日々の映画や読書日記です。ネタバレ必至。

『人並みという幻想』 岡村遼司(2006年 駒草出版) / 2006年12月07日(木)

論文かと思ったらエッセイ。


良いことを言っているようでいて
(言ってるんですけど)
他人の文章を切り貼りしたり、
すてきな本を紹介、人から学ぼう!
みたいになっていて
学生の苦しいレポート風の雰囲気がただよいます。


教授なんだから論文書いてくださいよ、とか
お前が言うな!とか思ってしまうのは
社会人なら当然だと思うのですがどうでしょう。

あとがきの「自信ないのであまりつっこまないで下さい」的なコメントにも
コラー!です。

それを考慮しても、引用の能力はすごいものだと思います。
何だかんだで面白い人です。
 
   
Posted at 22:23 / 読書 / この記事のURL
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『LUNACY』 ヤン・シュヴァンクマイエル  / 2006年11月21日(火)


 試写会にて完全成仏しました。
 

 世界を精神病院に例えるなど、
 チラシ通り確かに「哲学的ホラー」です。
 チラシ文句通りの映画はなかなかないので
 担当者がちゃんと観た上で決めた
 文句なのだと思います。


シュヴァンクマイエルが愛されているのはよくわかりましたが
キリスト教に背きすぎていて
日本以外では評価されなさそうな雰囲気です。

本編が始まる前にシュヴァンクマイエル本人のコメントが入るという異例の事態が一番ホラーでした。
 
   
Posted at 23:23 / 映画 / この記事のURL
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黄色い本―ジャック・チボーという名の友人(高野文子) / 2005年12月11日(日)


短編集。


高野文子の漫画は、一コマ一コマが
なつかしい写真みたいでいいです。
ある動きを変なところで切り取る、
品のある絵です。




普段の会話がまたいいです。
幼い従妹との会話。
「実ッコちゃん 電気つけると暗いねえ」
「ええ?明(あか)れよう 電気は」
「電気つけると夜んなったねえ」
「ああ、夜んなったねえ 外は」


この本に収録されている「マヨネーズ」が私は好きです。
OLとか学生とか主婦とか、ありふれたものが
高野文子にかかるとありふれません。
ありふれているようで、心にこっそり革命を持っていたり。
誰だってそういうありふれない日常を生きてるんだと
気づかされる一冊でもあります。
 
   
Posted at 23:36 / まんが / この記事のURL
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『スイミングプール』(フランソワ・オゾン/2003年) / 2005年11月29日(火)


まるで吸い取ったかのように、
疲れた熟女と若い女の子の美しさが
いつの間にか入れ替わるお話。

何かを乗り越え、美しくなった熟女の目には、
かつてこの上なく美しく映った女の子が
もはや魅力を失って映ったことを描写しているのかどうなのか、
最後は女の子が可愛くない別人になっています。

上映当時はおしゃれ映画として売り出されていましたが、大嘘です。
ホラーです。
 
   
Posted at 22:15 / 映画 / この記事のURL
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ALICE(ヤン・シュバンクマイエル/1988年) / 2005年11月27日(日)
長編。

気の狂ったウサギとの戦いぶりといい
靴下の部屋といい
首のちょん切りっぷりといい
ネズミの死に方といい
少女特有の残酷さといい、

原作の悪夢っぽさは
この映画が一番よく出しているのではないかと思いますが
シュバンクマイエルらしすぎて
常識面から非常識面を疑ったときの恐ろしさが出ていないので
『オテサーネク』を超えてはいないと思います。
『オテサーネク』の方が後ですが。

来年の新作が楽しみです。
 
   
Posted at 18:08 / 映画 / この記事のURL
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忘れられた日本人(宮本常一) / 2005年10月25日(火)

聞き書きおいしいとこ取り集。

宮本常一は民俗学者。
日本中を旅し、
百姓のおじいちゃんおばあちゃんに、
生活の話を聞いて回ります。
そこで聞いた話を、選りすぐりで載せてある本です。
ものすごく貴重な話の数々です。


いつの間に欧米型の考え方を身につけたのかどうなのか、
私たちは、生活することに対して
ある思い込みのようなものを持っていたかもしれません。
昔は今よりもおもしろおかしく暮らしていたのかもしれないのに、
今が進んでいて、昔は劣っていると言い切ることはできません。

そればかりではなく、
「人々が生きる」ということはどちらかを比べて
優劣をつけることではない、
ということがわかります。

使っている日本語がとてもきれい。
「あそぶ」「たのしむ」「おもしろい」
という言葉は、ひらがなの方が品があります。
 
   
Posted at 21:37 / 読書 / この記事のURL
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甘い蜜の部屋(森茉莉) / 2005年10月24日(月)

小説。

もうすんごいです。
何と言っても主人公の名前が「モイラ」だし。

モデルは、森茉莉自身とその父、
鴎外なんでしょうが、
内容も滅茶苦茶です。
なぜか周りの男性(ロシア人率高し)は
父とモイラが交わす微笑みに次々と嫉妬し、
彼らの人生を狂わせ
最終的には夫・マリウス(なぜか日本人)を自殺に追い込みます。

そんなモイラに父はいつも
「悪いモイラめ」
と、例の微笑を浮かべるのです。

やはり父と娘というものは特別なようです。
 
   
Posted at 20:55 / 読書 / この記事のURL
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オデッセイ1966〜2003―岡田史子作品集 (Episode1) / 2005年10月18日(火)


短編集。


どの作品も観念的で
意味がわかりませんが、
一心不乱に描いている感じが
楽しめました。

私は彼女が描くような作品を勝手に
「わがまま文学」
と名づけ、こっそり楽しんでいます。
「わがまま文学」は、人との対話を拒否する文学です。
というのは言いすぎだけれど、

優しくない、
わかりやすくない、
言葉が軽くない、

という感じでこの言葉を使っています。

頼まれもしないのに
何のメッセージも含まない自分をさらけ出し、
形にしてしまうこと、。
それしかできない人を私はとても、
好きだなあと思い、ひそかに尊敬しているのです。
 
   
Posted at 22:17 / まんが / この記事のURL
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オニババ化する女たち(三砂ちづる) / 2005年10月01日(土)
学生時代、
偶然お会いした
産婦人科の先生(男性)に
勧められて読みました。

アマゾンなどのレビューを読むと、
「オニババとは何だ」
「主観的」
「買うだけ無駄」
「意見の押し付け・余計なお世話」
等々、批判している人が
6割〜7割を占めてます。

この中のどれだけの人に
子どもがいるのかはわかりません。


私はといえば、
女性がかつて、
いかに自分の体について知っていたか
という内容を興味深く読みました。

片や妊娠したくないときはそのようにコントロールでき、
片やピルを飲んで体に圧力を加え、妊娠を防ぐ。
とか比較されるとつい。
ピルとかなぜ推奨されているのかよくわからないもので。

単に体が弱いだけかもしれませんが
20代も半ばになってくると、
無理がきかないというか、
身体性と向き合わざるを得なくなってくるというか、
からだがすべて知ってるのではないかという気がしています。

生理の経血のコントロールから
妊娠・出産のコントロールまで、
女性が当然のようにできていたことができなくなったのは、
主に医療のせいなんだそうです。
医療のせいで、出産も痛いだけのものになってしまったんだとか。
本来、出産はとても気持ち良いものなんだそうです。

実際に産む産まないの選択は別として、
産んでみたいかも・・・と思わされる一冊であります。
 
   
Posted at 22:59 / 読書 / この記事のURL
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トコトコ節(いましろたかし) / 2005年09月28日(水)


短編集。

ストーリーといったストーリーがない。
生きる気力もなく、
定職に就かない(就けない)人たちが、
その日その日を生きているような話です。
たまに、「何かやろう!」と思い立つけれど、
思うだけです。
何かやろうとすると、
その日に限ってバスがストだったりとか。

ここまでのいましろ漫画は、
必死で「モテ」と戦っていたけれど、
この『トコトコ節』では、その力を失っています。
失いつつ、
合コンでB'zを歌ってしまうような
「かっこ悪いもてたさ」は嫌いだけれど、やっぱりもてたい。
こうやって生きてる人もいるんだなあ。

読む人が読めば、
「ああ、これは私だ」と思ってドキーンとするはずです。
かっこつけてるわけでもなく、
わざとかっこ悪くしてかっこよく見せようというわけでもなく、
本当に、どうあがいてもだめで
「かっこ悪い」ということは大変なことです。
とても他人事とは思えません。
 
   
Posted at 23:43 / まんが / この記事のURL
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