
せっかく吉祥寺に来ているのだから、ちょっと足を伸ばして行ってみよう…と、いつもより早く家を出て向かったのは、
『ダンディゾン』。
ここへ来るのは、もう何年ぶりになるだろう
久々に行ってみてビックリしたのは、「写真撮影、OKですよ。」というスタッフの言葉。
以前はOKだったのに今はダメになった…というパターンは良く聞くが、逆ヴァージョンは初めて

でも嬉しい

だって、ここの内装もパンのディスプレイの仕方も商品の並べ方も、それはそれは撮り応え十分なのだから


アートギャラリーのような、工房のような、そんなシーンとした空間の中、シャッターを押す音が響くのが、ちょっと恥ずかしい。
本当に撮っていいのか

と、どこかで罪悪感が働く。
朝だから、まだそんなに他のお客さんの邪魔にはならないけれど…。

淺野正己シェフがプロデュースする系列のパンは、一目見れば大体分かる。
空間的にも、それぞれの店舗とも違うのに、何故か同じような空気が漂っているのは、やっぱり主役のパンの持つ独特の個性の成せる技だろう。
相変わらず、焼き色も膨らみ方も均一で規則的。

あまりに均一すぎて、1個1個表情が違って当たり前…というパンらしさはないのだが、これは間違いなくパン。

フルーツやクリームで色とりどりなデニッシュがズラッと並ぶわけでもなく、シンプルに黄金色のトーン。

パンの配置的に一見セルフなのかと思うのだが、ここにはトレイもトングもない。
ギャラリーのようにあちこち回ってパンを鑑賞する。
じっくり眺めていられるほどのゆったりした時の流れが、ここにはある。
他のブーランジェリーのように、後ろのお客さんに迷惑だから急がなくちゃ…みたいな焦燥感がないのも嬉しい。
そして、高級ブティックのように、そして、「これを1つ。」という風にスタッフに頼めば、取ってくれる。
こうしたブーランジェリーとしてはかなり異色の演出は、心にゆとりと贅沢な気持ちと持たせてくれる。

ガラスの向こうに丸見えのアトリエも、すっきりしていて無駄がない。

知らない人は大方、ブーランジェリーだと気付かない。
ギャラリーか、はたまた隠れ家レストランか

と思って素通りするんだろうな。
食べてみて思いだす、口溶けなめらかな生地。
舌の上で確認する、きめの細かさ…
"ヴィヴィ"
グリーンオリーブとタイム
"アンフュメ"
豆乳生地に無添加ベーコン
丸いのが
"アカネ"
スクエア型が
"セザム"
しずく型が
"ブールブール"
バター30%+牛乳のバターロール
"アカネ"は、こしあんなのが嬉しい。
きび砂糖で炊いたこしあんはサラッとしていて上品。
外観はアンドーナツっぽく見えるのだが…リッチな生地からのバターの香りが強いので、余計そう錯覚させる。
"セザム"は、クレームダマンドに擦った黒ゴマを合わせたガルニチュール。
バターと牛乳の生地をうすく伸ばして、高級な中華料理店の点心のように美しく包む技はお見事
