カエラヌ魂 9 

October 19 [Fri], 2007, 17:05
 千尋にとって、病院を出てからの沈黙は想像以上に気が重たいものであった。
紗依の気持ちには気づいていた。幼い頃から封馬に好意を寄せていて、唯一素直になれる相手が渚であったことも。
高校に入り、封馬が若葉と付き合い始めたことによって、紗依の想いが叶うことはなくなってしまった。それに加えて今回の悲しい事件が、紗依の心にどう映っているのか……想像しただけでもひどく気の毒になってしまう。
「私、絶対許さない。」
 沈黙を破るように、静かだがはっきりとした口調で紗依は口火を切った。
「許さないって、誰を。犯人のことか。」
「違うわよ。吉住若葉よ」
「何で若葉ちゃん何だよ。彼女だって被害者だろ。一緒に毒盛られたンだ。助かったのは奇跡だって。さっき城の親父がそう言ってたのお前だって聞いてただろ?」
「聞いてたよ。でも……犯人じゃない証拠は無いじゃない」
 紗依の言葉を聴いてはっとした。確かに犯人では無いという証拠は無い。しかし、犯人である証拠もない。そもそも犯人であるとしたら、自分の飲み物に毒を入れるはずが無い。
 しかも若葉は渚と仲がよかった。二人ともさっぱりとしていて、女の子特有のベタっとしたものがなかった。
 紗依の言葉は、千尋の脳裡から一気に消えていった。
「落ち着けよ」
 まるで自分に言い聞かせるかのように言ってるせりふだ。それでも紗依の感情に任せたままの思い込みは払拭させなくてはいけない。
「お前さ、さっきの若葉ちゃんの様子見ただろ。あんなに呆然としてさ。俺、あんな彼女見たの初めてだよ。何も考えらンないくらいショックだったンだろうな。そりゃそうだよな。自分だけ助かって、渚だけ死んだなんて聞かされたら、誰でもショックだよな。……お前にしてみりゃさ、高校で突然現れて、好きな奴奪った女としか思えないかもしれないけどさ、良く考えてみろよ。お前に何言われようが一生懸命耐えて、あんな気まぐれな封馬に振りまわされても笑ってるンだぞ。」
 千尋の必死の呼びかけにも紗依はピクリとも動かないままでいる。それでも千尋は必死に続けようとしていた。
「なぁ、若葉ちゃんのこと色眼鏡で見るなよ。好きな男の彼女とかそういうンじゃなくて、一人の友達として見てみろよ。あんな良い子なかなかいないだろ。それにさ」
「だったら自分はどうなの?」
 不意に紗依は顔をあげて千尋の目を真っ直ぐと見据えて続けた。
「私のこと色眼鏡かけて見てるでしょう。私とあの子を比べて、あの子の方が数倍良いって思ってるンでしょう。自分がやってるくせに、偉そうに言っちゃって。昔からみんなそう。私が社長の娘だからご機嫌取りとかして。あの子の何が良いのよ。私とどう違うの?社長の娘じゃないから?私より身長が高いから?私より少し大人っぽいから?ねぇ。千尋は私の何を知ってるの?私の全てを知ってるの?心の奥底で思ってることも知ってる?どうせ何も知らないンでしょう。知ろうともしないモンね。それなのに……何にも知らないくせに知ったようなこと言わないでよ。」
 思いのたけをぶつけて、紗依は暗い道に向かって走り出した。
 初めて聞いた紗依の本音だった。今までお嬢様のようにわがまま勝手にいた紗依しか知らなかった。紗依のことを何でも知っているつもりでいた。ありのままの紗依をこれまで見ているつもりでいた。でも違った。
 千尋は、自分の言動がどれだけ紗依を苦しめていたのか、初めて思い知らされたような気さえしていた。

カエラヌ魂 8 

September 16 [Sun], 2007, 20:22
 まるで時間が止まったかと思うような静寂の中、赤く染まった夕陽がベッドに横たわった若葉を照らしている。その横には見守るようにして封馬がいた。
 小さな音を立てて病室のドアが開き、透吾が入ってきた。
「父さん。」
「今、治療をした先生に話を聞いてきた。容態は安定したようだ。」
「何があったのか説明してもらえませんか。」
 病室の隅にあるソファに座っていた千尋と紗依が、透吾に駆け寄るようにして立ち上がった。
 透吾は深いため息をし、夕陽が差し込む窓辺へと歩いた。
「彼女達が遊園地で購入した飲み物の中に毒物が混入された。」
「毒物?」
「ああ。あともう少し量が多かったら助からなかったそうだ。医者も奇跡だと言っていたよ。」
「そう言えば、豊福も一緒にいたんだよね。父さん、豊福はどこの病室にいるの。」
 透吾は窓の外に顔を向けたまま、ゆっくりと首を横に振った。それが全てを物語っていた。
 封馬はもちろん、千尋も紗依も全てを理解した。まさか、そんな。誰もが思ったことだった。しかし、まるで足に根が生えたように誰も動かず、まるで喉が蓋で塞がったかのように誰も何も言えなかった。
 透吾は封馬の肩に軽く手を置き、重く静まり返った部屋を後にして行った。
 なぜ、辰也に続いて渚までもが殺されなくてはいけなかったのか。残された三人には到底理解できるものではなかった。
「封馬」
 静まり返った空気を破ったのは、若葉だった。薬が効いているせいか、おぼろげな視線を封馬に送っていた。
「若葉、目覚めたか。」
 今目覚めたばかりの若葉の額を愛おしそうに撫で、囁くように声をかけながらそばの椅子に腰をかける。そんな封馬の顔は、笑顔だが今にも泣き出しそうだった。
「私、観覧車に乗ってて、その後から何も覚えてない。」
「飲み物に毒が入ってたんだ。」
「うん。渚と二人でウーロン茶飲んだの。渚が苦しみ出して、私も……。渚は?渚も一緒でしょ。今どこに居るの?」
 若葉は封馬の顔を覗き込んだが、何の答えも返ってこなかった。そして、紗依も千尋も何も答えない代わりに、グッと歯を食いしばったままだった。
「ねぇ、封馬。渚はどこ?」
 まだ完全に力が入らない手で、封馬の服を掴んで揺する様に問いた。
「豊福は死んだ。」
 封馬を揺すっていた手が止まった。
「若葉が助かったのも奇跡だって。」
 服を掴んでいた手が力を失くし、ぱたりとベッドに落ちる。若葉は呆然とし、その瞳から涙が溢れ出てきた。
「そんな、何で。」
 その声はまるで囁くようで、耳を澄ましていないと聞こえないほど、小さな声だった。
 病室にまた新たな沈黙が生まれた。

カエラヌ魂 7 

July 17 [Tue], 2007, 22:45
 観覧車のゴンドラから小さくなったビルや家屋が望める。窓にへばりつき、知っている建物があるか探してはしゃいでいる若葉をよそに、渚は小さなため息をついた。
 そんな渚に気がついた若葉は渚の様子をそっと見やり、渚の顔を覗き込んだ。
「どうしたの、渚。疲れちゃった?」
「少しな。休日の遊園地はやっぱり良くないな。人が多くて適わないよ。」
「そうだね。でも、さっきジェットコースターで思い切りはしゃいでたの誰だっけ?」
「あれは、若葉に付き合ってやったの。」
「よく言うよ。」
 憎まれ口を叩きつつも、お互いの顔を見やり、自然と笑みがこぼれる。二人は照れくさそうにウーロン茶に口をつけた。
「ありがとね。」
 唐突に若葉が渚の目を真っ直ぐと見てポツリと口にした。
「幼馴染が殺されちゃって、辛いだろうに、付き合ってくれて、ありがとう。」
 改めて御礼の言葉を口にする若葉に対して、驚きを隠せない渚だが、若葉の真っ直ぐな視線から目をそらすことが出来ず、思わず目頭が熱くなってしまった。
「そんな、私の方こそ、ありがとう。若葉のお陰で気分が少し晴れたよ。」


 夕日に染められた観覧車がゆっくりと乗車口に戻ってくる。
「お疲れ様でした。足元に気をつけて下りてください。」
 係員が勢い良く扉を開けた。だが、座っているはずの場所に人の姿が見えない。目線を下に向けると、二人の少女が横たわっていた。

カエラヌ魂 6 

July 01 [Sun], 2007, 22:16
 日曜日。
 渚と若葉が遊園地の園内を歩いていく。休日のため家族連れやカップルが多くいる。
 満面の笑みを浮かべ、観覧車を指差して歩いていく若葉について歩いていく渚。観覧車の列に並ぶ渚と若葉。
「渚、今日はありがとう。」
「え?」
「だって、本当は辛いだろうに、付き合ってくれて。」
「いや、こっちこそありがとう。何か気持ちが沈んでたからさ。今日誘ってもらえてよかったよ。」
 互いに目が合い、照れくさそうに微笑を浮かべ、クスッと笑いあった。
「何か喉渇いたね。何か飲みたい物ある?一緒に買ってくるよ。」
「じゃあ、ウーロン茶。」
「了解。並んで待っててね。」
「ああ」

 若葉が向かった売店は予想よりも長い行列が作られていた。
「うわ。結構混んでるなぁ。観覧車の順番間に合うかな。」
 ため息をつきながらも、仕方無しに列に並んで順番を待つことに決めた。



 観覧車に乗る列に並びながら、渚は物思いに耽っていた。
 高校に入学してから知り合った若葉と、ここまで仲良くなれたことが、渚にとっては何よりも嬉しいことだった。
 渚は男兄弟に囲まれ、空手道場を営んでいる家柄で育ったせいか、女らしさという点において若干欠けている。これまでも、内面をきちんと理解してもらう前にいつのまにか友達が離れていくことが多い。
 幼馴染の四人を除き、渚自身が心を開いている数少ない友人の一人が若葉なのだ。
 若葉はいつも笑顔でいて、人のために動いている。その行為に厭らしさが微塵もない。渚にはとても出来ない芸当だった。だからこそ、若葉のそばに居たいと思ったのかもしれない。
 素直に感情を口にすることが出来ない渚だが、それだけ、渚にとって若葉の存在はかけがえのないものだった。
 ―私は一人じゃない。
 そう思うことができる特別な存在だった。
 そんな若葉が、両手に飲み物を携えて、いつもと同じ笑顔で渚の元に帰ってきた。

カエラヌ魂 5 

May 04 [Fri], 2007, 23:02
 ― 一体どういう意味だろう。

 授業を放ったらかしにして、ノートに噛り付いている封馬がいる。
ノートには『春。花咲きほころび、過ぎ行くものを思い出さん。羽根を折られた鳥は飛び立てん。』と走り書きがされている。

このままじゃ訳わからないよな。まず何かの切り口がないと何も出来ない。『思い出さん』ってあるから、何かの思い出が絡んであるのかな。花咲きほころび…って、花……花が枯れるってことか?じゃあ、花が思い出だとしたら思い出が消えてっちゃうことか?ということは思い出が忘れ去られてしまうってことか。それから、羽根を折られた鳥は飛び立てん。そりゃ羽が折れたら鳥は飛べないよな。人だというと足か。

封馬はそこまで考えると、ノートから目を離し、鞄からクリアファイルを取り出し、がさがさとメモした紙を探し出そうとしている。

そう言えば、夕べ父さんの部屋から盗み見した資料のメモがあったはずだな。
事件発生前の辰也の行動は、まず午後九時に塾の授業を終えて急いで帰宅した。しかし家には帰らずに、塾の近くの森に向かった。森には大体15分ほどで着く。売店に辰也が着いて団子を食ったのが九時半近く。十分位して席を立ったって書いてあったな。そしてその後に殺された。そして、その時間帯に犯人らしき人物が売店の前を走っていった。犯人を目撃した婆さんが言うには、細身で一六〇センチくらいの男。…そんな奴世の中に五萬といるよな。

一つだけはっきりとわかっていること。それは、この殺人事件が、まだ終わっていないであろうということ。
そして俺は、言い知れぬ不安が押し寄せていることに気づかぬふりをしていた。

カエラヌ魂 4 

April 28 [Sat], 2007, 21:59
 俺は嘘をついていた。
 確かに親父は何も話してくれなかった。親父が夜遅くに帰ってくるまで起きていたにもかかわらず、ただ一言、寝ろと言うだけだった。
 でも俺は聞いていた。親父と母さんが夜中に話しているのを廊下で聞いていたのだ。

 透吾は妻についでもらったビールをうまそうに飲み干し、まるでビールが胃に浸み込んでくるのを感じているかのように、ふぅっと深いため息をついた。
「だいぶお疲れのようね。まさか、封馬の友達が殺されるなんて……辰也君を最初に発見したのは、散歩中のおじいさんだそうね。」
「ああ。犬の散歩中に、普段はおとなしい犬があまりに吼えるもんで山の中に入っていったそうだ。」
「そう。…辰也君を殺したのは一体誰なのかしら。」
「今捜査中だ。ただ、遺体の上に置手紙があった。」
「手紙?」
「ああ。『まずは一人目。春。花咲きほころび、過ぎ行くものを思い出さん。羽根を折られた鳥は飛び立てん。』」
「何?その『花は咲きほころび』って。何か意味があるの?」
「今の所全く分からん。多分犯人が残したものだろう。文面からすると、もしかしたら連続殺人になるかもしれない。」
「そんな……」
「『まずは一人目。』第二、第三の犠牲者が出るかもしれない。」
透吾は空になったグラスをきつく握り締め、唇をかみ締めた。
「千佳。封馬から目をそらしちゃいけない。もしかしたら、あいつも何か巻き込まれるかもしれない。」
「そんな、あなた。封馬に限ってそれは…」
「現に被害に遭ったのは封馬の友達だ。何が起きるかわからない。」
事件に対する夫の鋭い視点に戸惑いを見せながらも、千佳は深く頷き「わかったわ」と呟いた。
「明日、事故現場に行ってくる。事故現場付近の売店のおばあさんが、犯人らしき人物を目撃したという情報が入ったから直接会って証言の確認をしてくる。」
「帰りは?」
「多分、泊まりになるな。連絡するよ」
 空になったグラスに千佳がビールを注ぎ、それを透吾が飲み干す。無言のエールを送り、それを受け取るかのように。

カエラヌ魂 3 

April 28 [Sat], 2007, 21:39
 テレビから流れる映像にはとある山林の入り口に夥しい数のパトカーが赤いランプを燈して停まっていた。
 ニュースを読む女子アナウンサーの声はまるで機械のようで、無機質な気がした。
 テレビには封馬の幼馴染である江戸川辰也の顔写真が映っていた。

 江戸川辰也は封馬を初めとする、千尋や渚、紗依と同じ幼稚園に通っていた。中学校に上がると同時に親の仕事の都合上郊外に引っ越してしまった。
 昔は泣き虫で、怖いことがあると一番初めに逃げ腰になり、誰かの助けを求める辰也だった。
 そんな辰也との思いが、封馬の頭の中に浮かんでは一瞬で消えていった。

 なぜ、あの心優しい辰也が殺されるのだろうか。決して人から恨まれるような奴じゃない。常に相手のことを考えて相手のために泣けるような奴だったはずだ。それが、なぜ……


 次の日、封馬が学校につくと、千尋と渚が深刻な顔をして話し込んでいた。
「封馬。昨日のニュース見たか?」
「あれ、あの辰也のことだよな」
千尋と渚が代わる代わる封馬に話しかける。
封馬は何も言うことができず、ただ、小さな声で「多分な」とつぶやくことしか出来なかった。
「お前の親父さん、何か知らないのか?」
千尋は溜まらず封馬の腕を掴んで、喰らい付くように質問を浴びせた。
「何も聞いてないし、何も話してもらえなかった。」
封馬の腕をつかんでいた手から力が抜け、千尋は力なく「そうか」と呟いてその後何も口にしなかった。

カエラヌ魂 2 

April 16 [Mon], 2007, 0:40
「やっと授業終わった!千尋、部活行くぞ!」

教室を勢い良く飛び出し、幼馴染の千尋と共に意気揚々と部活へ駆け急ぐ。毎日のお決まりのパターン。

「封馬!まだ掃除終わってないでしょ。当番なんだからしっかりやってよ」

吉住若葉から叱られるのもいつものパターン。
若葉の後ろから背の高いショートカットの女と、背が小さくて髪がパーマがかってる女が現れて俺に絡む。

「なに笑ってるんだよ、渚」
「いや、若葉も封馬も毎日同じことを言い合ってて飽きないなと思ってさ」
「封馬君、今日時間ある?紗依とケーキ食べに行こう。紗依、チーズケーキがすっごくおいしいお店見つけたの」
「小泉、俺は部活なの。ケーキが食いたかったら渚と行けよ」
「封馬君とじゃなくちゃ意味がないの〜」

こいつと話してると思わずため息が出る。
この二人も幼馴染。千尋と、俺、豊福渚と小泉紗依。
俺たち4人は幼稚園からの知り合いで、ずっと同じ学校に通っている。本当は幼馴染は5人組だった。
しかし、中学に上がると同時に5人のうちの一人が引っ越してしまって4人になったのだ。
千尋は昔から勝気で人当たりが強い。その分、一度仲良くなると本当に信頼を置いてくれる男気のある奴。
渚は男兄弟が多いせいか言葉遣いが悪い。でもその言葉の裏には渚なりの優しさが隠されていて、それがたまにほっとさせる。
小泉はとある会社の社長の娘。裕福な家庭に育って自由奔放な奴。ただ俺にとっては困った奴。昔から俺を気に入ってくれてるけど…申し訳ない。なぜなら若葉という最高の彼女がいるから。
彼女は誰に対しても裏表がなく、面倒見がいい。溌溂としている上に勉強への努力へも忘れない。
そんな俺にとって完璧である彼女とは高校に入ってから知り合った。俺がサッカー部に入部すると、彼女もマネージャーとして入部していた。最初はただのマネージャーと部員だった。でもいつの間にか気になる存在になってた。付き合い始めてもうすぐ1年。俺にとって、なくてはならない存在だ。


 まだ5月といっても、部活でグラウンドを走り回っていると、汗が吹き出てくる。まるで夏が来たような感覚になる。部活が終わると話す気力さえ失せてしまう。
泥まみれになった体を引きずるようにして家に帰る頃には、脳みそは寝る準備が万端に整っている。

 家に帰ったからといって食事がそのまま出てくるわけではない。
 俺の両親は二人とも働いている。しかも警察官。家にいることの方が少ないくらいだ。
 親がいなくても子は育つ。よくグレずに育ったものだ。なんて自画自賛をしてみたり。

 いつもの癖で何気なくつけたテレビからニュースが流れてくる。
「山の中から死体が発見って、殺人か。物騒な世の中だなぁ」

 そのままテレビから流れる情報に夢中になっていた俺の背中に、次第に悪寒が走った。
 息がつまり、呼吸することさえ忘れていた。

「……辰也!!」

カエラヌ魂 1 

April 10 [Tue], 2007, 22:45
大丈夫。私が絶対忘れない。
私があなたの一部であるように、あなたは私の一部だから。
愛してる。
だからこそ、忘れられない想いがある。
だからこそ、許すことの出来ない想いがある。


 閑散とした工事現場に少女の叫び声が響く。山積みにされたパイプの間を縫って、息を切らしながら走りこんでくる男がいた。その男の腕には、目に涙を浮かべた少女が抱きかかえられている。
 男を追いかけている数人の男の隙を見て、抱えていた少女を放り投げ、尚も走り続ける男。
 ふと気づくと、大量のパイプを結び上げていたロープが擦り切れ、少女が放り投げられた真上からパイプが振り落ちてくる。
 降り注ぐパイプに襲われる少女の横を、厳つい面立ちをした数人の男が走り抜ける。そのうちの一人 ―端正な顔立ちで、まだ汗臭さが染み付いていない男。が振り返った時には、少女の姿は見えず、パイプの山の下から赤いものが流れ出ていた。

 そしてその様子を物陰から憎悪に満ちた顔で一人の少女が見守っていた。



 埼玉県の奥地。とある山の入り口に赤色灯をつけてパトカーが並んでいる。すでに紅葉が進み、木々は茶色く変色している。
 人だかりを掻き分けたその先に、一人の男性が横たわっている。その手には緑色の葉が握り締められている。
 男性の体の上には一枚の紙が無造作にピンで留められている。

―まずは一人目。春。花咲きほころび、過ぎ行くものを思い出さん。
     羽根を折られた鳥は飛び立てん。―

〜はじめに〜 スタートしました☆o(*>ω<〃o) 

April 10 [Tue], 2007, 22:28
はいっっ☆
一念発起で立ち上げた小説ブログです〆(゚▽゚*)

どれだけの頻度で更新できるかわかりません!!!爆

でも、とりあえず、色んな形の色んなジャンルのお話をアップしていきたいと思いますww

一応、カテゴリの分類としては…

短編のお話(1〜3話くらぃで終わるもの)は全て  『+。:.゚ 短編 ゚.:。+゚』 とします。

そのほかの長編のお話は、全てタイトル+数字で表記しますww

まぁべつにどぅってワケではないんですけど、一応お知らせしたほうがわかりやすいかなと☆



お話の感想については、本気で遠慮ナシで結構です!!!
むしろその方が、自身の勉強のためにとっても嬉しいですo(*>ω<〃o)

ただ、荒しはご勘弁を〜〜(人。′ロ`)


みなさんの力で、私を成長させてもらえたら…と思ってます゚.+:。(。-ω-。)゚.+:。

そして、もしよかったら、お友達にも紹介してもらって、色んな意見をいただける機会を作っていただければと思います。

お願いばかりで、心苦しいですが…

精一杯、書かせていただきますので、よろしくお願いします゚.+:。(。-ω-。)゚.+:。
こうこく
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» カエラヌ魂 7 (2007年08月09日)
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» カエラヌ魂 6 (2007年07月24日)
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