ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 を語る
2009.09.23 [Wed] 02:51

一昨日見てきた。
もう今更なので見たって事で感想も書かなくてもいいよね!と思ったけど、
絆創膏の数を意識させてくれるように、前の席の集団が「これで5回目だー」みたいな話をしていて、
1回目の積み重ねがない自分だけどせめてアニオタらしく振舞いたいということで感想を1つ。
ちなみにネット上の感想はかなりの数を読んでいたけど全く頭に入ってなかったので、
「ビーストモード」「今日の日はさようなら」「翼をください」「ワンダースワン」「屋上」などなど、
かろうじて頭に入ってた単語を拾ってニヤリとする程度のことしかできんかった。

つか次回が「Q」ってのがなんか怖い。
オバQとかウルトラQとかなんかホラーっぽいイメージが。

以下、感想。
全体の印象はとにかく『アニメ』だな、と。
これ説明するのがシンドイんだけど、もう正統派アニメとしか思えない作品になってると思った。
ポカポカとかいう擬音からして凄くマンガ・アニメチックな表現でこそばゆい。
物事を影で冷笑することでその価値を貶してきたのがエヴァだという風に思ってたんだけど、
今回は他人との間にそういった類の感情がほとんど見られなかったのが意外だった。
昔は他人の悪口とコンプレックスを集めていた感じがアニメにない、じゃないと思ってたんだけど、
その辺は綺麗に取り除かれて、王道的なやり取りに見えたなぁ。
駆け引きはあるんだけど、その言葉に偽りが感じられないってのがポイントかもしれない。

作画に関しては自分は小倉陳利さんを思い出したかなぁ。
なんかデフォルメしたようなシーンが日常シーンで多くて、
それが小倉さんチックなイメージの作画のように感じた。
いや、自分がそう思ってるだけで本田雄さんだったりするのかもしれないけど、
見ててリアクションがリアルじゃなくてデフォルメされたもののように見える箇所が多かった。
手抜きとかそういう意味ではなくて、
あくまで親しみのあるアニメであることを強調するところに意味を感じるというか。
見てて「これは本当に劇場作品なの?」って疑問符がついてしまう程に。
あと上の意図とはまた別にDVDなんかでは結構手を入れるんじゃないかとも思った。
戦闘は手で顔潰すような体勢のシーンが多かった印象。

細かく本編。

冒頭から度肝抜かれた。
正直一番面白くて楽しかったのが冒頭。
エントリープラグ内ってひきこもり場所とか色々言われてたけど、
その中を自由に動き回るようにレバーを動かす新キャラ:マリが印象深かった。
他の場面でも中で立ち上がってみたりして、プラグ内を広く受け入れてる印象が強かった。
全ての選択が切羽詰っている、操作不能な状況がエヴァなのに、
自爆や暴走など旧作で切羽詰ったときに使われていたものを、
当たり前のように行うところに非常にアクティブな一面が見えると共に、
チルドレンたちにとってのエヴァという牢獄を全て請け負ってやろうという意図を感じた。
それは全て、冒頭で語られる目的のためだとも思える。
エヴァに乗ることがアイディンティティだったチルドレンたちの先を行ってる。

あと「大人を利用して〜」という辺りを聞いて、大人びたキャラだと思った。
レイやアスカが女の子らしい一面を見せているが、マリは彼女らとは違う女だと意識させられた。
現代の女の子で大人を利用してやろう、って発想と覚悟を持てるのは女だと自分は思うのよな。
シンジを男の子から男に導く下りが加持からマリになってるけど、
それも女だから出来たのではないのかなぁ、と。


個人的に引っかかったのが科学技術と弐号機。

「科学は人の力」だと語ったのは旧作のゲンドウだけど、
あくまで力だというのを意識させられるなぁ、と。
科学技術の革新でネルフを取り巻く社会現状、シンジのウォークマンなどをうまく演出していたと思う。
あの世界でケータイはこの型が使われてるけど、だったらテープのウォークマンなんて使わないだろうし、
なぜそれを使っているのかっていうのに説得力があるように感じた。
あと赤木博士が旧作では黒幕で役者だったけど、
今回は予想外のアクシデントが多く発生しているようで、
これが科学者の個人の限界なのかもしれないなーとか思った。
技術の発展で生活や社会は変わっていく様子を旧作を通じて突きつけられてる感じ。
MAGIがイマイチ活躍しないのもこの辺に要因があるのかもしれんなー。
この作品が旧作と捩れて感じるのも、そういった時代性によるものなのだというのも端的に描かれてるし、
何よりセカイ系と呼ばれる作品に対してのカウンターとも成りえる・・・のか?この辺はよくわからない。
ただ、科学が発展していく限り、エヴァも続いていくのかもしれないなぁって思った。

ウォークマンの演出は結構意外だった。
エヴァを降りることになって電車に1人で乗ってるシンジが、
「夢の中でウォークマンを手放したシンジ」の図を継承しているように見えた。
そうやって突き放すけど、最終的にウォークマンを取り戻すというのを見ると、
あの電車内で太陽をバックにしたレイ、光、
それも一緒に手に入れたのかなーと思った。つーか『レイ』ってまんまや。
そして最後に月をバックに現れたカヲルが出てきて、
旧劇場版の「太陽と月と地球がある限り大丈夫」の意味が次回でわかるかもという期待が。
あとレイを手に入れたことで初号機が変化していくのを見て、
人間と光についてもちょっと引っかかるところも。
人と使徒の光の構成パターンが云々という話にしてもそうで、
人間、意思の行き着く先は光なのかとか悶々と悩んでしまった。
これは最近だと超人と一緒に『CANAAN』辺りで語られてて、このシンクロ率は何なの?って思った。

弐号機はまんまウルトラマンに見えたなぁ。
初登場シーンが板野サーカス調だったけど、今はウルトラマンでも使われてるのよね。
旧劇場版の引用というよりは、ウルトラマンじゃないか、と。
マリがビーストモードを発動させるときにマリのプラグスーツが発光するあたりを見てもそう。
元々のネタがウルトラマンだけど、弐号機はマリを据えてますますそれっぽくなった。
超人という意味では、所謂暴走状態のエヴァを手なずけてるのを見るとカヲルに近いような。
上の話とも絡むけど、そんなウルトラマンが勝てない敵に勝つ初号機って何なの?って思った。
ウルトラマンは光をエネルギーに使うけど、レイを取り込んだ初号機を見て、
ああ、ウルトラマン超え目指してるのかなーって思った。
ただその前の時点で初号機メチャクチャ強かったんで、その辺に矛盾が生じちゃうけど。
まあ、この発想は見る前にウルトラマンのCM見たからなんで、どうでもいい話の部類ですが。
目からビームとかロケットパンチ?とかむしろマジンガーっぽいし。

なんというか、進化の先、人の目指すところってのが、エヴァの中核にあるように思うので、
それが光なのかもしれないと自分は思ってるんですよ、たぶん。
アニメは全般的に、光になることを目指す超人たちを描いているような気がするので、
アニメ自身がそれを目指してるように思っていて、エヴァはそれを積極的にやってるのかなって思った。
人が光になる可能性というか、そういうオカルト部分が最近気になるところなので。
坂本真綾はその辺を否定したい側、引き立て側にまわってる気がする。

そういえば光って『静止した闇の中で』なんかでも触れられてた気がするな。
そして先頭に立って作業するゲンドウもいた。
あの熱心に作業するゲンドウが破のゲンドウとも思えるところもあるような気もするんだよなー。
やっぱQ次第かー。
そういう細かいところを突いていくと、実は旧作と大差ないのかもしれんなーとも思った。

そういえば「七光り」ってのが繰り返し出てきたけど、これはどう捉えればいいのかしら?


まあ、こんなところかなぁ。
ネット感想改めて読んだら気づけてない箇所多すぎで凹んだ。
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