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くんちゃんのえほん / 2006年06月02日(金)

絵本の話題、もいっちょ。
昨日行った図書館で久々に
「くんちゃんのだいりょこう」を手にとった。
他のくんちゃんシリーズも借りてみた。

「くんちゃんのだいりょこう」と最初に出会ったのは、
いちのすけ文庫の坪川祥子さんの講演会で、だった。
なんでも、坪川さんの知り合いの方で、
このシリーズを自分の「子育て本」にしている方がいるとか。

その方の気持ち、本当によーくわかる。
くんちゃんのおとうさんとおかあさんのなんて大きな愛!愛!!
この深い愛にうたれ、自分もくんちゃんに…この両親の子どもに
なりたいとさえ思ってしまうよ、いいトシこいて。

借りてきた5冊の中で私はやっぱり
「くんちゃんのだいりょこう」がダントツで一番好き。
愛の大きさに加えて、ゆったりとした時間の流れがいい。
その次に「くんちゃんのはたけしごと」かな。



「だいりょこう」の話はこう。

寒くなってきたから冬ごもりをしようと話しているくんちゃん家族。
くんちゃんは、木の上にとまる鳥が
暖かい南の国へ飛び立つことを知る。
そして次からの会話。
くんちゃん:「ぼくも みなみのくにへ いっていい?」
おかあさん:「とりたちは あたたかいところへと わたっていくのです。
        でも、くまは ふゆは ねむるのです。」
くんちゃん:「でも、ぼく いちどだけ いってみたい。
        ぼくも わたっていい?」
おとうさん:「やらせてみなさい。
        だが、くんちゃん、かえりみちを よくおぼえておくんだよ。
        まつの木を めじるしにしてね。」
…くぅ、泣ける、このおとうさん。
目印だけを示し、あとは本人にまかせる…
子どもを愛情と信頼で包みこんでいるからこそできること。

そして丘を駆け上り、まつの木で一度立ち止まるくんちゃん。
遠くのまつの木の下で小さくなったくんちゃんを見送るおかあさん。
後ろを振返るくんちゃんは、おかあさんが手を振るのを見て、
さようならのキスをしてこなかったことを思い出し、
また丘を駆け下り、くんちゃんはおかあさんにキスをする。
…かぁ、泣ける、こりゃまいった。

くんちゃん、ほんとに楽しい子で、
丘を上ってまつの木までいっては、双眼鏡がいるなと思いつき、
戻ってまたおかあさんにキスをして出発、
また丘にのぼっては釣竿がいるな、と戻って
またおかあさんにキスをして出発。
また丘に上って、次々に水筒、麦わら帽、釣竿…と思いつき、
その度に戻ってキスをし出発していく。
そしてとうとう最後には丘を上りながらあくびが出てくる。
「ぼく、りょこうにでるまえに、うちへかえって、すこし やすんでこよう」   
となり、かえってベッドにはいる。
勿論このときもおかあさんにキスをしてから。
眠るくんちゃんをやさしく見つめながらの両親の会話。
おとうさん「くんちゃんが かえってきたようだね。」
おかあさん「かえってきました。
        みなみへ わたっていかないとおもいますよ。」
おとうさん「なに、くんちゃんは これから ふゆじゅう
       ぐっすり ねむるよ。」 
…おしまい。ね、ね、いいでしょう?

「はたけしごと」も読むと、
「子どもが育つってこういうことなんだよな」って思う。
「あとがき」に訳者のまさきるりこさんが書いているコトバがまたいい。
「”くんちゃんシリーズ”のどの本の底にも流れているのは、
 ごく自然な、しかも深くて広い愛情です。
 そして子どもをみつめるその眼は、気負わず、力まず、理が勝ちもせず、
 情にも流されず、これまたごく自然でかつ適確です。」
この「理が勝ちもせず、情にも流されず…」ってなんてうまい表現だろう。

くんちゃんシリーズはドロシー・マリノ作で
「だいりょこう」だけ岩波書店より、あとはペンギン社から。
「くんちゃんのだいりょこう」は本当にオススメ。
ココロがちょっと疲れた時など特に、
こんな大きな愛にふれてみるといいのかも。
いわゆる自分の内のインナーチャイルドも癒され、
ココロの”血行”がよくなってほかほかあったかくなる、そんな後味。

気になっていた絵本に出会い直し、
そして他のたくさんの絵本たちにも出会え…だから図書館っていい。
こんな素敵なパンフも見つけたし。
「越前市武生公会堂記念館」の案内なんだけど、
誰のデザインだろう、すごく素敵だな。

Posted at 00:05 / ほんやてれびやえいがのこと / この記事のURL
コメント(2)
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コメント

keyさんへ

おはよう、keyさん。
くんちゃん…意外とないんですよねぇ、本屋さんに。
私も一番ほしい「だいりょこう」は手に入ってなく、
持ってるのは「おおいそがし」だけなんです。
私も…Amazonで買っちゃおうかしら。
サイドバーの右に「だいりょこう」のアフィリを
貼ると思うのだけど、自分用なので気にしないでね。
(Amazonは、自分で買っても少しだけ還元されるので、
 欲しいと思う本を自分用に貼ってるだけ^^;)

林明子さんの本では、私は「はじめてのおつかい」と、
「おでかけのまえに」が好きです。
林さんのは、絵も目線もやさしくて、
ふんわりとした愛に包まれた作品ですよね。
表紙だけで開いたことのなかった「きょうはなんのひ?」。
あの瀬田貞二さん作なんですね。
で、内容を知ってまたビックリ。
実は、まさに今日!うちの夫婦の結婚記念日なんですよ。
またkeyさんとシンクロ?
まさにタイムリーな話題をありがとう。
今日、ハンカチ用意して本屋に寄ってみよっかな。
それにしてもkeyさんの感性って、ほんとに素敵。
Posted by:meg at 2006年06月09日(金) 08:00

ココで『くんちゃんシリーズ』を知り、本屋さんで探したのですがまだ手にしていません。
愛情を持って放任する親の姿や、子供の無垢で親の愛を受けて安心して育っている様子が会話の中から伝わりますね。
Amazonで買っちゃおうかしら。

ワタシは『 きょうはなんのひ?』が好きです。
(福音館書店 瀬田 貞二, 林 明子)
姪っ子のお誕生日のプレゼントに絵本を探しに行った時、昔家の本棚にあった絵本を見つけ何気なく読み返したら…本屋で号泣してしまいました(笑)
胸が締め付けられると言うか、幸せ過ぎて、だから泣けてしまうのです。

もちろん本の中の誰かで、実在しなくとも、誰かに愛され愛す姿に安心し嬉しくなってしまいます。『よかった』と本を閉じる時胸が一杯です。
Posted by:key at 2006年06月08日(木) 22:58

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