June 11 [Sat], 2016, 3:43
こばやんと砂の丘を転げた。
真っ黒な砂の丘。
わたしは転ぶのが嫌だったけれど、砂の丘を早足で行くには不適切な靴だったので、
どうしても足が砂にとられてしまう。
転ばないということを諦めて、這いずりながら丘を斜めに登った。
最小限に手をつきながら、爪のあいだに入る砂を確認しながら。
左斜め前にいたこばやんは、豪快に砂を潜るようにして、髪まで砂につけて
這いずっていた。
その姿は一瞬滑稽だったし、砂だらけになることはとても嫌だったけれど、
わたしもすぐにそのやり方に変えた。
早くこの砂の丘から脱出したかったからだ。
こばやんと黒い砂の丘を転げ落ちた。

オードリーを迎え入れる二つの入口で、たくさんのお金を使わせてもらって、
お出迎え装飾のプロデュース対決があった。
行ってみると、手配をお願いしていた赤・青・白の3色を基調にしたカバー布が
数が足りないという理由で、黄色・緑・白に差し替えられていた。
柄もわかりづらいツタだったのに、誰がみてもハワイみたいな花柄に変わっていた。
女社長は「仕方ない」と決断したのか、一斉に差し替えられていった。
女社長の顔をのぞきこむと、「ま、いっか、仕方ないっしょ」が本音のようだったけど
わたしは納得ができなくて、
彼女に「ほんとにこの色で大丈夫ですか?」と聞いた。
そばにいた人から「大丈夫だから、もうなにも言わないで」と懇願されたけれど、
わたしは納得ができなくて、
女社長に「色味もまったく違うし、花柄って」と伝えると女社長は
「そうなの。赤青白はとても思い入れのある色で、ツタにも意味があったのよ」と言って
わたしを抱きしめた。
それをみたまわりの女性は複雑な顔で、めんどくさいことしないでよと思っている人が
大半だった。
だけど、わたしはさらに続けて
「だったら、布ごとすべてはずして、素材の藤や木のままのほうがいいのでは?
全部はずしましょうよ」と伝えた。
彼女は「全部はずしてー、入口は薔薇にするから、中庭にも薔薇をまくわ!」
大量の薔薇を手配することになるけれど、薔薇の手配なんて簡単だろう。
視覚ではなくて、嗅覚で勝負する作戦かな。

中庭の仕上がり具合を観に行ってみた。
そこはちょっとした丘になっていて、中庭とは思えない、外。庭には思えない広さ。
一面が砂、灯台のあかりのようなライティングで、さみしい中庭という印象だ。
ところどころに薔薇の花びらやドライフラワーになった薔薇が散らばっているので
とてもいいにおいなのだが、ただたださみしい。
早く丘を登ってパーティ会場に戻りたくなる。

そこで少し先にこばやんがいた。
老婆は何を履いているんだろう。スタスタと砂の丘に薔薇の花びらを散らしていた。
丘の上にはたくさんの窓からオレンジ色のあったかい光がみえる。
早く戻りたいけれど、なにせ靴が不適切だった。
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