ギャラ3割カット!? 広告出演する有名人に大切なこととは(Business Media 誠)
June 16 [Wed], 2010, 12:52
昨今の経済環境の中で、タレントの出演するCMが激減。またタレントのギャラも暴落しているようだ。
今年2月に『週刊現代』に掲載された記事では、民放各局がタレントの番組出演料を3割以上も削減と報じている。また、CMの出演料も削減され、特に大物芸能人ほど下落幅が大きいという。推定でも、仲間由紀恵さんや長澤まさみさんはCM出演料が約2000万円下落、松嶋菜々子さんはかつての半額とのこと。男性タレントでも、明石家さんまさんや妻夫木聡さんなどが軒並み3割以上のダウンらしい。
●なぜ企業はタレント起用を避けるのか
不況の影響で、大手企業でも、昔と同等にCMを打つだけの十分な資金体力が無く、高額なギャラが発生する大物タレントの起用を避け、子どもや動物を使うといった傾向にある。
昨今の経済状況の中で、ROI(=Return on Investment/投資利益率。投資額とそれが生む利益との比率)を重点指標とする経営や広告が広く浸透するにつれ、企業の広告は、より費用に見合う「効果」を期待されるようになっている。逆に言えば、タレントのギャラの下落は、その「効果」を果たすに至らないという結論に過ぎないのだ。
売れるかどうか分からない、ギャンブル的な投資は控えられ、効率のよい投資が求められる今日の状況では、「売り上げ向上につながる」タレントやCMが強く求められている。
●広告に出演するタレントの責任とは
広告をプロデュースする立場から言えば、2009年末に起こった薬物使用によるのりピーの逮捕で、最も被害を被ったのは、彼女をCMで起用したスポンサー企業だと思う。
頭痛薬「ノーシン」でおなじみのアクラスは、酒井法子さんを起用したCMを1997年から続けてきた。決してテレビCMが多かったわけではないが、ブランドイメージの醸成に、少しずつ、じっくり、実に10年以上の歳月をかけてきたのだ。
そんなCMに出演していた彼女が、まさに「白い薬」で逮捕された事件は、白い頭痛薬を販売するアクラスにとっては、本当に大きな痛手だったはず。薬が“頭痛の種”になってしまうとは何とも皮肉な話である。
逮捕後、「CM契約社にはCMの違約金が支払われる」との報道もあったが、これは単に違約金を払えばよいという類の話ではない。違約金以上の大きなダメージが、企業には重くのしかかってくるのだ。
酒井法子さんだけでなく、覚醒剤で逮捕されたタレントは、その後「製薬会社」のCMに復帰することは、常識的に考えてまずない。立場を変えてみれば、これはタレントが自分で自分の可能性を狭めていることにほかならないのである。
●「CMに出演する」ことは「社員の1人として振る舞う」こと
ソフトバンクのCMに出演するSMAPは、CMが決まった後、メンバー全員が携帯電話をソフトバンクモバイルに乗り換えたという。
また、かつて和田アキ子さんは、自身の出演する「アッコにおまかせ」の中で、CMに対する思いを次のように語っていた。
「例えば、自分がコンビニなどでお茶漬けを買うなら、(CMに出演させてもらっている)永谷園を買うのは当たり前だと思う。だってこんな私に期待してくれたスポンサーさまからお金を頂戴しているわけだから、普段の生活の中でも、その期待を裏切ることはあってはならないと思う」
この発言を聞いた時、私は「この人は、CMに出演するタレントの鏡。真のプロフェッショナルだ」と感じたことを今でもリアルに覚えている。
芸能人の数が多くなる一方で、企業CMの数は少なくなる時代。広告をプロデュースする立場の人間として、私はタレントのみなさまにお伝えしたい。
「これからの時代、CMに出演するタレントには、まさに企業の『広告塔』として、『社員の1人』になりきって、責任ある行動をすることが求められますよ」と。
CMに出演している時だけでなく、普段の行動、言動そのものが問われる時代になっているのだ。(小野寺洋)
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今年2月に『週刊現代』に掲載された記事では、民放各局がタレントの番組出演料を3割以上も削減と報じている。また、CMの出演料も削減され、特に大物芸能人ほど下落幅が大きいという。推定でも、仲間由紀恵さんや長澤まさみさんはCM出演料が約2000万円下落、松嶋菜々子さんはかつての半額とのこと。男性タレントでも、明石家さんまさんや妻夫木聡さんなどが軒並み3割以上のダウンらしい。
●なぜ企業はタレント起用を避けるのか
不況の影響で、大手企業でも、昔と同等にCMを打つだけの十分な資金体力が無く、高額なギャラが発生する大物タレントの起用を避け、子どもや動物を使うといった傾向にある。
昨今の経済状況の中で、ROI(=Return on Investment/投資利益率。投資額とそれが生む利益との比率)を重点指標とする経営や広告が広く浸透するにつれ、企業の広告は、より費用に見合う「効果」を期待されるようになっている。逆に言えば、タレントのギャラの下落は、その「効果」を果たすに至らないという結論に過ぎないのだ。
売れるかどうか分からない、ギャンブル的な投資は控えられ、効率のよい投資が求められる今日の状況では、「売り上げ向上につながる」タレントやCMが強く求められている。
●広告に出演するタレントの責任とは
広告をプロデュースする立場から言えば、2009年末に起こった薬物使用によるのりピーの逮捕で、最も被害を被ったのは、彼女をCMで起用したスポンサー企業だと思う。
頭痛薬「ノーシン」でおなじみのアクラスは、酒井法子さんを起用したCMを1997年から続けてきた。決してテレビCMが多かったわけではないが、ブランドイメージの醸成に、少しずつ、じっくり、実に10年以上の歳月をかけてきたのだ。
そんなCMに出演していた彼女が、まさに「白い薬」で逮捕された事件は、白い頭痛薬を販売するアクラスにとっては、本当に大きな痛手だったはず。薬が“頭痛の種”になってしまうとは何とも皮肉な話である。
逮捕後、「CM契約社にはCMの違約金が支払われる」との報道もあったが、これは単に違約金を払えばよいという類の話ではない。違約金以上の大きなダメージが、企業には重くのしかかってくるのだ。
酒井法子さんだけでなく、覚醒剤で逮捕されたタレントは、その後「製薬会社」のCMに復帰することは、常識的に考えてまずない。立場を変えてみれば、これはタレントが自分で自分の可能性を狭めていることにほかならないのである。
●「CMに出演する」ことは「社員の1人として振る舞う」こと
ソフトバンクのCMに出演するSMAPは、CMが決まった後、メンバー全員が携帯電話をソフトバンクモバイルに乗り換えたという。
また、かつて和田アキ子さんは、自身の出演する「アッコにおまかせ」の中で、CMに対する思いを次のように語っていた。
「例えば、自分がコンビニなどでお茶漬けを買うなら、(CMに出演させてもらっている)永谷園を買うのは当たり前だと思う。だってこんな私に期待してくれたスポンサーさまからお金を頂戴しているわけだから、普段の生活の中でも、その期待を裏切ることはあってはならないと思う」
この発言を聞いた時、私は「この人は、CMに出演するタレントの鏡。真のプロフェッショナルだ」と感じたことを今でもリアルに覚えている。
芸能人の数が多くなる一方で、企業CMの数は少なくなる時代。広告をプロデュースする立場の人間として、私はタレントのみなさまにお伝えしたい。
「これからの時代、CMに出演するタレントには、まさに企業の『広告塔』として、『社員の1人』になりきって、責任ある行動をすることが求められますよ」と。
CMに出演している時だけでなく、普段の行動、言動そのものが問われる時代になっているのだ。(小野寺洋)
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