資産運用で守りたい投資ルール

March 14 [Sat], 2009, 14:41
たくさんの個人投資家を見てきて思うのは、多くの人が何か勘違いしているのではないかという事です。投資する資金の7、8割(コア=中核部分)は着実に資産を増やすために手堅く分散投資し、残り2、3割の余裕資金(サテライト=衛星部分)で比較的ハイリスクの投資をまかなう。それが運用の世界では基本であるということが十分知られておらず、大半の個人投資家が全く逆の行動をとっているように見えます。つまり、7、8割の資金を国内株式の個別銘柄のような比較的高リスクの商品に振り向けてしまっていて、十分な資産分散を図れていないケースが少なくないのです。分散が大事だということまでは分かっている人の中でも、さらに誤解もあります。そういう人に聞くと、「いや、鉄鋼株とIT株に分散しているから、ヘッジは利いている」と答えたりするのです。でも、それは本質的な分散投資とは別物。同じ国内株式というアセットカテゴリーの中でいくら分散しても、国内株式相場が総崩れになった場合は、下落の渦にそろって巻き込まれてしまいます。「資産カテゴリーAが下落した局面では、資産Bは反対に上昇する傾向がある」といった、異なる値動きを歴史的、論理的に示すはずの複数アセットに分散しなければ、リスクをヘッジしたことにはなりません。同時に長期的なリターンの安定も望みにくいのです。世の中にはあまりにもたくさんの金融商品や投資手法があり、投資初心者は戸惑いがちです。でも、『月光!マネー学』(日本経済新聞出版社刊)に挙げたように、国内外の株や債券に分散投資して、10年保有すれば、10年後の時点で2倍近く(複利ベースで平均年率6.6%、1981年以降の平均)に増えたというデータがあります。つまり、個人が投資するのであれば、4つのルールを守って投資すれば、年率6.6%程度の期待は持てるわけです。その4つのルールとは、「分散」「長期」「コア&サテライト」「低コスト」です。逆に、最初に挙げたようなハイリスク資産に偏った投資を続けていると、長期的には資産を目減りさせてしまう危険性が高くなります。失敗を繰り返すうちに、元本が痛み、リタイア後の暮らしを支える大事な虎の子が縮んでしまっては、それこそ元も子もありません。年金や公的保険などの枠組みが揺らぎ、国や勤め先に老後を保障してもらいにくくなってしまった今だからこそ、自分たちの老い先をチップ代わりにするようなギャンブルは慎まなければならないでしょう。生命保険文化センターの調査によれば、定年退職後のゆとりある生活のためには、1カ月38万円必要だそうです。しかし、平均的な年金収入はこの額には足りず、退職金が仮に2500万円もらえても、月々の不足分を補っていたら、15、6年で底を尽いてしまうという試算もあります。しかし、年5%程度で退職金を運用できれば、使い果たすまでの期間を26、7年に延ばすことができます。今や資産運用のノウハウ不足は国民的な「今、そこにある危機」となりつつあるのです。資産運用を教わる方法には、金融機関が開くセミナーが知られています。ただ、こうしたセミナーでは個別銘柄選びやチャート分析、売買タイミングなどがテーマに据えられることが多く、基本とすべき投資スタンスを教えてもらえる機会はあまり多くないようです。個々の主催金融機関の思惑が働いてしまいがちになるのも、複数の金融機関・商品にまたがって分散投資したいと考える個人投資家にはありがたくないところでしょう。そう考えると、ある程度は自分で戦略を練っておく必要がありそうです。その場合に心がけてほしいのが、先に挙げた「分散」「長期」「コア&サテライト」「低コスト」の4原則です。それぞれの意味や、実際の商品の選び方、投資以外のリターン確保術などについて、次回以降、説明していくことにしましょう。
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