第12話 さよなら思い出 

2006年03月07日(火) 20時07分
??初ライヴまであと10日。
バンド名はmagoreine(マゴレーヌ)に決まった。

曲のほとんどは、かっつんが作った。
だから俺が弾くところは
ほとんど無い。(3コードオンリィ)
別に、麺としてステージに立てればそれでイイ。

ひとつ、困ったことがある。
メイク用品と衣装がない。
色々教えてくれていたミルンは
最近、あまり真剣に話を聞いてくれない。
ラレーヌのドラムが脱退して、
自分がラレーヌに入れるんじゃないかと妄想して
ニヤニヤしている。

とりあえず、お金が必要だ。
だから、大切なアレを売ることにした。

惣流・アスカ・ラングレー
クリスマスサンタ使用フィギア。

俺が学生の頃、
ない金をしぼって買った思い出のフィギア…

あの店…
まんだらけに行くのは久しぶりだ。
久しぶりに早く起きて
箱からアスカを出した。
完璧な保存状態。
こうして直接手にとるのは数回目だ。

開店の12時に着くように家を出た。
店内は既に懐かしい人種でいっぱいだった。
アスカを抱えてカウンターへ向かった。
番号札をもらい、査定の時を待つ。

予想以上の査定額だった。
さよなら、アスカ。

アスカに似ていた彼女を少し思い出した。
コスプレ店員なんて、
たいしたことない。
彼女の、アスカのコスプレは
世界一だったと思う。

第11話 ファンタスマゴリア+ラレーヌ=… 

2006年03月01日(水) 1時51分
とりあえず、ファンタスマゴリアと
ラレーヌみたいなバンドだと返事した。

アホそうなバンギャ(名前は愛というらしい)からの返事は…

【本文】
そうなんですか?!
あたしはどっちも
好きなんですよ{ハート}

わけがわからん。
めんどくさい。ほっとこう。


次の日、ギターの弦が切れて
取り替えれないままでいた俺は
諦めて上手ギター(かっつん)に電話した。
家が近所ということもあり
説明に疲れたかっつんは
わざわざ取り替えに来てくれた。
無言のまま、その鮮やかな(?)手つきを見ていると
携帯が鳴った。

バンギャ(愛)
【本文】
バンドの名前どうなりました??
スゴイ考えてるのに
私なんかには決められないです(>_<)

…う ざ い
もうコイツが何を考えているのか
俺には理解できない。

だけど俺の仕事は、動員を増やすことだ。
SASAKIの言葉を思い出した。

「バンギャ=諭吉(金)だと思えばイイ」

第10話 麺会議 

2006年02月28日(火) 1時31分
ついにミーティングの日が来た。

リーダー(ベース)のSASAKIは尊敬している
キィ様という人みたいなバンドをやりたいと言った。

ドラムのミルンはラレーヌみたいなバンドをやりたいと言った。
ミルンはラレーヌのベース(えみる)に憧れていて
いつか一緒にバンドをやれる日を夢見て
コスプレに励んでいるらしい…

ヴォーカルは唄に自信がないから
ひたすらシャウトしたいと言った。
…前のバンドの音源を聴いたけど
はっきり言って、下手 だった。

それからもう一人。
俺と同じギターは
目立ちたがりなのか何なのか
「お前は適当に弾いてればイイから」と言った。
確かにまだ始めて一週間だ。
だけど、そんな言い方しんくても…

そのうちにメンバー達は
俺の知らない専門用語いっぱいで話始めた。
そして俺に言った。
「お前は動員増やす事だけ考えろ」

…動員?
そうか、俺に出来るのはバンギャを集める事くらいか。

3日前にライカの階段で連絡先を渡してきた
いかにもアホそうなバンギャを思い出した。
何にも決まってないからバンド名を一緒に考えて欲しい。
というようなメールを送ってみた。
返事はアホみたいに早かった。
バンドの傾向を聞かれた。

第9話 初ロリータ 

2006年02月24日(金) 15時08分
こんなかっこいいギターが弾けるようになれるのか・・・
今日は朝から練習しているけど
思うように弾けない。

ギター始めて、まだ1週間だしな。

けど、他のメンバーは皆バンド経験者だ。
早く曲作って、ライヴしたいって言っていた。
リーダーは無理しなくてイイって言ってたけど
やっぱり焦る・・・

今日も麗那から呼び出しがあるかもしれない。
そう思っていたけど、2時過ぎても
麗那からの連絡は無かった。
その代わり、バンドのドラムから電話があった。
バンドのことで話したいと言われた。

俺の、始めたばかりのギターじゃ足手纏いなのか?
俺の顔はヴィジュアル系に向いていないのか?

待ち合わせのスタバに迎いながら、
ドラムから「バンドを辞めてくれ」
と言われることしか考えられなかった。


だけど、俺の心配はムダだった
先に待っていたドラムは、俺を笑顔で迎えた。
そして、iPodを渡された。
「これね、ヴィジュアル系しか入ってないの。
あんまりヴィジュ知らないって言ってたから
僕が持ってるのみーんな入れたよ
・・・ドラムの、この女みたいな話し方はキモイ。
だけどありがたい。
「ありがとう・・・」

渡されたiPodは俺のために用意したものだった。
「いくら?」
財布を出そうとすると
「いらないよだって、前のバンドの時に
ファンの女の子がくれたヤツだもん。」
・・・仕草も女っぽい。
色白で小柄、顔もキレイだ。
化粧して女の格好したら、
男って気付かないかもしれない。

ドラムに、俺の顔でヴィジュアル系が出来るのか聞いた。
そしたら化粧してみるか聞かれた。
頷くと、ドラムの家に連れて行かれた。

言われるままに化粧して
前のバンドの衣装だったらしいロリータの服を着た。

鏡の中には別の俺がいた・・・

第8話 芽生え 

2006年02月23日(木) 0時13分
一通りDVDを見終わって俺は悟った。

やはりヴィジュアル系は名の通り

 見た目 

だってこと。

そう考えていると俺は自然に鏡を見ていた。
そういえば、化粧なんかしたことがない。
俺はどんな顔になるんだろう・・・・。

ナイトメアのDVDをもう一度見ながら

ピアスやカラコン・・・・
まだまだおれは普通なんだとおもった。
ダサいし普通・・・どうしようもないな。俺。
どんどんなくなっていく自分への自信は
どうすればいいんだろう。
こんな何もない俺を拾った麗那には
俺はどんな存在なんだろう・・・。

今日は色々リーダーとの相談事も増えたし
ひとまず帰ることにして、
deadmanと蜉蝣のCDは
借りることにしたことをメモに書き
俺は部屋を出た。

来た時と変わらない風景は
相変わらずのんびり時間を刻んでいた。

何も変わっていない現実。

俺は変わりたい。

そんな現実と自分の摩擦。

蜉蝣の「ゆびきり」を聴いて
少しだけ自分を重ね心が落ち着いた。
こんな歌詞のバンドもあるんだなぁ・・・・。
彼女はナイトメアの何の曲が好きって
言ってたのかさえ思い出せない。

せめて、俺頑張るからって
胸張って言えばよかった。

結局何も言えずに別れだけを受け入れた。

こんな感傷的な歌、初めて聴いた。
音楽に満たされることもなかった。
家に着いたらすぐギターが弾きたくなった。
もっとうまくなりたい。

第7話 ヴィジュアル系勉強中の麺 

2006年02月18日(土) 10時41分
麗那から電話があったのは次の日の昼頃だった。
栄で待ち合わせて、昼飯をすませて、麗那の部屋に行った。
店から与えられたらしいアパートの一室は
生活感がなく、洋服でいっぱいだった。

麗那は数十枚のCDとDVDを取り出してきた。
「2週間でこのバンド把握して」
「…えっ?」

麗那は、俺がヴィジュアル系をほとんど(全然?)
知らないことを感付いていたらしい。
誤魔化すのは無理だから
麗那に応じることにした。
それに、何より自分のためになる。

麗那の解説を聞きながら、
少しヴィジュアル系バンドを覚えた。
ガゼット、蜉蝣、MASK、
アンティック珈琲店、12012…

麗那が出勤してからも、麗那の部屋で
ヴィジュアル系の勉強を続けた。
ナイトメアのDVDを観てたら
彼女に電話しそうになった。
衝動に耐えて、
バンドのベース(リーダー)に電話した。
バンド経験5年のベースに麗那の事を話すと
「知ってるバンギャかもしれない」と言った。
それから、無理せずに
気に入ったバンド名だけ覚えろと言われた。

だけど、バンドの傾向とバンド名を決める
ミーティングは3日後だ。
焦りから、手当たり次第にCDを聴いた。
Phantasmagoria、ヴィドール、
彩冷える、deadman…

ヴィジュアル系勉強中の麺なんて、ダサすぎじゃん

第6話 月5万円也。 

2006年02月16日(木) 0時52分
アホそうなバンギャは
ご丁寧にレシートの裏に携帯番号とアドレスを書いていった。

まぁこいつは様子見でいい。
そのうちに時間ができたらメールすればいい。


正直、実際にやろうとするとすごく疲れることに気づいた。
何でこんな奴と喋らないといけないのかよくわからない。

時間が経つにつれて
自分がどんなに彼女に依存してたのか
馬鹿みたいに思えてきた。
これは広い意味で復讐なのかもしれない。
だけど・・・
彼女がもう一度自分を見てくれるかもしれない
そんなねちっこい自分がすごくちっぽけだった。


次に現れたバンギャは明らかに夜の香りがした。
男のことを十分に知ってる甘い目が
今の自分にとっては救いのようなものだった。
少し言葉を交わしただけで

「お茶でもしない?」

と誘ってきたからそれに応じた。

やっと飯が食えそうだ。


階段から立ち上がると少し体が軽くなっていた。
もう、どうにでもなればいい。
適当に切り上げて
ねちっこいラブソングでも書けばいいんだろ。
やってやるよ。
やってやるさ。


カモは美味しくいただかないとな


飯と服まで買ってくれたバンギャは麗那(レイナ)という源氏名だけいって
夜の街に消えて行った。
「月5万であなたを買いたい」
と言っていた。

まぁそれも悪くない。
どうせ夜は仕事だし昼間だけ相手をすれば5万・・・。

不思議と変わっていく自分の世界に違和感はなかった。
実は前からこうしたかったのかもしれないな。

第5話 失恋の癒し方 

2006年02月14日(火) 15時06分
「すぐ戻るからココで待っててね」
いつも彼女はそう言って、俺をこの階段に待たせて
ヴィジュアル系のCDを買うために店内に入っていった。
嬉しそうに階段を駆け上がっていく彼女を
今でも鮮明におぼえてる。

今、一人でこの階段に座っているのは
彼女が忘れられないからかもしれない・・・

出逢った頃、恥ずかしそうにナイトメアが好きだと言った彼女は
いつの間にか、聞いたことの無い小さなライヴハウスに通うようになって
俺に別れを告げて、麺と付き合いだした。
バンギャにとって麺は絶対の存在らしい。
だから、麺になることに決めた。
アホなバンギャを利用してバンド活動することにした。

彼女はナイトメアのギターが好きだった。
だから貯金をはたいてギターを買った。
バンドに専念するために仕事をやめた。
さっき、彼女が家に忘れていったショックスを持って
美容院で麺っぽい頭にしてきた。
・・・お金がない。
昨日から何も食べていない。
階段の真横の食堂から食べ物の匂いがする。
煙草で空腹を誤魔化しながら考えた。

バンギャに飯をおごらせよう

「バンドやってる方ですか?」
頭上から女の声がした。
見上げると、アホそうなバンギャが立っていた。

カモ発見

第4話 初メールA 

2006年02月13日(月) 19時21分
理奈はメールし終わると最近のお気に入りの麺の話を始めた。

「もーまじこないだのライブとかムカついたんだけど」

「何かあったの?」

「入り待ち出待ちして最前はいって欲しがってたヴィヴィアンのアクセあげたのに
メールしてきたの2日後だよ。ほんと最悪。」

「でも打ち上げとか何だかんだ遠征だったし忙しいんだって」

と理奈にフォローを入れながらも
理奈の話してる麺はまた新しい人らしくバンド名はわかるけど顔がわからない。
適当に話を合わせながら慎重に返信文を考えた。


【本文】
メール有難うございます
びっくりしちゃいました
あたしが一緒に考えちゃっていいんですか
どういう感じのバンドなんですか?



送信。

あたしは返事が来るように出来るだけ疑問文を最後にしている。
あんまり長くてうざがられたくないし。
短くても聞きたいことは聞きたい。
趣味とか好きなものとか何だろう・・・・。

早く返事来ないかな・・・


理奈の愚痴はいつも疲れるのに今日はずっと聞いてあげれる気がした。


第3話 初メール 

2006年02月12日(日) 19時39分
ライカの階段での出会いから3日――
あたしの携帯に麺からのメールが届いた。

あたしはバンギャ友達の理奈と、マックで遅めの昼食をとっていた。
理奈の携帯が鳴った。
メールだったらしく、理奈は器用にボタンを押しながらエビフィレオを頬張っている。
あたしも何となく携帯が気になって、バッグから出した。
その瞬間、メール受信中の表示になった。

…知らないアドレス。

【本文】
3日前、ライカの階段で話した者です。
実はまだ、バンド名も決まっていません
ただメンバー揃えただけって状態(^_^;)
もし良かったら一緒にバンド名考えてくれませんか?


…あの麺からだ!!!!!!!!!!!


「一緒に」って言葉に胸が高鳴る。
メールを読みながら、あたしの手は震えてた。

理奈はメールに夢中で、あたしの動揺には気付いてなかった。

理奈にはまだ内緒にしとこう…

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