坂井の坂巻

September 02 [Fri], 2016, 19:09
あの日、辞する点しかなかった。それほど思ってここまでやってきた。


嫌いで離れたわけじゃない。憎んで離れたわけじゃない。


けど、マニアだけじゃそばにいられなかった。
牧野の笑いを胸に、自身は身の丈を向けて歩き出した。


代表就任。

「みたい氏、この度はおめでとうございます」

若き代表の生まれにこの世も一般も大繁栄だった。
そういう世間の高揚とは裏腹に当の本人の自身は冷え切っていた。


牧野を守れなかった自分が悔しかった。
乳児すぎた自分に苦手がしたのを思い出す。
花沢物産でのし上がるためにジュニアだから2世の中だからと言わせないために自身は死に物狂いで働いた。
気付けばこの世からの手加減ない指導の会話や政略婚姻の問題が持ち上がる度に傷つきたまに牧野への皮肉に自身は気をまわす余剰もなかった。


そうして牧野は自身から去ることを選んだ。
それが自身につきだと呟いた。


最後のあの日、牧野は笑ってみせた。
これはもの悲しい分かれじゃないよと。
別々の裏道を出向くけれど
かりに離れても想ってるって。

ベッドの中で寝入る牧野の組み合わせを常に眺めていた。
これがおしまいだと思うと眠れなかった。

笑いをみせた牧野が涙を流して寝言で呟いた。
”1奴にしないで”

それが今も耳から離れない。


花沢物産の代表室の窓から外部を眺めていると
先程まで降っていた大雨がのぼり、雲間から陽光が差し込んでいた。

気持ちよいエアを感じながら自分の心は厳しく重く鈍色の雲がかかっておるみたいだった。


その時、虹が見えた。

トップにのし上がり、一律を手に入れたのに何故か悲しくて・・・。

そばに牧野がいない。


一律から守り抜きたくて力を塗り付けたのに。
貫き通したいはずの牧野が既にここにはいない。


その現実に逆鱗がちぎれそうなほど痛んです。

「あ、奥様!見て!虹だよ」

「え?」


見上げるといったそこには大きな虹がかかっていた。


「虹の発端ってどこに残るんだろう?」

「クスクスどこにあるんだろうね」

「今日はヴァイオリンのトレーニングだから迎えは6内だからね!いってしまう」

「気をつけてね!」

4年生になる次男を習い事に送り出して、見上げるって未だにそこにいる虹につくしは逆鱗が締め付けられた。


「みたい・・・見てるのかな?」

喉の深層がぴたっと締め付けられ涙がこみ上げてくる。


今朝、知らせで知った花沢類の代表就任。
TVに感じる花沢類にブレスが出来ないほど胸が締め付けられた。

「代表就任、おめでとう。ニーズが叶ったんだね。
みたい・・・再び私の地点なんて忘れたかな・・・」

センチメンタルになってる自分に苦笑いしながら泣いた。



とっくに前に進もうという決心したのに
逆鱗だけ立ち止まった通り・・・。
みたいを想って離れたあの時といった何も変わっていないのに
どんなに想っても再度方策の届かない奴なんだと思い知らされる。


「みたい、今も穏やかに微笑ん生じるのかな?」


みたいがただ幸せであってほしい。
つくしはそう願った。

もしもし牧野・・・今、ハッピー?

ナショナリズムに流れてるであろう代表就任の知らせで自身を見て
少しは自身の地点思い出してくれてる?


もしもし・・・牧野。
あの内、選んだ分かれは間違っていたのかな。

もしもし・・・牧野・・・かわいがりてるよ。今もずーっと。


いかに叫んでもきっとこれからさらに届かない。


1奴、広場に入るとがらんとしたスペースに孤立が身にしみる。
常に窓辺に座って笑ってくれていた牧野の噂が当てはまる。

も近づくと噂は消えて仕舞う。


再び窓辺にはいない牧野を見なし、涙が頬を伝った。


牧野が幸せでいるならなのでいいと思ってきたのに。
一律を手に入れた今も逆鱗が晴れない。
牧野がいない自身に何が居残るのだろう。
牧野の悲しみを拭い去ってやれなかったあの時の無力さから望んだ今のトップの座。
一律を象徴する高層ビルからの景観にただ悲しみって孤立しか感じなかった。

あれほど望んだ先々だったはずなのに。


「ママー!のろいよ。」

「ごめんごめん、些か散歩しながら来たら遅くなっちゃった」

公園のベンチで泣いたせいで眼が腫れていないか確認して
メイクを直して招待に来たらいつもより遅くなってしまった。


「聞いてよ、今度の公刊会でソロってトリオもするんだよ。
奥様来て受け取るでしょ?」

「勿論!カメラもしっかり用意してるからね。如何なる曲弾くの?」

「カノンだよ!奥様の好きな曲だよね」


頭に見て取れるのは、あの窓辺で長い腹心の栗色の髪をした王子氏という花沢みたいが弾くヴァイオリンのメロディー。




「もしもし奥様、トリオ始める友だちはパパも見にくるんだって。
僕にはどうしてパパがいないの?って聞かれたんだけど、死んじゃったんだよね?」


ビー玉というギンギンした眼で真っ直ぐにつくしを見つめてくる。


答弁に詰まったつくしはブレスをするのも忘れ去るほど人泣かせした。


「あ!まったく虹が見えるよ!!うわぁ、双方だよ!?どこまで続いてるんだろ?」

走り出した次男の後ろ姿を見つめながらつくしはわめき醸し出しそうになった。


平穏で幸せに満ちてるはずなのに逆鱗がえぐられたように痛む。


「類の地点賛美してる系統。二重の虹ですなんて・・・。もしもし、みたい?」

やるせないほどいとしい奴を想ってつくしは虹を見上げてそんなふうに呟いた。


お家の窓辺に座り空を見上げてこういう空の下に牧野もいるのだろうか。


「虹が・・・」


二重の虹が出てるのを見て、牧野を想った。
遅ればせ、どこかで笑顔でこういう虹を見ていてほしいって。

おんなじ空の下、ガッツは交差する。
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:悠雅
読者になる
2016年09月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
最新記事
最新コメント
ヤプミー!一覧
読者になる
P R
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
http://yaplog.jp/lsilfere1gm1ae/index1_0.rdf