稲葉宏爾さんのパリに関する本が大好きです。彼の目を通して見るパリの街は、なんて魅力的なのでしょう!
いつだったかフランス行きの飛行機で隣りに座った人に、「よかったらお読みになりませんか?」と、この「ガイドブックにないパリ案内」を貸してあげたことがありました。パリにご主人がいるという彼女は何時間もかけてそれを読み、「これ、いい本ですね!日本に帰ったら買います!」とにっこり笑ってくれました。何回かパリを歩いたことがある人にとって、この本はとても興味深いものなのです。
彼が13年前に出版した「パリ 街角のデザイン」。これが加筆・修正されて、先月「路上観察で歩くパリ」として出版されました。
以前から「稲葉さんは
赤瀬川原平さんがお好きなのでは?」と思っていたのですが、今回この本の中にそのお名前や
トマソン物件などについて書かれた箇所があったので、「やっぱり!」と思わずニヤリとしてしまいました。
是非手にとって読んでみてください。必ず新しい発見があるはずです。私は「雑巾堤防」についての考察にとても感激しました。確かに見掛けているはずなのに、無意識に通り過ぎてしまっているもの。そんな小さなことでも彼の目ははっきりと捉えていて、私たちはそのことに驚きを覚えます。
ただこの本、ちょっと残念なのは文章と写真が別々のページにあるのでめくって見比べなければならないこと、そして古い写真が多いことです。
彼の奥様である稲葉由紀子さんの本はおいしいものについて書かれているものが多く、こちらもまたおすすめです。