石巻の医療、患者対応で今も手探り−【震災1か月】

February 16 [Thu], 2012, 12:58
石巻の医療、患者対応で今も手探り−【震災1か月】
震災から2週間余りが経過した石巻市内の様子。上部に見える白い建物が市立病院 4月14日午後7時現在の警察庁のまとめによると、東日本大震災による宮城県の死者は8253人で、全体の約6割を占める。同県石巻市では2725人(13日午前8時現在)が命を落とし、これまで判明している死者は県内の市町村で最も多い。津波で建物が損壊したり、浸水で医療機器が使用できなくなったりと、医療機関の被害も甚大だ。震災発生から1か月余り―。同市内の医療者からは、従来の枠にとらわれない新たな医療連携の構築を求める声もあるが、目の前の患者への対応に追われ、今も手探りの状態が続いている。【複数の写真が入った記事】 石巻消防署によると、震災が発生した3月11日から4月13日までの石巻医療圏(石巻市、東松島市、女川町)内の救急車の搬送件数は2370件。過去最多だった昨年の搬送件数(8048件)の4分の1以上に上っている。 同圏内には8つの二次救急病院があるが、津波で壊滅的な被害を受けた石巻市立病院(夜間急患センターを含む)、同市立雄勝病院、女川町立病院は現在、救急患者を受け入れていない。搬送件数は3月16日の124件をピークに低下し、4月13日には41件にまで減少したものの、その9割以上が石巻赤十字病院に搬送されている。■通常の検査、手術がストップ 「震災から1か月がたった今も、現状は変わっていません」。地域の災害拠点病院である石巻赤十字病院の飯沼一宇院長はこう話す。 同病院(402床)の入院患者は、3月14日の439人をピークに減少傾向にあるものの、救急車の搬送件数は通常の3倍近くにまで増加。避難所の衛生環境の悪化による呼吸器疾患で入院する患者も多いという。4月4日から一部のかかりつけ患者の診療を再開したが、重症患者以外の通常の検査や手術は今も休止したままだ。 「春は職員の入れ替えがある。体制が整っていない時期に震災が重なった」(飯沼院長)。このため、病院側は対応に苦慮しているという。 一方、東松島市にある仙石病院は震災以降、外来患者が急増している。これは石巻市立病院が閉鎖し、同市内から患者が押し寄せたためだ。仙石病院によると、4月11日をピークに減少しているものの、それでも13日は455人と例年の約1.5倍だったという。 また、木曜日のみ行っている皮膚科の外来診療は、周辺の診療所が被災した影響で患者が増加。さらに、近隣にある透析専門の病院も浸水被害を受け、そこから37人の患者を受け入れた。「大変なのは患者さん。待ち時間も増えている」(医事課の担当者)。■土日祝日の当番医も「当面は困難」 石巻市医師会などによると、市内にある病院、診療所合わせて110施設のうち、14日までに再開しているのは74施設で、少しずつ復旧の兆しが見えてきている。その一方で、医師が震災で命を落としたり、津波で建物が全壊したりするなどして、既に閉鎖に至った診療所も7施設あるという。 また、浸水で医療機器が損壊し、再開のめどが立たない医療機関も多い。特に、産科と小児科の診療所が不足している。同医師会では当面の間、土日祝日の当番医や特定健康診査などへの協力ができない状態だ。 病院や診療所が手探りの対応に追われる中、市内の在宅患者は県外に避難するなど、各地に点在している。また、震災で家を失ったため、在宅医療に戻れない患者も多いという。 市内で在宅医療専門の診療所を営む佐藤保生所長の元には、57人の登録患者がいるが、「在宅医療を再開できるかどうか分からない患者が多い」(佐藤所長)のが現状だ。このうち3人については、今も安否が確認できていない。■新たな医療連携、「発想の転換を」 震災発生から1か月余り―。市内の医療者からは、従来の発想にとられない新たな医療連携を求める声も上がっている。 「大きな問題は、JMAT(日本医師会災害医療チーム)などがいなくなった後、一次救急や夜間急患、休日の外来当番をどうするかだ」 石巻市医師会の舛眞一会長はこう指摘し、医療圏などにとらわれない新たな広域連携の可能性も視野に入れている。一方、飯沼院長は「沿岸部の新たな医療連携も含めて、県全体で協議する必要がある」と話す。 ただ、「今は混乱期なので、もう少し時間が欲しい」(舛会長)、「地域全体を見て、医療体制を構築するには時期尚早。少なくとも5月いっぱいまで時間が欲しい」(飯沼院長)と、当面は事態の収束に集中して取り組む考えだ。 一方、佐藤所長は「発想の転換」を強調する。 「医療連携はとても大事で、みんな一生懸命やってきたが、今回は逆のことが起こって、(唯一機能していた)日赤(石巻赤十字病院)に一気に患者が運ばれた。紹介状も何もなかったが、そんな状態でも医療はできる。発想の転換が必要ではないか」放射性ヨウ素、50分の1外部に=総量推計、2号機が最大か―福島第1原発・保安院
福島第1原発事故で、経済産業省原子力安全・保安院は14日、東日本大震災で原子炉が停止した際に1〜3号機にあった放射能量について、放射性ヨウ素で計610万テラベクレル(テラは1兆)だったなどとする推計を発表した。 12日に保安院が発表した総放出量と比較すると、放射性ヨウ素で約50分の1、放射性セシウムで約120分の1が外部に放出されたとみられる。 保安院は1〜3号機の個別の放射能量を推計しているが、「全体像を示すことが重要と考えた」として総量のみを発表。放出量は2号機が最も多いとの見通しを示した。 保安院によると、推計は1〜3号機で生じた放射性物質について、格納容器内への沈着や水への溶け込み、圧力低下のために弁を開放した作業による放出や漏出などを考慮し、放出率を解析した。 燃料の構成などはモデル化された値を基に計算しており、保安院は今後、実測値などを踏まえて、各号機の詳細な放射能量を見直すとしている。
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