そういった

November 06 [Tue], 2012, 2:17

 黒吉は、周章
あわて
て彼女を戻すと、
「一寸待って、訊きたいことがあるんだよ……葉ちゃん、怒らないでね。どうして、俺が嫌いになったんだい、何故」
 思い切って、いってのけた。
「あら、誰がそんなこといったの」
 つぶらな艶黒な眸
ひとみ
が、むしろ、好奇的だった。
「誰って、誰もいわないよ。俺が、只、そう思うんだ」
「まア、いつあたしが、あんたを嫌いだといったの、そんなことないわ」
「だって……口ではいわなくても……そうだろう、と思うんだ。
 せんはとっても親切にしてくれたじゃないか、俺アせんの方がよかった。みんなに下手
まず
い、下手いって、嗤われたって出会い 外人葉ちゃんだけは、笑わなかったし、元気づけてくれたし」
 黒吉は、くどくどと話しながら、自分の言葉に、瞼が、熱っぽく膨れてくるのを感じた。
「そんなの、あんたの僻
ひがみ
よ。あたしが褒めなくなって、皆んなが褒めるだけ、上手くなったじゃないの」
 葉子の顔も、蒼白く、固まった。
「俺ア皆んなに褒められるより、葉ちゃん一人に褒められた方が、ずっとずっと嬉しいんだ。
 そりゃ俺なんか、醜
きたな
いさ。義公なんかと比べもんに
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