イングリッシュナショナルバレエ「海賊」

July 15 [Sat], 2017, 7:40
2017年7月14日(金)18:30〜
東京文化会館大ホールにて

「コッペリア」で開幕、タマラ・ロホ率いるイングリッシュナショナルバレエ(旧サドラーズウェルズ)の
「海賊」初日に行ってまいりました。

メドーラ:タマラ・ロホ / コンラッド:イサック・エルナンデス
アリ:セザール・コラレス / ギュルナーラ:ローレッタ・サマースケールズ

多国籍のイングリッシュナショナルバレエにぴったりのエキゾチックで豪華な美術・衣装で
スペクタクルなストーリー、そしてアリ役のコラレス以外、コンラッドの腹心ビルバント役までがヨナ・アコスタとプリンシパルで固めた盤石の配役にふさわしい、テクニック面でも非常に安定・充実した見ごたえのある舞台でした。

特筆すべきは終演後、
主役メドーラの衣装でカーテンコールに応えていたタマラがセンターにいない・・・?と思ったら黒のロングドレスにハーフアップの盛髪にヘアアレンジも変えての登場。
これは、主役タマラから、芸術監督タマラとしてのご挨拶があるのだな、初日だしと通訳らしき女性を伴っていることから身を乗り出していたのですが、なんと!
この場で、一人ソリストながらもプリンシパルと言ってもいい素晴らしいアリとしての演技をみせてくれたセザール・コラレスの昇進を告げる場となり、会場はスタンディングオベーションで、この華々しい舞台を締めくくる昇進劇を寿ぎました。

バレエを他の芸術分野とは違う伝統的な部分も大切にしながら、現代のバレエファンが楽しめて、英国ならではのナラティブなストーリー性も大切にしたレパートリー。
そして御本人もテクニシャンとして知られている通り、実力派のダンサーを国籍を問わず見極めて揃えるという非常にヴィジョンのはっきりした新生ENB、これからも楽しみなバレエ団です。

ロパートキナの引退

June 18 [Sun], 2017, 9:09
昨日、6月1日付のツィートで、
マリインスキーバレエ団のプリンシパルにして、当代随一のオデットダンサー、ウリアーナ・ロパートキナの引退を知りました。
先シーズン故障で調整を計っていたものの、舞台上のパフォーマンスからは引退することを決意したとのこと。
華々しいアデュー公演もなく、完璧な舞台姿の思い出だけをファンの心に残してひっそりと去るというのも、物静かで控えめな彼女らしくもあり、あれだけのダンサーが、勿体無いという気持ちもあり、複雑です。
今回のボリショイバレエの来日公演に.向日葵のようなザ・ボリショイ・バレリーナであるマリア・アレクサンドローワが帯同しなかったショックに続き…


まだちょっと受け止めきれません。

お久しぶりです

June 03 [Sat], 2017, 11:48
大変ご無沙汰しております。
観劇頻度があまりに高くなり過ぎて、記事をUPする時間が取れず…


ただ、過去記事が自分の鑑賞ノートとして大事な記録ともなっていることを鑑みて、これからはスマホからの簡単な記事を中心に再開してみようと思います。


しばらくは、記録のない時期の覚書としての月別鑑賞記録を簡単なリストとしてあげていき、現在に至ったところで再開とする心積もりでおります。


お立ち寄りくださる皆様、しばらく留守にしておりましたが、また、どうぞよろしくお願い致します

ユジャ・ワン ピアノリサイタル 2016

September 08 [Thu], 2016, 5:48
久しぶりの更新です。
そのうち、更新を怠っていた1年分のダイジェストを書こうと思うのですが、日々の鑑賞記録も折に触れてUPしていこうと思います。

まずは昨夜、
2016年9月7日(水)19:00〜のサントリーホールでのユジャ・ワンのリサイタルから。



曲目シューマン:クライスレリアーナ op.16
カプースチン:変奏曲 op.41
ショパン:バラード第1番 ト短調 op.23
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 op.106 「ハンマークラヴィーア」

当初の予定では、
スクリャービン: ピアノ・ソナタ第4番 嬰ヘ長調 op.30
ショパン: 即興曲第2番 嬰ヘ長調 op.36
      即興曲第3番 変ト長調 op.51
グラナドス: 「ゴイェスカス」op.11から
          ともしびのファンダンゴ
          わら人形
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 op.106 「ハンマークラヴィーア」

の予定だったのですが、当日アナウンスで本人の強い希望により一部変更がございます、と。
というわけで、予測していた曲目の流れではなかったものの、さすがにとても魅力的な演奏で、
時としては冗長に感じられることもあるシューマンのクライスレリアーナから引き込まれ・・・。
ショパンのバラードはバレエの「椿姫」でのクライマックスで使われていることもあり、勝手に脳内で過去に観た
バレエの名場面を展開させながら聴いてしまいました。
ここまでが前半。
心地よい興奮に包まれて、期待の後半、大作ハンマークラヴィーア。
なんというか、2列目のセンターで、彼女の運指がはっきり見える位置だったこともあり、変幻自在の指さばきに魅了されました。
力強いタッチも、超絶技巧の速弾きも、あでやかな背中の空いた裾を引きずるラメの効いたシルバーのロングドレスにぴったりと包まれた均整の取れた肢体が、大曲に挑みかかるしなやかな肉食獣のようで・・。
日本人ピアニストにはいない個性ですね。
クシャッとしたショートボブと彼女のアイコンである13cm(かな?)に2cmのプラットフォームのピンヒールパンプス(で、ペダルを踏むのですが、確かに踏む部分はしっかりとしたプラットフォームなので問題なさそうでしたが^^)
演奏を終えての挨拶が、ピャッと頭だけですぐに戻すお辞儀の仕方が照れているようで、その後のニコッとした笑顔愛らしさと相まって、なんともチャーミング。
演奏そのものももちろん素晴らしかったのですが、こういう演奏家としての存在感の出し方、個性の発露の仕方、ということについては毎年世に出るコンクール上位入賞者などの多数の中から集客力のあるアーティストとして残っていくためには必要なことなのだろうし、彼女はそれを意図的に行っているという割には、あまりに自然体。
そして、観客の拍手に応えて、次々とまだまだパワーが残っていると誇示するよりも、音楽が好きだからいつまでもピアノに向かっていられるとでもいうようにアンコール曲を繰り出して。
多分、楽譜?を入れていると思われる大きめのタブレットをピアノに置いて、え、まだ弾いてくれるの?と観客一瞬ざわめきすぐに静寂に・・・という期待とそれに応えるアーティストの掛け合いのような空気の中、長い長いアンコールの時間も堪能しました。
終演後、9時半を回っていたので、インターコンチネンタルの中のレストランはラウンジ以外はほぼ終了xxx
というのもまた乙な?もの。

ちなみにアンコール曲は

シューベルト(リスト編) :糸をつむぐグレートヒェン
プロコフィエフ :トッカータ(ピアノ・ソナタ第7番より第3楽章)
ビゼー(ホロヴィッツ編) :カルメンの主題による変奏曲
モーツァルト(ヴォロドス/サイ編) :トルコ行進曲
カプースチン :トッカティーナ op.40
ラフマニノフ :悲歌 op.3-1
グルック(ズガンバーティ編) :メロディ

圧巻でした。終演後すでに長い長い列が・・・CDを購入した方々のサイン会ですね。
あれだけの演奏をこなした後でのサイン会!ピアニストに対して初めてタフでなくてはやっていけない・・・という感想を持ちました。

2016年新年のご挨拶

January 19 [Tue], 2016, 3:17
気が付けば2016年。
2015年後半があまりに濃すぎて、すっかりブログを放置してしまっておりました。

ここで、リセットして2016年1月の出来事からスタートするという方法もありますが、
ここからしばらく、2015年10月以降を駆け足で数日かけて振り返ってみたいと思います。

遅ればせながら、今年もよろしくお願いいたします。

宝塚月組「ドラゴンナイト!!」東京初日

September 20 [Sun], 2015, 7:35
2015年9月18日(金)13:00〜
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで9月1日から13日まで好評を博していた月組TOPスター龍真咲主演のコンサート、「ドラゲナイ」こと「Dragon Night!!」
東京公演初日に行って参りました。
場所は、宝塚としては初めての文京シビックホール。
バレエ公演ではおなじみの場所ですが、2階席もあって、真咲さんがしきりと広い!とおっしゃっていましたが、星組柚希礼音さんが同様のコンサートを有楽町国際フォーラムでされていたときには、舞台の奥行きが狭く、前方だけで場面が作られていた感がありましたが、こちらは舞台も広く、大階段も全ツのときの5〜6段?と大劇場の中間くらいの存在感あるものが作られていて、自在に照明で表情の変る太い円柱4本の天井センターからは今回のテーマ?紅バラの花束が下がっている・・・という舞台美術。

構成は
1)「龍JIN」 
華やかでカッコいい所謂「フジイダイスケショー」らしいオープニングから始まり、各国漫遊〜ロシア、イタリア、インドをそれぞれ主要な男役スターセンターに場面を構成し、そこにストレンジャー龍真咲が迷い込み、ドラマが生まれ・・という流れ。
ここで休憩を挟んで・・・
2)「真JITSU」
竜宮城の主カメまさきが可愛がっているお魚たちとのトークが軽くあり、その後日替わりゲストを招いての徹子の部屋ならぬカメまさきの部屋。カメまさきはカメの着ぐるみのままなのに、ゲストが黒燕尾というのがシュール。
関西人で話術の巧みな星組2番手紅ゆずる顔負けの関西人らしい突っ込み満載の「カメトーク」が見所聴きどころ。
3)「HANA咲」
THE・TAKARAZUKAの紫タキシード・ドレスに白羽扇のメンバーが大階段にズラリ!の「ボンジュール・宝塚」から始まり、龍真咲を中心に彼女が今まで舞台では歌ったことのない宝塚から王道有名どころまで様々なミュージカルナンバーを歌いまくり聴かせる・・という場面。

メンバーは龍さんセンターに美弥るりか・珠城りょうがシンメでW2番手のように続き、次に上級生男役でこのところ真咲さんが男役度が上がった!と注目していると言う貴澄隼人、娘役になればさぞかし・・と思われつつも容姿・ダンス・歌全てに穴のない愛らしい千海華蘭ちゃんが続くと言う感じ。真咲さん同期の綾月せりさんがインドのマハラジャ役で存在感を示します。他にも下級生が容姿が良かったり歌が上手かったりの見せ場があり、全員が大活躍。
もちろん、娘役さんも・・・。ヒロイン格は真咲さんのお人形のように美しい同期、わたくしも大好きな萌花ゆりあさんと星組から異動の姫オ―ラ万全の早乙女わかばちゃんの2人が交互に使われている感じ。
他に目立つのはとてもハッキリとしたお顔立ちの美人さんである下級生麗泉里(うららせんり)ちゃん。
途中、お水を運んで真咲さんと2人でのトークという場面をもらって「せんりでした!」と紹介される美味しいお気に入りポジ。お顔が華やかなので目立ちます。お歌も上手らしいので、これから上がってくるかもしれませんね。

さて、今回の公演のお目当ては美弥るりかちゃん。
ですので、完全にみやるりちゃんVIEWでの感想となりますが・・・。
一幕でセンターを取る場面はロシアの王子。
男役は真っ白の宮廷服、娘役はセンターが開いて脚と白いショートブーツが見える他は正統派の輪っかの白ドレス。
白鳥の湖のポロネーズをアレンジした曲を白雪さち花ちゃんの美声でききながら舞踏会主催のるりかちゃんが萌花ゆりあ姫と踊っているとストレンジャー王子まさきちゃんが来て…の宙組のショー「シトラスの風」でいう「ノスタルジア」っぽい場面。嫉妬で黒王子発動のみやるりちゃんが見られます^^
あとインドでは「シェヘラザード」 っぽいおはなし仕立てで、ここ早乙女わかばちゃんが寵姫でマハラジャ綾月せりさんがピッタリ。
ハーレムの娘たちがはべる大階段から見下ろされる男役たちは金の奴隷扮装。群舞のセンターみやるりちゃんの額の縦しわが楽しめると同時に、この振付御織先生なのですが、奴隷の手首が縛られた状態でのダンス、というのがなんとも耽美的でエキゾチックなこのシーンを盛り上げます。
一幕からすっかり温まる客席。

そして2幕。噂の(笑)竜宮城にゲストをお招きしてカメまさきがホストを務めるトークショーコーナー。
全員カラフルなスーツとドレスで亀さんが可愛がっている海の仲間たち設定。
最初「大阪公演と東京公演の間のお休みで水族館に行った人〜」「は〜い!!」「お寿司屋さんに行った人〜」「は〜い!!」からの「皆無事でよかったね〜」「きゅーきゅー」手を腰のあたりでパタパタさせる海の仲間たちが可愛過ぎて倒れるかと思いました^^;
鯛のカップルみやわかが無事に大阪から東京に来られましたか?と振られて お寿司やさんで注文されそうになったけれど細すぎて身がないから鯉と間違われて河に放たれ、大阪湾から水道橋まで泳いでくることができました〜とかたわいのない話を導入部にゲストはたまきちくん。真咲さんが紅くんばりに突っ込みトークでリードしがらもカメとしての振る舞い(腕を大きく回して膝をつけた状態で膝下の脚バタバタさせる^^)をを忘れないところがツボ。
お魚さんたちがキューキュー言っているのが愛らしくもシュールな場面

続いて大階段に紫タキ・ドレスに白羽扇のオーソドックスな仕様のボンジュール宝塚からのミュージカルメドレー、そしてノバボサからアパッショナードまでのラテンメドレー。
最後はまさきちゃんのロシュフォールの恋人たち始まりの僕こそミュージックを含むミュージカルメドレー。
彼女の圧巻の歌唱力を思い知らされ、客席降りなどもふんだんに大いに盛り上がりました。

東京雪の吉正ショーの賑やかすぎる色彩設計の後ではなんだかんだ言って藤井先生のショーは色々洗練されていて落ち着くな〜(宙星で慣らされたとも…^^;)と思った公演でした。



滅多に買わないのですが、帰り際、みやちゃんの舞台写真セットを購入してしまいました…
わたくしの前の車椅子の老婦人はみやるりちゃんのスチールを、後の女子高生2人はわたくしと同じ美弥セットを購入していらして、心の中で「…同士よ…」と思ったことでした^^

公演は23日まで。
美弥ちゃんゲストの日に行きたくてたまらないのですが、どうしても行けない・・・。
いらっしゃれる方、おススメです


宝塚雪組新人公演「星逢一夜」東京宝塚劇場

September 18 [Fri], 2015, 9:04
2015年9月17日(木)18:30〜
東京宝塚劇場にて、95期月城かなと主演の新人公演、「星逢一夜」を観て参りました。



主な配役
太字が新人公演

天野晴興[紀之介](三日月藩藩主の次男) 早霧 せいな 月城 かなと
泉(三日月藩の娘) 咲妃 みゆ 彩 みちる
源太(泉の幼なじみであり、晴興の親友) 望海 風斗 永久輝 せあ

《江戸城》
徳川吉宗(徳川幕府第8代将軍) 英真 なおき 真條 まから
猪飼秋定(幕府天文方筆頭の青年) 彩凪 翔 橘 幸
細川慶勝(熊本藩藩主、晴興のライバル) 月城 かなと 叶 ゆうり
久世正行(幕府老中) 奏乃 はると 和城 るな
貴姫(吉宗の姪) 大湖 せしる 有沙 瞳
豊姫(大名家の姫)/やまめ(夜鷹) 桃花 ひな 妃桜 ほのり
井上重之(幕府奏者番) 朝風 れい 瀬南海 はや
珠姫(大名家の姫)/かじか(夜鷹) 此花 いの莉 白峰 ゆり
寿姫(大名家の姫)/こがら(夜鷹) 雛月 乙葉 沙羅 アンナ
福姫(大名家の姫) 杏野 このみ 希良々 うみ
ゆり(夜鷹) 杏野 このみ 夢乃花 舞
鍋島直実(佐賀藩藩主) 桜路 薫 ゆめ 真音
寧姫(大名家の姫) 白峰 ゆり 琴羽 りり
かのこ(夜鷹) 蒼井 美樹 水沙 瑠流
嘉姫(大名家の姫) 沙羅 アンナ 美華 もなみ
立ち売り 妃桜 ほのり 咲妃 みゆ
藤堂高親(津藩藩主) 叶 ゆうり 汐聖 風美

《三日月藩・藩主方》
天野照興(三日月藩藩主、晴興の父) 久城 あす 鳳華 はるな
美和(晴興の母、三日月藩藩主の側室)/あおさぎ(夜鷹) 早花 まこ 星乃 あんり
鈴虫膳右衛門(晴興の養育係) 香綾 しずる 天月 翼
吉乃(美和の侍女)/あざみ(夜鷹) 千風 カレン 華蓮 エミリ
佐々甚五郎(三日月藩国元家老) 透真 かずき 叶 ゆうり
渡瀬義一郎(三日月藩家臣) 央雅 光希 璃央 じゅん
奥平玄二郎(三日月藩家臣) 悠斗 イリヤ *
瓜田彦三郎(三日月藩家臣) 橘 幸 碧月 れん
稲次勘四郎(三日月藩家臣) 真條 まから 麻斗 海伶

《三日月藩・民衆方》
浩(三日月藩の民、源太の母) 梨花 ますみ 愛 すみれ
氷太(三日月藩の民、晴興の友) 鳳翔 大 真地 佑果
汀(三日月藩の民、ちょび康の姉) 沙月 愛奈 花瑛 ちほ
泰三(三日月藩の民、晴興の友) 蓮城 まこと 諏訪 さき
湧(三日月藩の民、晴興の友) 透水 さらさ 妃華 ゆきの
雨吉(三日月藩の民、晴興の友) 真那 春人 桜路 薫
雲太(三日月藩の子供) 笙乃 茅桜 野々花 ひまり
ちょび康(三日月藩の民、晴興の友) 彩風 咲奈 陽向 春輝
江太(三日月藩の民、晴興の友) 煌羽 レオ 鳳華 はるな
悪童1(熊本藩の悪童) 煌羽 レオ 叶 ゆうり
滝(三日月藩の民、晴興の友) 愛 すみれ 月華 雪乃
清(三日月藩の民、晴興の友) 星乃 あんり 彩月 つくし
悪童2(熊本藩の悪童) 桜路 薫 叶海 世奈
染一(三日月藩の民、晴興の友) 天月 翼 星加 梨杏
悪童3(熊本藩の悪童) 天月 翼 彩波 けいと
雷太(三日月藩の子供) 花瑛 ちほ ゆめ 真音
悪童4(熊本藩の悪童) 和城 るな 眞ノ宮 るい
澪(三日月藩の民、晴興の友) 妃華 ゆきの 蒼井 美樹
永二(三日月藩の民、晴興の友) 真地 佑果 日和 春磨
汐太<青年>(泉の弟) 永久輝 せあ 縣 千
涼(三日月藩の民、晴興の友) 有沙 瞳 星南 のぞみ
凛(三日月藩の子供) 星南 のぞみ 羽織 夕夏
悪童6(熊本藩の悪童) 陽向 春輝 望月 篤乃
悪童5(熊本藩の悪童) 諏訪 さき 朝澄 希
汐太<幼年>(泉の弟) 月華 雪乃 羽織 夕夏
浪(三日月藩の民、晴興の友) 彩 みちる 桜庭 舞

今回が最後!の月城かなと新人公演主役。
本役の早霧さんが鋭くハイトーンのセリフと少年らしい爽やかさを生涯持ち続ける中で社会的役割に自由を絡め取られていく切なさをだしているとすれば、月城さんは、もとより落ち付いた雰囲気の美貌に寂しさを漂わせる少年時代から、切れ者のエリートだが人に弱みを見せない仮面をつけた江戸城での老中姿に風格すら漂わせ。
泉だけに見せる優しい思いがしみじみとシミ渡る芝居。
月城さんの和物のラブシーンは細やかな優しさと切なさが表情と手元やちょっとしたしぐさに現れ、品もあり、とても好きです。今回の作品でラストの櫓での泉との別れでそれが堪能できて嬉しかった。
11月バウホール初主演が決まっている「銀二貫」も楽しみです。

月城かなと主演といえば・・の2番手どころを務めてきた永久輝せあの成長ぶりも。
前回の「ルパン3世」の新公主役で男役としての強さと華と押し出しがグッと出てきた気がする本公演同様、意外にも男臭い源太でした。
本役望海さんの源太は果てしない優しさの中に深い強さと思いを秘めた子供の頃からどこか成熟している人物
と見えますが、永久輝源太はもっと若い男らしさが随所にほとばしって、それが子供の頃の隔ても屈託もない様から立場が変って再会した時の微妙な感じ(立派になった紀之介と主従関係にあることを受け入れづらい気持ち)や泉を間に挟んだ時の自分のものであると主張したいオスのサガのようなものがにじみ出て、より対立が鮮明になったような。故に、お互い言葉を尽くして解り合おうとする場面、どうしようもなく立場に縛られた晴興と自然の理から導かれた解決策を提示する源太の互いの主張は理解できてでも相いれないこともわかるという切なさの構図が鮮明になっていたような・・・。
丸太で死闘を尽くし、なおかつあきらめない源太が命がけで来ていることを察する背中合わせの場面の緊迫感、互いに良く理解し仲むつまじく幼少期を過ごした時間と同じ女性を愛した男達の真剣勝負、という全てが凝縮されたその一瞬の後、晴興は真剣を手に決着をつける決意をするのですね。
れいこひとこと二個イチで雪組若手スター街道を驀進中の2人の関係と時間全てが、電光が走るようなこの瞬間に煌めいて見えました。新人公演はまさに「時分の花」をみるものと実感した舞台でした。

本役咲妃さんの泉は、前回の「ルパン」新公でコケティッシュな錬金術師の助手の娘役(本役有沙瞳)を表情豊かに演じたチャーミングな彩みちるちゃん。
子供時代の勝気な様と母となってからのしみじみと落ち付いた風情がしっかりとセリフで演じ分けられていて咲妃さん同様、とても上手。ちょっと残念だったのが、晴興に抱きしめられての表情が、もともと和顔の童顔なこともあるかとは思うのですが、能面のように味気なかったこと・・・。まぁ、れいこちゃん(月城)が濃くて美しいお顔で心のままに表情を変えてくるのでそれとの対比では・・ということもありますし、まだ研3、99期生と若くての初主演なのでそれは求めすぎというものでしょう。

その有紗瞳ちゃんは大湖せしるさんのお役、美貌の才女、エキセントリックなところもありつつ、理知的に夫 晴興を支える高貴な姫、貴姫ですが、持ち前の愛嬌がほの見える、才女といっても冷徹なそれではなく、人々を驚かせて楽しむいたずらっ子のようなユーモアを解する女性かな、とも思え。
それだけに晴興を助けるために申し出た縁談、と言う流れ、田舎育ちながらも独自の視点で心のままに発言する晴興にただその美貌に興味をもっただけでなく、心の通じるものを感じて・・の本気での申し出だったように思えました。
それなのに夫となった晴興は泉を思って貴姫を避け続けるのですから気の毒ですね。

この公演の影のMVPは2人。
1人は多分満場一致で英真さん役徳川吉宗を立派に務めたウマすぎる研4、98期生真條まからくん。
良く通る声で位の高さ、厳しさ、人としての大きさ、晴興への期待と愛情全てを現して見事の一言。
「心中恋の大和路」の蜆売り役でその一声であの子ダレ?と客席を沸かせただけのことはありますね。
今すぐ専科入りしても大丈夫なレベルです。

後1人は研5、97期叶ゆうりくん。幕臣から悪童までどこにでもいる七面六脾の大活躍。
で、どの場面でもしっくりとそれらしくみえ、なおかつモブに沈みきらない絶妙のポジションで存在感もあるという。
彼女も今後が楽しみな人です。

他にも表情がくるくると変り、お芝居が好きなんだな〜と思わせる、桜路薫くんにも注目。

あと、場面では夜鷹の場面の娘役が、ここ、本役でも豪華な面々なのですが、ほっそりとした美女ぞろいで芝居も上手く、惹きこまれした。TOP娘役咲妃みゆちゃんはここで出ていましたね。眼福な場面でした。

宝塚宙組「王家に捧ぐ歌」東京公演

August 28 [Fri], 2015, 6:11
もうすぐ8月30日の千秋楽を迎えるこの公演、
宙組7代目トップスター朝夏まなとお披露目公演として、7月31日の初日から3回、間にバレフェスをはさんで後半3回観ました。
主要3役が初演とはまた違った味で、しっかりと役として生きていたところに加えて、脇のエチオピア、エジプト両陣営の立場や考え方の違い、推移、現代にも通じる戦争・国家・平和の意味など、大きなテーマが男女の愛憎・父娘の情のタペストリーから浮き上がる、演出家木村信司の真骨頂とでもいうべき作品を、新生宙組がそのコーラス力、団体力で華麗に蘇らせた素晴らしい再演だったと思います。



個々に感想を・・・

■ラダメス(エジプトの若き武将) 朝夏 まなと

ステキなTOPさんになられた・・と感動。
もともと金管楽器のように響きの良いお声の持ち主でしたが、時折トランペット奏者がやらかしてしまうように”吹かす”ときがあるのが気になっていたのですが、この作品ではほとんどそれが見受けられず、歌の先生から声帯に負担をかけず、全身で発声する方法を伝授されたとかで、公演毎の声の好不調もなく、力強い歌声・雄たけびを効かせてくれました。
と同時に、平和を望む理想化肌のイデアリストとして、現実主義のエジプト人の中では浮いてしまい、却って外国の王族であるアイ―ダに自分に近い心を見出して惹かれるという役作りで思いだすのが、宙組異動第一作の「銀河英雄伝説」で敵対する勢力との捕虜交換式で敵軍の将と心通わせるキルヒアイス。
一貫した高潔な(故に友に囲まれていてもどこか孤独な)ヒーローが似合う人だと再認識。
ラストシーン、石室でアイ―ダと互いを暗闇で探しあい銀橋のセンターで手探りでまみえるところから頬が涙で濡れる熱演。気持ちの入った演技に惹きこまれました。
フィナーレ・ナンバーでの黒燕尾で長い腕を伸ばして落とした時に覗く細い手首が魅力的。大空祐飛さんが観劇後楽屋を訪れた時にそこがツボとおっしゃって、だからカッタ―(下シャツ)は着ない方が良いかもねとおっしゃったという話を聞いた時には思わずゆうひさん!!と膝を打ちました^^
デュエットダンスの時の実咲さんとの体格バランス差の加減やリフト回転の安定感など、ダンスもステキ。

■アイーダ(エジプトの囚人、エチオピア王女) 実咲 凜音

清らな美しさを持っているけれど、現実を見据えつつ、自分の中での価値観の優先順位はしっかりと持ち続けることのできる芯の強さも持ち合わせている女性。
オペラ「アイ―ダ」のアイ―ダはエチオピア王女としての自我が強く、エジプト将軍との愛に大いなる葛藤を覚えるのですが、この作品の実咲さんのアイ―ダは王女として周囲から望まれることにとまどいを覚え、現実の中でエジプト人にさげずまれようとエチオピア人に失望されようと、プライドよりも命を大切に考える、真っすぐで行動的な女性として造形されているように思いました。
ラダメスに心動かされる様を執拗に批難する兄ウバルドに対する「あら、いたの」のクールな言い方が好きでした^^;
そんな彼女が、強がってラダメスを突き放した時、ラダメスがそんな男を愛したのか!と怒りを見せるとプルプルと全力で頭を横に振る様は大層可愛らしかったです^^

■アムネリス(エジプト王ファラオの娘) 伶美 うらら

好評を得、芸術祭優秀賞も獲得したこの作品が12年の長きに渡って封印されてきたのは、アムネリス役の適任者がいなかったからでは・・・。
壇れい以来の美人娘役として一国を背負うファラオに自ら名乗りをあげるアムネリスを演じる重圧は特に以前から課題と言われた歌唱面で大きかったことと思いますが、美しさ、存在感、そして歌唱面の飛躍的な進歩は今後の彼女の躍進を期待させるだけのものがありました。
もともと、ファラオの一人娘として溺愛され、自らが王家の血統を絶やさぬために次期ファラオにふさわしい人物に嫁ぐ身であること、物質的な豊かさ・人々が自分に向ける愛全てがその対価であることを知る彼女は、初めてその自然の摂理と思っていたことが絶対ではないのだと、ラダメスの拒絶によって知らしめられます。
そして父王ファラオの暗殺・・・。そこで、彼女は自らの義務を果たし、もっとも辛い決断―父王の死を受け入れること、愛するラダメスの処刑宣告を同時に果たさなくてはならなくなり・・そして、ラダメスを密かに救おうとして再度の拒絶に会うという追い討ちも。
一度は父王を暗殺したエチオピア勢力の根絶を図りますが、最後にはラダメスの精神を理解し、戦いの空しさを知る彼女が賢帝としてその後エジプトを立派におさめたに違いない・・と、立派な「アムネリスの成長譚」としても読める作品に仕上げてきた伶美さんにやはりこの人ならではのスター性を感じました。
オペラでいつも楽しみにしていて、時折手ひどく裏切られるアムネリスのブドワールの場面、女官 にかしずかれる優雅な王女・・の姿も堂にいって、きっと重いであろう豪奢なヘッドドレスも含めたドレスの着こなし、身ごなしも娘役ならではの優雅さでありつつ、「エチオピアを滅ぼしに行きましょう!」の雄々しさも格別。
新人公演で主演の同期・桜木みなとに「ずんちゃんの幼馴染設定だから!」と挨拶に行き、同じく同期の七生眞希の化粧を真似したと言う新人公演のイケメンエジプト兵の彼女を観られなかったのが返す返すも残念ですxxx

■ウバルド(アイーダの兄) 真風 涼帆

星組3番手から宙組2番手に。この組替え、大成功でしたね!
もとより長身でザ・男役な面長のクールフェイスというなクラシカルなスター性を持つ彼女。
ギラギラ最下に至るまで自分の個性を主張するのがデフォの星組ではややおとなしくおっとりとした下級生ポジの枠組みで観られがちでしたが、素直でスマートな宙組生の中にあっては時折ギラリと光る星生え抜きの濃い輝きが良いアクセントになって、馴染みつつも一際カッコ良いウバルド兄さん。
冒頭の 時のさまよい人から中盤ナイフをかざしてアイ―ダを挑発し女たちをあおる場面、終盤のファラオ暗殺まで、初演では大した役ではなかったというウバルドという役をロミジュリで言えばティボルト格まで引き上げたのは彼女の功積ですね。
父王をかばうアイ―ダをかばうウバルドの図、妹に基本邪険にされながらも兄としていざという時には盾になる。
舞台袖からセンターへ一瞬で疾走するシャープな身ごなしも魅力。
ファラオ暗殺を決意したときの「神に赦されている」との独善。ためらうことなく自害しつつもエジプト側に火種を残すインパクトある台詞回しなど、センターをとったときの存在感・表現力も充分で、宙組は強力な補強をし得たと確信しました。
そしてなんといってもフィナーレ最初の通称「マカゼファイブ」
クールパステルのヅカ衣装に身を包んだエチオピア3、ラダメスの親友エジプト将校2人が仲良く(笑)登場して銀橋に並ぶ時、2番手マカゼセンターの収まりの良さといったら!
黒燕尾のまぁさま(朝夏)のソロの途中で一緒に踊るまぁマカの並びも新鮮で、これからの宙組の安泰感がいやがうえにも増したことでした。

■アモナスロ 一樹 千尋
■ファラオ 箙 かおる

初演の王、専科のお2人が同じ役を12年の歳月の後、再び演じます。
アモナスロの一樹さんは企みごとを行う2面性、国が滅びて尚、支配者としてふるまう狂気、人間というもののどうしようもなさ、を巧みに表現。
箙さんは独特のメイク、豪奢な衣装、ブランコで天井からつりさげられて降りてくる演出などに負けない強く響く声とファラオの人間的な大きさを大らかに演じ、さすがの専科という感じ。

■ケペル(ラダメスの戦友) 愛月 ひかる
■メレルカ(ラダメスの戦友) 桜木 みなと

ラダメスの戦友2人。
メレルカの桜木さんは新公で主役を演じるとあって、本公演ではあまり主張せず、最下ながら3人の中では一番年上設定で落ち付いている軍人という役作りだとか。自信に満ちた笑顔がどこか元花組TOPスターの真飛聖さんを思い起こさせます。歌も安定の実力派。
対するケぺルの愛月さんはこの公演から正3番手の扱いに。
ラダメスが理想を説く時に何を言っているんだというとまどい、裏切り者はおそらく自分だ、と告白した時になぜ・・!!と激しく慟哭するなど、対ラダメスとして細やかに心を動かして、それを表情に出しながら、その表情が男役としてカッコいい、という愛月さんの成長に、これが新公時代には本役の完コピと言われていた愛ちゃんか・・と感慨深いです。
凱旋のダンス、一度だけ観た2階席からの光景がすばらしく・・・。
1人1人、菱形のスポットライトが当たり、それが客席側に頂点を持ってきた三角形の陣営になっていて、奥の方に鏡でも使っているのか、どこまでも果てしなく金の鎧のエジプト兵が続く・・ように見えて、場面としての拵えも素晴らしいのですが、冒頭愛ちゃんのソロから始まるこのエキゾチックなダンス、センターの気合と存在感もバッチリでした。
実際に1人1人を観ると一番キレているダンスを見せているのは和希そらくんだったりするのですけれどもね^^

■カマンテ(エチオピア王家の元家臣) 澄輝 さやと
■サウフェ(エチオピア王家の元家臣) 蒼羽 りく

対するウバルド兄さんの脇を固めるエチオピア勢。
澄輝さんはアイ―ダに対してかなり大胆に厳しいことを言いますね。その歌と同様、表情も視線がキッと定まって、クールな面を出してきました。
アイ―ダのセリフ「優しかったお前が・・」が唯一サウフェの役作りの源となったのか。
キッと思いつめた風情のあっきー(澄輝)カマンテに対してりくサウフェはいつもどこか悲しそう。
戦乱の祖国で様々な辛い思いをし、今エチオピアの王族とともにエジプトの虜囚であることに深い悲しみを抱いている風情。そんなナイーブな少年(青年?)までもが、ウバルドの夢でお告げを得た=ファラオ暗殺は神に赦されている!の宣言に目を輝かせ 任務を遂行した後は迷わず自害し果てる。
全く疑問を持たず粛々と復讐劇に加担するというのがどこかリアルで恐ろしい。
冒頭のダンス、横たわるあっきーを飛び越えてターンする、という振りがあり、さすがダンサーだけあって不安はないなと安心して観ていたのですが、ご本人は決して踏んではならないと相当緊張していらっしゃるそう^^

フィナーレで2番手マカゼセンターの「マカゼFIVE」、皆クールパステルのマカロン色のお衣装がお似合いですが、りくちゃんの紫がかったクールなブル―が黒塗りに映えてとてもお似合い。
ただ立ち位置が、愛ちゃん3番手確定により、愛りくシンメだったのが、学年順で、あっきーが上という扱いになり、新公主演トップ候補に名のりをあげた下級生ずんちゃん(桜木)とのシンメ位置になったこと、それに従い、パレードでも階段降りをせず、路線ではないスターの凛城さんと並びの扱いになっていること・・・にファンは若干胸が痛みますね。。。去年は愛月さんが初主演を決めたバウ、今年は桜木さん主演に出演も決まっているので花で言うあきらくん(瀬戸かずや)ポジを目指す感じになるのでしょうか。ダンスが素晴らしく、心のある芝居が出来るヒトなので、これからも長く活躍してほしいと願っています。

■ネセル 寿 つかさ
■ヘレウ(神官) 凛城 きら
■メウ(神官) 松風 輝

そして、愛月さんバウで上級生別格として2番手どころを務めた凛城さん、白塗りで眉を消し、ぽってりとした唇が映える無表情な神官、お似合いです。ラダメスを厳しくいさめつつも実はかなりの生臭坊主という組長すっしーさん(寿)をセンターに、芝居功者りんきらさん、実は美形なのにそれをけどらせない(笑)濃い演技のまっぷー(松風)という神官チームも「美人選び」の場面で”お金と力”を誇示し、見せ場がありました。
すっしーさんが公演中ずっと喉の調子が悪そうなのがちょっと残念。
フィナーレの黒燕尾で白塗りメイクのままシケを垂らした男役ヘアになったりんきらさんが色っぽくてちょっとツボでした^^;

■ワーヘド(女官) 純矢 ちとせ
■イトネーン(女官) 花里 まな
■女官 愛白 もあ
■女官 結乃 かなり
■タラータ(女官) 綾瀬 あきな
■女官 花咲 あいり
■アルバア(女官) 彩花 まり
■女官 瀬戸花 まり

そして”美人選び”の場面といえば・・・の女官たち。
2番手娘役どころから女王までなんでもこなせる美声のせーこちゃん(純矢)。
女官達の一人として衣装にも立ち位置にも差がないのが違和感なれど、細やかなリアクション、アムネリス様への絶対の尊敬のまなざし、アイ―ダへのイジメ場面で手ぬぐいをひねって打ちすえ、、アムネリス様が現れると冷静にそれを柱の陰にかたずける手際の良さといい怖さが際立ちまぎれもなくあなた様が女官長・・と言いたくなる迫力に満ちていました。
そんなせーこちゃんの本編での役の軽さとのバランスをとったのがエトワール起用で、それに割をくった形になったのが今回退団でエトワールを切望していた花里まなちゃん。
上品で、歌も上手で立ち居振る舞いの綺麗な娘役さんで好きだったのですが、残念です。
綾瀬あきなちゃんの笑顔のときに^^となるアイラインなど女官たちはアイメイクにこだわりがありそう。

■アウウィル(女官) 瀬音 リサ
■ターニ(女官) 遥羽 らら

「王家」再演が決まった時にまず、話題になったのが今回の「スゴツヨ」はダレ?
12年前の星組初演で、後に宙組TOP娘役になる陽月華ちゃんが抜擢された役、というのと、「エジプトはスゴイ、エジプトは強い」というなんとも言い難いインパクトのある歌詞と耳について離れないメロディのおかげで・・・。
GOLDまばゆい女官たちの中でこの2人だけ三日月のようなヘッドドレスをつけている、というモブ演技の多い娘役の中では美味しい役どころ。
つぶらな瞳なれど女子力高く、柔らかな美声のありさちゃん(瀬音)とこのところバウ2番手娘役ポジなど押されている?運動会で俊足も披露した遥羽ららちゃんが務めます。
”美人選び”神官たちが美人コンテスト?する場面、シナを作る女官たちの中で1人、ありさちゃんはまさかの力持ちアピール。ボディビルダーのポーズをとってすっしーさんの眼にとまります。日によってはラダメスの「うぉおおおお」の雄たけびも!^^;
2人目を選ぶときに一斉に女官達がボディビルダーポーズをとる中今度はキャピッとぶりっこポーズをとるららちゃん。2度とも驚いてマジマジとみるせーこちゃんの表情がツボ。

■ファトマ 美風 舞良
■ヤナーイル(囚人) 大海 亜呼
■フィブラーイル(囚人) 花音 舞
■マーリス(囚人) 桜音 れい
■マーユー(囚人) 真みや 涼子
■ユーニユー(囚人) 美桜 エリナ
■イブリール(囚人) 小春乃 さよ

対するのが、美風舞良副組長、アイ―ダ付の女官 ファトマ率いるエチオピアの女たち。
故郷を思って歌うアフリカ民謡的なゆったりした歌を歌うときにこの宙組自慢の歌ウマ娘役揃いのエチオピアメンバーが光ります。
煌びやかなエジプト勢との対比で簡素な衣装に黒塗りではありますが、それぞれアフリカ女性らしいヘアスタイルなどにもこだわりが。
特に真みや涼子さんの大きなお団子の野趣と腰を大きくゆったりと振って踊り歌う大らかさにアフリカの大地を感じました。彼女はいつも娘役芝居をちょっと超えた感触のある芝居心溢れる演技を見せますね。
今回で退団の名ダンサー大海亜呼さんにダンスの見せ場がなかったのが残念といえば残念ですが、生命感溢れる彼女ならではの存在感はしっかりだしてきていました。
副組長美風舞良さんはしっかりとしたテクニックで難しい発声も難なくこなし、宙バウで歌ウマ娘役と認識した小春乃さよちゃんがこのチームに入っているのにも安定感を感じたことでした。

■エジプトの戦士(伝令1) 天玲 美音
■エジプトの戦士(伝令2) 風馬 翔
■エジプトの戦士(伝令3) 和希 そら

ファラオのいる広場に駆け込み、戦況を絶叫しながら伝えると息絶える・・・というインパクトのある役割「伝令」。
濃いメンツが揃いました。
美声の天玲(の伝令って・・名前で選ばれた?^^;)さん、歌もダンスも・・・の翔・そら。
翔くんは兵士としてのふるまいにも雄々しさがあり、そらちゃんはダンス場面ではセンターでなくても目を奪うちょっとした振りのセンスの良いさばきかたに目を惹かれました。

■伝令 瑠風 輝
■エジプトの戦士 春瀬 央季

ラダメス将軍率いるエジプト軍の大勝利をアムネリス様に伝えるのが瑠風くん。今回新公ウバルドで2番手真風くんの役を務めて好評だった歌ウマ長身の98期。期待の若手ですね。他組の98期男役といえば、月の暁千星、星の綾凰華・天華えまといったところ。目が切れ長で、笑顔がちょっと左右対称でないので下級生のうちから可愛らしさで人気がでるタイプではなさそうですが、今回、真風くんにお化粧を観てもらっているとかで、見せ方であと一歩の華がでてくればと期待しています。
そして、宙組らしい長身のきれいどころが揃った94期の春瀬くん。
並いるエジプト兵士の中でもそのクールでエキゾチックな美貌ですぐ春瀬くんがいる、とわかりますね。
その先・・・の芸で何か秀でたものがあれば・・とずっと思っているのですが^^;

■エチオピアの戦士(歌手) 星吹 彩翔
■エチオピアの戦士 美月 悠
■エチオピアの戦士 星月 梨旺

宙組の宝、モンチ(星吹)が凱旋のエジプトにエチオピア捕虜として引きだされた瞬間、煌びやかな広場の様子にとまどい、これが自分たちの敵の実力か・・と驚愕して歌う「光ってやがる!」の美声にいつもほれぼれしていました。
演技も歌もダンスもそつなく、役を与えられるとそこの命を吹き込み、団体戦では下級生チームを率いてまとめる、本当に力のある中堅男役です。愛りくバトルの93期にあって、しっかりと宙を支えているモンチ、いつまでもいてください。
そしてエチオピア人って黒塗りだけれど、王女アイ―ダ王子ウバルドを筆頭に相当の美形ぞろいでは・・・という疑いが確信に変るさお(美月)りお(星月)。
ラダメス将軍率いるエジプト軍のエチオピア討伐の場面、1人のエチオピア人を5人のエジプト兵が囲み、刺し、切り、踏みつけ・・をたっぷりとスローモーションで見せながら、愛月、桜木の将兵格がとどめをさし、さらに5人が一斉に槍で刺す・・というすさまじい戦闘場面で、その激しい場面をスローモーションで見せる宙組生の体力筋力芝居力に、とりわけ前方席では愕然と見入ってしまったものですが、やはり、生徒たちはこの場面、筋トレ(笑)として、ムリな体勢もがんばっているのだとか^^;
常に大人数の豊かなコーラス、迫力のある戦闘や群衆場面が続くのですが、舞台裏では大変なことになっているらしく、例えばエジプトを称える歌を裏で歌った直後にはエチオピア捕虜として引きずり出される・・・という国や立場を超えた活躍を皆が一丸となって行っているとのことですが、その宙組の総力結集が素晴らしい舞台と言う形に見事に結晶した今回の公演だったと思います。




第14回世界バレエフェスティバル・ガラ 2015年8月16日

August 17 [Mon], 2015, 4:37
楽しかったバレフェスの夏も最終日。
終らないで!と叫びたくなるけれども、これほどのものを見せていただいたのだから・・・と幸福をかみしめたりも。

2015年8月16日(日)14:00開演
第4部まで終了で18:00.通称「ファニー・ガラ」の第5部も入れて19:00頃の終了だったでしょうか。

■第1部■ 

「ドリーブ組曲」
リュドミラ・コノヴァロワ マチアス・エイマン

これは、オペラ座の名カップル、長身痩躯のジョゼ・マルティネスとやはり長身のアニエス・ルテステュのガラでの定番。ジョゼの振付アニエスデザインのお衣装。大きな白襟とロイヤルブルー〜紫の短い丈のジャケットの男性のお衣装が爽やかでステキ。マチアスが今回組むはずだったミリアム・ウルド=ブラ―ムと初めてこの作品を踊った時にはプチな2人が長身ダンサーでインプットされている作品を踊るのが一瞬違和感でしたが、小柄でもこのお衣装は映えるのねと思ったことを思い出しました。
作品としては、角度の変化や逆方向への回転など、細かいところでテクニックを披露している玄人好み?で格調の高いものではあるのですが、素人が見てオオッと盛り上がるポイントがないので、ダンサー自体にオ―ラがないと退屈に思えてしまうかも。
フェスのオープニングとしては見た目にも爽やかでマチアスもBプロ最終日の乱調から戻していつものキレが戻っていたように思います。

「三人姉妹」
サラ・ラム ワディム・ムンタギロフ

サーモンオレンジのハイウエストのミディ丈の薄物ドレスのサラも美しいけれど、なんといってもオリーブグリーンの軍服のムンタギロフが軍服が似合ってとてもステキ。技巧的な振付もサラリとこなすのがムンタギロフの持ち味。サラは所謂古典よりもこういうセミクラシック系の作品世界の方がしっくりくるかも。
 
「雨」
ヤーナ・サレンコ ダニール・シムキン

前回のバレフェスでもガラでこの2人がこの作品を踊りましたね。
肌色のショーツだけのシムキンと同じく肌色のスカート付レオタードのサレンコ。2人とも小柄ながらとてもバランスの良い体型で、自在にコンテンポラリーの振付をこなしていく様はバレエというものは肉体を通しての人間賛歌であることだなぁと改めて感じさせるものでした。

「椿姫」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
マリア・アイシュヴァルト アレクサンドル・リアブコ

Bプロと同じ演目なれど、何度見ても泣ける・・・。
自分のおそらく死期を悟ったようなアイシュバルトのマルグリット。そこに走り込んで渾身の求愛をするリアブコ・アルマン。激しい回転とジャンプからの倒れ込みが若者の情熱を語ります。リフトを多用した振付が、デコルテを大きく開けてたっぷりとしたスカートの濃紫のタフタドレスのアイシュバルトの巧みなドレスさばきと相まってとても華麗。
アルマンの直情的な求愛を艶やかにいなしながらもその激情に心動かされ、この恋に残りの命を燃やしてみようかと揺れ動く気持ちが振りと仕草とあの小さなお顔の中心で燃える瞳に現れていて本当に引きつけられ、マルグリットの心が手に取る様にわかる。
最後、胸元の赤い花をアルマンの燕尾服のボタンホールに挿して艶然と微笑み、走り去るマルグリットとあまりの幸福で胸一杯になって上手隅に倒れ込むアルマン・・・で幕。
第一部から、ガラ・パフォーマンスとは思えない入り込んだ演技に涙。

■第2部■
 
「ヌアージュ」
ディアナ・ヴィシニョワ マルセロ・ゴメス

ヴィシニョ―ワの白で裾だけブルーのグラデになったロングワンピの衣装とゴメスのレギンスが爽やかというより、ちょっと幻想的で夢の中のような美しさ。ガラで見るキリアン作品ってとてつもなく魅力的に思えることが多い。
タイトル通り、空に浮かび流れる雲のような流麗な踊りを堪能。
2人の美しさとたくましさがリフトの滑らかさ、技巧を感じさせないスローな連続性を生むのだと思いつつ、それにしてもこの2人の並び・力量の相性の良さは素晴らしい。

「カルメン組曲」
ヴィエングセイ・ヴァルデス ダニーラ・コルスンツェフ

意外な取り合わせはガラならでは。
ラテンなカルメンはお手の物であろうヴァルデスと、誠実が服を着て歩いているようなコルスンツェフのホセは似合いそうだなとプログラムを観た瞬間腑に落ちた配役。
・・・ただ、この作品のカルメンってラテンな蓮っ葉娘じゃないんですよね。もう少し練れた色気で運命を狂わせる、運命とホセとカルメンとの三つ巴の象徴的な存在でないといけないので・・。
MyBestは白い肌とあのお御脚が発光するようだったイザべラ・シアラヴォラの大人の色気にくらくらさせられたカルメンなのですが。ヴァルデスはお衣装が悪いのか(ボディが赤レース、胸元と腰にフリンジでちょっと品がない)ちょっと表層的な感じ。
ダニーラはハイウエストの黒タイツで短い丈の深緑のジャケット姿を観ると、誠実なお顔だちが地味に見せているけれども、なんと脚のラインが長くて美しいのだろうとハッとさせられました。
ホセとしての踊りは思った通り、ピッタリですね。今度は挑発するロパートキナさまのカルメンとのいつものペアでも見てみたいです。

「ル・パルク」
イザベル・ゲラン マニュエル・ルグリ

https://www.youtube.com/watch?v=ORI_z-Xi9js

最終章・解放のPDD.
あの女性がダウンヘアで白いナイトシャツ姿、男性が宮廷髪(後ろでまとめて黒リボン)に白いフリル付きぺザントシャツにベージュ7分パンツでラストキスしたままのフリーハンドの回転を見せる有名なPDDです。
まさかまたこの演目をこの2人で観られようとは!いえ、MyBESTはイレール&ゲランなのですが。ルグリ先生もステキですね。
何度か繰り返されるイザベルが一度口に入れた手で胸元をなぞってそのまま身体のセンターを下ろしていく振付がなんともいえない大人のエロティシズムを感じさせて。完全にバレエの様式美としての美しさと大人の男女の関係性のドラマとが均衡していてこれ以上ないほど惹きこまれました。

「さすらう若者の歌」
オスカー・シャコン フリーデマン・フォーゲル

イレールが水色のルグリが赤の胸元が空いたユ二タードで踊る、何10回と観た演目。
この2人で見るとどうなのかしら・・・。
若々しい瑞々しさと表裏一体な繊細な脆さを表すイレールを強く確固としたルグリが操り絡め取っていく・・という関係性が、フォーゲル&シャコンには希薄。
それぞれに美しいダンサーで永遠の若者という持ち味があるフォーゲルくん、求心力のある強さを踊りで表現できるシャコンならまた違った、でも振付の求めるところはしっかりと表現してくれるのではと期待していたのですが。
期待が大きすぎたようです・・・。

■第3部■ 

「ウロボロス」
振付:大石裕香
シルヴィア・アッツォーニ アレクサンドル・リアブコ

面白い作品。最初はアッツォ―二はベージュのドレスに黒のフリル装飾、レースの仮面、リアブコはベージュのシャツ・パンツに黒燕尾、黒の仮面をつけて楕円のライトの中で人形振りで踊る。仮面を取り、黒の装飾、燕尾のジャケットをとると今度は人形振りから解放されて・・・という、衣装とライティングと振付で凝った演出で飽きさせない。
勿論2人の豊かな表現力も存分に活かされてスタイリッシュな味わいもあり、魅力ある演目でした。
カーテンコールで大石さんもご登場。

「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"
マリーヤ・アレクサンドロワ ウラディスラフ・ラントラートフ

オーソドックスなお衣装と振付で、堂々たるボリショイペア。
アレクサンドロワのオディール演技は小悪魔的というよりは堂々と企みごとを遂行する悪の女王的な雰囲気。
ガラとしての盛り上げポイントはコーダのフェッテでの両手挙げでしょうか。あと、ラントラ―トフさんがフェッテの最後でサポート入れて更に回していましたっけ。
ラントラ―トフの王子のヴァリエーションは決めの作り方がいかにもボリショイで、ジャンプやマネージュのダイナミズムと歌舞伎のようないちいち見えを切るところ・・・大好きです^^
マ―シャはカーテンコールでも一筋縄ではいかないオディールとしてラントラ―トフ王子を翻弄。客席を沸かせていました。

「ハムレット」
振付:ジョン・ノイマイヤー
アンナ・ラウデール エドウィン・レヴァツォフ

小花プリントのワンピースを着たアンナ=オフィーリアと学生ハムレットのレヴァツォフ。
ノイマイヤーの作品は抽象的なものは物語を感じさせて素晴らしいと思うのですが、ナチュラルな現代設定解釈の古典文学ものはどうも自分と相性がよろしくないようだと改めてわかりました。
2人はとても良いノイマイヤーダンサーだと思うのですが・・・。
 
「シェエラザード」
上野水香 イーゴリ・ゼレンスキー

ゼレンスキーの金の奴隷は美しいジャンプの冒頭からさすが、というオ―ラが漂っていたのですが、水香さんの持ち味とゾベイダが合わなくて、ちょっと辛かったですね・・・。

「ヴォヤージュ」
ウラジーミル・マラーホフ

この演目はルグリ先生がソロといえば「エンジェル」を踊っていらした頃、マラーホフ氏は「ヴォヤ―ジュ」というのが定番だった時代を思い起こさせられます。とても懐かしい気持ちになります。
彼の若い頃の当たり役や風のように爽やかで軽やかだった時代を思い出してしまったりの郷愁タイムになってしまいました。

■第4部■ 

「ジゼル」
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー

コジョカルはAプロ「シンデレラ」Bプロで情感溢れるコンテ作品、そしてガラで「ジゼル」。
自分の持ち味や能力を発揮できる作品選びが巧みですね。
オーソドックスな白いロマンチックチュチュで踊るアリーナは美しく可憐な村娘が精霊となってなお、恋人を思いやる気持ちを持ち続けるジゼルそのものでした。
過去の名演の中ではドラマチックで愛らしいアレッサンドラ・フェリの名演技が心に残っていますが、このアリーナを観て、今、コジョカルで全幕を観たい!と思ってしまいました。
今回はPDDだけでなくヴァリエーション付き。
コボーもソロを踊るのか・・とちょっと失礼なことを思ってしまいましたが^^;
もともとデンマーク・ロイヤルバレエで活躍していた彼はテクニックは万全ですが、バレフェス出場ダンサーの技術か華か両方かが突出した才能の中にあっては地味に見えてしまうのは否めませんね。
並びがお似合い、というわけでもないのですが、アリーナをもっとも自由に踊らせることができるのは彼の盤石のサポートあってのことなのでしょう。そんな彼も今はルーマニア国立バレエの芸術監督。愛妻に導かれ、愛妻を守り抜く人生か・・としばし感慨にふけってしまいました。

「タンゴ」
振付:ニコライ・アンドロソフ /音楽:アストル・ピアソラ
ウリヤーナ・ロパートキナ  

いやいや、感慨にふける暇はない!
キャー!ロパ様!!
驚愕のカッコよさ。美しさ。あの・・・ありがとうございます、バレエファンでありヅカファンであるわたくし(たち)のためにこんな極上の舞台をご用意いただき、なんと感謝したらよろしいのかと。
ボタン2つあけた黒のサテンシャツ、長い脚を包む黒パンツにカマーバンド、煌めくエナメル短靴、シャラっとかつぐ姿が様になりすぎているジャケット使い、ショートの赤毛を時折隠す目深にかぶるハット使いも完璧なカッコよさで・・・。
脚が長く身体のラインが美しいことはクラシックチュチュ姿でも勿論重々わかっていましたが、こういうパンツスタイル、男装の麗人姿ですと、もう、ハッキリわかるなんてものでは・・。
えーと、これ、本演目ですか?それともファニーじゃないファニーガラですか?
ピルエットもシェネもちょっとした振りのニュアンスもステキすぎて終って欲しくない!と。オペラづかいでUPにしても勿論、黒スーツで踊る輪郭が美しすぎて、オペラなしでそれを堪能するのもよろしくて・・・。
眼福でした

「椿姫」より 第3幕のパ・ド・ドゥ
オレリー・デュポン/エルヴェ・モロー

去年全幕で3組のカップルを観てそれぞれに素晴らしかったのですが、エルヴェとオレリーの格調の高さと美しさは格別でした。その素晴らしい2人による第3幕のPDD。
黒衣で舞台中央奥にたたずむオレリーを感じる上手のエルヴェ。
白シャツ黒ベストの立ち姿が絵になること。
からの黒ドレスのオレリー=マルグリットを最初は拒絶するものの、並んで手を取ると奔流のように愛おしさが蘇り・・2人が並んでシンクロする振りで踊るところですでに胸が詰まって・・・。
長身で骨格の美しいエルヴェが高々と掲げたリフトでのオレリーのポジションチェンジもキレイで、過去の同じオペラ座の某エトワール(ペッシュです)がリフトしきれずふらついていたことは水に流して、オペラ座ダンサーの「椿姫」に対する拒絶反応がきれいに溶けてなくなるのを感じました。
黒ドレスを性急に脱がせてからの肌色スリップでの情熱の奔流・・・。
ゲラン・ルグリといい、オレリー・エルヴェといい、フランス人の恋愛の描き方、深さと昇華された美しさには感服致します。

この美しいオレリーが、もうオペラ座を定年退職して、この2人の「椿姫」は多分もう観られないのかと思うと信じられません。

「ドン・キホーテ」
ヤーナ・サレンコ スティーヴン・マックレー

色々と濃すぎて、最後を観ないでロパ様とオレリー・エルヴェの面影を胸に帰っちゃおうかなとほんの一瞬思いましたが、いやいや、今回の功労賞を受けるにふさわしい大活躍のサレンコとマックレーに足止めされちゃいました(笑)

アイボリーに金のお衣装がバレフェス最後の大トリにふさわしい華やかさ。
2人のパフォーマンスもお衣装同様、華やかでテクニック満載でありつつも正統派であるという枠を外さない、品格あるものでした。
マックレーは回転やジャンプの連続技の途中、思いがけないタイミングで、でも音楽の流れを止めずに180度の空中開脚を挿入したり、サレンコは素晴らしいバランスキープや、トリプルを入れての高速フェッテなど、相当なことを果断なくやっているのにあまりに涼しい顔でさらりと行われるので様々な超絶技巧を見せつけられてきたこのフェスの最後でシレッと、ああ、わたしたちはそういうことは普段からやってますから・・的な余裕を感じさせられるという。
どこまでも小粋な2人でした。
それにしても赤毛気味の金髪といい、体型バランスといい、テクニックの強さと言い、この2人はまさに理想のペアですね。

ここまでは本編。
そして、恒例のNBSの高橋さんによる時間稼ぎ?第5部の案内アナウンスがあり、第5部のプログラムが改めて幕に映し出されての第五部、お待ちかねの「ファニーガラ」のお時間です。
今回はプロデューサー役のジョゼ・マルティネスがいないので、男女逆転の演目を淡々と見せるだけかな・・・とあまり期待しないで見始めたのですが・・・。

「カルメン組曲よりエスカミーリョのソロ」

白地に黒のエスカミ―リョ衣装のお髭を描いたヴェイングセイ・ヴァルデスによるポワントでの踊り。
男性パートを女性が・・ですが、ヴァルデスはこうして男性の衣装を着ると、とても曲線的な女性らしいスタイルの持ち主であるとわかり、男性パートを踊る凛々しさやカッコよさがなくちょっと退屈だったかも。

「瀕死の白鳥」

後ろ姿の大きな白鳥がポワントのパドブレで下手から上手に抜け、上手から往復するときに一瞬表裏逆転させてしまった!の表情。だれ?だれ?と思って観ると、瀕死翻訳ロパ様の信頼篤いパートナー、ダ二―ラ・コルスンツェフでした^^
ポワントで「瀕死」を踊るのですが、途中イラッとしてポワントを投げ捨ててスッキリした表情で続きを(笑)
途中で上手に出されたロープをダ二―ラが引っ張ると、台車?の上に天使の羽付きのマエストロ・オブジャニコフさんがハープ奏者として登場。かと思いきや、銃のようなものを取り出して、瀕死の白鳥にとどめをさします。

「お嬢さんとならず者」

ボリショイペアがAプロのゼレンスキーの演目をアレンジして。
リボンをツインテール状につけたボーダースカートにブラウスのラントラートフがポワント付きでお嬢さん役。ならず者をマーシャが演じたのですが、上手過ぎて、ハンチングをとったヘアスタイルもくしゃくしゃのショートで、一瞬だれだかわかりませんでした。
2人とも演技上手すぎです・・・

「こうもり」

Bプロのゲラン・ルグリの演目を。マラーホフが奥様で、ヴィシニョ―ワが電話をもってくる小間使いの役どころでお洒落な洋服で巨大なアイパッドを持ってきてそれで、検索するマラーホフ。
ウルリック役をお腹に詰め物をしたアイシュヴァルトさまとリュドミラ・コノヴァロワが分けあって。アイシュバルトさまの男役はせっかくの美形なのだからお腹の詰め物はなくてもよかったかも!
奥様マラーホフが本役より相当盛った(笑)ビスチェ姿に変身してここからはとても上手にポワントで踊ります。
さすが、ファニーガラ最多出演?の積み重ねがモノを言いますね!

「四羽の白鳥」×2

と思ったら、初心者?でもとても上手で驚いたクオリティの4羽の白鳥が!
下手からレヴァツォフ、オスカー・シャコン、マチアス・エイマンが3羽で、上手側に、フォーゲル、スティーブン・マックレー、アレクサンドル・リアブコ、そしてエルヴェ・モローの4羽が白鳥の姿でポワントであの振りを踊ります。
そこになぜかピカチュウの着ぐるみに白いチュチュだけつけたシムキンくんがレヴァツォフの隣に飛んできます(笑)
この並び・・・きれいどころズラりで、笑いというより、1人1人見るときちんとポワントで踊っているし顔つけてるし、もう目が足りません!全員1人ずつフォーカスして観たい!
最後エルヴェがキチンと手を揃えてラストのポーズを決めているところまで確認。
こんなことしない人だと思っていたのに、意外!嬉しいです^^
シムキンくんのどや顔も印象的。

「眠りの森の美女」オーロラの誕生日

アメリカのバースデ―ケーキのように鮮やかなピンクと白で盛りもりなお衣装の巨大なオーロラはゴメス様。
ローズアダージョの前半でしょうか、とても上手にポワントでおどるゴメス様。
・・と並ぶと2人のとても美形な小人のようなサレンコとアッツォー二が白い鬘に黒白の宮廷衣装で並んで渋い顔をするのが可愛過ぎ。
ゴメス様は王子の出す手の高さが合わなくて、いきあり頭を支えにしてのアラベスク、とかやりたい放題ですね。

フィナーレはいつものように、多分これから目黒の佐々木邸で催されるフェアウェルパーティ仕様でフォーマルドレスが美しいアレクサンドロワがいるかと思えば、ガラ演目の役のお衣装にリセットした大半と、間に合わなかったのでファニーガラそのままのゴメス様など、バラバラすぎる状態が、いかにも祭りのあと・・という雰囲気で
最後は恒例の手ぬぐい投げ、あと、NBSから一人ずつに手渡されたブーケを舞台近くの通路に詰めかけたファンに渡してあげる心優しいダンサーも^^

夏の祝宴が終わりました!
次は3年後の2018年、その次はオリンピックYEARの2010年だとか。
観られますように・・・

第14回世界バレエフェスティバル クラスレッスン見学会

August 12 [Wed], 2015, 18:57
Bプロが始まって忘れかけていましたが^^;
2015年8月2日、10:15〜のクラスレッスン見学会、今回も行って参りました。

東京文化会館のステージに客席に向かってタテに4本のバ―が設置され、すでにアップを始めているダンサーもいる中で、三々五々、思い思いのレッスン着でバレフェス参加ダンサーたちが現れては開いているバーの前に場所を定めて、談笑したり、ストレッチを黙々と行ったりしている様を、わたくしたちは客席(1階S席の後ろ半分くらい)から見ると言う企画。NBSのバレエの祭典会員向けの特別プログラムで、なかなか普段は観ることのないお稽古風景、ダンサーの素の表情を観られる良い機会なので楽しみにしています。


最初、下手側からバ―@にタマラ・ロホ、スティーブン・マックレー、バーAにアシュレイ・ボーダーと向かい合ってサラ・ラム。バーBにゲラン、その奥にマチュー。マチューは年上の女性の近くだと落ち付くのね、と思ったことは内緒です^^;いつもちょっとカワイイTシャツを着ているマチュー、上下黒、ですが、今回は「海王」と白文字が入ったものを。
スティーブンはオレンジ系の縞々のタイツを。
そしてバ―C、一番上手のバーにはマライン・ラドメ―カ―とヤ―ナ・サレンコが。
ややあって、@の手前にマラーホフとヨハン・コボーが加わり、Aの奥にアルバン・レンドルフ、手前にルグリ先生が。
フォーゲルくんはCのマラインのところに「やぁ」、という感じで加わって。基本同じバレエ団のお仲間どおしで近くに固まる感じでしょうか。マラーホフは多分チャコットの自分ブランドのモノトーンのボーダータイツを着用。太くて長いゴムバンドのようなものを使ってピアノの下にもぐって?寝そべってストレッチをしていました。体幹トレーニングかしら?マラーホフは今回の出演のためにかなり身体を絞ったものと思われます。
その後に登場したのは結構厚着のアイシュバルト。バー@のスティーブンの手前、マラーホフの前に。
ハンブルグのアンナ・ラウデ―ルとエドウィン・レヴァツォフは遠慮があるのか、このバーの奥に。
バ―Aには手前(客席側)にマチアス・エイマン。ルグリ先生に挨拶しながらいきなりこの位置なので、おぉ、さすが自信があるのだなと。シルビア・アッツォー二がサラとルグリ先生の間に。
バ―Bに加わったのはリアブコ。なので舞台中央の客席近い側の並びがルグリ先生を挟んで下手マチアス・エイマン、上手アレクサンドル・リアブコとなりました。
イイ感じの並びですね^^
後から来たコジョカルはヨハンのいるバー@がいっぱいなので、バーBのゲランの前、アマトリアンの手前に。最初ヨハンに挨拶のキスして、客席にも挨拶したのがアリーナらしくてカワイイ。
バ―Cには一番上手端、ヤ―ナ・サレンコの手前にワディム・ムンタギロフが加わり、この日のメンバーは以上。

デュポン、モロー、ロシア勢、キューバペアは加わりませんでしたが、このメンバーだけでも、目が足りない状況にホクホク。

各々ストレッチをしたり、水を飲んだりストレッチしながら、徐々に稽古着を調整したり・・・・。

イザベル・ゲランがスッピンに近いお顔でお稽古着もシックなお色目だったのにもかかわらず、ひとたびアームスをゆるやかに動かしただけで、そこに生まれた優美なフォルムに目が釘付けに。
ゲラン、流石。

そうこうするうちに、バーが撤去されて(マラーホフがユーモアたっぷりにお手伝いしてみせてくれました。彼は本当に良いムードメーカー)、平場でのグループレッスンに。先生役は前回のバレフェス同様銀髪ボブが美しいオルガ・エヴレイノフ先生。
先生の指示通りに生ピアノに合わせて、ジュテやフェッテを組み合わせた一連の動作を2〜5名くらいのダンサー毎にグループを作って同時に踊るという、これは本当に観ごたえあり。
とりわけ、バ―での並びでおぉっと思ったルグリ先生センターのリアブコ、エイマンの並びでのジュテ連続などはワクワクさせられ、レディースグループにひとり交じるマチューに安定のマチューだわ・・と思ったり^^

最後にタマラがお得意のフェッテを組み合わせて、わたくしたちのためにありがとうございます・・と言いたくなるような明らかに観客に向けてのパフォーマンスをしてくれて、この会はお開きとなりました。

さりげなく贅沢なお時間でした

P R
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