松本真由美 オフィシャルブログ

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自動車部品を作る製鉄の現場

August 14 [Sat], 2010, 23:16
きょう3回目の更新です。増毛海岸における藻場再生プロジェクトで利用されている製鋼スラグを提供しているのは、新日本製鐵株式会社です。今回の体験ゼミを引率している山本特任准教授と共同研究を行っていることから、製鐵所内を特別に見学させていただきました。室蘭製鐵所は、1909年(明治42年)に創業し、日本の発展とともに日本の工業を支えてきました。ここで作る製品の多くは自動車関連産業に向けられ、エンジンや駆動系などの足回りの重要保安部品に使われています。

私も鉄をつくる現場を見るのは初めてなので、とても楽しみにしていましたが、実際に現場に来てみると、想像以上のとてつもないスケールの大きさには驚くばかり。わっ、これは何?すごいものが目の前を走っています・・・

これは、ドロドロに溶けた鉄を運ぶトーピード・カーだそうです。当たり前ですが、ものすごく熱そう。この場面に遭遇し、工場好きな私としては、ワクワク感が一気にアップ!

工場の敷地面積は、約418万u、社宅用地他構外面積は、約400万uで、室蘭市の約10分の1の面積を占めるほどです。

車で工場の敷地内を走りましたが、さまざまな施設が続きます。藻場再生プロジェクトに利用される鉄鋼スラグも敷地内に積まれていました。

高炉に着き、内部を見学させていただきました。

ここでは、鉄鉱石とコークスを入れて、約1200℃の熱風を吹き込みます。これによりコークスが燃えて炉の温度が上がり、鉄鉱石から鉄分が取り出され、溶けて炉の底にたまります。これを銑鉄(せんてつ)というそうです。

次に、溶けた銑鉄を鋼のかたまりにします。ドロドロに溶けた銑鉄に酸素を吹き付けて、酸素の量を調節し、ねばり強く加工しやすい鉄にします。これが鋼(はがね)です。鋼を作る転炉も見学しました。転炉は大きなつぼ型の炉で、鋼の約75%がこの転炉で作られています。

次の行程では、高さ100メートルはあろうかという設備の中、1回300トンの銑鉄を運ぶ巨大な釜が目の前を通り過ぎ、グオーと轟音を上げながら銑鉄が転炉に注がれ、酸素を吹きつけられると火が噴き出しました。鋼を作り上げる一連の作業には、言葉を失うほど圧倒されました。 そして、鋼片(こうへん)は加熱され、圧延機で押し延ばされて、いろいろな形の鋼材になります。下の連続鋳造機の導入により、1950年代には鋼を鋼片にするのに12時間かかっていたのが、今ではわずか5分で鋼片が作れるようになりました。使用するエネルギー量も1950年代の3分の1に減ったそうです。

オペレーションルームでは、行程を監視する最新設備が導入されています。

鉄を作ることは、たくさんのエネルギーを使います。そのため、室蘭製鐵所でもコークスの熱を回収し電気に変える装置や、製鐵所で発生するガスを回収し発電や燃料に使う設備など、さまざまな省エネルギー施設を導入しています。また室蘭市内で回収されたスチール缶は鉄スクラップとして転炉などの原料として利用されています。また鉄つくりには大量の水も使うため、使用した水の90%以上をリサイクルして利用しているそうです。温室効果ガスの排出をできるだけ減らすために高度な技術がいろいろ取り入れられているんですね。

今回の見学で、製鉄の現場は危険と隣合わせでもあるため、常に緊張感を持って取り組む大変な作業なんだと改めて思いました。俗っぽく言うならば、これぞ究極の男の職場。サウナのように高温の中で真剣に作業している技術者や現場の皆さんには本当に頭が下がります。製鉄の現場を見ることができたのは非常に有意義で、認識を新たにしたことも多々ありました。現場を見ることの大切も再確認した次第です。
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プロフィール
  • ニックネーム:松本 真由美
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東京大学先端科学技術研究センター 特任研究員(エネルギー・環境分野)。
専門は環境/科学技術コミュニケーション。環境・エネルギーの視点から持続可能な社会のあり方を模索中です。

テレビ朝日報道局を経て、CNNニュース、NHK衛星第一放送ワールドニュースのキャスターとして国際ニュースを伝える。
現在は東京大学での研究活動の傍ら、バイリンガル司会からシンポジウムのコーディネーター、講演、執筆など幅広く活動する。
またNPO活動等で草の根的な環境問題にも関わる。

NPO法人・国際環境経済研究所主席研究員・省エネルギー普及指導員・環境NPO Project ECOU副代表。
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