Apr.26, Mon. end

July 28 [Thu], 2011, 15:11


「蓮宮 雅です。2週間ぐらい前に引っ越してきました。よろしくお願いします」

これぐらいでいいだろうか。出会って間もない人達に話すようなことは何もない。

「どこから引っ越して来たのー?」
「部活何やってたんだよ?」
「蓮宮ってOBの蓮宮弘斗先輩となんか関係あんのっ!?」

様々な質問が飛び交っている。
これは...
答えなければならないのだろうか。

「静かにしろ!そんな一斉に聞かれても答えられないだろ。質問するなら一人ずつだ。答えられる範囲で答えてくれな」

事情を知る担任は、答えられる範囲で、と私に答えを促す。
仕方がない。

「前に住んでいたいた場所は、イギリスのロンドン辺り。父の仕事の都合で海外で暮らしてました。部活は自由だったから、特にどこかに所属していたわけではありません。蓮宮弘斗は兄です」

とりあえず聞こえた質問には答えた。
ひろ兄を兄だというのは無茶だろうか...
ただ、今、実際の関係を話すのは面倒だ。

「まじっ!?帰国子女?すっげー!!」

至るところから、驚きの声があがる。

「もういいか?後は休み時間にでも聞いてくれ。それじゃあ蓮宮、お前の席はあそこの空いてるとこな」

そういって担任は教室の真ん中の後ろから2つ目の席を指さした。

「黒板に向かって右隣りのやつが学級委員の水瀬さくら(みなせさくら)。わからないこととかあったら、水瀬に聞け。水瀬!頼んだぞ」
「はーい!」

担任に頼んだと言われ、水瀬さくらという生徒がにこやかに返事をした。

「じゃあ朝の会は終り。解散!」

そう言って、担任は教室を出て行った。

とりあえず、席につこう。

決まった教室に決まった席がある。これもロンドンではなかったこと・・・
こっちに来てからそんなことばかり。

そんなことを考えながら指定された座席までたどり着くと
先程担任が紹介してくれた水瀬さくらという生徒が声をかけてきた。

「蓮宮さん!私、水瀬さくら。よろしくね!さくらって呼んでくれてかまわないから」

と、手を差し出してにこやかに自己紹介してきた。

そういえば、こっちではファーストネームで呼び合うことは主流ではないのか。
そんなことを考えていると、彼女は手を差し出したままきょとんとしている。

ああ、私も自己紹介をしないと・・・
そう思い、手をにぎりかえした。

「蓮宮雅です。よろしく。私なことも雅でかまわないから」
「今日の1時間目は英語なんだけど、教科書は持ってるの?」
「教科書はまだ届いてないの。とりあえずノートだけ持ってくるように言われたから」
「そうなんだ。じゃあ届くまで私のやつ見せてあげる。あ、それから昼休みにでも校内も案内するね!」
「ありがとう」
「あ、そうそう!あそこにいるのが、もう1人の学級委員の広川太陽(ひろかわたいよう)」
そう言って彼女が広川太陽という生徒を示した。
すると、彼女が示した方から1人の男子生徒が歩いてきた。
「はじめまして。俺は広川太陽。さくらと一緒に学級委員やってんの。さくらいない時とか、なんか困った時とか言ってくれな」
そう言ってにっこりと笑いながら、彼も手を差し出した。
彼とも握手を交わし、私はこう思った。
なんて面倒見のいい2人なんだろう。典型的な日本人って感じ。

チャイムが鳴って
私の日本での学校生活が始まった。
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