『チェンジリング』

November 22 [Sun], 2009, 0:18
10歳になる息子が行方不明になった。電話交換手として働くクリスティンは警察に通報するが、反応は鈍い。その上、ようやく見つかったと思った息子は、まったくの別人であった。不正と戦う人々の協力を得て彼女は必死にそのことを訴え続けるが、警察は彼女を精神病院に強制的に入院させてしまう。その頃、一人の刑事が農場で見つけた不法入国の少年から、ある衝撃的な話を聞かされる…。


実話なんだよねー…。てゆーか、実話の方がもっと悲惨な事件なんだよねー。
という重い気分で見終わったけど、アンジーの最後の言葉は切なく哀しく、でも美しかったです。「繰り返し見たい」と思うには、やはり軽い気持ちでは見られない重苦しい物語なので、一度見れば充分なのですが、一度見たらたぶん忘れない映画です。それにしても恐怖のシカゴ市警。いやあ、戦時中の日本の特高警察とどう違うのよ、あんたら。今は違う…ことを祈るばかりです。その中でも、ちゃんと人の話を聞ける刑事さんがいたところが救いですけどね。だって、あの刑事が少年の話を信じなかったら、この事実は埋もれちゃったかもしれないわけですよ?そして、日本の警察だったら揉み潰されそうだとか思うのは私だけですか?
いや、でも、とにかくアメリカという国の負の側面は、よぉぉく描かれていたと思いますよ。久々にイーストウッド監督作品で良かったと思えた(え?)
続きはネタバレありで、ちょっと気になったところ。

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相棒シーズン8第五話「背信の徒花」

November 18 [Wed], 2009, 23:54
五年前に自殺した国土省職員・三島。彼は官製談合疑惑で二課の捜査対象になっていたが、ある日、省内から忽然と姿を消し、翌日には死体で発見されたのだった。当時の捜査で多少の不審点はあったものの結局は自殺として処理された、その三島の死の当日の姿が、ある鉄道ファンの撮ったDVDに映っているのを見つけた右京は、さっそく捜査を開始する。なぜなら撮影場所は死体発見現場よりも大きく離れた、高速道路建設予定地だったからだ…。


徒花こそが美しい……場合もある。
もちろん、歪で汚らわしい徒花もある。

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『蘭陵王』田中芳樹

November 15 [Sun], 2009, 23:24
北斉の皇族・蘭陵王は才智に富み、戦場にあって武勲を重ねた。彼はその美しい顔を隠すために鬼面をかぶり敵に対したと言う――。中華分裂の時代、南北朝。斉は周や陳、突厥との間に戦が絶えなかった。美しい容貌を悪鬼の仮面に隠して戦場を疾駆する蘭陵王だったが、その武勲と人望ゆえに皇帝から猜疑の視線を向けられる続ける。そんな中で、徐月琴は宰相である父から蘭陵王の動向を見張るように命じられた…。


ずっと前、某所での催しのポスターが舞楽「蘭陵王」の写真でした。ものすごい悪鬼の仮面を被っているので、字面の美しさに似ずご面相がすごいことになっているな、と口にしたら、中国の歴史上の人物で蘭陵王という人が戦場で仮面を被っていたことに由来しているのだ、と母に聞かされて、へぇ、と思ったことを憶えています。その後、田中芳樹の短編小説「匹夫の勇」にて、そのお姿を拝読することになりました。
そう、あの簫摩訶の前に立った蘭陵王が、ついについに今回の作品の主人公!…なのですが、彼がなぜ死んだかを知っていたので、嬉しさよりも悲しさ切なさが先に立つ。どんなに武勲を立てても、国を守ろうと思っても、結末を知っている読者は寂しいばかり。てゆーか、もう思い入れが強すぎて、冷静な感想とか無理。
それにしてもマイナーな南北朝時代。歴代皇帝の極めつけのダメさ加減というか、残虐凶悪外道ぶりは読んできた中でも断トツの感じがする北斉王朝。うわ、ストレス…。暗君昏君は歴史上多けれど、ここまで論外が雁首揃えるのも珍しい気がします。読んでて本当に気分が悪かった。なので、こんな国のために死ななくても、とか、謀叛を起しちゃえばよかったのに、とか余計なことばかり考えてしまいました。駄目じゃん。
そんな中で、唯一、読み手の気持ちを救ってくれるのがヒロイン、月琴。彼女が蘭陵王の横でポンポン喋る間は、こちらの気分も浮上できました(その分、反動が大きいのですが…)それだけに月琴と蘭陵王の別離のシーンは切なくて思わず涙しました。田中芳樹作品にしては珍しい別れ方だったしね。柳枝を見る度に思い出しそうだ…。
にしても、武成帝・高湛および無愁天子・高緯の父子には、はらわたが煮えくりかえる思いでした。王に王たる資格なくば王にあらず、と言いますが、まったくその通り。

★★★☆☆(3.5)


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『ザ・クリーナー』

November 15 [Sun], 2009, 23:18
ある事件をきっかけに刑事を辞めたトム。新たに選んだ仕事は事故や事件、自殺現場の清掃だった。ある日、依頼を受けて殺人現場を清掃したが、ひょんなことから依頼人が家主ではなく、依頼書に名前があった担当刑事も架空の人物だったことが判明する。家の主人が市警の収賄に関する証人だったことから、自分が何らかの陰謀に巻き込まれたと悟ったトムは…。


目の付けどころは悪くないのに、なぜか残念な凡作映画。それにしても、警察ダークサイド映画って収賄以外にネタがないの?しかも、主人公の言動とか警察の捜査の鈍さとか、いろいろと疑問符が残るし、突っ込みたいところがいっぱいあるし、そもそも犯人候補が一人しかいないってどんな状況だ。
以下、ネタをバラしながらの突っ込み。



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『十二夜』シャイクスピア

November 13 [Fri], 2009, 23:43
双子の兄と生き別れてイリリアに来たヴァイオラは男装してセザーリオと名乗り、領主オーシーノに小姓として仕えながら叶わぬ恋に身を焦がしていた。ところが、オーシーノから求愛されている伯爵令嬢オリヴィアは、ある日、オーシーノの言葉を伝えに現れたヴァイオラを、女とも知らずに愛してしまう。果たして、その恋の行く末は…。

光文社古典新訳文庫ということで、訳者の「新訳頑張ってみた」な意気込みは伝わるのですが、細々した単語の選択に不自然さが目立ったような気がしました。たぶん、お芝居で見るとそんなに違和感ないかもしれないと思うのですが、あくまでもこれは「本」なので、どうなのかなぁ、と感じる部分がいくつか。てか、もう、訳者のテンションが高めなので、こっちは若干引きました。結果、あまり新訳に成功したと思えなかったです。

★★☆☆☆


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相棒シーズン8第四話「錯覚の殺人」

November 11 [Wed], 2009, 22:52
11時前、錯覚研究の第一人者・好田教授は偽のアリバイを用意して、恋人の女性をテレビ局で殺害した。ところが、人気ロックバンドのファンが逃走ルート上に集まっていたため、彼は悩んだ末に一計を案じる…。同日、ちょっとした雑用でテレビ局に来ていた右京と神戸は11時半頃、好田教授がテレビ局に入ってくる現場に出くわした。直後、事件が発覚。二人はさっそく捜査に乗り出す。


神戸くん、イイ奴だよね(笑)

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『アラトリステ』

November 11 [Wed], 2009, 0:10
剣士アラトリステ、通称カピタン。スペイン軍傭兵として従軍した戦いで友を失い、彼の息子イニゴの教育を託される。少年を養育しながら暮らし始めたアラトリステは、ある日、聖職者から異端者暗殺を依頼されるが、胸騒ぎを覚えて標的を救った。その標的が実はイギリス皇太子と従者だと判明したことから、アラトリステはスペイン宮廷に蔓延る陰謀に巻き込まれることに…。


果たして、このあらすじで正解なのだろうか。ちょっと自信がない。なぜなら、筋がよくわからないまま終わってしまったから。権力闘争的な話はあったけど、政治的陰謀はあんまり絡んでないような気がしたり、いきなり年月が経ってて人物の区別がつかなくなったりして、当惑することが多かったです。スペイン史にも詳しくないので、どうも理解が追いつかない。
ただ、ヴィゴ・モーテンセンは素敵でした。養子イニゴの少年時代を演じた子役も美少年で、目の保養になりました。ただ、成人したイニゴが残念な感じで落胆しました。それ以外は一部を除いて、主要人物さえも識別できず。無念。
映像はフェルメールとかの絵を連想させる色使いが多くて、綺麗でした。フランドル絵画とか。光の加減と、画面の色合い、静物と人物の配置など。狙いすぎてて、室内が広すぎたり、家具の配置がおかしかった気もしましたが、わりと一コマの映像で見れば美しかった場面が多々あったと思います。
ついでに、ああいう剣士の衣装が大好きなので、それを見ただけでも価値がありました。他人には勧めないけど、個人的にはそれなりに満足。


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『サキ短編集』サキ

November 08 [Sun], 2009, 16:13
神経衰弱を理由に田舎での療養を勧められたナトルは、紹介状を持ってサプルトン夫人を訪問する。そして、対応に出た夫人の姪ヴェラから夫人を襲った悲劇について聞かされる…(収録作「開いた窓」あらすじ)

恩田陸『チョコレートコスモス』の中で使用された「開いた窓」読みたさに借りましたが、全体にけっこう面白かったです。いまいち意味のわからない話もいくつかありましたが、突き放したような、乾いたブラックユーモアが私には合ってたみたい。

★★★★☆

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『フェイク・シティ』

November 07 [Sat], 2009, 22:13
トム・ラドローは特別捜査班のエース。担当した双子姉妹誘拐事件で犯人を急襲して有無を言わせず全員射殺したが、そのことをかつての相棒ワシントンに咎められる。直属の上司ジャックによれば、ワシントンは内部調査部にトムの行状を密告したと言うのだ。怒りが収まらないトムは、翌日、ワシントンを殴るつもりで尾行。ところが直前に武装強盗が現れ、目の前でワシントンを惨殺して立ち去った…。


わかる人にはこのあらすじだけで、事件の全容が読めてしまう気がする。
とりあえず、トムがコリアン・ギャングの家に乗り込んで全員射殺して、その現場にジャックと他の捜査官が現れて、ワシントンがトムに詰め寄った辺りで、結末まで全部が読める。た、退屈すぎ…。そもそもコリアン・ギャングに「コンニチハ」とか言う必要性あんのか、トム。無駄なところで外国語能力を発揮するトム。とりあえず撃ちまくるトム。上司に褒められて尻尾振るトム。もしかして、キミ、ただのバカなの?(大真面目)
内部調査部にDr.ハウスのハウス先生が登場だったけど、杖がないだけで、まるきりハウス先生だった。しかも、そのキャラクターがほとんど活かされてない。もっと内部調査部の暗躍を活用してくれー。使えるものは使おうよ。
結論。トムはアホすぎる。ハウス先生は「暗」躍すぎて存在感がない。黒幕は登場早々から黒幕臭を振り撒きすぎ。いいキャラだったワシントン嫁も活かしきれてなかった。全面的にもったいないだけの映画。


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『アルカディアの魔女』篠田真由美

November 05 [Thu], 2009, 23:38
進級を控えたアキ、ハル、タモツ。ところが寮の新しい部屋に引っ越した早々、アキは七不思議探求をめぐってハルと喧嘩してしまい、しかも調整役のタモツも問題を抱えて「退学する」の一点張りで、チームはバラバラに。迫る古宮や影村の魔手、加えて男尊女卑傾向の強い北斗高揚会なる集団までが登場して…。シリーズ第三弾。

馬にバイク。まったくJは美味しいところをいただきすぎだと思います。
というわけでシリーズ第三弾。あんまりにもタイムリーすぎたネタのために、ちょっと微妙というか、この先どこまで突っ走る気なのか心配になってくる。大丈夫なのかなぁ。

★★★☆☆


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