はじめまして・・・! 

November 30 [Wed], 2005, 17:32
私が仁君と初めて会ったのは10年前。・・・1本の電話からです。

◇第1章☆@◇ 

November 30 [Wed], 2005, 17:35
レジさん・男の人から電話だよ・・。いぶかしげに店長が私を呼んだ。40歳の私が二度目の夫と別れて勤めたバイト先のキャバレーの店長は、そういいながら電話を渡してくれた。『・・・もしもし』相手はキャバレーのホステスさんの知り合いのホストクラブの店長だった『麻美とさ、今日店に来てくれない?』『私がですか?』麻美は私がレジとして勤めてから何かと優しくしてくれた。帰りに食事に行った時出勤のそのホストの店長と会った。『今度麻美とおいでよ』通り一遍挨拶の誘いかと思っていた。『今日さ、入店の男の子が二人いるんだ。教育に来てよ』たった1度ファミレスで言葉交わしただけなのに、さすがホストだなと『帰りに麻美に伝えますね』そう言って電話を切った『男?』店長はにやけた笑みを浮かべ男を表す仕草で、親指を私の前に見せた『ホストですって・・・』『そんなとこ行ってんの!』『いいえ・・・誘いです』『やめなさいよ・・騙されるだけだよ』『おばさんを・・・』『女ならなんでも』『・・・それって褒められてはいないですよね』ホールは照明が消えてラストソングが流れ始めた。

◇第1章☆A◇ 

December 01 [Thu], 2005, 16:21
ラストの曲が終わり照明が点く。薄暗がりの中で、輝くような笑顔振りまいていた彼女たちは普通の女の顔に戻っている。
『終わった?送ってくよ』
麻美が私がいる通称リストと呼ばれる場所に来てそう声をかけた。
『さっきね吉田さん?から電話きたよ。新人が来たから教育?しに来てってさ』
『教育?そんな事言ってきたの?行ってみる?』
行ってみると聞かれて行かないわ!と言い返さなかった。考えながら『お疲れ様でした』掃除中の黒服さん達に声をかけて地下の店から地上へと出た。
10月でもやはり深夜は肌寒い。私の答えなど待たずに麻美は道路を横断する。
風俗街で名の知れた東京近郊の町。その店長の経営するホストクラブはその歓楽街の奥にあった。

◇第1章☆B◇ 

December 01 [Thu], 2005, 17:01
まだ開店したてだと聞いたその店のドアを引いた。笑い声と誰かがカラオケを歌っている。
『いらっしゃい!やっぱ麻美だ。来てくれたんだ』
私に電話をかけてきた吉田さんがそ言って麻美と私を席へ招いた。
『満卓になるところだったよ』
事実私たちが促された席が最後の空席の様だった。
『やたら声掛けたんじゃん』
いやそんなことはないよと言いながら吉田さんは麻美のボトルを用意した。
『で・・どの子なの?今日から新人君は』
『あそこで、よくしゃべってる奴と今歌ってる奴』
こちらからは後ろ向きでサラサラとしてそうな長髪の男の子と、小柄な男の子に視線をくれた。
『健太郎!』

◇第1章☆C◇ 

December 01 [Thu], 2005, 17:24
吉田さんの声にその子が振り向いて立ち上がる。私たちの席に来る。
『今日入店の健太郎だ・・・頼むよ』
『麻美さんだ。きっちり習ってくれ。ホストって奴をさ』
『何言ってんのよ。教えるなんてできないよ』
麻美はバックから煙草を探しながらそう答えた。
『いえいえ、俺は麻美に一から教えてもらったさ』
私は場違いな会話のやり取りを黙って聞いていた。いつ帰るねと切り出そうかタイミングを計っていた。
『あ・・ごめんね・・仁!』
吉田さんが私のそんな気持ちに気づいたのか、そう叫んだ。
さっきまでカラオケを歌っていた《仁》と呼ばれた小柄な男の子が・・・来た。

私に近づく優しき人・・その始まりが軽やかにはじまろうとしていた。
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