刻常習犯とみたっ!!ぷぷっ!

隊員「あぁ…シエスタはきっとまた迷子ですよ。」

周囲に笑いが立ち込める。…なんだか、和やかな雰囲気でほっとした。軍だって言うから、凄く緊張してたんだ。

???「っ遅れましたー!!いやぁ、廊下で美少女とぶつかってしまいまして、迷子とおっしゃるので案内して差し上げていたら…こんな時間に…。申し訳、ありません。」
教官「そうですか…それは、」
ナツミ「あぁぁぁ!!」

さっきの人だっ!!

???「あぁ!!!さっきの鼻血…」
ナツミ「しっ!!そんな風に言わないでくださいよっ」

イヤな予感と共に瞬時に。わたしは顔を真っ赤にして彼の口を塞いだ。

教官「おや、廊下でぶつかった美少女とは、ナツミさんのことでしたか…ふむ…するとナツミさんの方が早くここへ来るのはおかしいですね…シエスタくん。」

この人が…シエスタっ!?最悪っ!鼻血なんて言うから、みんなに笑われてるじゃんっ!!初日から…最悪!

シエスタ「あ、いや…その…迷子は自分でした。ははは…。」

部屋中大爆笑。感じ的にいつものことらしいけど、そんなのに関わってわたしまで笑われて、なんかものすごく腹立つッ。あーもー!

シエスタ「教官、もう何度目かわかりませんが…自分は、シエスタじゃありません!シエスト・カーチスでありますっ!!」
教官「そうだったね…すまんシエスタ君。じゃあ、席につきなさい。皆さんも静かに。」
シエスト「…だから。…あの…。」

あーぁ…。その後の音合わせはなんだか対面のインパクト強すぎてうろ覚え。
今日はなんだか疲れたなぁ…。

シエスタ「ねぇっ!!きみ、ひょっとしたら…とか思ったけど、うちの隊だったんだねっ!」
ナツミ「あ、その節は。ハンカチ、汚してしまってごめんなさい。新しいのを買って返しますから。」
シエスタ「いいよ。んなもん。それより、キミのフルート、シュネッヴァンのだよねっ!?」
ナツミ「え?あ…はい。そうですけど…」

あんまり関わりたくないな…帰り道一緒とか…なんか恥ずかしいよね。

オリバー「おぅ、ナツミ、今帰りっ?」
ナツミ「あ、オリバー。うん。」

オリバー「そちらは?」
ナツミ「あ、えと、同じ隊のシエスタ…あ、シエストさん。シエストさん、こちらは幼なじみのオリバー。」

シエスト「よろしく、オリバー君。君も今期生?」
オリバー「はい。そうです。シエストさんは…」

シエスト「一つ上級になるかな。でも処遇は同じだと思うよ。よろしく。」
オリバー「あ、はい。どうも。」

ナツミ「オリバーは今帰り?」
オリバー「あ、いや、これからまだミーティングがあるんだ。」

シエスト「そうか、ではナツミくん、ぼくが送っていくよ。」
ナツミ「ぁ、いえ、わたしは一人で大丈夫ですから…」
シエスト「仮にもレディを一人で返すなんてできないでしょ。」

オリバーをチラッと見る。なんだか不機嫌そうだ。

ナツミ「いえ、本当に大丈夫ですから。」
オリバー「…送って貰ったら?せっかくだし。」

え…そんな…。

ナツミ「オリバー?」
オリバー「別にやましいことないでしょ。シエストさん、俺もう行きます、ナツミをよろしくお願いしますっ。」

シエスト「あぁ、任されました。君も気をつけて。」

えぇーー!!なんでそうなるのよぅ…。バカオリバー!!!
…もう知らないかんねっ!

ナツミ「それじゃぁシエストさん、お言葉に甘えます、すみません。」
シエスト「構わないさ。うちのエレカで送るよ。」
オリバー「ではまた。失礼しますっ!」

オリバーはさっさと行ってしまった。わたしが誰と仲良くしようが知ったことじゃないのねっ。
あぁそうですかっ!

シエスト「うちは楽器を扱ってる店を経営しているんだ。キミのフルート、そう手に入るものじゃない。お父様はさぞ名のある方なんでしょうね。」
ナツミ「いえ、普通の研究員で。」
シエスト「…?そうなんだ。」
……。

なんだかいろいろお話しした気がするけれど、今イチ話が噛み合ない気がしていた。
悪い人じゃないし、むしろいい人だなって思ったけれど。なんでだろう。少し、ぎくしゃくしてしまう。オリバーは、今頃、ミーティング終ってるのかな。
…なんでオリバーの事なんて…。

シエスト「この辺りかな?ナツミくん?」
…。

シエスト「ナツミ君?」
ナツミ「はっ…あぁ!はい、スミマセン本当に、この辺で平気ですからっ!」
シエスト「そうかい。では、また明日、遅刻しないようにね。」

シエスタさんに遅刻するなって言われるとは…。
ナツミ「…はは…。また明日、あ、ありがとうございましたっ!!」


そうそう……あったなぁ…こんな、平凡な一日…。今思えば、平凡な。その後オリバーと、ケンカしたんだっけ。懐かしいな。
ジオンは、ちょうどこの頃から。なんだかかなり変わってしまった。強制移民、市街地戦…アクシズに移民をさせられてからも、不穏な話をよく耳にした。

今日もわたしはフルートを吹く。ずっと…ずっとそうやって生きて来たから。
父さんが亡くなってからは…私にはオリバーだけがこの世にただ一人、心赦せる人だったのに。
戦争なんて…起きないと思っていたのに。

どうして…どうして彼は…今日も帰ってこないの…?

…神様。

"The Case of Natsumi BLACK" fin
 

第五章「ゼレナーデ」第02話〜ミルネィア・ルミルハルト〜
2008.03.04 [Tue] 08:38

ソーニャ「ルゼットさん!!!どうしてここに!?」

残酷な運命に直面したとき…わたしがまだ一人で居たのなら…平気だったんだろうか。
人を信じる事を…思い出さなければ、この痛みは無かったのだろうか。
目の前にいるこの人は、両親を亡くして身よりの無かったわたしを引き取ってくれた、父の親友。
わたしが戦う事を覚えられたのも、この人のおかげだった。それなのに…

ルゼット「…今回の事はわたしが直接指揮を執ったのだ。ここにいて正解だろう?」
ソーニャ「そんな…どうして…」

ルゼット「覚えているかソーニャ。真相を知るため強くなれといったのを。」
ソーニャ「当たり前です。でもわたしは…」

ルゼット「ソーニャ…誰の指示で動いた?」
ソーニャ「…。」
ルゼット「話せないか…?…優秀だな。だが指揮官としては無駄が多い。詰めも甘い。」

ソーニャ「…ルースやポール、ハイネにマーク…皆気の良い連中だったんです…どうして!?同じ特務部隊同士でこんな!」
ルゼット「潜入してきたあの若造とミルネィアに撃墜された者達か。」
ソーニャ「そんな!ミルが三人を!?」
ルゼット「ほう…知り合いか?フン…偶然とはいえ、残酷なモノだな。そして、わたしの娘同然のソーニャを送り込んでくるとは…。」

ソーニャ「この部隊は一体…それにミルはあんな娘じゃなかったんです。」

ルゼット「インビジブルファントムファイブ…知らなくて当然だ。わたしだけがこの部隊を使っているのだ。他の者は存在すら知るまいな。適合者を選出して編成したニュータイプ部隊だ。」
ソーニャ「ニュータイプ?強化人間でしょう…」
ルゼット「フフ…無論最低限の強化、投薬はしている。だがもとより才能あるものにのみ、この部隊は務まるのだよ。ソーニャ。」

ソーニャ「ルゼットさん!アナタは人道主義の議員だった筈!こんな事をして!」
ルゼット「だから知られたら困るというのだ。わたしの足を引っ張ろうとする者がお前達を動かしたのだ。」
ソーニャ「五十歩百歩…とは……。わたしたちは所詮、私兵だったか…。」
ルゼット「ソーニャ。お前には才能がある。わたしの元で力を尽くしなさい。強くなれば、もっと真実に近づける。」

ソーニャ「…嫌です。」

ルゼット「ほう…その忠誠心は買う。しかし、賢い返事とは思えないな。今は嫌だと思うのも当然だろう…わたしは君の部下達を撃墜させたのだからな…しかしソーニャ。わたしは今の連邦に義があるとは思えないのだ。そのための部隊なのだ。」

ソーニャ「…殺してください。」

ルゼット「そんな事ができるか…いいか、ソーニャ。ここにおればわかる筈だ。政府がいかにいがみ合い、主導権を握る為に醜い戦いを引き起こして来たかを。」

ソーニャ「わたしには…アナタもそのうちの一人にしか見えません。」
ルゼット「そうか…だが考えてほしい。もうわたしは戻る。頭を冷やして考えておくれ。」
……わたしに、強化を受けろ、と…?
ルゼットさん…どうして…。
ソーニャ「…ミル…わたしはどうしたら…」

コンコン…
ソーニャ「誰?」
ミル「食事を持って参りました。窮屈させて、ごめんなさいね。」

扉が開くと、ミルが居た。

ソーニャ「ミル!!」
ミル「ソー…ニャ…!?」

ソーニャ「何しにきたのよっ!?」
ミル「え…ソーニャ?どうしてソーニャがここに?」
ソーニャ「…覚えてないの…?さっき廊下でも会ったのに。」
ミル「あれれ?そうだっけ、ごめんね、髪が長くなったんだね☆それで遠くからじゃわからなかったんじゃないかなぁ!?」
ソーニャ「…話も…」
ミル「?ソーニャ…?どうしたの?」

ソーニャ「話も…したんだよ。」
ミル「え?そうだったっけ?出撃後で疲れてたのかなぁ?ソーニャがわからないなんて、アタシったら…」
ソーニャ「そうじゃない!」

そうじゃないよ…ミル…やっぱり変だよ…。

ミル「ソーニャ?…なんか…変だよ?」
ソーニャ「変なのはミルだよ…。良く聞いて、覚えていないかもしれないけれど、ミルはわたしの部隊を全滅させた。」
ミル「え…?」
ソーニャ「さっき戦ってきた相手を覚えていないの…?」

ミル「わたし…不器用だから…戦闘でも足引っ張っちゃって…だから落ち着くようにって、出撃前は鎮静剤を飲んでるの…だから…」

パシンッ!!!

わたしは衝動で頬をはたいた。ミルの両手から食器が落ち、ガラガラと音を立てて床に転がった。
なんだかとってもイヤな気分になった。久し振りに会えたのに…。
ミル「…ソーニャ…。」

その場で立ち尽くして泣き始めたミルを見て、悔しくなった。
彼女はどうしてぶたれたかもわかっていない…それが悲しかった。

ソーニャ「わたしは…キミに殺されかけた。」
ミル「!!!」

わたしがそう言うとミルは驚いた顔をして、一層大きく泣きじゃくった。
まるで…子供みたいに。

F430「ど、どうしたんですかっ!?」

声を聞いて駆けつけてきた兵士は、泣きじゃくるミルをみて笑いながら言った。

F430「ああ、スミマセン、この人ドジっていうか…すぐ新しいのを持ってきますね。ほら、隊長。行きましょう。」
ミル「うん…」

違うよ…やっぱりこんなのおかしい…。

二人が出て行くと部屋はシーンと静まり返った。わたしは本能的に逃げよう、と思った。
部屋のロックは中からじゃあかない。換気ダクトを通るなんてお約束は封じられているだろうし、逃げ場は…バスルームくらいしか。…無理かな。

そして…

F430「代わり持ってきました。入りま…わぁ!!!!」
ソーニャ「ごめんねっ!!!」

代わりの食事をもってきた兵を突き飛ばし、一路MSデッキに走る。

ソーニャ「っと、ヤバい!」

他の兵に見つかりそうになって、思わずすぐ側の部屋に入った。
薄暗い…資料室かなにか…?

そうだ…ミルの事…何か…
…極秘…?封印までついて…まさかこれかな…

…これは!!!

ソーニャ「そんな…ルゼットさんの…」

これは…何かの間違いだ…きっとそうだ。
資料には彼の命令によって遂行された作戦が記録されている。
わたしは衝動的に古い資料から順に目を通していた。

そして、見つけてしまう。
ウィルトーア下院議員邸宅の襲撃、及び一切の関係書類と痕跡の消去!!

ルゼットさんが…父と母を…

わたしは涙も流さなかった。そうか、わたしはいままでずっと…
わたしを引き取ったのも、記載されている資料について知っているかどうかを身近で確かめる為だったのかもしれない…きっとそうだ。ルゼットさん…わたしは…

あれ?通信がきたっ!?そうか、小型通信機を隠してたんだったっ!今なら直接指揮官と繋がるはず…

ソーニャ「こちらオウル01」
フォルフ「ソーニャか、無事だったようだな…全滅と聞いたが…」

ソーニャ「ルミルハルト上院議員!?」
フォルフ「ああ…心配でな。直通は避けたかったが…部隊は?」
ソーニャ「はい…わたしを残して…わたしも今敵艦に。」
フォルフ「そうか…娘には会ったか…?」

ソーニャ「…はい。ご令嬢は既にかなりの投薬とマインドコントロールを受けて強化されているようです…」
フォルフ「遅かったか…くっ…」

ソーニャ「ともかくご令嬢を連れて脱出してみます。これ以上は危険です、では。」
フォルフ「すまん…頼む。」

まいったな…とにかくここを離れないと…都合良くミルが見つかれば良いけど…

ミル「ソーニャ☆」
ソーニャ「わぁっ!!なんだミルか…おどかさないd」

…見つけた!!!

ミル「ソーニャ…あのね…アタシ…」
ソーニャ「いいの。さっきははたいたりしてごめんね。」
ミル「うん☆ミルは平気だよっ♪…ねぇねぇソーニャ、こんなところでなにしてるの?」

ソーニャ「えとね、この艦から出たいんだ…ミル、手伝っては…」
ミル「あれれ?外がみたぁいの?いいよ☆いいよ☆一緒にいこいこ♪」

こんな状態になって…ミル…

ソーニャ「それじゃあ、ミルの新しいモビルスーツでいこうよ!」
ミル「うん☆すっごいんだよぉ☆ソーニャにも運転させてあげるねっ☆」

MSデッキはすぐそこだ…ミルとならきっと行ける。
わたしは先ほどの資料を持つと腕に絡んでくるミルとともに歩いた。

ミル「ほらっ☆みてみて♪λ(ラムダ)ガンダムだよ☆」
ソーニャ「コレが…さっきの…」

先の戦闘がフラッシュバックしてきて頭が破裂しそうだった。
でも今は…だから、それを振り切ってわたしはミルの手をとった。

ソーニャ「行こう、ミル。」
ミル「はい☆」


ショートフィルム 第五章「ゼレナーデ」第02話〜ミルネィア・ルミルハルト〜
longer than ever Short Films episode:05[Selena:de]


管制官「二番ハッチに異常!」
ホルベイン「やれやれ…また隊長だ…」

管制官「ハッチ開放を求めていますが…」
ホルベイン「勝手に『散歩』されては困る。ロックしておけ。」
管制官「それが…」
ホルベイン「なんだ。今はルゼット議員はオヤスミだ。騒ぎを起こすんじゃない。」
管制官「いえ、強制解除を…」
ホルベイン「なんだと!!!クソッ!!02と04に追わせろ!!!」

ハートネット「どうかしましたか?」
ホルベイン「また隊長が勝手に出歩こうとしている。すまんが止めてくれ。」
ハートネット「またかよっ!はぁ…あの人すぐフラフラして…」
F430「おい!大変だ!!」

ハートネット「隊長が出だしちまった。だろ?」
F430「はっ!?またあの人は…」

ホルベイン「なんだ?違うのか?」
F430「ああ…もっとヤバいぜ…捕虜が脱走した。艦内探したが見つからない。」
ハートネット「!!!」
ホルベイン「まさか!!!!」
F430「そんな、隊長と出てっちまったってのか!?」



ソーニャ「ミル。」
ミル「何?」
ソーニャ「大丈夫だよ。」

ミル「えっ!?ソーニャ…泣いて?」

操縦桿を握る手が震える…アタシはなんてことをしてしまったのだろう…。ソーニャの大切な人たちを…殺してしまった…?

ミル「ソーニャ。」
ソーニャ「…わたしの両親は…ルゼットさんに…殺されたんだ。」

…ルゼット議員に!?そんな話…アタシ知らない…。

ソーニャ「今は資料とミルを連れて、一刻も早く帰還しなくちゃいけない。」
ミル「…脱走か。」

こんなことしちゃったら…アタシはもう、あそこへは戻れないな…
それに、ソーニャと戦うなんて…もう…

二度とごめんだ。

ミル「今度は、一緒だね。」
ソーニャ「ミル…意識が…?」

アタシは…コックピットに乗るといつも夢を見ているような感覚になる。自覚…なかったけど…
きっとこれらは…アタシのしてしまった事なんだ。

ミル「大丈夫だよ。ソーニャ。」
ミル「アタシ達、なんかあるといつも、離ればなれになっちゃってさ。またソーニャに会えるかも、って思ってね、またパイロットになる事を決めたんだ。」

もう8年も前の事だ。それから二年後にも、似たような事があって。
だから、今度は一緒。一緒に逃げるんだ。

ソーニャ「ミル…。」
ミル「!!!」

くるっ!ホルベインとF430…?

〜ホルベイン:隊長!!なにしてるんですか!!わかってるんですか!?自分のしている事が!!〜
〜F430:そうですよ…よりによってルゼット議員がいる時に…〜

…お願い、帰って。アナタ達と戦いたくない…。

ソーニャ「ミル?」

〜ホルベイン:そう言われても…みすみす逃がせば、俺たちは…〜
〜F430:あぁあ、わかりましたよ〜。ほら、ホルベイン!〜

ごめん…みんな…わかって…。

ホルベイン「おい!わかってるのか!?」
F430「ああ…でも知っちまったろ…ルゼット議員は…」
ホルベイン「お前まで!!くそ!!もういい!俺一人でも食い止めるっ!!」
F430「まてよ!!!」

ホルベイン「邪魔をするなら…お前から片付ける…ぞ…」
F430「おいおい…本気…みたいだな…でも…俺は自分の義を曲げてまで宮仕えする気はないんでね!!」


ソーニャ「ミル!?どうしたの?何で泣いて…」

ミル「ごめん!ごめんなさい!」
ソーニャ「ミル…」


その後、ルミルハルト議員が送ってくれた特務第二部隊と接触して、私たちは胸を撫で下ろした。
一緒に…これたね。ミル。ミルは意外な人に会えて少し嬉しそうな面持ちだった。

ルナ「…はぁ…やっぱり……ものっごい厄介事ですね…こんな事が有り得るとは…本気迂闊。」
ミル「ルナちゃん!!大きくなったねっ!写真では見たけど。」
ルナ「…ふぅ…疲れるテンション来たよ…」

U.C.0089年。F430くんは味方であるホルベイン君と戦ってまで私たちを行かせてくれた。その後彼が第五部隊の隊長になったようである。そして、この事件の二日後、不幸にもルミルハルト議員、つまりミルのお父さんが謎の死を遂げた。そしてわたしの持ち込んだ資料も…無くなっていた。ミルの泣きじゃくる姿は、なんだかあの時と違った。おそらく…ルゼットの画策だ。そう思っていると、ルゼットはその翌日、自宅の書斎で首を吊った状態でみつかった。…遺書にはわたしに向けたメッセージが残されていた。

〜ソーニャ、わたしの不毛な人生で唯一の安らぎは家族ができた時だった〜

都合のいい話…だけど…なんだか胸が苦しくなったのを覚えている。

その後…ミルは治療で精神が安定するようになり、連邦政府上院議員に立候補して見事当選。異例的な若さではあるが父の遺志を継いで、というメディアの報道が票を集め、戦争を身を以て体験し、その上で戦争の無意味さを訴え、宇宙の機雷除去活動にも力を入れたせいだろう。そして彼女は第二次ネオ・ジオン抗争の終焉と共に特務部隊の解散を提唱するが、それが災いしてか、U.C.0093年9月30日、32歳の若さでその生涯を閉じることとなる。そして…


U.C.0099.9.30.ノイエベルラン郊外…亡くなる前彼女の言っていたように、彼女は小高い丘に葬られた。生まれ故郷のここで、たくさんの花に囲まれて。

ルナ「ソーニャさん」
ソーニャ「あら、ルナさん。何年ぶりかしら?」

ルナ「もう5年になりますか。お元気でしたか?」
ソーニャ「ええ、勿論ですとも。ルナさんもお変わりなく?」

ルナ「やっぱり…歳は感じます。」
ソーニャ「フフ…遂にミルと同じ歳になりましたね。わたしはもう39か…。お子さんはお元気?」

ルナ「いやぁ、やんちゃな盛りで。あはは」
ソーニャ「…ミル…また来たよ。ほら、ルナさんも。」
ルナ「そうそう…これ。」
ソーニャ「それ、ミルの好物だったね…チーズケーキ味のキャンディ。ほら、スズランも。好きだったでしょう。」


ありがとう


ルナ「フフ…どう致しまして」
ソーニャ「ありがとうって、言ってるみたいだね。」
ルナ「ええ。多分言ってます」

ソーニャ「フフ…ミルらしいね…それじゃあ、行きましょうか。」
ルナ「はい。下にシエナを預けてきたから…あ、ソーニャさんも是非会ってあげてくださいよ」
ソーニャ「まぁ、それは楽しみだな。やっぱりルナちゃんに似て美人なんでしょうね」
ルナ「本気大きなお世話ですよー!ソーニャさんがいうと嫌みにきこえますってー」
ソーニャ「あは、本気だってば」

…もうすぐ人類が宇宙に出て1世紀。人類の波乱の歴史は、コレからも続くのだろう。
しかし、幸せはそんな悲しみに満ちた世界の中でも、しっかりと育まれて行く。
人は生まれながらにして幸福に満ちた不幸せな運命を、

背負っているのだから…

longer than ever Short Films episode:05[Selena:de]

おわり
 

第五章「ゼレナーデ」第01話〜ソーニャ・ウィルトーア〜
2008.03.04 [Tue] 08:36

あの頃…思えばわたしは…一人だった。

ただがむしゃらに生きていた。…それだけだった。

18歳にしては随分、夢という言葉の似つかわしくない生き方をしていたと思う。
わたしが戦争が始まったことをしったのは、両親を失ったのと時を同じくして。…だった。

連邦政府高官だったわたしの親は、戦争が始まる3日前に事故死している。屋敷が火事になった時、私は学友だったパーシーの家に居候していた。運良く…と言っていいのかどうかは…正直まだわからない。

なんとも稚拙な感情で両親の死に目に会えなかったという後悔は、常に付きまとう。

家出などと言う幼稚な理由で、自分だけ難を逃れてしまったのだから。

 戦争が始まるとすぐに、私は特殊訓練を受けていた。
一人になってしまった私を気遣い、引き取ってくれた父の友人、ルゼットさんの計らいである。
「親が何故死んだか。自分の目で確かめろ、そしてその為には強くならなければならない。」
そう言った彼に懇願し、私は特殊工作員としての養成メニューを数ヶ月受けると、すぐに実地訓練という名目で部隊に配属されることになる。

 宇宙に出たのはそれが初めてだった。地球連邦軍に所属しながらにして連邦政府直属の命令系統で動く特務部隊。こんなものが実際に存在していたとは、当時にわかに信じられなかったモノだ。部隊は知る限り非常にユニークな集まり方をしていて、それぞれの部隊が全く違った特性の役割を担っていた。

 第一特務部隊は通称「番犬」と囁かれた戦闘部隊で、パイロットとしての適正を最も重視した部隊であり、初期は戦闘機の運用、最盛期最大で五機のMS運用を任された部隊だ。目的の為ならば敵味方関係なく一切の障害物の排除を赦されていた精鋭部隊だということで正規の軍兵にも恐れられた部隊。しかしその実は、気の良い「のんだくれ」の集いと言ったイメージだったな。

 第二特務部隊は単独での小規模工作任務を主な任務とした部隊で、潜入や囮などを得意とする四名によって構成される。通称は「黒猫」。第一部隊の機動力のサポートの任を任されていたらしい。

 第三特務部隊は通信、電子戦闘や索敵に特化した部隊。各部隊にオペレータとして同行したり、集団で様々なデータベースへの潜行や情報操作、電波撹乱を行う等の任を帯びた、いわばハッカー集団とも言える部隊で、その通称を「蛇」という。ここの人たちとは何度か共同で作戦を行った。印象を言えば…電脳ヲタクの巣窟。かな。

 第四特務部隊、ここがわたしの居場所となった。通称を「梟」といい、更に小さい四つの隊からなる中型の部隊だ。ここは「徒花」「韋駄天」「桜」という三名の隊長がおり、その三つの部隊は非常に特殊な経緯で集められたという。夜戦、暗殺を主な任務としながらも、様々な任務に就く。言ってみれば何でも屋だ。そもそもこの部隊は暗殺任務に似つかわしくない、所謂「変人」達の溜り場だったように思う。

 第五特務部隊は通称「幽霊(ゴースト)」部隊。何故そう言われているかと言えば、誰も彼らを見た事が無いからだ。よってその任も部隊の特性も知られていないし、本当にあるのかもあやしい。書類上の数合わせなんじゃないだろうか。

 第六特務部隊通称「鳩」。別称を第18中央音楽隊という。最もこちらの名の方が通りが良いかもしれない。表向きは軍の楽隊。実情は政府高官の子息や令嬢等からなる部隊で、他の楽隊とは違った待遇、軍の重要なセレモニーにおける演奏をするのが主な任務だ。政府関係者はこの部隊に子を預ける事によって、戦争への貢献という自信の宣伝も兼ねた。それなりの戦闘訓練もされており、安全な後方支援程度の作戦にも参加したらしい。本来なら、わたしもここへ参加する事になっていたはずの部隊…。

 第九まであるとされた特務部隊ではあるが、第七〜第九までの特務部隊の記録は一切残っておらず、またその存在については懐疑的な見解も示されているらしい。隊によっては安全、危険大きく差があったけど。いずれにしても、これらは政府のエゴイズムの処理をする為の悲しい部隊なんだと思う。まぁ、そんなこと、考えもしなかったけれど。

 最初の実戦で、わたしは初めて本格的にモビルスーツに乗った。徒花さんの第一班、韋駄天さんの第二班、そして桜さんの第三班に分かれての作戦だったのだが、このとき第三班は隊長を含めて三名しかおらず、四人目として迎えられたわたしは、入るなりいきなり戦闘であった。

 三班の隊長は桜さん。何を考えているか今イチわからないが、クールなようでいて意外と…いや、変な人だ。整った顔をしていて、男性かとすら思わせる立ち居振る舞いの女性だ。自分の事を「俺」と呼んでいたため、最初に会った時には失礼ながら男性かと思ってしまった。

 副長がルルさん。この人はひたすらに優しい人だ。面倒見が良いと言うべきか。ただ、妙に占いだとかそう言う事を言ってくる人で、よくしゃべる。あと小柄な外見には似合わず操縦がとても荒っぽいのが印象的だった。昔戦闘で、自分の隊を全滅させてしまった過去を持つらしく、時として虚ろな表情を浮かべる事があるのは、そのせいなのかな。

 隊員のリョウスケさんは爽やかそうな感じをしている青年だ。ただ、寝坊などする事が多く、桜さんに説教をされている印象が強い。

そして、わたしは配属されてすぐに、この人達と、ある作戦に就く。いろいろあったな…。

 終戦を迎えた頃にはわたしは19才になっていた。自分の誕生日など気にできるような余裕がなかったからだろうか。いつのまにか。だった気がする。
 そして終戦直後、わたしはジオン残党への潜入捜査を決意した。それまでいろいろな事がありすぎて、もう父や母の死への疑問など、忘れかけていた様な気がする。

 そんなある日、ジオン残党として工作をしていると、ひょんな事から連邦政府内部の腐敗を知ることになる。派閥争いは戦争も、人の命も。自分がのし上がり人を蹴落とす為の道具としていた。うすうす…感づいてはいた。

 それで、その時に…ふと思ったんだ。
父も母も…戦争急進派の高官の要請で殺されたんだ。って。
 そして…両親を手にかけ…屋敷に火をつけたのは…おそらく…わたしのいる、第三特務部隊だったんだろう。そう思うと激しい憎悪と憤りが自分に対して起こってきたのを覚えている。

それから、連邦に訓練生として入り込んだ。もちろん、特務権限で潜入は容易だった。

そして…そこでミルと出会えて。

わたしは…一人でいる事が辛い事だって。思い出したんだ。


ショートフィルム 第五章「ゼレナーデ」第01話〜ソーニャ・ウィルトーア〜
longer than ever Short Films episode:05[Selena:de]


ミルネィア・ルミルハルト「ファントム01、搭乗完了。」

???「了解。02〜04はまだか。」


F430「02、完了。」
ホルベイン「03、完了。」
ハートネット「04、完了。」

???「遅いっ……まぁいい。では始める。」

ミル「01…了解。発進シークエンス移行…出ます。」

F430「02出ます。」
ホルベイン「03、発進します。」
ハートネット「04発進。」

管制官「全機の発進を確認。データの遅延は0.02。修正範囲内。」
???「…ふむ。01のデータを基準に他の者のデータを出してくれ。」
管制官「了解。メインモニターに出します。」

どの数値も-05以上か。……話にならんな…やはり適合者は01だけか…。

???「よし、01は目標を追尾。02、03、04はバックアップに回れ。」
ミル「了解。20秒で追いつきます。殲滅しますか?」

???「捕獲だ。パイロットには傷を付けるな。」
ミル「01了解。」

…殲滅しますか……か…フン…やはり人形、といった所か。小気味の悪い。

ミル「ザザッ…01、コンプリート。気絶はさせましたがパイロットに主立った外傷無し、コレより04へ引き継ぎます。」
???「よし。04、収容したら02、03の警護のもと帰還だ。」

ハートネット「04了解。」
ホルベイン「03了解。」
F430「……」
???「どうした?02、返事は!?」

F430「…02…了解。」
???「…。」

チッ…木偶が…。

ミル「…01、受け渡し終了。」
???「では01は追撃に備えレベルCで待機、10分後に帰還だ。追撃がある場合、コレを殲滅。」

ミル「ファントム01了解。…追撃…三機来ます。5分後に接触。」
???「なに?まだレーダーにもキャッチしていないが…おい、どうなってる?」
管制官「やはり一切の機器に反応、ありません。」

ミル「ファントム01、これよりレベルAに移行します。」
管制官「来ました!追撃部隊と思われます。三機!このままのコースなら三分後に接触。」
???「ほう…」

01…ここまでとは……

ミル「…ENパック換装。接触と同時に仕掛けます。」
???「了解。」

洞察力と観察力が人以上か…?見えない空間まで把握する等…この目で見るまでは信じられんことだな…いや、進行形で信じられん。

ミル「…一機撃破」

機体との相性がいいのか…?コレでは敵から見ればまさに悪夢…いや、悪夢ですら無いだろうな…ファントム…か。

ミル「…二機撃破…残り一機。」

結果は見えたか…テストにしては上出来…任務も予定通り。まるで戦闘マシーンだな。

ミル「ミッションコンプリート…周囲に機影無し、コレよりレベルDにて帰還します。」
???「御苦労。」

…インビジブルファントム5…幻の第五特務部隊…か。フフ…。

ハートネット「ファントム04、着艦完了。これより対象を連行しブロックBへ向かいます」
???「うむ。御苦労。802に収容しておけ。」
ハートネット「04、了解。」


longer than ever Short Films episode:05[Selena:de]


ハートネット「…大丈夫ですか?立てますか?」
敵パイロット「…わたしをどうするつもり?」

ハートネット「おとなしくしていてもらえれば悪いようにはしません。」
敵パイロット「いきなり襲ってきたかと思えば…投稿の意思確認も無くこんなところに連れてきて。それに…何故わたしだけ生かした?」

ハートネット「…わたしは知りません。」
敵パイロット「…話にならないよ。一方的だね。」

ハートネット「…。」

想い出に捕われる者は幸いである。
そして同時に、不幸でもある。

しがらみにとらわれるものは不幸である。
そして同時に、幸福である。

旧世紀の偉人の言葉。つまり人生は幸せでありながらにして、不幸だ。という事。
いまさら捕らえられるなんてことは気にしない。死ぬ時に人は死ぬのだから。

しかし、わからない事はここが連邦系の戦艦の様で有る事、そして、襲ってきた機体…あれは…ガンダムタイプ。

一体何の為に…?

敵パイロット「どこへ連れて行くのかしら?」
ハートネット「Bブロック、802号室。特別貴賓室です。」

敵パイロット「そう…それは豪勢だこと。」

 3日前から新造艦らしいこの艦を補足、調査していた。勿論上からの指示だ。第三特務部隊第一班の隊長としての正式な任務。
 そして昨日、この艦が連邦のモノだと薄々感じていたわたしたちに情報が入る。インビジブルファントム5という、暗号じみた一文。このメッセージを送ったわたしの部下は…その時点で通信を絶った。…ごめん…ルース…
 今日になって、待機させていた隊員二人に救援を求めるべくもう一人の部下であるポールを帰還させた。そしてそれから30分後に急速発進する機体を確認。結果がこれか…わたしはいい隊長ではなかったね…。

あれ…?あの娘…は…

敵パイロット「ミル!!」
ミル「…。」

敵パイロット「ミル!!どうしてこんな所に!?」

ミル「ハートネット…この人何故わたしの名…知っているの?」
ハートネット「さぁ…わたしには…。」

敵パイロット「忘れたのっ!?あぁ…髪を伸ばしたんだ…だからかなぁ…ソーニャだよ!!ミル!!」
ミル「…ソーニャ。」

ソーニャ「そうだよ!忘れる筈無い!!どうしちゃったの!?それに、こんなこと!!おかしいよ!!」

本当にミル?あんな目をしたミルは…見た事無い…何か…あったって言うの!?それにパイロットスーツ…まさかこの部隊に!?

ミル「…?おかしい?何故?」
ソーニャ「キミは人を簡単に殺せるような人じゃなかったはずだよっ!」

ミル「戦争で…人が死ぬのは必然…目的達成のためにはやむない事…」
ハートネット「…隊長、報告がおくれます、行ってください。さぁ、私たちも行きますよ。」
ミル「…たしかに。このままでは1分遅延。もう行く…」

ソーニャ「まって。ミル!!」
ハートネット「お願いします、もう諦めてください。隊長なら後でゆっくり会えますから。」
ソーニャ「……ミル…。」
ハートネット「こっちです。」

ソーニャ「一つ…聞いても良い?」
ハートネット「なんでしょうか?」
ソーニャ「アナタ達は…一体…。」
ハートネット「…インビジブルファントム5…」

インビジブルファントム5…ルースが最後に送ってきた通信にも書いてあった言葉…でも…

ソーニャ「それは一体…」
ハートネット「正式には連邦軍第五特務部隊、部隊コードインビジブルファントム5です。」
ソーニャ「そんな…まさか…」

ゴースト部隊…まさか…本当にあったなんて…しかし、だとしたら何故…!?わたし達は同じ特務…戦う理由がない…。

…まさか!!

ソーニャ「…アナタ達…強化…」
ハートネット「おしゃべりが過ぎましたね。それからわたしたちは、ニュータイプです。さぁ、つきましたよ。おとなしくしていてくださいね。足りないモノがあれば言い付けてください。それでは。」

ソーニャ「まちなさい!まだ話が!」

行ってしまった…か。

それにしても…ミルが強化を…?それであんな風に…?
しかしなぜああも変わってしまうの…なにがあったって言うの?

???「失礼。」

誰か入ってくる?…黒幕の…お出ましって所か…

???「入らせてもらうよ。ソーニャ。」

え………?

ソーニャ「え…!?あ、あなたは!!!!」


続く
 

第四章「レクイエム」第07話〜レクイエム〜
2008.02.28 [Thu] 05:39

ノーネーム「おお、届いたか」

技師「ええ、これなら大尉もかなりやれますよ!」
ノーネーム「そうだな…フフ…わざわざ新型をまわしてもらったんだ。見せてもらいますよ。ブラック大尉。…で、…調整はすぐ済むのか?」

技師「任せてください!」
ノーネーム「よし。グフはもう良いようだな…ん?これは…?」
技師「ドムが届いた際にホバークラフトがもう一基届いたんですよ。それでグフに。」

ノーネーム「ホバーか…面白い。」
技師「オートバランサーの調整も済ませましたから、行ける筈です!」
ノーネーム「良くやってくれた。では40分後に出撃する!調整頼んだぞ。」
技師「はっ!!」

…さぁて……良いデータ。期待してますよ。ブラック大尉…。


ショートフィルム 第四章「レクイエム」第07話〜レクイエム〜
longer than ever Short Films episode:04[Re:QiM]


休憩用のテントを構えて8時間あまりか。今の所ここは大丈夫なようだけど…。
ルル「ミルヒ…敵の動きは…?」

ミルヒ「相変わらず…といったところか。ここはまだ見つかっていないようだが。」
ヨハン「クソッ!!ジオン共…」

ヨハンのイライラは限界…だ。
ドミニクはやはり見つからず…セルゲイもかなりの傷をおった。
ボクが打ったバズーカを避けようとひるんだ相手のグフの隙をついて、セルゲイは敵に一閃を浴びせるも、直後にガトリングを乱射され、運悪くコックピットにかすめ大破。グフとの交戦でボクはその場を後にしたが、桜さんの隊がベースキャンプへ帰還後、捜索の末、セルゲイは一命を取り留めて発見された。本部に連絡を入れるも、次の補給はやはり今夜になるとの事だ。セルゲイの負傷の度合いも命に関わるものでないとされ、現在救護班も込み入っているらしく、取り合ってもらえなかった。

ルル「ヨハン…」
ヨハン「セルゲイが見つかったのは…喜ぶべき事です。でも、あんな…」
ルル「すまない…セルゲイの事は僕の責任だ。」
ヨハン「…畜生!!そんな、隊長を責められる訳無いじゃないですか!!」

ミルヒ「ヨハン!!」
ヨハン「…わかってます。隊長が悪いんじゃない。でも、でもよ…」
ルル「…ボクは…」

鬱々とした罪悪感と共にセルゲイを寝かせたテントに向かう。
ボクなら…助けられたのだろうか…。

セルゲイ「た…隊長。」
ルル「そのまま寝ていろ。傷は痛むか?」

セルゲイ「大丈夫です。まだ…まだやれますから。」
ルル「済まない…あのグフがまさかあんな…」
セルゲイ「謝らないでください…自分が…自分が勝手に…」

ルル「…今夜…仕掛けることにする。伍長は救護班に…」

セルゲイ「勘弁してください、これくらいなんとも…っく、」
ルル「…伍長。ドミニクのおとしまえは…ボクが必ずつける。」

セルゲイ「は、はは…やめてくださいよ…縁起でもない。自分も…戦えますから。」
ルル「ダメ…。お前は…コレを持って帰れ。」
セルゲイ「…これは…詩集…ドミニクの…?」
ルル「ああ…たのむ…届けてやってほしいんだ…」

セルゲイ「うぅっ…くっ…自分は…っく…悔しいです。」
ルル「無念は…晴らすよ。夜が明ければきっと全部終る。」

ううん…終らせなきゃいけない…。

ミルヒ「隊長、ちょっといいか?」
ルル「うん…どうした?」
ミルヒ「あぁ…今夜の事だが…」
ルル「ヨハンは今にも敵陣につっこみそうな勢いだ…これ以上のばせない。セルゲイも救護班と梟が来次第返す。そうなれば梟がいる間に決着をつけないと危険だ。」

ミルヒ「いや、そうじゃあない。体制を整えるのを今夜…として。だ。ヤツらそろそろここにもくるんじゃあないか?移動を…」
ルル「くっ…確かに……しかし…セルゲイのあの傷じゃあ……安静にさせてあげたいよ。」
ミルヒ「…二手に分かれるのは得策じゃないしな…やはり見張りを充分にするしかないか…」
ルル「済まない…ミルヒ。ヨハンを頼む…。」

ミルヒ「やれやれ…戦争をやるには俺たちゃ、お人好しすぎるぜ…」
ルル「…こんな前線に立たせて…申し訳なく思ってる。ボクのせいで…」
ミルヒ「そりゃ言いっこ無しだぜ。俺も自分から志願したんだ。」
ルル「…無冠の大尉になにができる…か。最もだよね。」
ミルヒ「やんちゃなお嬢様のおもりでここまで付き合ってる訳じゃねぇさ。ヨハンやセルゲイだって、お前を慕っている。」

ボクはこの地域を治める領主の娘として生まれた。ボクは末っ子で、行儀も悪くて、成績も悪かったから。父上からも煙たがられていた。でもボクが戦線へでると言った時にはじめて、ボクに笑って、抱きしめてくれたんだ。それが…嬉しかったんだ。
大尉の待遇で仕官したボクの前線へ出たいとの嘆願書も、すぐに受理され、極めて危険な部隊へ配属された。全部、父上の意向だ。
そんなボクを気遣って、学友のミルヒはここへ来てくれたんだ。でも…ボクは同情されているだけ。なんだ…よね?でもね、ボク、ちっとも自分が不幸だとか、思っていないんだよ。
ボクが死んだら、父上はきっと喜んでくださる。兄様は立派な跡取りになって、姉様は連邦の議員の息子との結婚も決まって。ボクはこの土地を護って死ぬんだ。それで、ここは安泰なんだ。

ルル「…祖国のため…か…ボクは…」
ミルヒ「もう言うな。」

ヨハン「オッサン!!き、き、きやがった!!!!!」
ルル「!!」
ミルヒ「しまった!!こんなにはやく見つかっちまうたぁ…!!隊長!セルゲイを!!」

ルル「待てミルヒ!!」

状況もわからずに…だがヨハンを抑えられないかっ…ヨハンを残してボクがでるべきだよ…

セルゲイ「行って…ください…ヨハンは…カッとなるとすぐにヘマしちまう…から…ぐぁっ!!」

でも…こんな状態の伍長を一人にはできない…っそうだ、薬をっ
ルル「くっ、ちょっとまっていろ、薬をとってくる!」



longer than ever Short Films episode:04[Re:QiM]



さて…今回はなんとかついてこれたな…しかし速い。データ以上じゃあ無いのか?

オリバー「ノーネーム君。敵小隊の陣営を補足した。補給が来る前に潰すとしようか。」
ノーネーム「小隊に真っ向から挑むんですか?」

オリバー「どうやら昨夜の小隊だ。体制はかなりガタが来ていると見える。今なら。」
ノーネーム「了解。援護します。」

オリバー「頼む。」

ふう…お手並み…拝見させていただきますよ。大尉。

オリバー「行かせてもらう!!」


ヨハン「あ、あれは!!昨日のヤツじゃない!!し、新型っ!!!?」
ミルヒ「落ち着け。とにかく陣営から引き離すんだ。距離を詰められるな!!」
ヨハン「おっさん!ヤロウ、は、はやい!!!」

すごいな…さっさと追いつめていく…回り込みも的確…二機相手だというのに全くおちついている…か。

ノーネーム「さて、それじゃあ、俺はこっち側を塞がせてもらうかな!!」

ヨハン「オッサン!!に、二機いやがった!!隠れて!?」
ミルヒ「とにかく牽制しつつ下がれ!!もう一機ならばここから狙えるか…くぅ!!!」

おっと、狙おうってか。距離としてはギリギリ…そう思うか!?

ノーネーム「残念。そいつぁ無理ってもんだ。スナイパーはな。見つかりゃ終わりなんだよ。戦争じゃ」

ヨハン「オッサン!!!!あぶねぇ!!!」

オリバー「ノーネーム君。援護じゃなかったのか…?やれやれ。焦って倒す敵でもなかろうに。」

ノーネーム「っと一機!」
ミルヒ「クソッ!!」

ほう…スナイパーが剣を抜いてどうしようって?格闘戦でもやろうってのか?

ノーネッム「いくぞっ!」
ミルヒ「おのれぇ!!!」

オリバー「あの間合い…ん?」

ドゥーーーーーン…



ルル「伍長、薬だ!はやくこれを…伍長?」

いない…セルゲイ…まさか!!!
あのバカっ!!!…ボクのジムを…!?




横から狙われた…だと?

ノーネーム「っと、あぶない!!もう一機居たか」
オリバー「スナイパーは後回しだ」
ノーネーム「了解」

ブラック大尉…さすがに早い。あのバズーカを持った機体を叩いちまえば、後は刈りも同然か…スナイパーは俺が牽制して…

オリバー「祖国の為!!しねぃ!!」

ミルヒ「隊長!!バカやろう!!みすみす…ヨハン!隊長を頼む!!」
ヨハン「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」

ノーネーム「ったくここじゃ特攻が流行ってやがんのか!?冗談じゃないぜくそったれ!!大尉!!」
オリバー「じゃまだぁぁぁ!!!!!」

ヨハン「うわぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

ミルヒ「…ヨハン!!!!!」



longer than ever Short Films episode:04[Re:QiM]




桜「…これは…」
リョウスケ「夜まで…持たなかった…?」

スクライド「ミデアの着陸だ。頼むぜ。」
ウィリアム「ここまでは敵さんにもでくわさねぇでこれたが…肝心の小隊は…」

桜「!!アレはルル?」
リョウスケ「しかし周りは焼け野原…くそっ!!後退しろって言ったじゃないか!!あのとき!!」

桜「おい、おい!ルル!!しっかりしろ!!なにがあった!?」
ルル「…セルゲイ…が……あ…」
桜「酷く怯えている…ウィリー。彼女を頼む。」
ウィリアム「おう。」

リョウスケ「こんな…こんな事って…!!」
桜「リョウスケ?」
リョウスケ「あそこ…自爆…だ…」
桜「核融合炉が爆発したのか!!それで…ここまで爆風が…」

桜「ルルの様子を見に行く。ライドとリョウスケは周辺を。」
リョウスケ「了解。」

桜「おい、ルル、襲撃があったのか?」
ルル「し、新型…黒い…セルゲイは…傷を…アタシの代わりに…」
桜「落ち着け!ゆっくりと話せ。」
ルル「う…うぅ…みんな…みんな…いなく…なって…」

…まさかルルを護る為に…負傷したセルゲイが出撃したという事か?それで…自爆を…!?

ウィリアム「…なんてこった…。」
ルル「あ"ぁぁぁ!!!!ミルヒ!!ヨハン!!!なんで!!!死ぬのはボクだったはずだ!!!」
桜「…。」

リョウスケ「ザザ…桜さん。こちらリョウスケ。ダメです。機体の残骸だらけで…」
桜「そうか…敵は仕留めたのか?」

リョウスケ「それが…敵の残骸が見当たらず…」
スクライド「いたぜ!!!ありゃあ人だ!」
リョウスケ「…ミルヒさん!?」

ルル「ミルヒ!?」

スクライド「こりゃぁ…ひでぇ…」
リョウスケ「わぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

ルル「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!ミルヒ!!!」
桜「…なんて…こと…」

体制をたてなおさないとまずいか…一機補充の機体はあるが…今のルルにのせる訳には…

桜「もういい…もどってこいリョウスケ。一旦体制を立て直す。」
リョウスケ「…はい」


23:18
白兎は隊長を残し全滅…盛り土の墓を立てその場を離れる。
隊長のルル・シュタイナーは頭部を軽く打っているが軽症。但し相当のショックを受けているようであり、戦線への復帰は難しいと考えられる。
辛うじて得られた証言によれば敵機は二機、黒いボディのグフともう一機、新型であったと言う事である。

二機の消息は不明、但し、爆心地周辺に残骸等の形跡を認められなかったため、撤退したと思われる。

第三部隊は引き続き補給の任務を継続、別部隊への補給路にて敵と交戦。これを殲滅するも、例の新型とは遭遇せず。





桜「…リョウスケ」
リョウスケ「はい」

桜「レポートだが…」
リョウスケ「わかってます。少し時間をもらえるよう、アダバナさんには話をしておきました。」

桜「すまない。ルルの様子はその後どうだ?」
リョウスケ「それが…再度出撃を嘆願しているとの話で…」
桜「やはりな…」

リョウスケ「…なにか心当たりが?」
桜「アイツの父が来た。娘の無事よりも戦果を気にしていたので、ぶん殴ってやったんだが…この辺りの領主だったそうだ。家の名に恥じぬよう戦場で死ななければ、と考えているのかもな。ルルは。」

リョウスケ「…そんな…あんまりだ。」
桜「いづれにせよ、ここにはもういられんそうだ。俺のせいで。」
リョウスケ「え!??殴っちゃったから!?」
桜「そうだろうな。徒花と韋駄天は大喜びしてたが。」

リョウスケ「良くやったんだな…とかいって!?」
桜「まさにそれだ。それで、引き続き第三部隊はこのまま軍に配備したいそうだが、リョウスケ。お前はどうする?」

リョウスケ「オリバーさんの行方もわからないし…わりとここは気に入ってます。隊長になら、まぁついていこうかなと思いますが。」
桜「なんだ。はっきりしないヤツだな。まぁいい。次は宇宙だそうだが?」
リョウスケ「どこへなりと。」

桜「そうか…Rプロジェクトを知っているか?そのヤマを追う。だそうだ。お前の事も少しはわかるかもしれん。」
リョウスケ「あの研究所…か…良い思い出が無いですけど。良い機会かもしれませんね。」
桜「連れて行くか」

リョウスケ「え?」

桜「ルルだよ。」

リョウスケ「ああ…。そうですね。ある意味最前線ですから。」

桜「ああ。そうだな…。」


第4章・完
 

第四章「レクイエム」第06話〜ロストユアタイム〜
2008.02.28 [Thu] 05:38


タイムロスト症候群…医学的に言えば、宇宙に出た事による弊害の一つとも言える現象であり、「時間」の概念、つまり体内の活動周期の狂いが様々な形で表層化したものであるとされる。

タイムロストの症例はU.C.0050年、宇宙病理学の生みの親とされるリチャード・セルネにより発表された、『赤髪の少年』の現在で言う所のタイムロスト症例(神経周期失調症)に関する論文が最初の発見とされ、大きな波紋を読んだ事に始まる。

また、同論文にはその発症の原因と確率に関しても言及されており、制御されたコロニー内での環境
内であるにもかかわらず、このような状態になるのも、太陽との距離を人が無意識に感じ取っているからであると予測し、また、『赤髪の少年』の例から、感受性や空間把握能力に優れている者が発症し易く、またその様々な受容器官には時間の経過と共に変化が見られたと言う。その変化とは以下の通り。

1.テレパシーに似た能力の発症。
  うわ言のように誰かと話をしているような仕草を見せ始め、また脳医学的にも変化が見られた。実際に存在する者との会話かどうかは未だに解明されておらず、これがテレパシーであるというのはセルネ博士とその協力者のフラナガン博士による一つの見解に過ぎない。

2.時間軸のズレ。
  感じている時間軸がかなりのズレを見せ、当初は36時間周期、後に48時間程度の周期で我々の言う「一日」を感じていたようである。食事は彼らの「一日」に、4回程度摂取し、活動を始めると24時間は睡眠を取る事無く活動し続けたとされる。また、時間に対しては非常に敏感であるとされ、所謂『ストップウォッチの実験』において、それを証明しようとしたものである。また、周期は48時間程度になってから数ヶ月で停止し、(或はもっと長い周期に取り込まれたと考える者もいる)起きる事がなくなるとされる。

3.空間把握の拡大
  セルネ博士のレポートには「空間を時間と同じように把握しているようだ」と記述されていて、その把握は距離と時間によって空間全体を把握するような状態であったとされる。一つの例としては、病院の建物の配置を一度も出歩かずに正確に把握していたというレポートに記された事例である。それによると「彼は人間の病室へ出入りする間隔や音、その反響のタイミングだけで、半径100m程度の範囲にあるモノ全てを把握していた」といわれる。


また、この病気にかかった者はTLとも呼ばれ、ある種カルト的な話として広がっているが、症例はU.C.0072年までに約20名程確認されているようである。

……か。

………なんというか…実感の湧かん話ではあるのだが。

リョウスケ「桜さん」

桜「!!どうした?リョウスケ。」

リョウスケ「…その…先日は申し訳ありませんでした。」

桜「…。」

リョウスケ「フラムに呼ばれたような気がして…あ、いえ、フラムって言うのは、まだ小さな女の子なんですが、時折僕に話しかけるんです。タイムロストのせい…なんですかね。でも、彼女はきっといるんです。僕には…」


フラム…?韋駄天によういさせたレポートにあったテレパシー…というヤツか?それとも…

桜「いや、お前が無事なら良いんだ。それよりも次の作戦もある。良く休んでくれ。」

リョウスケ「…気味悪いですよね」

桜「…動揺はしているしな。正直言えば厄介だ。はっきり言えば作戦に支障をきたすのではないかと考えている。」

リョウスケ「…そう、ですよね。」

桜「すまない。嘘をつくのは苦手なんだ。」

リョウスケ「…慣れています。化物のような目で僕は見られてきましたから。それに、嘘をついてわかります。心拍の周期が変わりましたから…。」

…やれやれ…あの時と…同じか…やはりセレンは…

リョウスケ「…スミマセン。やはりお話ししない方がよかったのかもしれませんね…こんな事。」

桜「俺には弟がいる。お前よりも幼い頃に目が覚めなくなったんだ。」

リョウスケ「え…?」

桜「セレンと言ってな。俺にとってはカワイイ弟だったんだ。父も母も気味悪がった。なんせ家に帰る度に玄関の前であたかも帰ってくる事がわかっているかの様に待っていたんだ。」

リョウスケ「それって…」

桜「お前を初めて見たとき、セレンに似ていると思った。目…かな。」

桜「俺はアイツが人を信じなくなったんだと思った。でも違う。俺がセレンを信じてやれなかったんだ…。」

リョウスケ「…。」

桜「だから。今度はセレンの為にも。俺がお前を信じてやる。だからお前は今まで通り…」


ビーッ
なんだ、通信か?

桜「なんだ?」

スクライド「よぉ隊長、白兎の連中から入電だ。今夜仕掛けるだとよ。残ったのが四人だってのによくやるぜ。弾薬と冷却器を届けてほしいってよ。」

桜「ああ。わかった。今度はライドとウィリーもジムに乗れ。既にどうせ気取られている。共同戦線を張る。ポイントRで落ち合うように伝えてくれ。」

スクライド「あいよぉ。」

…ルル・シュタイナー。何を焦っている。部下の弔い合戦とでも言うつもりか…?


桜「…リョウスケ。頼りにしている。敵の能力がわかった以上、対抗策はとれるはずだ。」

リョウスケ「桜さん…僕は…僕自身を信じる事ができなかった。だから誰も信じられなかったんです。アナタは負い目に感じる事なんて無いです。弟さんの気持ち。きっと同じです。でも、僕はアナタを信じます。僕の予測を大きく超えてくれる人だって。」

桜「うん…ありがとう…。」

リョウスケ「…では、支度して参ります!隊長!」

…強がって。らしくないよ。


ごねんね…セレン。お姉ちゃんは…今でもお前のこと…


……らしくないのは…俺の方か。


ショートフィルム 第四章「レクイエム」第06話〜ロストユアタイム〜
longer than ever Short Films episode:04[Re:QiM]


あぁあ、まいったまいった。上にどう報告すりゃあいいんだか…。

まさか、旧式のザク一機のためにグフ小破なんていえやしねぇよなぁ…。しかも、くろざくのデータは特に取れてやしねぇし。
情けない。

しかし良く寝る…タイムロスト…か。

やれやれ。今夜あたりは再出撃できるんだろうかね。戦況は不利。四ヶ小隊がこっちに迫ってるってぇことだしな…。

ノーネーム「仕事…するか。」

ノーネーム「おい、俺のグフは治ったのか?」

技師「昼までには間に合わせますよ!!」

ノーネーム「おーらい。俺だけでも補給の足を切りに行ってこにゃならんだろ。急いでくれよな。」

技師「わかりました!!急ピッチでなおさせますよ!!」


ここを落とされれば南欧では後がない。かなり後退するハメになるぜ。
ま、俺には関係のない事だがなぁ。くろざくさんもよくもまぁ義理堅くこんな所に留まるよ。おかげでこっちはてんてこ舞いだ。

オリバー「…ノーネーム君。機体の様子はどうだ?」

ノーネーム「!!!っと、ブラック大尉。昼には再出撃できるそうです!」

なんだ、眠ってたんじゃないのか…?データじゃあ次に起きるのは今夜辺りかと思ったんだが…。

オリバー「ふ…まぁ、おちおち寝てもいられまい。戦況が戦況だ。」

ノーネーム「敬服します。」

オリバー「しかし、昼か。…昼まではキミも休みなさい。0100に再出撃する。」

ノーネーム「了解しました!」

…どういう事だ…?ほぼ昏睡状態での睡眠の事例に例外があったなんて、きいてないが…。
部屋に戻り、上に報告するか…。


???「どういうことだ…?」
ノーネーム「睡眠をとった時間が、6時間。と。」

???「それは今だ類を見ない状態だな…一度周期が48時間になった者が6時間の睡眠で起きる等。」
ノーネーム「ええ。先刻とったデータでは過度の緊張が見られます。それが何か関係しているのでしょうか?」
???「うーむ、わからん。引き続きデータ収集を頼む。」
ノーネーム「は。」

…やはり…そりゃ驚くだろうな…

!!まさか!?地球への降下が因果して通常周期に適応しようとしていると考える事も…!?

だとすれば大発見だ。能力を失わずに通常の活動ができるとなれば…

良い手みやげになる。


昼には…アレも届く筈。らしくなってきた…と言うべきか。

フン…。


続く
 

第四章「レクイエム」第05話〜ホワイトラビット〜
2008.02.22 [Fri] 19:28

桜「こちら補給部隊3。部隊1、応答願います。」

徒花「部隊1なんだな。状況報告よろしく。」

桜「まだ敵らしき機影は確認できず。このまま補給ポイントまで移行し『白兎』と接触します。」

徒花「了解☆気を付けろ。」

桜「桜、了解。」
リョウスケ「桜さん、嫌な感じがしますね…」
桜「ああ…この感じ…気になるな…『白兎』との接触ポイントまであと10分程か…?」

リョウスケ「そのくらいです。予定より、三分速いですが。」


ショートフィルム 第四章「レクイエム」第05話〜ホワイトラビット〜
longer than ever Short Films episode:04[Re:QiM]


何だろう…胸がドキドキする…これはもしか、運命の王子様と今日巡り会うのかもっ☆
だって、今日の乙女座の運勢はトップだったし、ラッキーカラーは白とピンク!
それって、ボクの機体のカラーだし!!これって…完璧かも☆

ミルヒ・ウルニコフ「おい、姫隊長。帽子屋から伝言だ。味方と思われる機体が近づいているようだ。補給部隊のようだが?」

ルル・シュタイナー「わかった☆その中にボクの運命のぉ〜☆王子様がいるんじゃないかしら☆」

ミルヒ「おいおい…また占いだとかいってやがるのか…ヨハン、あのバカをなんとかしてくれ。」
ヨーハン・マクリネン「いや…自分には無理っすね少尉。妄想しだしたら最低二日は『マイブーム』ですよ。」

ルル「聞こえてるよ?君達☆」

ヨハン「わぁ!ごめんなさい!」
ミルヒ「やれやれ…おい、セルゲイ。ザクには慣れたのか?」
セルゲイ・ペロー「ジオニックの操縦系統は大方把握できましたが…何分型が古いモンで。大体自分技師上がりっすから…」

ルル「あら、技師上がりだからいいんじゃない☆セルゲイ伍長のおかげでアタシも知らなかったジムのジェネレータ差し替えの裏技なんてできちゃったんだし?ねぇ副長?」
ミルヒ「そうだそうだ。もともとパイロットじゃなかろうが、そんなのは問題じゃあねぇ。ヨハンを見てみろ。大尉の破天荒な動きについてくるようになって来たじゃねぇか。」

ヨハン「正直、コレに慣れるまで何回吐いたかわかりませんよ…セルゲイ。悪い事は言わない。今からでも車両の方に戻ってドミニクと索敵をしていた方がいい。」
セルゲイ「そりゃ無いっすよ、ヨハンさん。俺だって稼ぎは恋しいですから。」

ミルヒ「…おい、姫。様子がおかしい…ドミニクからの通信が傍受できない…。」
ルル「!?…本当。何かあったのかしら…?」

双方向通信も反応しない…有り得ない…ホバートラックならこの距離でも索敵範囲に引っかかる筈だし…

ミルヒ「こいつぁ…まさか例の補助潰し…」
ヨハン「まさか、黒いザク…?」
セルゲイ「そんな…ドミニクが…?」

…まさか…ね。

ルル「バカ!!落ち着け!!ボクが様子を見てくる。キミたちはミルヒを中心に進路を5°変えて、補給部隊と接触して。一刻も早く。通信は危険だ。オールレッドで行くよ。二時にここに戻る事!かえってこなければ…先に行く。いいね?」

ミルヒ「隊長を一人でなんて行かせられるかよ!」

…今できる最善は…それだ。変更は無いよ。

ルル「ヨハンもセルゲイもまだ扱いに慣れていない。もしもの事があった場合、ボクじゃ護り切れない。ミルヒ。キミなら護れる。」

ミルヒ「…っくそ!!」
セルゲイ「あの…自分が…」

ルル「だめだ!セルゲイ伍長!この先は危ない…死ぬかもしれないんだぞ?」
セルゲイ「自分は隊長を護って死ぬなら本望であります!行かせてください!」

ルル「ふざけるな!ボクは護られるようなっ…」
ミルヒ「姫…行かせてやれ。俺からも頼む。」
ヨハン「…セルゲイならホバートラックの故障だったときも役に立ちます。姫!」

バカだよ…お前達は…もう。

ルル「…わかった。ついてこい伍長。ボクの操縦は荒い。足手まといになるなよ?」
セルゲイ「はい!ありがとうございます!!」

ルル「ではこちらをWR第一分隊、ミルヒの方がWR第二分隊とする。無事を祈る。死ぬような事は、ボクがゆるさない。新米を育てるのは大変なんだ。わかってるね!」

ミルヒ「ああ…まかせろ。姫。お前も無事でな。若い女の隊長は貴重だからよ?」

ルル「バカ!!散れ!!」



移動を開始して10分…来るなとはいったが…正直を言えば…ボクだって怖いよ。一緒にセルゲイ伍長が来てくれるのは…すごく助かる。気持ち的に…さ。

でも…もしあの、くろざくが相手だったとしたら…ボクたちは…きっと死ぬ。

このジムの索敵じゃあ、まだ『帽子屋』はみあたらないか…敵は…いるのかな…。

ルル「…この気配…いる。」

セルゲイも気付いたかしら…?直通の有線回線で話すか…

ルル「伍長、聞こえるか?」
セルゲイ「姫隊長、まさか…」
ルル「うん、くるよ。おそらく二機…みたいだ。」
セルゲイ「しかし、レーダーには何も…」

ルル「バカ!みすみすレーダーに引っかかる夜戦部隊がいるか!」
セルゲイ「隊長!!あそこ!!」

本当…何かある。伍長は目がいい!コレなら先手を打てる…!

ルル「でかしたよ伍長!それじゃあ、いつもので行くよ☆」
セルゲイ「了解!!通信終わり!!」

…アレはグフ…?カスタム!黒い塗装…やはりドミニクは…

向こうも気付いたかっ!!そりゃそうだよね!!こっちは目立ってナンボの機体だし?


ノーネーム「…まいったね…いきなり見つかっちまうとは…さっさと処理しねーと、ブラック大尉に叱られちまうかんねっ!!悪く思わないでくれよ!相手は…二機か。」

ルル「仕掛けてくるっ!右?」

ふぅ…初撃はかわした…厄介なのはガトリングシールドか…中距離まで引き離さないと…

セルゲイ「うぉぉぉぉ!!」
ルル「バカ!!何してるんだ伍長!!」

ノーネーム「つっこんでくるだと!?旧型のザクかっ!?バカな!!」

伍長のヤツ!!ボクが距離をとるのを稼ぐつもり!?
ガトリングシールドの餌食になるよ!!そんなの無駄死にだよっ!!
もう!!!こうなれば…一か八かだよぉ!!!

ルル「よけてよ!!セルゲイ!!」

ノーネーム「バズーカだと!?コイツは囮か!?冗談ではない!!!」
セルゲイ「どぅわぁぁぁぁ!!!!」

ドドーーーーンッ!!!!!!!


longer than ever Short Films episode:04[Re:QiM]


桜「なんだ…?今の音は?」
リョウスケ「爆発音…?バズーカ…か?」

やはり…様子がおかしい…ビンゴか…?

スクライド「隊長!!こちらトレーラー。二時の方向に機影だぜ!!」
桜「何?」

ウィリアム「…いや、味方機のようだ。」
桜「どういう事だ?予定と違うが…」
リョウスケ「コンタクトを求めています。」
桜「なにかあったな…俺が回線開く。」

どういう事だ…?

ミルヒ「こちらは連邦陸軍南欧方面エルローウェン大隊下第一機動歩兵中隊所属、03MS部隊『白兎』副長のミルヒ・ウルニコフ少尉だ。」

桜「こちら補給部隊3。隊長の『桜』だ。階級は特別措置で少尉。補給物資を届けにきた。そちらの隊長は?」

ミルヒ「それが…隊長は帽子屋…索敵をしていたホバートラックとの連絡が取れなくなって様子を見に行った。」

!!まさか!ヤツら俺達補給部隊ではなく、小隊の索敵班を狙ったというのか!?
直接小隊にアプローチを掛けるとは…裏をかかれた!?

桜「了解。ここに陣営を構えよう。俺とリョウスケで様子を見に行こう。ミルヒ少尉達はここで補給を済ませてくれ。敵がいた場合、ここに誘い込む。」

ミルヒ「!!まるでお前達、戦闘慣れしているかのような言い方だな?ウチの隊長の考えそうな作戦だ。」

桜「みたところ、少尉の機体、スナイパー仕様…ならばトレーラーに積んであるジェネレータを使用して遠距離援護射撃が妥当…もう一機はその護衛。俺とリョウスケは少尉の狙い易いポイントまで敵を引き付ける事がもっとも効率がいいだろう。」

ミルヒ「おいおい、待ってくれ。作戦として異存がある訳では無いが、こういうのもなんだが、補給部隊の護衛の君達に囮等指せる訳には…」
リョウスケ「大丈夫…僕らは補給部隊ですが…実は敵の補給狩り対策の部隊。『梟』なんです。」
ミルヒ「!!こいつぁ、驚いた。まさかそんな気のきいた仕掛けを偉いさんがしてくれるたぁ。」

桜「悪いが、あまりおしゃべりをしている暇は無い。さっきの爆発音、アレが少尉の部隊の隊長だとすると、あの音が聞こえてから約5分…もしも敵があの、『くろざく』なら、ことは一刻を争う。」

ミルヒ「わかった。隊長を頼む。」

桜「ああ。大丈夫。きっと無事に連れ戻る!」

…とはいうものの…時間がない…な

ドゥーーーーン!!!!

ヨハン「ぐぁ!!!!」
ミルヒ「ヨハン!!」
ヨハン「…大丈夫…今のはトレーラーを狙ったようですね…間一髪…とはいえ…シールドが使い物にならなくなりましたよ…」


くっ、今の音!?

リョウスケ「しまった!!!うしろか!?桜さん!!」
桜「まさか…敵は単独行動では無いというのか!?あれは!!黒い…」

リョウスケ「…ザク。オリバーさん…か?」


ブラック「やれやれ…おおっぴらに…ノーネーム君…無事でいてくれよ…?仕事を片したらそっちにも顔出すから…よっと。」

またバズーカ!!!あのザク、動きが補足し切れない!!ライドとウィリーが危ないな…何とか引き離すしか…ジムのビームセイバーで懐をとれるか!?

桜「やっぱり俺が…ビンボー籤を引かされる訳だったね!!リョウスケ、回り込め!」
ブラック「ふ…補給部隊か!?随分と豪華な編成のようだが!?」

ブラック「なんだ!?敵から通信だ?…これは!!!!」
リョウスケ「ブラックさん!!」

ブラック「リョウスケ君じゃないか!!今度はキミが敵か!!」
リョウスケ「そのようです!!あの時の借りは、お返します!!」

桜「リョウスケ!!何をしている!!」

ミルヒ少尉のスナイパーライフルの準備、できたようだな…しかし、リョウスケのヤツ、あんなに敵に接近して…話が違う。

ミルヒ「いっくぞ!!!!」


ズキュゥゥゥゥゥゥゥゥゥンン…


ブラック「おっと…悪いが…こうまで面が割れては仕事にならん。かえらせてもらうよ?ようやくすこし、眠くなってきたんだ。」

リョウスケ「オリバーさん!!みすみす逃がすなんて、できませんね!!」
ブラック「フン…キミはまだ若い…俺には到底かなわないさ。」

リョウスケのヤツ…

桜「リョウスケ!!!深追いするな!!!バカやろう!!」
リョウスケ「はっ!!!桜さん…す、スミマセン!!!!」

ブラック「まぁ、しばらくは達者でな!!」

逃がしたが…コレでいい…ミルヒ少尉のあの射撃を軽々とかわすような相手だ…相当周到に相手せねば勝つ事は難しいだろう…な。

…さて。


桜「バカやろ!!死にたいのか!!!」
リョウスケ「…オリバー・ブラック。」

桜「?何の事だ?」
リョウスケ「通称『くろざく』。タイムロスト症候群症例第018。」

桜「…お前。何か知っているな?」
リョウスケ「…だますつもりも無いんです。黙っていたのは…謝ります。僕は…症例第019のタイムロスト症候群患者なんです。」

タイムロスト…だと!?そんなもの…実在していたのか…?
感覚の受容周期が人の倍以上ある代わりに、活動時間と睡眠時間の周期もほぼ人の倍…とかいう?

リョウスケ「ジオンは…僕たちを戦争の兵器のように見ている…だから…」
桜「…もういい。二度と無茶をするな。お前が死ぬ等隊長として認められん。」
リョウスケ「!!…はい。」

ミルヒ「おお!!…ありゃあ、隊長か!?」
ルル「はぁ…はぁ…ミルヒ!ヨハン!無事で…はぁ…」
ミルヒ「馬鹿野郎、心配したぜ!!」
ヨハン「よかった!!隊長!!」

ミルヒ「ドミニクは…」
ルル「……」
ミルヒ「…そうか…いい…ヤツだったんだがなぁ…」
ルル「…うん。でも…今は泣かない。勝ったら…いっぱい泣くんだ。」
ヨハン「姫…アイツ、本が好きで。いつも宿舎で詩集を持ってた。」
ルル「…うん。…でもね。君達が生きていて、本当によかった。だから、笑いなさい。ヨハン。」
ヨハン「グゥ………っはいぃ…っ…。」

リョウスケ「僕は…やっぱり…戦争は…嫌いだ……」
桜「ああ…そうだな…。だが、俺達はそれを食い物にして生きているんだ。」
リョウスケ「…桜さん…僕は…ここに来るべきじゃなかったんでしょうか。」
桜「さぁ…な。さて、俺は隊長さんに挨拶をしてくるよ。」
リョウスケ「はい。」


ルル「あなた方が補給部隊の方達ですね!?ヨハン達を護ってくれて。ありがとう。」

この部隊…いい、部隊だな。こんな過酷な前線で…
何より隊長を皆、慕っている。
俺の部隊も…負けやしないが…な。

桜「…礼を言われる用な事じゃない。当然の判断だ。俺は『桜』だ。よろしく頼む。」
ルル「ボクはルル。ルル・シュタイナー中尉です。よろしくお願いします。って、か、か、かっこいい…もしかしてボクの運命の…王子様☆」
桜「運命の王子様?何だそれは?」
リョウスケ「ププ…桜さん…カッコいいですって…」

ヨハン「あれ、姫、そう言えばセルゲイはまだ来ないのかい?あいつ、遅いからなぁ。まだ見えねえや。」

ルル「ヨハン…伍長は…」
桜「…」

風が…鎌を持った死神の様に残酷に…心を引き裂いて行くようだった。
今夜は冷える…な。

つづく
 

第四章「レクイエム」第03話〜くろざくと名もなき兵〜
2008.02.22 [Fri] 19:28

さて…日が落ちるな…拠点防衛と大それた任務にしては…こんな機体一つで。

つくづく俺も、良くやる…。


???「そろそろかな?ブラック。」

ブラック「…ああ。行ってくる。目標はポイントDに待機中…ここで補給路を断つ。後はジリ貧さ。」

???「しかし、嫌な仕事を引き受けるもんだな。お前も。」

ブラック「へっ……なんなら、俺が全滅させちまっていいかい?」

???「フン…そりゃ、困るねぇ。こっちのメンツも立てにゃならん。」

ブラック「…まぁ、どっちだっていいよ。俺は。じゃあ行ってくる。いつも通り通信はオールレッドに、戻らなければ戦死扱いにして墓標でも立ててやってくれ。」

???「冗談まで黒いな…お前。いってこい。」


欲がない訳ではない。出世欲だって人並みにはあるつもりだ。

だが、他将校のヤツらのようにゲームのポイントの張り合いのような生き方を、この戦場でする事に違和感を感じているだけだ。

そんな事を言っている割には、俺は人を殺す。

簡単に。

俺の殺す人間は大概、この戦場には似合わぬ「希望」を持ってくる。



こんな苦しい状況にもかかわらず、ホッとするようなモノ…それが補給だ。

その安堵感を摘み取るのが俺の仕事だ。トレーラー等の車両が主な相手である為、人が死ぬという事が目の前で行われるような仕事だ。

人は面白い生き物である。自ずと日が落ちると進軍の脚が緩み、他部隊との通信や補給を試みる。

ただ、タイムロスト症候群にかかっているヤツは別だ。時間の感じ方が微妙に、いや大幅にずれているから。夜から朝までの時間にでも平気で活動をする。つまりは、体内時計の崩壊が科学的に証明されたという事であろうか。

宇宙に出る事で人はニュータイプになると言う理論もわかる。
人の革新…その表裏を理解しないでニュータイプ、ニュータイプと騒ぎ立てる者もいる。

しかし、同時に、宇宙に出る事でタイムロストになる者も、いるのだ。

自分の感覚で。違う周期で。睡眠と活動を繰り返す。
人と活動時間がずれるという事は、本当に辛い事である。
かく言う俺が、その身を以て大いに理解した事がそれだ。
俺には時間等関係ない。

タイムロスト症候群。
その源病は旧世紀の後期に生まれた病気だと聴くが、これが宇宙病として発展してしまったのがこの病気だ。病気といっても、治るようなものじゃぁ、ないんだが…。

『太陽を裏切った人間は罰を受ける』
俺の爺さんが良く言っていたことわざだ。

最近…そればかりが頭に浮かんでは、消えて行く。


ブラック「こちらブラック。提出用定時報告の録音であります…午後9時13分…敵小隊を補足。これより離脱し補給部隊の補足を開始する。」



さて…いくか…。漆黒の闇にまぎれて…。


ショートフィルム 第四章「レクイエム」第03話〜くろざくと名もなき兵〜
longer than ever Short Films episode:04[Re:QiM]


ブラック「くぁぁぁっ」
???「お目覚めですか、ブラック大尉。」

ブラック「キミは…?」
???「自分は今日からブラック大尉の下に配属されました。自分の事はノーネームと呼んでください。」
ブラック「…名もない…ジオン兵…か。」

ノーネーム「ええ…まぁ、そう言う意味になります。」

ブラック「やれやれ監査部の差し金か…。懲りんな。」
ノーネーム「ご推察恐れ入りますが、自分はフラナガン進化人類研究機関の依頼でここに。」

ブラック「…そうきたか。私はニュータイプ等では無いというのに。」
ノーネーム「タイムロストとニュータイプの関係性。大尉も興味ありませんか?」

ブラック「…無いね。」
ノーネーム「随分とはっきりおっしゃいますね。かえって小気味がいいですよ。」


ブラック「まぁ、私は自分に与えられた仕事だけで充分だ。」
ノーネーム「そう…充分異常ですよ。」

ブラック「言うね。ノーネーム君。」
ノーネーム「それを監察させていただく事が目的ですから。邪魔にはならぬようにしますよ。」

ブラック「わかった。好きにしなさい。ただ…脚を引っ張るようなら…」
ノーネーム「…」

ブラック「俺がお前を殺すよ。」
ノーネーム「!!」


longer than ever Short Films episode:04[Re:QiM]


ミル「すごいすごい!!本当にすごぉいなぁ☆」
リョウスケ「ふぅ…」
桜「はぁ…はぁ…」

リョウスケ「参ったなぁ…隊長、ここまでやるとは、正直わかりませんでしたよ…」
桜「俺はわかってたさ…お前を選んだ時から。俺が勝てないであろう事も。」

リョウスケ「それじゃあ、エキシビジョンはこのくらいに…?」
桜「っはは!余裕だな。でも簡単にはやらせない。」

徒花「さっきー☆もうそれくらいにしておくんだな…それから、フォルフさんが是非お話をしたいとさ。」
桜「…くっ、」
リョウスケ「フフッ…僕も、何気にもう限界近かったですよ…四時間連続操縦なんてね…」



ミル「お疲れさまでしたぁ☆すごかったですよぅ!!」
桜「さっきから目を輝かせて廊下をずっとついていらっしゃるようですが…俺…いえ自分にはお嬢様に何か教えて差し上げられるような事は無いですよ?」

ミル「そんな事!!そうじゃなくて、ただ単純に感動したのですっ!!」
桜「おいリョウスケ、なんとかしてくれ。たのむ…」
リョウスケ「…うーん。あ、そうそう、お嬢様、甘いモノは好きでいらっしゃいますか?」

ミル「およ…?」
リョウスケ「これ…お一ついかがですか?さっき買ってきたキャンディーなんですけど。四時間もご覧になってお疲れでしょう。疲れた時にはコレですよ。」

ミル「わぁ☆ありがとうございます☆甘いもの、目がありませんの♪」
リョウスケ「よかった。それでは、僕たちはミーティングがあるので、失礼しますね。」

ミル「はい♪」

ミル「…♪」


ミル「…♪」



ミル「…あ。」
ミル「甘いものにだまされた…。でも…」

ミル「すごく甘い☆」

少しジャンクな味のするこのキャンディー…さっきのパッケージ…見た事無いや。
なんだか…不思議な甘さ。どうしてだろう…なんか…幸せだ。





徒花「さっきーと、ダイナマイト…今回の作戦…おそらくレビル将軍の主導で行われる事になるようなんだな。」
リョースケ「ダイナマイトって何ですか!?」
桜「まぁ…お前の事じゃないか?流れ的に。」
徒花「たしか、補給部隊のミデアが先日も落とされたって聞いたんだな…やはり、コレはアイツの仕業と見るのが妥当じゃ無いかと思うんだな…」

桜「くろざく…か。」

韋駄天「噂では新型の黒い機体が三機だそうだが…まさか『くろざく』とはあの黒い三連星と同一なのか…?」
徒花「うーん…さぁ?」

オリバー・ブラック大尉か…久し振り…になりますね…今度は、アナタの敵として。僕はアナタに会いにきましたよ。

桜「おい、ダイナマイト。」
リョウスケ「!!」

桜「ぼーっとしているぞ。大丈夫か?熱でもあるんじゃ?」

ちょっ!!おでこくっつけ無いで!隊長!顔が…近…

リョウスケ「あわわっ、大丈夫ですよ!!ちょっと考え事してただけですよ!!」
桜「うん。だろうな。」

…は?

桜「人の事女だと気付かなかったとか言うから仕返しにイタズラしてやった。反省はしているが後悔はしていない。」
リョウスケ「はぁ!?…あ、いや、スミマセン…」

徒花・韋駄天「え、桜クン(さっきー)って、じょ、女性だったの!?」

桜「…」



徒花・韋駄天「ぴぎゃーーーーーー!!!!!!!」


うわ、グーパンチ、いたそ…。


longer than ever Short Films episode:04[Re:QiM]


ブラック「…さて、ノーネーム君。準備はいいかい?」

ノーネーム「勿論。」

『くろざく』に、『名も無きジオン兵』…か。
ふん…響きは悪くない。

まぁ…俺は俺の仕事をするだけだ…祖国で待っている人の為に…だ。

ナツミ…



続く
 

第四章「レクイエム」第03話〜おままごと〜
2008.02.22 [Fri] 19:27


韋駄天「諸君、今日は地球連邦政府から視察に偉いさんがやってくる。令嬢をおつれとの事だ。くれぐれもそそうのないようにな。」

一同「はっ!!!」

スクライド「ったくこんな時に、呑気なもんだぜ。」
桜「うーん。どうしたモノか。」

ウィリアム「どうしたんだよ隊長。難しい顔して。」
桜「あ、いや。何でも無い。」

訓練開始から4日…今朝はいつもより早朝から集められたと思えば、そう言う事か…なんだってこの部隊の視察なんだか。。

桜「おい、今考えていた腹黒い部分を吐き出せ。」
C「…別にそんな腹黒い事なんて考えていませんよ。なんでよりによって梟の視察なのか、って考えていたんですよ。」
桜「ああ、なんだ。そんな事か。」
C「あれ、隊長は聞いているんですか?」

桜「ああ。梟の作戦は軍部の意思にも増して、連邦政府の意向が大きく働いているようだ。今日いらっしゃる議員は特に、この部隊が動き易くなるようにバックアップをしてくださっているらしい。」
C「軍にもパトロンなんているんですね。」

徒花「にゃはは。やっほー☆さっきー。どうなんだな…調子は。」
桜「さっきーって…もしかして俺の事か?」

…あぶなっ、徒花隊長に今の聞かれてなかったよね…。それにしてもさっきーって。。
センス無…。

徒花「他に誰かいるのかね…?」
桜「…あ、はい、調子ですか…うーん。視察の方にお見せできる程の調整は未だ…」
徒花「にゃはは☆大丈夫大丈夫☆」
桜「できれば…今日は別メニューの訓練で…。そこには立ち入り禁止という事に…」
徒花「なにっ?それはまさか…」
桜「えっと。。」

徒花「まさか、見せられない程過酷でスポコンな訓練とか…」

桜「ち、違う!そう言う事じゃ…」

徒花「秘密特訓…むしろウチの部隊の演習を見せるより面白そうだ☆」

桜「ま、待て!!話を聞け!!」

あーあ、行っちゃったよ…。あの人は…。ウチの部隊の隊長って…なんでこう…変わり者ばかりなんだろう。。

桜「…?どうした?何を見ている。俺の顔に何か不審な点でもあるのか?」
C「いえ…そう言うんじゃないです。」

しかし…どうする気だろう。通常の合同演習だと、ウチの部隊はケンカばかりしてるし…
かといって…あの『鬼ごっこ』を見せるって言うのも…ちょっとふざけてると思われるだろうし…

桜「しかし…困ったな。」
C「そうですね。訓練のメニューを変えますか?」
桜「うーん。。到着は4時間後…か」


ショートフィルム 第四章「レクイエム」第03話〜おままごと〜
longer than ever Short Films episode:04[Re:QiM]


???「ねぇ、お父様。アタシもどうしても行かなくてはならないのですかぁ?」

???「無理について行くと言い出したのはお前だろうミルネィア。もう先方には無理を行ってお願いをしてしまったんだ。私を困らせないでおくれ。」

ミルネィア「うー。だって。モビルスーツが見られるというから…でも、今日はシェリーのお屋敷にお呼ばれでしたのに…急に日程を変えるんですものぉ。」

運転手「フォルフ様、お車のご用意ができました。」

フォルフ「ああ、ほらミルネィア。乗りなさい。」
ミルネィア「…はぁい…お父様…。」

フォルフ「さぁ出してくれ。」
運選手「かしこまりました。」




桜「…そういうことでひとつ、頼む。」
C「わかりました。準備に時間、かかりますね。大丈夫ですか?」

桜「ああ、それはウィリーとライドに頼む。問題ないだろう。到着までまだ20分はある。」
ウィリアム「おう、まかせろや。」
スクライド「…まぁ、力仕事なら。」
C「ああ…大丈夫かなぁ。」


…で、僕は演習場で待機か。
あぁ、錆び錆びのフェンスの向こうの道…あの車…いかにもお金持ちですって感じのリムジン…たぶんあれだ…視察って。隊長…来ちゃいましたよ…間に合うんですか…それから…僕の名前は…もういいや…





徒花「ルミルハルト議員、良くおいで下いました☆」
フォルフ「相変わらずだな。徒花。例の作戦、着々と仕上がっているのかね?」

徒花「それはもう…すごい事になっています☆」

ミル「…わわ、埃っぽいですねぇ。でも、わくわくします♪」

フォルフ「娘だ。すまんが世話になる。ミル、こちらへ。今回案内してくださる隊長の徒花さんだ。」
徒花「げ…随分なまいk…じゃなかった…これはこれはお見目うるわしゅう…危ない危ない…」
ミル「アラバマ…さん?変わったお名前ですが、素敵な響きですっ☆ミルネィア・ルミルハルトと申します。本日は、我が侭を聞いていただき、感謝しております☆」

徒花「…もうなんでもいいんだな…」
ミル「はい?」

徒花「…あ、いえいえ。ではどうぞこちらへ…☆」
フォルフ「うむ。」





うわ、あの娘さんとやら。僕と同じくらいの歳かな。結構かわいいじゃないか…って、そんなのはどうでもいいって。

C「隊長…こっちは大丈夫です。」
桜「了解。では手はず通り頼む。」

あーあ…でも…しらないよ…?よいしょっと…。

ガゴーーーーン…

徒花「どぅわっ!!なんなんだな…」
フォルフ「どうしたんだ?一体何の音だ?」
ミル「お父様あれっ。モビルスーツですわっ!!今倒れて資材の山が崩れたみたい…わぁ…初めて見た…思ったよりもずっと大きい。」

ジリリリリリリリリリリリ…

徒花「警報!?…うーむ…もしやさっきーのとこか…あー大丈夫ですよ。ルミルハルト議員。ちょっと荒っぽい…演習なんで…」
フォルフ「演習…?アレがか!?」
徒花(さっきー☆あいつ…後でぶっとばす☆)
フォルフ「…ミルネィア??」
徒花「れれ?」

フォルフ「ミルネィア!?どこにいった?」
徒花「えーと…ああ、あそこの今倒れたモビルス…」
徒花「って…どぅわーーーーーーーーーっ!!!!」
フォルフ「バカなっ!!ミルネィア!!戻ってきなさい!!」

ミル「わぁ!すごいすごーい♪こんなに近くでモビルスーツ同士の模擬戦が見れるなんて!」

あぁあ…知りませんよ隊長…こんなことして…でもまぁ、これでウチの部隊はひた隠されるんだろうけど。どっちにしろ視察の議員さんはカンカンなんじゃ……まぁ、いっか。やれやれ…とりあえず降り…

C「わぁぁぁ!!!」

な、なんだっ!?コックピット開けたとたんに人がいるとか…

C「隊長…脅かさないでくださいよ…」
ミル「アナタが操縦をしていたのね?」

C「そりゃそうですよ…今隊長に倒されたんじゃないですk…」

C「わぁぁぁ!!!」

た、隊長じゃ…ない!!髪の色が同じピンクだからてっきり…

ミル「クスクス…アナタ歳はいくつ?」
C「あ、えっと。17ですが。」

って、なんで普通に応えてるの!?ぼくはっ!?それよりなんで議員の娘がここにいるのっ!!!!???

ミルネィア「まぁ…アタシと同じ!!こんな歳で…」

はいはい随分と平和に育ったんですね…でも、こんな歳の傭兵なんて、珍しくなんか無いよ。そうでもしなけりゃ、食べる事だってできないんだ。
ていうかあの…そこどいてほしいんですけど…降りられない…

ミルネィア「こんな歳で…操縦ってできるんですね☆アタシにもできるって言う事かしら♪」
C「そっちですか…」

っていうか…この状況は何なんだろう…

ミル「はい?ねぇねぇ、アナタ、お名前は?」

C「え、あ、はい。リョースケと言います。」
ミル「リョースケ…いいお名前ね。アタシはミルネィア。ミルネィア・ルミルハルト。」

桜「そこで何をしている…?」
ミル「??」
リョースケ「あ、隊長!!」

桜「…って……、…どうして議員の娘さんが…ここに…い、いらっしゃるのだ?Cよ。」
ミル「隊長さんですかぁ☆わぁ素敵♪こんなに綺麗な女性でも隊長になれるのですねっ!?リョースケさん。」

リョースケ「僕にもさっぱり…」

桜「お前、リョウスケと言うのか。なるほど。」
リョースケ「知ってたくせに…」

っていうか…『こんなに綺麗な女性でも隊長になれる』←???

え?

リョースケ「隊長…ちょっとお聞きしていいですか?」
桜「なんだ?」

リョースケ「隊長って…女…だったんですか?」
桜「今更なんだ。何か問題があるのか?俺が女だと。」

リョースケ「…全然…気付かなかった僕は…一体…」

ミル「見たらわかるじゃないですかぁ。失礼なー。ねぇ☆」
桜「そうだそうだ!リョースケ!!貴様失礼だろう!!」
リョースケ「す、すみませんでした…」
桜「あ、いや、待てよ。何か違うな…。何か…」

うーん。。女…そう言えばなで肩で声高くて。ナヨナヨしてる男だなぁ。。とは思ったけど…

そ の 発 想 は な か っ た

っていうか、じゃない!!なんか大切な事を忘れているような…


フォルフ「ミルネィア!!!なんだってこんなところに!!!」
桜、リョースケ「そ、それだっ!!!」

ミル「あら、お父様☆」
フォルフ「ダメじゃないかミルネィア。危ない所に勝手に入るんじゃない。」
ミル「あら…!!ご、ごめんなさいぃ!!アタシったらつい…感動して駆け寄ってしまって…」
フォルフ「すまない、君達。迷惑をかけたようだね。激しい訓練、気合が入っているね。もう少し、この模擬戦を見学させていただいてもいいかな?」


桜「…」

うわ…隊長が真っ白になってる…結局…こうなるんだね…なんていうか…貧乏くじばかり…みたいな…ね。

リョースケ「…あ、はい、えっと…隊長!!しっかりしてください!!隊長!!」
桜「すまないリョウスケ…俺はもうダメなようだ…」

リョースケ「隊長、ちょっと耳を貸してください。」
桜「…なんだい?リョウスケ。俺はもうダメなようだ…」

リョースケ「いいからちょっと!…いいですか?ごにょごにょ…」
桜「!!」


桜「…た、たしかに…それならば…いけるな。」

ミル「あは☆楽しみです♪」

不安だ…死ぬ程不安だ…けど。もうここは満足していただいてさっさと切り上げていただくしか無い…僕と隊長の模擬戦なら…

言ったモノの…大丈夫かな……。

さっきみたいなおままごとじゃあもう、さすがに議員にはバレちゃうだろうし…。

もう、この機体がジムじゃなくてエルガ…
エルガ?

何だっけそれ。ま、いいか。