後手番をブレイクするのは!?

May 25 [Fri], 2012, 13:10
名人戦第4局の結果は・・・。

羽生先生の勝利でした!!

戦型は1、3局目に続いて相矢倉になりました。
なんだかこのシリーズで矢倉の結論が出てしまいそうな気がしてなりません(笑)

今回は、後手の森内先生が手を変え、それに羽生先生が対応するという形になりました。

先手の大駒を抑え込んで、先手の攻めを切らそうとする森内先生。
先手は攻めきらないと、後手に入玉されてしまいます。

△3三金寄と陣形を引き締めた後手に対して、羽生先生が指した一手が誰も気づかない絶妙の一手でした!

それは、▲3六歩!

一気に形勢は先手に傾きました。

そこから、粘る後手を振り切って、最後は華麗に勝ちきった羽生先生。
しかし、それほどの手数をかけなくても、もっと早くに勝ちがあったと何度も感想戦で指摘されていました。

羽生先生の終盤力が弱くなった?

いえいえ違います。

9戦全勝した順位戦からずーっと羽生先生は、「勝ちを急がない指し方」を実行されているんだと思うんです。
自玉に危険が生じるほど激しくいかなくても、リードを保って着実に指して勝てばいい。
そんな考え方なのかなーと思いました。

さて、今シリーズはなんと先手番がここまで全勝!

将棋ではわずかに先手が有利と言われていますが、こうもはっきり、結果となって表れるとは・・・。
羽生先生、森内先生ともに実力者なので、一度先手に奪われたリードをひっくり返すのはなかなか難しいからでしょうか・・・。

このままいくと第7局の振り駒勝負と言われ始めています(笑)

次の第5局、羽生先生の後手番がカギを握りそうなのですが、果たして・・・?

勝ちきることの難しさ

May 11 [Fri], 2012, 13:30
名人戦第3局の結果は・・・。

森内先生の勝利でした!!

ほんっとにすごい将棋でした。
では、振り返ってみます。

後手の羽生先生の△8四歩から、矢倉に進むと思ったら、△5三銀と上がって急戦矢倉の構え!
これが今局、羽生先生が指したかった形だったのでしょう。

反発する先手に対し、羽生先生は△3三銀!
こんな悠長な手を指されて、黙っているわけにはいきません。
結果的にこれが敗着になってしまったようで、森内先生に形勢の針が傾きました。

夕食休憩前の投了を、誰もが考えていたと思うんです。
だって、実際大差でしたし・・・。

しかしですね、そんな考え、羽生先生の頭の中にはこれっぽっちもなかったんです。

優勝休憩後から粘りに粘って、後手玉の寄せに専念すればよいはずだったあの先手玉が、入玉を目指さなければならないほどに追い詰められたんです。

なにかの解説会で久保先生が言った言葉を思い出しました。

「少しのリードでも、離されずについていくことは、トッププロ同士の対局になるとホントに難しいんです。でも、羽生さんは違う。ありったけの力で引き離しにかかっても、振り返ればすぐ後ろを走っている。こちらが優勢のはずなのに、全然そう思えなくなるんです」

マラソンで言えば、トップグループの背中が見える位置につけて、隙を見せれば追い抜くぞって感じでしょうか。

羽生先生の、簡単に勝たせない勝負術と、それをギリギリの手順で勝ち切った森内先生。
この二人にしか指せない将棋でした!

羽生先生の、あの劣勢からの必死の粘り。
あきらめないで指し続ける姿は、今局の開催地である、震災からの復興を目指す福島県の皆様に、パワーを与えたはずです!

そして、森内先生もホントにすばらしいんです。
1日目が終わり、次の手を封じることになった森内先生。
書き終えて対局室に戻ってきたけれど、なにやら手を気にしている様子。
何かと思ったら、マジックのインクが手についてしまったようです。

「インクがついた、汚れた手で駒には触れない」

将棋に対して、心の底から敬意を払ってるってことが伝わる森内先生の発言ですよね!

さて、今シリーズは先手番が全勝中。
どちらが後手番でブレイクするのか、それとも、7局目の振り駒ですべてが決まるのか。
ますます目が離せません!

美しい投了図

April 28 [Sat], 2012, 12:30
名人戦第2局の結果は・・・。

羽生先生の勝利でした!!

戦型は、第1局に続き、古くから指されている角換わり腰掛銀に進みました!

飛車切りから猛攻するという指し方を選んだ森内先生。
後手が攻めきるか、先手が受けきるかという将棋になりました。

新手を出したのは森内先生でした。

それは、2七金!

敵玉から遠いので、指しにくいはずですが・・・。
この踏込の良さ、さすが名人ですね。

しかし、ここからの羽生先生の指し回しが見事でした!

打たれた金を働かせないように、丁寧に丁寧に指して、確実にリードを広げていく。
9戦全勝で駆け抜けた順位戦から一貫して、焦らない指し方を心がけているようです。
そこに、羽生先生が新しいなにかをつかんだのかなと思いました。

形勢は大差で羽生先生良し。

森内先生がいつ投了するかという雰囲気でしたが、ここからがドラマチックでした。

決め手を放った羽生先生は、席を立ちます。
それは、あなたの負けだという無言の通告のように思いました。

ほどなくして戻ってきた羽生先生。
森内先生が正座に座りなおします。
それを見て羽生先生も正座になります。

そこから数十手、指し続けられましたが、羽生先生の4七銀を見て、森内先生投了。

負けと分かりつつ指し続けたのはなぜか。

それはおそらく、美しい投了図を作りたかったからかなと思いました。
絶対負けられない勝負でもあるし、美しい棋譜を作ることでもある。

やっぱりこのお二人の対局は、特別だと感じました。

永世名人、再び激突!

April 12 [Thu], 2012, 20:50
第70期、そして名人戦400年祭の記念すべき年。
対局者は森内名人、羽生二冠と、立場は変わりましたが昨年と同じ顔合わせ。
二人とも永世名人の資格を持つ者同士。

誰かが仕組んだのかと思うくらい、これ以上ない好取組です!

その第1局に勝利したのは・・・。

森内先生でした!!

戦型もまた、古くから指されていて歴史のある矢倉になりました。

去年の名人戦と先後逆を持って指す羽生先生。
なにか用意があるのでしょうと思ったら、なんと81手目まで前例と同じ進行!

先に手を変えたのはやはり羽生先生でした。

入玉を視野に入れる後手。
先手が指しやすいとはいえ、上部脱出を許すわけにはいかないので、森内先生は攻め続けなければなりません。

しかし、怪しい手から羽生先生もなかなか形成を離されずついていきます。

いつのまにか攻守逆転し、森内先生の玉は穴熊から引っ張り出され、形成互角かと言われ始めた時、鉄板流の一手がさく裂しました!

穴熊の急所を攻める△8六歩に対する▲同銀!

控室でも歓声が上がるほどだったようです。

受けに絶対の自信を持つ、森内先生らしい一手でした!

そのあとは、羽生先生の粘りを振り切り、森内先生が勝利!

一局目から素晴らしい内容でした!

知らないことはないっていうくらい、お互いのことを完璧にわかってる二人にしか指せない将棋。
そんな感じがしました。

指してて一番安心する。

そうおっしゃったのは森内先生でしたっけ。

お互いのことを認めているからできる、ハイレベルな攻防。

一局目からこの内容ですから、盛り上がること間違いなし!
今後の展開から、ますます目が離せませんね!!

節目の年

April 09 [Mon], 2012, 15:00
4月5日発売のNumberという雑誌に、6ページにわたる羽生先生の特集記事が載っていました。
素晴らしい内容だったので、感想をまとめたいと思います。

今回の記事は、去年の名人戦が終了した直後に発売されたNumberの特集記事の続編という形になっていました。

その名人戦第7局の打ち上げの席で、羽生先生は、いつもなら負けてもはじけるような笑顔で敗者と思えないくらい楽しんでいるそうなんですが、今回は違ったようです。

時折相槌は打つけど、人の言葉、会話が全然耳に入っていない。
一点を見つめてボーっとする。

程なくして席を立ち、そのままもどってこなかった。

今回の敗戦はそれほどのものだったということでしょうか。


「羽生さんは、何と戦っているのですか?」

思い入れの強い(はず)名人のタイトルを取られ、王座も渡辺竜王に奪われた羽生先生。

いつも相手の戦法を堂々と受けて立ち、うまくそれに対応して勝つ。
それが、誰もが恐れる羽生将棋のはず。

しかし、今回の王座戦の第2局で指したのは、誰も予想していなかった相掛かり。

明らかに渡辺竜王の裏をかいた作戦。
そして、いつもなら当たり前の一手にも時間を使うのに、相手に合わせるかのように早指しでした。
言葉には出さないけど、絶対意識してる、負けたくない相手なんだと思いました。

第3局でも執念の粘りを見せましたが、結局実らず敗戦。
19年守った王座を奪われました。

A級リーグに参戦した羽生先生は、その2つのショックを振り払うかのように、鬼神のように勝ちまくりました。

なにが、羽生先生にそうさせるのか。

1月に行われた、雀鬼と呼ばれた桜井さんとの対談形式での講演会。
そこでも、羽生先生はいつもと違いました。

一方的に質問し、桜井さんがあきれるほど。

「羽生さんはずるい。自分でわかってるのに質問する」
と言った桜井さんに対し、羽生先生は、
「こういう質問に、正確に答えてくれる人がいないんですよ」
と返しました。

ずっと孤独だった。

そう証言するのは、20年以上の付き合いの森内先生。

将棋の性質や、将棋界の慣習を根本から覆していく羽生先生。
非難を浴びても、先輩相手に上座に座り続け、コンピューターのようだといわれても、細部まで読みつくされた将棋を指す。
やがて、それが評価され、今では当たり前になった。

ずっと一人で、自分たちの歩きやすい道を作ってくれたと森内先生は言います。

勝負の世界に入って26年。

羽生先生を支えているのは好奇心だと言うのは、羽生世代と戦い続けてきた谷川先生。
「自分にないものを持っている羽生さんと戦うのが嫌だった」
七冠独占を許した責任を一人で背負ってきた谷川先生もまた、孤独だったのかもしれません。


そこで、最初の質問に戻ります。

「突き詰めてはいけないと思うんです。突き詰めると、将棋の可能性は有限だから、必ず答えが出ちゃう。でもそれだとおもしろくない。あれもダメ、これもダメ、ってなるとおもしろくない」
と言って、羽生先生は笑いました。

この人は、ずっと孤独だったけど、その分将棋界を盛り上げたり、プロ棋士全体のレベルを上げたり、そういうことをすごく大事にしてると強く思いました。
孤独でいいってわけじゃないけど、それ以上に大切なものがあるっていうか・・・。
うまくいえないですけど。

A級リーグを全勝で駆け抜け、また名人戦の舞台に戻ってきた羽生先生。

今年名人戦は第70期を迎え、そして、最初の名人が誕生してから400年の節目。

いろいろな節目が重なるときに、対局者に選ばれたのが、ともに永世名人の資格を持ち、幼いころから戦い続けてきた二人とは。
ドラマのような展開が現実に起こるなんてすごいです。
きっと、すばらしい戦いが見られはずです!

さまざまな思いを胸に、明日、七番勝負が開幕します!

新王将に続いて、新棋王誕生!

March 19 [Mon], 2012, 13:40
棋王戦第4局の結果は・・・。

郷田先生の勝利でした!!

この結果、3勝1敗で郷田先生が棋王奪取に成功しました!!

もう負けられない久保先生、最後の望みを石田流に託しました。
対する郷田先生、王様側に寄りたい金を、守りに効かせるために7筋に寄ったり、両サイドを睨む角を打ったり緩急自在の指しまわしで、なかなか久保先生に捌かせません。

振り飛車は、捌けないで抑え込まれる展開になると苦しいんですが、今回もそのパターンになってしまいました・・・。

最後は、受けの効かない状態まで追い込んで、久保先生投了。

郷田棋王、誕生の瞬間でした。

少し前に、このままじゃ久保先生はB1に落ちて、タイトルも全部失冠するかもと書いた記憶があるんですが、本当にその通りになるとは・・・。

そして、私が将棋を見始めてから、これだけいろいろ動きがあった年は今回が初めてです。

これで、今期すべてのタイトル戦が終了しました。
振り返ってみると↓

名人戦 羽生3−4森内(奪取)
棋聖戦 羽生3−0深浦(防衛)
王位戦 広瀬3−4羽生(奪取)
王座戦 羽生0−3渡辺(奪取)
竜王戦 渡辺4−1丸山(防衛)
王将戦 久保1−4佐藤(奪取)
棋王戦 久保1−3郷田(奪取)

というように、保持者が変わってないタイトルは2つだけでした。
しかも、すべてのタイトル戦に、羽生世代のだれかが絡んでます。

野球でも「松坂世代」という言葉があるように、ある世代にすごい人たちが集まることはあるんですが、40歳すぎてこの強さって・・・。
恐ろしいですね。

7つあるタイトルのうち5つを羽生世代が持ってるっていう。
で、渡辺竜王が一人で奮闘中という。

昨日のNHK杯も、羽生先生が勝って4連覇を達成。
NHK杯10回優勝ということで、名誉NHK杯の称号を獲得しました。

若手が有利と言われる早指し戦で、この強さとは・・・。
隙がねーじゃねーか!!
と、キレたくなるくらいの強さですね。

一方、この1か月で、B1に落ち、王将、棋王と奪われ、最悪の結果になってしまった久保先生。
不幸なことは、こんなに重なるものなのでしょうか。
何回挑んでも負かされる羽生先生を、倒したいという一心で、研究に研究を重ね、やっと奪った王将を、康光先生から奪った棋王を、またあの世代に奪われてしまうという・・・。

20年以上、トップに君臨し続ける最強世代。

まったく、なんなんでしょうね、この人たち(笑)

衰えを知らない、40代最強のおじ様たちを倒すのは、いったい誰なのでしょうか?

新王将誕生!

March 12 [Mon], 2012, 11:30
王将戦第5局の結果は・・・。

康光先生の勝利でした!

この結果、4勝1敗で、康光先生が王将を奪取!
3年ぶりのタイトル復位に、思わず言葉を詰まらせている写真が印象的でした。

「エースで勝てなかったので。」

敗れた久保先生の、この言葉に、無念さが現れています。

タイトル獲得の原動力となった、ゴキゲン中飛車で勝てなかったことが、そのまま響いてしまいました。

昨年度の升田幸三賞を受賞した、超速3七銀戦法。
ゴキゲン中飛車の前に立ちはだかったのは、この対策でした。
奨励会に所属する、星野三段が編み出した戦法が、今一つの戦法を消滅させようとしているとは・・・。
恐ろしいですね。

この超速の前に、久保先生は何連敗してるのでしょうか。

まぁ、戦う相手が羽生先生、郷田先生、康光先生と、超一流ばかりなんですけど・・・。
そして、その三人とも、同じ超速を使ってもまったく違う展開になります。

たとえば、康光先生は、とにかく強気に行く棋風です。
このシリーズ、第1局では玉自ら前線に出ていく5七玉。
第3局では、中央を銀三枚が制圧する、銀のトライアングル。
そして、この5局では、もう少しで駒柱になりそうなほど厚みを築いた、駒タワー。
とにかく個性的でした(笑)
狙ってるわけじゃないんでしょうけど、これが康光先生の将棋観なんでしょうね。

羽生先生は、しなやかに。
郷田先生は、切れ味鋭く。

使う人によって、まったく違う顔を見せる。

どの戦法でもそうなんでしょうけど。

冒頭でも書いたように、康光先生が勝利者インタビューで言葉を詰まらせた写真は、グッとくるものがあります。
ここ3年の間、どん底を味わった思い出がよみがえってきたんだと思います。
タイトルをすべて失い、A級からも陥落。

今、久保先生が同じような状況に置かれています。

そうなりたくないと願っても、どこかでめぐってくる、悪い波。

その、悪い波に入ってしまったとき、どこまで踏ん張れるか。
簡単なことではないんですけど・・・。

今日の王将戦中継ブログに、重圧から解放された、さわやかな笑顔の康光先生の写真が載っています。

みんな、この瞬間のために努力する。
負けられない、勝ちたい気持ちは同じ。

棋士たちの闘いは続きます。

残酷で、美しい世界

March 05 [Mon], 2012, 13:05
棋王戦第3局の結果は・・・。

郷田先生の勝利でした!!

後手番となった久保先生は、もちろんゴキゲン中飛車を選択。
最近、ゴキゲン中飛車の勝率が悪く、苦戦気味の久保先生。
今回は菅井流の△4四歩を採用。

それに対し、もっとも優秀な対策とされているのは、羽生先生が指した▲7八銀。
二枚の銀を繰り出して、中央を制圧する指し方。
郷田先生は、それを採用しました!

抑え込まれる前に動きたい久保先生は、角を切って猛攻にでました。
しかし、郷田先生は冷静に対応。

▲5四歩、▲5五角打と、落ち着いた手が印象に残りました。
手が続かなくなった久保先生。
61手で無念の投了となりました・・・。

振り飛車はもともと、カウンター狙いの戦法です。
ただ、藤井システムが登場した頃から、振り飛車側から動いて勝つパターンが増えてきました。
石田流や、ゴキゲン中飛車もそういう傾向があるのですが・・・。
居飛車側からそれより早い対応をされると、手詰まりになってくる。
それで、無理に攻めて切らされて負け。
そのパターンが、最近増えてる気がします。

ゴキゲン中飛車に対する、超速3七銀が優秀すぎるといわれますが、指しこなす自信ないです(笑)
だって、中途半端な王様の位置で、銀を繰り出して速攻を仕掛けるなんて。
攻めが上手くいかなかったときを考えると、かなり怖いです・・・。
そこを指しこなすのが、プロなんですけどね。

さて、王将戦に続き、棋王戦もカド番に追い込まれた久保先生。
これだけでも心が折れそうなのに、その前日に、もっとショッキングなことがあったばかりなんです。

それは、B1陥落・・・。

3月2日に、A級順位戦最終局が一斉に行われました。

もう、これが、涙なしには見れなかったですよ。

残留争いは、高橋先生、丸山先生、久保先生の三人に絞られていました。
そのうち、丸山先生と久保先生は、直接対決、負けた方が降級です。

しかし、高橋先生が谷川先生に勝ったことで、勝ち負け関係なく、丸山先生の降級が決まってしまったんです。

こんなの、残酷すぎますよ。
結果を知らず、戦い続ける丸山先生。
ただ、久保先生をB1に落とすためだけに戦い続ける丸山先生。

終わったのは、深夜一時。
久保先生が投了し、丸山先生、久保先生の降級という結果を残し、A級順位戦は終了しました。

終局後の表情が忘れられません。
何も話さずに、駒だけを動かす感想戦。
笑うこともなく、泣くこともなく、無表情な二人。

先崎先生が書かれた、「千駄ヶ谷市場」という本の帯に、こんなことが書かれていました。

「勝負師の日常はあまりに残酷で美しい」

まさに、その通りだと思いました。

勝っても負けても、幸せになれない。
そんな勝負を戦い続けなければならない。

羽生先生のように、この鬼リーグを全勝で走り抜けた人もいれば、順位一つ、上か下かで落ちていく人もいる。

勝ったものは、カメラのフラッシュを浴び、インタビューを受け、ちやほやされて、四月からの名人戦に挑む。
負けたものは、無言で将棋会館を去る。

わかりやすいけど、厳しすぎる世界。

でも、将棋が好きだから。

その一心で、戦い続けている人たちがいる。

そのことを、忘れてはいけないなと思いました。

絶妙な切り返し

February 27 [Mon], 2012, 13:00
棋王戦第2局の結果は・・・。

郷田先生の勝利でした!!

後手番では必ずと言っていいほど△8四歩と突く郷田先生ですが、今回は△3四歩と指しました!
こうなれば、久保先生は当然石田流を選択します。

石田流に対して、郷田先生がどんな対策を見せるのか!というところだったんですが・・・。
先に仕掛けたのは久保先生でした!!

7筋から仕掛けて5五角と飛び出す、一見するとアマチュアが指しそうな攻め。
これが成立してたら、居飛車党としてはたまったもんじゃないでしょう。

しかし、郷田先生は絶妙な切り返しで、その攻めを完璧に咎めました。

それは、△1二飛!

まったく働きそうにない場所に飛車を打ちましたが、働くんですねー、これが。

8筋の飛車を4筋に、1筋の飛車を3筋に持ってきて、先手の玉頭を狙う、すばらしい構想でした。
あとは、郷田先生の華麗な寄せが決まって快勝でした。

久保先生は局後、「やってみたかった形」とおっしゃっていましたが・・・。
郷田先生が完璧な切り返しを見せましたね〜。

郷田先生は、自然な指し手を積み重ねて勝つのがうまいと聞いたことがあります。
それで勝てれば話が早い!という指し手で勝っちゃうから、かっこいいんですよね!
居飛車党のだれもが憧れる、郷田先生の将棋。
金井先生が郷田先生をゴリ押しするのもわかります(笑)
それだけかっこいいんですから。

さて、1勝1敗になった棋王戦。

久保先生は王将戦が1勝3敗と苦しいのに加え、順位戦も残留争いでギリギリのところを戦っています。
過密スケジュールなので、まともに研究はできなさそうですが・・・。
ここが踏ん張りどころですね・・・。

流れは変わるのか!?

February 25 [Sat], 2012, 16:11
王将戦第4局の結果は・・・。

久保先生の勝利でした!

もう負けられない久保先生。
先手番のエース、石田流を採用しました!

康光先生が積極的に攻めますが、その攻めがあまり成功してなかったのかもしれません。
ここで時間を使ってしまったので、なんと中盤の難所で一分将棋になってしまいました・・・。

最後、康光先生にもチャンスはあったのでしょうが・・・。
やっぱり時間は大事ってことがこの一局でわかりました・・・。

地元で一番返した久保先生。
このシチュエーション、3年前の王位戦を思い出します。
深浦先生が3連敗で地元の佐世保に戻り、カド番をしのぎ、そのあと4連勝で王位防衛を果たしました。

今回の王将戦も、この一勝で流れが変わるのでしょうか。
それか、康光先生が王将を奪取するのか。

今後の展開に注目です!
プロフィール
  • ニックネーム:ハチ
  • 性別:女性
  • 職業:大学生・大学院生
読者になる
最新コメント
ASA
» 居飛車党のロマン (2012年05月18日)
ハチ
» 強さの秘密は? (2011年10月30日)
keytone
» 強さの秘密は? (2011年10月29日)
ハチ
» 強さの秘密は? (2011年10月29日)
keytone
» 強さの秘密は? (2011年10月29日)
ゆうすけ
» To be continued... (2011年06月25日)
YURI
» 大会レポート (2011年02月13日)
ハチ
» 若さと経験 (2011年01月20日)
yamajunn
» 若さと経験 (2011年01月20日)
ハチ
» 私が選ぶ、名局ベスト10! (2010年12月29日)