未定 

February 21 [Tue], 2006, 19:48
元彼は付き合いニクイ人だった。ものすごくヤキモチ妬きで友達との約束よりも自分の方を優先させたがったり、自分がどう思われてるのか知りたくて不安になるあまり二人きりになりたがり行為を強要したりした。もっともそれを強要と考えてしまうあたり、あたしは彼のことをそれほど思ってないということになるのだが・・・。それでもどうして付き合っていたのかというと、そういう男女交際みたいなのをするのが初めてで、告られた時舞い上がってしまってよく考えもせずにOKしてしまったせいだ。そのままズルズルと1年近く付き合った。何度か別れようとも思った。けれど、一人になるのが怖かった。まわりの友達が彼氏がいるのに自分にいなくなるのが嫌だった。今となってみればすごくくだらないことなのだが当時は切実なことだったのだ。
それでも、付き合いだした頃はそれなりにうれしくてくすぐったくて幸せなカップルだった。彼はタバコを吸っていて(中学生なのに)あたしはそんな彼をちょっとかっこいいなんて思ったりしていた時期もあった。ちょっと悪い男の子に憧れる、そんな年頃だ。よく二人で会ってるとタバコを吸いながら彼がキスをしてくる。タバコの煙を口に含ませたままあたしの唇をふさぐ。そして煙を口移しにしてくる。
「けほっ。ちょっと〜、肺がんになったらどうしてくれるのよ。」
あたしは文句を言う。
「大丈夫だよ、これくらい。沙羅が肺がんになるなら俺も一緒になったるから。」
そう言って彼は笑った。笑うと細くなる目もそのころはとても好きだった。

未定 

February 21 [Tue], 2006, 20:25
彼の家は母子家庭で、彼には兄弟もおらず母一人子一人で生活していた。当然、彼の母親は働いており19時過ぎにならないと帰宅しない。聞けば、彼が小学3年生のときに離婚してからずっとこういう生活をしているとのことだった。中学生となったそのときはそんなことはむしろ彼女がいたりすれば好都合なのだろうが、小学生の頃はきっと寂しい思いをしていたに違いない。そんなふうで彼は少し愛情に飢えていたのだろう。二人になると幼児が母親に甘えるようにあたしに甘えてきた。
「沙羅・・・。」あたしの名前を呼びながらギュッと抱きついてあたしの薄い胸に顔をうずめたがった。そんな彼がとても愛しいと思う時期もあった。けれど、あたしは冷たい人間なのだろうか、だんだんとうざったく感じるようになっていった。もっと他のカップルのように外へ飛び出していったり、たまにはそれぞれの友達と遊んだりそんな付き合い方もあるのに彼は自分の家にあたしを連れ込みたがった。もちろん彼の母親が帰宅するその時間までだが。
「ねえ、今日あたし弥生と買い物行く約束しちゃったんだよね。だから、シンちゃんち寄らずに帰るね。」
ある日のことあたしは何気なく言った。
「今から行くのかよ?何買いに行くの?」
思い切り不機嫌な様子で彼が聞いてきた。
「えっとね、有紀ちゃんの誕生日のプレゼント選びに。来週だから。」
「明日じゃダメなんか?」
「今日でも明日でも変わんないじゃない?どうして今日じゃダメなの?」
「俺はどうしても今日は沙羅と一緒にいたいんだよ。」
すがるような目で彼は言った。(また?)とあたしは思った。以前もそうだった。友達数人でカラオケに行こうと計画したときも、夏休みプールに行こうと話し合ったときもそのことを彼に話すととたんに不機嫌になる。

三日月 

February 24 [Fri], 2006, 19:48
「そんなこと言ったって・・・。」あたしは内心げんなりしながら言った。
「俺と有紀とどっちが大事なんだょ?。」彼は言った。この一言であたしの心は決まった。
「とにかく・・・あたし今日はシンちゃんとはいられないから!」そういい捨ててあたしはその場を立ち去った。どこまで独占欲の強い男なんだろう。「沙羅!」彼の声があたしの背中を追いかける。あたしは聞こえないフリをして振り向かずに走った。こんなことは一度や二度ではなかった。
それでもお人好しのあたしは何だか悪い気になって(明日会ったらごめんねって言って、それで・・・)なんてついつい流されてしまうのだった。
彼は言葉は荒いけど本当は気の弱い優しい人だってことをあたしはちゃんと知っているから・・・。

「結局のろけてるわけ?」一番の友達の弥生にこのことを話すと彼女は半ば呆れながらそう言った。
「違うって。結構切実な悩みなんだょ?この前一緒に遊びに行けなかったのだって本当はそういうわけがあったの。」あたしは溜め息をついた。
「そうだったんだ?沙羅ってばあの時頭が痛いからって言ってたよね〜?。」
「うん。だって彼氏がヤキモチ妬くから行かないなんて言えないじゃん、みんなの手前。」
あたしは飲みかけの缶の冷たいミルクティーをおでこにつけた。
「なぁんかホントに頭痛くなってきちゃった。」


三日月 

February 24 [Fri], 2006, 20:21
「別れちゃえば?そんな彼氏。」弥生は空を仰ぎながら言った。
「え??」あたしは思いもよらない友達の言葉に驚いて聞き返した。と、言うより「別れる」という言葉の意味を瞬時に理解できなかったのだ。今まで思いつかなかったのが嘘のようだった。
「だから、そんなに頭の痛くなるような彼氏なら一緒にいない方が楽ってもんでしょ?」
「・・・そうだけど・・・。」
そのときからあたしの頭の中は彼と別れる、という言葉でいっぱいになった。なんて甘美な響きなんだろう。今度こんなことがあったら別れればいい・・・あたしはまるでおまじないのようにその言葉を頭の中で繰り返した。
そしてとうとうその言葉を実際口に出して言うようになるまでにはそんなに時間はかからなかった。


2006年02月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28
最新コメント
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:mew-913
読者になる
Yapme!一覧
読者になる