はねっかえり娘、旅立つ >2 

May 20 [Fri], 2005, 16:50
ゴッ・・・!

え? 今何が起こったの?
頭に凄い衝撃&激痛!

「いぃったーーーーい!?」

目の前にはお星様がチカチカ★
頭はくらくらずきずき。

「うわぁっ! マリアっ! 何してんのそんなとこでっ!?」

・・・・・・この声わぁ・・・っ!

「おとぅ・・・」
「パパ・・・っ!!」
きぃぃぃぃぃぃんっ!
特大のソプラノボイスがあたしのぶつけた脳天に直撃。
あたしの頭痛は更に増した。
ずきんずきん。
頭を抱えたまま、ふらふらとあたしは立ち上がる。

「パパ遅かったじゃないー、凄く寂しかったんだからぁ!」
「ああ、ごめん。でもほら、お土産持ってきたから、許してよ」

いちゃいちゃ。

・・・・・・。
娘のあたしはほったらかしですかそうですか・・・。

「この・・・っ、万年いちゃいちゃバカップルーーーーー!」

「あ、マリア、ただいまぁ」
へら・・・っと笑顔で手を振るこの男こそ、認めたくないけど、あたしのお父さんなのです・・・!
「ただいまじゃないわよただいまじゃ・・・」
頭を触ってみると・・・あーぁ・・・たんこぶ・・・(泣)

「あ・・・マリアごめんー。痛かった?」
あたしは、き・・・っとお父さんを睨んで言った。
「痛かった? じゃないわよ! 痛いっつの!!」
「ごめんってゆってるじゃないかぁ」
「もぉ、パパってば、マリアは女の子なのに、顔に傷ついたらどうするの?」

・・・そぉゆぅ問題でもないんだけど・・・!
ああっ、この夫婦の相手してると、どっと疲れる・・・っ!

「フーリのトコも相変わらずだねぇ」
ドアの外から苦笑混じりの声。
「ディライドおじさま・・・!」
「やぁ、マリアちゃん」
ディライドおじさまはニコッとあたしに微笑んだ。
あたしも、最大級の笑顔を返す。

ラッキー、と思いながら、ね。

はねっかえり娘、旅立つ >1 

May 20 [Fri], 2005, 14:55
「マリア、そんなコト、ママ絶対許さないからね!」
「いーや。絶対行く!」

その日、代々由緒正しき冒険家である、オルスコッチ家では、壮絶な母子の押し問答が朝っぱらから展開されていた。

・・・んと、正確には、昨日の夜からだけど。


あたし、マリアルジュ=オルスコッチ。
オルスコッチ家で、唯一の女の子。
曾祖父の代から・・・んーん、それよりもーーーーっとずっと前から続く、冒険家の血の所為か、少々無鉄砲なのが玉にキズ(と、お母さんは言う)
ウチの家族構成はと言うと、お父さん、お母さん、兄が2人、あたし、弟、とゆー、男所帯。
あたしがちょっとはねっかえりになるのも頷けるでしょ?
それに
あたしは今、もーーーーれつに興奮してるんだからっ!


事の顛末は、昨日の夜。
兄貴達の書斎で探し物をしていた時。
ふと、書棚の奥から吹いてきた隙間風が頬を掠めたの。
書棚を引いてみると、地下へと続く階段。
兄貴達ってば、あたしに内緒でこんな面白いトコ知ってたんだ! ってちょっとヤキモチ焼きつつ、わくわくしながらその階段を降りて行った。
階段は小部屋に続いていて、部屋の真ん中の机には、地図と、日記と、見た事もない黒い塊が置かれていた。

「・・・? なんだろ、コレ」
塊は結構重たい。片手で持てない程じゃないけど。

燭台に明かりを灯して、あたしは日記の開かれたページを見て、胸がひとっつ大きく鼓動を打ったのを確かに聞いた。


『長年求めてきた、古の蜃気楼の手掛かりを見つけた』


古の蜃気楼は、オルスコッチ家は愚か、他の冒険家や旅人の聖地だ。
むしろ、冒険者だけじゃなく、既に聖地伝説として世界各地で語り継がれている。
伝説とされていた古の蜃気楼の手掛かりを、兄貴達は見つけた・・・?!
あたしはいてもたってもいられなくなって、日記を隅から隅まで読んだり、謎の塊を調べてみたりした。
だけど、そこにはこれといった成果は得られなかったの。

でもでも!

手掛かりが見つかったって書いてあるんだもん!
探しに行かない道理はないのよ!!
そう思い立って、お母さんに話したトコロ。

「だめっっっ!」

の一点張り。

で、今日に至るわけなのよ・・・(くすん)




.;:*Prelude*:;. 

May 20 [Fri], 2005, 1:49
古の蜃気楼。

彼の地、失われし北の大地に悠然と佇む。

そこに栄えし蜃気楼都市。

肥沃なる大地、滔々たる水、荒れる事なき風、猛々しき炎。

四大元素の恵み溢るるその地に辿り着きし者、
神々の祝福と、古代人の知恵、精霊の魔力を受ける――――。




兄貴達の書斎の隠し部屋で見つけた、ページが開いたままの日記と、古ぼけて、破れ掛けた地図、そして、黒く、ずしりと重たい奇妙な形をした塊、ひとつ。
隠し部屋にたった一つだけある燭台に明かりを灯して、開きっぱなしの日記に目をやった瞬間、あたしの心臓は早送りでもされてるかの様に躍った。

「う・・・っそ、マジで・・・?」

日記には、太く黒いマジックで、こう、記されていた。


『長年求めてきた、古の蜃気楼の手がかりを見つけた』



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