『月よ笑ってくれ―月も星もない〈2〉:久我有加』 

2012年11月23日(金) 13時03分
城坂温(「パイロットランプ」ツッコミ担当、29歳)と秀永元継(「パイロットランプ」ボケ担当、29歳)、関西弁、漫才もの。

城坂と秀永は、丁寧に仕事をしていく内に、漫才だけでないものにまで声がかかってくるようになった。漫才ブームが終わっても、パイロットランプは生き残ると、周囲から言われても全く嬉しくなかった。2人が何よりもやりたいのは、漫才だったのだ。

月よ笑ってくれ―月も星もない〈2〉 (新書館ディアプラス文庫)
『月よ笑ってくれ―月も星もない〈2〉:久我有加』

漫才ブームの終焉がひたひたと迫ってきて、城坂と秀永の仲にヒビををいれ始めてます。
「パイロットランプ」への仕事量は多くなっているのですが、2人がしたい漫才をしてもらう場所が削られいって、秀永の精神がかなり参ってます。だからって、女にふら〜っと行っちゃったら駄目だ。そして、城坂は男にふら〜っと行きかけてます。
なんて見事な同調コンビ。


メモ
安岡:「パイロットランプ」現場マネージャー、25歳
星崎八恵子:舞台女優、32、3歳
百瀬統也:ミュージシャン、俳優

『月も星もない:久我有加』 

2012年11月22日(木) 12時45分
城坂温(漫才師ツッコミ担当、24歳)と秀永元継(漫才師ボケ担当、24、5歳)、関西弁、漫才もの。

漫才コンビとして成り立っていなかっただろうと言われたら、うなずくしかない程、相方である宗崎との仲はこじれていた。こじれたまま3年もよく持ったと思えばいいのか。
秀永は、コンビ解消を告げられた後、自販機の横に座り込んで、買った酒をかっくらっていた。
ふと、気づけば自販機の前で若い男がしゃがみ込んで、涙をボロボロとこぼしている男は、事務所の養成所で同期だった、城坂だった。

月も星もない (ディアプラス文庫)
『月も星もない:久我有加』

売れてない漫才コンビが、2つ。それぞれの相方から、同じようにコンビ解消を告げられた直後に、ばったりと出合って、成り行きで身体を重ねることに。酒と寂しさは、後悔の源だ。
どん底で出合った2人が、漫才コンビと恋の絆をより合わせていく物語。
あと、互いの漫才気質と愛情をこよなく大事にする姿勢が、前向きで読んでて幸せ。


メモ
棚瀬健次郎:城坂の元相方(トンガリマン)、妻の実家の工務店に婿養子入り
宗崎:秀永の元相方(オープンキャスト)、プライドが高い。
緒方:城坂のバイト先の同僚、ミュージシャンを目指す、19歳。
小関:オープンキャストのマネージャー、31歳
薮内:トンガリマンのマネージャー、33歳
菊本史穂:芸人の追っかけ。時期は違うが、城坂と秀永、両方とも関係していた。

『さみしさのレシピ:一穂ミチ』 

2012年11月21日(水) 14時48分
雨宮慈雨(翻訳家、32歳)と日高知明(料理家見習い、24歳、好きな人には「ともあき」でなく「ちあき」とよばれたい)、年下攻め。精神的には攻受が反対のような感じ。


実華子は闘病の最中、親族には一切知らせないでくれと、慈雨に厳命した。
彼女が亡くなり、希望通りに散骨して弔った。
けれど、一周忌がきて区切りをつけようと連絡を入れるのだった。電話に出たのは、若い男の声で……。

さみしさのレシピ (ディアプラス文庫)

『さみしさのレシピ:一穂ミチ』

頁が進んでいくほどに、慈雨が大ざっぱで、がさつさを増していき、知明が至極真面目な常識人ぶりをご披露してます。料理家を目指している時点で、普通以上の図太さをもっているんですけど、慈雨の振り切りっぷりに霞んでます。
「俺は基本的にカモ体質なのかもしれない」と、昔の彼女から、ヨリを戻そうと呼び出されて考えている知明。その性格の可愛らしさが、慈雨のどストライクな所じゃないんだろうか。多分。
あとがき代わり(?)の「たわむれのレシピ」が、2人の関係を端的にあらわしていて、作品中一押し。


メモ
実華子:故人、雨宮の書類上の妻だった人。日高の叔母。
諏訪咲彦:雨宮の昔の男、結局、女を選んで娘までいるのに、雨宮の周りをうろちょろ中。
矢部皐月:旧姓は鈴原、料理研究家、夫は映画監督、7歳の一人息子、雄太
真奈美:知明の元彼女、貯金、家電を持ち逃げ中。

『普通ぐらいに愛してる:久我有加』 

2012年11月20日(火) 13時52分
南広記(イベント会社「大迫企画」社員、24歳)と北條礼一(大手会社員、24歳)、同級生再会もの。


何度もあきらめようとしたけれど、南への溢れんばかりの気持ちは抑えきれず、とうとう九年越しに突入した。


普通ぐらいに愛してる (ディアプラス文庫)

『普通ぐらいに愛してる:久我有加』


ちゃかしてばかりの北條の口調(語尾が伸びる)が、私的にはアウト。きっちりしゃべらんかいっっと、南と一緒に突っ込んでおりました。
うむ、作者の思うツボにハマってます。
あと、南の元彼女だった綾乃さんの「男のくら替え」言動が、見事で弾けていた。


大迫守:「大迫企画」社長
根本:南の先輩社員
桂井綾乃:南の元彼女、24歳
高柳:大手家電メーカー研究開発部課長、綾乃の婚約者、39歳?

『アロー:一穂ミチ』 

2012年11月19日(月) 22時55分
葛西草(飲み屋「底」のオーナー、25歳)と湯浅麦(元デイトレ、特技は集中鼻血、25歳、前科持ち?)、同級生もの、再会して拾われて恋に落ちる。

湯浅麦は、妻から三行半を突き付けられて、捨てられた。何だか、もうどうでもいいやという心境になった湯浅を、常連はいるもののあまり繁盛していない飲み屋「底」に案内してくれたのが、中学時代の同級生、金子だった。
店のオーナー、葛西草もまた、同級生だったらしいが記憶には無い。葛西の好意で、店の2階に居候させてもらえることになった。葛西の人生に投げやりで、何にも考えていないようないるような雰囲気は、湯浅にとって居心地が良かった。


アロー (幻冬舎ルチル文庫)

『アロー:一穂ミチ』


カップルの名前が似てる上に、内面も同質な感じで、見分けがつかないまま読了。
(読みながらメモをしていたのに、名前と職業と受攻が反対になってた……更に混乱した)
小ネタの効いている場面もあるのに、人物像が似かより過ぎて生かせてないというか、自分の読解力が足りないのか。
「ふたりで干上がろうよ」と、葛西がのたまい、湯浅がそれに「ぐっとくるべきかぞくっとくるべきか」に、ぐっときたよ、私。駄目人間が好きなのか。えーっ、へこむ。
それより、金子と歩美の物語を読みたくなった。波乱万丈に違いない。


森:草の兄、血は繋がっていない。草の7年越しの片思いの相手。
金子:草と麦の中学時代の同級生、元いじめられっ子、古着屋、25歳。
歩美:金子の彼女、同棲中、ミシンの腕前はピカイチ。

『おとぎ話のゆくえ:一穂ミチ』 

2012年11月18日(日) 17時28分
野衣湊(高校二年、世が世なら10万石の跡取り、世間は彼を「若様」と呼ぶ)と来杉隼人(フーテン、25、6歳)、身分差もの、年齢差もあるか? そして、将来、受け攻めがリバると思う。


姉、桜の幼馴染みの慎ちゃんが、ようやく東京から帰ってきた。毛色のかわった人物を引き連れて。

おとぎ話のゆくえ (幻冬舎ルチル文庫)

『おとぎ話のゆくえ:一穂ミチ』



生きる気力も低空な駄目人間である来杉隼人に惹かれて仕方のない、湊。世が世なら10万石の跡取りという育ちの良さが、滲み出てます。大人になった時、育ちの良い腹黒さが滲み出た男になっていると思う。好みだ。
来杉隼人の嗅覚は鋭い。



慎:造り酒屋「澄乃江屋」の孫、25,6歳
桜:湊の姉、慎の同級生、市役所勤務、「姫さま」とか「姫さん」って呼ばれてる。
喬雄:桜の許嫁、湊たちとは従兄、慎の同級生、小児科医

『羊とオオカミの理由:杉原理生』 

2012年01月15日(日) 6時37分
久遠章彦(玩具メーカー第2企画開発室、28歳、「ヌイグルミ王子」)と高林亮介(大学2年、19才)、年下攻め、弟がライバル? ブラコン

章彦が11歳の時に、父が再婚した。義母となった女性には、3才の太一がいて、増えた家族に章彦の毎日は目まいをおこしそうなくらいに幸せだった。
優しい義母に、慕ってきてくれる可愛い弟。でも、その幸せの日々は長くは続かず、交通事故で両親は、この世を去った。
章彦にとって、遺された太一を育てることが、生き甲斐だったといっても過言ではない。
太一は、目に入れても痛くないほど大事な弟だった。
その太一が、「友人」と称する高林亮介を、しばらくの間、居候させてやって欲しいと頼んできた。可愛い太一の頼みを断ることなど出来るわけがない章彦は、苛々を抱えることになるのだった。
「一家に主婦はふたりいらない」という点において。

羊とオオカミの理由 (幻冬舎ルチル文庫)

『羊とオオカミの理由:杉原理生』


好みの男性とは程遠い位置にいたにも関わらず、章彦に恋情を抱いてしまった亮介。なんだかんだと言いくるめて、章彦を振り回してます。
まあ、あまりにも章彦がかわいいからと、意地悪したツケが、最後に亮介に跳ね返ってきてます。年上をからかっちゃ、だめだ♪


メモ
菊池:章彦のアシスタント
山中:章彦の同僚
三塚久志:章彦の高校時代の同級生、トラウマの原因
秀巳・和巳:双子、亮介の異父弟。小学1年
真紀:亮介の従兄弟

『オールトの雲 :一穂ミチ 』 

2012年01月12日(木) 4時26分
高梨太陽(陸上部、16才)と糸井流星(男子高、天文学部、16才)。幼馴染みもの。遠距離恋愛。

5才の時に出会ってから、10年間。
「一緒に学校に行って帰って、同じ教科書を開いて、並んで給食食べて、代わりばんこで顕微鏡を見て……」
ずっと隣に居続けてくれた幼馴染み。
高校になって、通う場所は違うようになったけれど、隣に住んでいるから関係は変わらない……そう、願っていた。

オールトの雲 (新書館ディアプラス文庫)


『オールトの雲 :一穂ミチ 』

流星の母親が亡くなって、10年前に別れたきりの父親とのぎくしゃくした関係を、泣きながら解きほぐしていく太陽が、切なくて仕方がない。


メモ
高梨大地:太陽の弟。がさつ
糸井奏:流星の母
ウィリアム(ビリー):流星の父、ハワイ在住、ホテルのコンシェルジュ
朝美:ウィリアムの妻、30才
マナ:流星の異母妹、5才
カイ:流星の異母弟、3才

『はな咲く家路 :一穂ミチ 』 

2011年05月09日(月) 5時54分
渡辺かずさ(大学生、10月生まれ)と渡辺葵(美大生、3月生まれ)、義兄弟もの、同級生もの。


木工作家として、名の売れている慎一が再婚した。
一人息子の葵が7歳の時に、妻を急の病で亡くしてから10年近く経ったころのことだった。
再婚相手は、慎一の作品の取材にきた川島弓子という女性で、彼女には葵と同い年の息子、かずさがいた。
親子そろって木彫にのめり込んだのがいけなかったのか、がさつに育ってしまった葵と違い、かずさは生真面目で、賢くて、物柔らかな少年だった。



はな咲く家路 (新書館ディアプラス文庫)


『はな咲く家路 :一穂ミチ 』


「押しに弱そうやけ、拝み倒したら一回くらいやらしてくれるかもって何回も思うたよ」 by 葵


葵の方が、強気。でも、最後を押したり引っ張ったりするのは、かずさ。
そんな2人の関係が、丁寧に描かれてます。
オススメ。


メモ
渡辺弓子:旧姓川島、かずさの母親、シングルマザー
渡辺慎一:有名な木工作家、葵の父親、10年ほど前に妻を亡くす
ハナさん:渡辺家の飼い犬、ビスコ大好き
多田亜矢:旧姓山岸、葵の高校時代の彼女
前原みのり:葵の大学の同級生、葵に思いを寄せていた
根元:アートプロデューサー、葵の才能を買っている

『君に降る白:朝丘 戻。』 

2011年05月02日(月) 2時07分
芹田藍(古本屋のバイト、売春、高校卒業して2年)と成瀬恵一(会社員、28才)、白シャツ白くつ下フェチもの、草食系同士の恋愛。


何故、自分が伯母夫妻のもとに養子に出されたのか。世間体ばかり気にする伯母に、どうしても馴染めずにいた藍は、高校卒業後、家を出た。
アルバイトとして古本屋に雇われて2年。そして一年前からは、特に理由もなく、身体を売って金を得ていた。
金を払えばどんな無茶を強いても構わないと思っている客が多い中、毛色の変った男が常連となった。
成瀬恵一。
彼は、藍を白シャツ白ソックスに着替えさせた後、優しく抱きしめ続けるのだ。



君に降る白 (ダリア文庫)


『君に降る白:朝丘 戻。』


Amazonレビューで点数が高かったので、読み始めたものの、余りの淡々ぶりに、読む手が止まる……。


メモ
野宮一紀(藍の古本屋のバイト仲間、美大生)