【短編】ラストオーダー 

2008年04月13日(日) 18時40分
はい、今回からスタートします短編集シリーズ。

俺が書き散らしたMH関係のものになります。

何か感想をもったら書いていただけると嬉しいです^^

ではどうぞ。






【ラストオーダー】



俺は主に仕えるアイルーだ。

主はハンターという職業についている。

飛竜という危険な生物に向かっていき、倒すという危険な仕事だ。

主は帰ってくるたびに俺の頭を撫でて「すまないが、ひとつ料理を食わしてくれないか?」と優しく言う。

俺はもちろん、いつも精一杯の手料理を作る。

喜ぶ主の顔が俺を癒してくれた。


いつものように、武器の手入れをして持っていくアイテムの確認をしている主。

「よし、回復薬も持ったな。砥石も持った。不備はないな」

そういって主はクエストに出かけた。

今回の敵は少しばかり手ごわい。

今までドスファンゴ、イャンクック、ドドブランゴと大型モンスターと対峙しては帰ってきたが今回の相手はそんなものじゃない。

前日、いや1週間前から体の震えがとまらないみたいだ。

そいつに負けて、ハンターをやめた奴は少なくない。

やめたというより、やめざるをえなかったというほうが正しいのかもしれないが。。。


1ヶ月ほど前、

「俺は今度、天空の王者リオレウスを倒しに行く。」

そう主に告げられたとき、俺は体を震わせて顔を背けた。

俺のその行為がこのクエストの危険さを表していた。

「かならず、生きて帰ってくる。そのときはまたお前の料理を食わしてくれ。うーん、そうだなぁ〜そのときは肉料理がいいな。そうだそれと最高のスープだ」

そう笑顔で言う主の拳は振るえを抑えるようにぎゅっと握られていた。

主の装備はバトルシリーズといわれている装備だ。

ハンターはみなこの装備をまず目指す。

機能的な装備はいろんなところにアイテムを入れられる。

特に、砥石はわざわざカバンから出して砥ぐよりもはるかに早く砥げる。

防具の打たれづよさも申し分ない。

リオレウスの攻撃とてこの防具を一撃で粉砕できるわけじゃない。

俺は主の勝利を信じていた。

主がクエストに出て、部屋の掃除をしているとベッドの上においてあるアイテムを見つけた。

それは中に雷光蟲が入った小さなカプセルのようなものだった。

俺はそれを見て主の言葉思い出した。

「今回のリオレウスは強敵だ、俺でも勝てるかわからない。だから俺は、万全の準備をするんだ。
今回は閃光玉を持っていく。
これはな、一時的ではあるが相手の目を潰すことができる。その間はこっちが攻撃をしたり体力を回復できるんだ」

そう。

この閃光玉は対リオレウス戦の切り札と言ってもいいアイテムだった。

俺は無造作においてあるそれをみて、すぐに主が入れ忘れたのだと理解した。

俺は部屋の掃除もそっちのけで、その閃光玉を袋に入れ背中に背負い、走り出した。

ベッドの横に寝ていたプーギーは何も無いかのように寝ている。

こいつにまで心配はかけられない。

部屋を出るまでは静かに歩いた。

部屋を出て村をでて、森と丘と呼ばれる場所まで俺は走り続けた。

日が落ちて、一夜が明けた。。。

それでも、俺は走り続けてなんとか森と丘に着いた。

主を乗せた場所は夜が明ける頃にすれ違った。おそらく主を森と丘に下ろして村に帰ってきていたのだろう。

近くに大型のモンスターが居ないとはいえハンターじゃない人間が近くにいるのは危ない。

規則ですぐに村にもどることになっているのだ。

すれ違ってからだいぶ時間がたった。

俺は主が張ったキャンプにたどり着いたがそこに主の姿はなく、焚き火の跡も綺麗に消えていた。

俺は主が意を決してリオレウスに挑んだのだとわかった。

そして俺は森と丘を走った。

木々が生い茂る場所に着いた。そこには池があった

そしてそこで見たのはリオレウスと対峙する主の姿だった。

腰に装備したアイテムの袋は小さくなっていた。

おそらく回復薬やシビレ罠なども底を尽きたのだろう。

腰に装備したバトルフォールドが少しこげている。

リオレウスの吐いた火炎を受けたのだ。

俺は震える体を拳でたたき、意を決して主のもとに向かった。

大剣を立てにしてレウスの攻撃に耐える主の後ろに行き、一鳴き「にゃー」

アイテム袋は置いたよ。そう言ったつもりだ。

そして、俺はリオレウスの目を主からそむけるために、わざと大声を上げながら走った。

リオレウスはその声に反応し、俺の方を振り返った。

俺は体は恐怖で震え上がった。

俺は今までこんなに大きな生物ににらまれたことが無かった。

走り出したつもりの足はすくみ、気持ちだけが前に進んでいたのでこけてしまった。

そこに容赦なく、リオレウスの火炎ブレスが飛んできた。

俺は、死を覚悟した。

「ごめんな、俺は主のための手料理をもう作れない。」そう心の中でつぶやいた。

しかし、俺の目はいまだ世界を捉えていた。

主が、アイテム袋を拾わずに走ってきて俺の前に飛び出したのだ。

バトルメイルの背中部分は焼け落ち、もはや防具としては使い物にならなくなっていた。

リオレウスの火炎ブレスは熱さだけが強さではない。

口の中で圧縮された火はまるで大砲でも撃たれたかのように重いのだ。

おそらく主も無事ではない。

その火炎ブレスにあたった主は俺の後ろに吹っ飛んだ。

そしてなおも走り迫ってくるリオレウス。

俺はもう考えよりも体が先に動いた。

今度は体も動いた。

けたたましく鳴きながら俺はアイテム袋に走った。

リオレウスも主をすでに殺したと思ったのか、向きを変えて俺の方に走り出した。

俺はアイテム袋の中から閃光玉を取り出すとリオレウスの顔があたるギリギリのところで閃光玉の中に詰め込まれた光を開放した。

リオレウスはあまりのまぶしさにのけぞり、必死に頭を振っていた。

俺はその動きすら捉えることが出来ずただそこに立ち尽くした。

リオレウスの泣き叫ぶ声が聞こえる。そしてそれとともに主の声が聞こえる。

「うおぉぉぉ!沈めぇぇ!」

俺は目はまだ生きていたようで、うっすらとその姿が見え始めた・・・。

ぼんやりとした中、視界を取り戻そうと悶えるリオレウスに主の大剣が振り下ろされている。

リオレウスにかなり痛手を負わしたところで、リオレウスが視界を取り戻した。

そして、この野郎といわんばかりに俺に噛み付こうとした。

だが、俺はぼんやりと見えたその姿は近いのか遠いのかもわからず立ち尽くしていた。

ガギンッ!

何か金属のようなものがたたかれたような音がした。

主は俺助けるためにリオレウスの口に自らの左腕は差し出したのだ。

そして、それを噛み身動きが取れなくなったリオレウスの首に振り上げていた大剣が重力と剣の重みだけで落ちる。

ドシャ。

その一撃がリオレウスの息の根を止めた。

さっきまでかみ締めていた顎に力は無く、そのまま倒れた。

俺は死んでいるリオレウスを目の前にしてもそこから動けずにいた。

主はすっかり疲弊したようすでその場に倒れこんだ。


そして、主はリオレウスを討伐した。


俺はアイテム袋の中にあった薬草をかみ締め、やわらかくして主の腕に巻いた。

そして、リオレウスの爪をくわえて村に帰った。



また一晩かけて村に帰った。

村長にその爪を渡すと事態を察知してすぐに迎えを森と丘に出してくれた。

俺は精根尽き果てて、部屋に戻ると倒れた。

もう、立てない。歩くだけの力も無い。

「すまない、主・・・せっかくの肉料理だがすぐには作れそうに無い」

そう、つぶやいたあと俺は力尽きた。


いつまで寝ていたのだろう、俺は朝の光のまぶしさに目を覚ました。

俺は主の足の上に居て、頭を撫でられていた。

「起きたか。お前がいつまでたっても目が覚めないから俺は腹ペコだ」

そう笑いながら俺の頭をくしゃくしゃっとした。

俺は主のいつもと変わらない笑顔を見て生きていることを実感した。

俺はすぐに立ち上がるとキッチンに向かった。

俺は約束したのだ。リオレウスを倒したらリオレウスの尻尾のリュウノテールを使ったステーキを作るのだと。

20、いや30分ぐらいで俺はステーキを作り持っていった。

テーブルの上におき、ナイフとフォークそして主の大好きな酒を置いて主を呼んだ。

「にゃー」

主は「お、出来たか。うわぁ・・・うまそ〜」

そういうと、右手にフォークを持った。

そして、

「すまないが、一口分に切り分けてくれないか?」

そう笑顔で言った主の左腕はなかった。

俺はその姿をみて涙があふれ出た。

俺のせいだ。俺が無防備に飛び出したからだ。俺なんかがあんな場所にいなければ。

俺はあふれ出る涙を止めることが出来なかった。


そんな俺の頭を主は撫でて

「すまないな。。。もうお前のために高級な食料をとってきてやれなくなっちまった」

そうつぶやいた。

俺は、あふれ出る涙を拭きながらステーキを切り分けていった。

主は「うめぇ、うめぇ」と声を震わせながら一口、一口かみ締めるように食べた。

俺の右目はもう見えないが左目だけは見ていた。

主の下げた頭からは涙の雫がぽたぽたと落ちていた。

俺は何も出来ず涙を流しながら、ステーキを切り分けた。

主が食べ終わった皿には涙のスープが出来上がっていた。
P R
プロフィール
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HN:ビリー
HR71(3/16現在)

猟団「Contract⇔LieN」団長
団員=0人(笑)
仲間募集中ですが、ちゃんと礼儀などがしっかりとしてるかどうか見極めるためにしばらくはフレンドとして遊んでいただくことにしてます^^

<最近の俺>
愚痴ばっかりこぼしてるへたれランサー。
最近はハンマーに恋しちゃってる年頃(ぁ
そろそろHR100にしたいけど課金が切れちゃう?


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