『妄想』 

October 16 [Mon], 2006, 22:17


雪降る街並 そぅっと見下ろし
悴んだ指を 握ったあの日
僕の冷えた手を 君は探し出し
両手で包んで あたためてくれた

僕の見えない眼 君は覗き込み
「きれいな瞳」と そう言ったよね
どれだけ僕が 嬉しかったかを
笑っている君 知らなかったろう?

いつしか失う そんなのは知っていたよ
でも今に頼り 掴んでいた手
君をずぅっと 話したくなくて
君をずぅっと 守ってたくて
ぬくもりを求め ただ頼ってた


桜散る道を 二人で歩き
暖かい陽射し 感じたあの日
君の眩しさを 僕は見つけ出し
君と二人きり 同時に笑った

僕の使えない この耳の様
君は隣来て 小さく唄った
僕はどれほど 君からもらえる?
ずぅっとこのまま 歩いてたかった

君の冷たい手 握って泣いたよ
今に頼り過ぎ 君を見失う
いつかこんな日が 来るんじゃないかって
僕は恐れてた 怖かったんだ


だからね、全部消そうと そうしたんだよ

だけどね、僕はそれが 出来なかったよ


君をただ 思い出にするなんて
この弱い心じゃ 出来ないよ  今でも

ただ縋って ただ追い求めてるの
こんな生き様 人は笑うだろうか
それでも僕は 胸を張るよ

君だけが 僕の 誇りだから

泣いて叫んでも 汚れないから


本当に ありがとう......



『明日 おはよう』 

October 15 [Sun], 2006, 23:56

目星を付けてた あの子の横顔
真摯にひたむき 悴む指先

君を思って 幾年か経つ
僕は思い出に ただ浸っている
それで癒そうと 躍起になって
また君の影を 小さく探す


すばしこい誰か 追っかけまわして
たどり着く園に 君を思った

幾年かしたら きっと忘れる
そんな繰り返し もう飽き飽きだよ
苦しいのにも 悲しいのにも
慣れたつもりでも やっぱり怖いよ

夜に脅かされ 意気消沈だよ
君が居たなら 泣かなくて済むよ

朝に焦がれて 眼を見開いて
ひたすら待って 手に入れたのは・・・


絶望も希望 変えてく僕らに
微笑んだのは 悪魔か神か
なんでもいいやー どうでもいいやー
どうせ僕らは 歩けるんだし

どうせ僕らは 進めるんだし


『それを僕等は愛と呼ぶの』 

October 15 [Sun], 2006, 14:59


上辺だけの 愛の言葉呟き そして
君を安心させて 僕は満足してる
結局何も 君を愛してなどいない現実を
ただ眼瞑って 隠しているだけ

君の言葉の優しさに憧れ 僕はいつも立ち尽くすの
それでも僕は優しくなれなくて 悔しくてここにいるの

「君の隣 居心地がいいから 依存症になってねぇか?」
誰かがそう言っては見ても 僕はそう思ってなかったの

いつしか君の心が 僕から離れていっても

なぜ? なんて 考えている
呆然とした ただのお馬鹿は
人の心の存在を ただ忘れていただけなの


全身の隅々に 血を送るこの心臓
今でもまだ鼓動 聞こえるけれど
僕は君のこの音を 全然無視して生きてきたの

変わり行く景色を眺め そして 何もかもを忘れ
僕も 君も この世界も 全て 全部
消してゆく

一番星に願う 「君の心を返せ」と
奪ってしまったのは僕だ 簡単なことも気付かずに
悲しく脈打つ鼓動 ひとりぼっちで孤独なの

朝日を眺めようとして 遅くまで起きてみたけど見つからない
今が夜だと教えてくれてた 君が近くにいないから

ずっと 傍に居て欲しかったなぁ ずっと 隣で笑って欲しいなぁ

自分の心を隅っこ見落として 君の心見えるわけが無い
そんな単純なコトすら忘れて 僕はただ君を求めるの
世界を否定してでも 君を手にしようとするの


そんな 悲しい時に 僕の心臓が言った
「アナタ、そんなこと望んでない もっと ずっと 生きたいと言ってる」


君はここにいたね ずっとここにいたんだね
左の胸手を押し当てると そこは規則的に音を奏でてた

君の声がすぅっと聞こえてくる 君の笑顔が眼の裏に浮かぶ
僕の 心の隅っこの方に 今も 逞しく脈を放ってる


「愛の存在」そんなものは いつまでも僕は知らない
でもこの優しさが それならば 僕は今も知っている

君がこの心にいることで 僕は今も生きている
これからもずっと 生きられる




『純血』 

October 11 [Wed], 2006, 20:39


 脈打つ鼓動に 君を思って
 小さく呟く ナニカの言葉

 僕の気付かない どこか遠くで
 平気な顔して 嘘を吐く人
 誰も知らないと 思ってるだろう?
 誰もが知ってる 重大な嘘

 僕が思うよりもずっとこの世は
 隠れたところに 美しさがある
 それを探そうといつも もがいてる
 君はとても美しい


 椅子に座って 空を見上げると
 星クズが遠く 夜空を飾って

 見つめたあの先 月の隣側
 君へと届いた あの海の遠く
 風を生んでも 虹を作っても また

 ずぅっと待ってた君の面影が
 地球を汚して 僕を潰してく
 何でも知ってる 誰かを探すの
 僕が君の本当を 探して見せるから


 この 小さな 両手に こぼれた
 涙 涙 僕へ 君へ
 そっと ずっと 落ちる 底へ


 くたばりそうな この足を動かし
 這いつくばっても 歩く僕らは
 強く強くこの世 思い続け
 瞬くあの星 見上げているの

 あばら骨の裏 聞こえる鼓動に
 僕の心が すぅっとやすらぐ
 きっと君のコト 忘れぬようにと
 今でも規則的に 血を送ってる

 僕に「生きろ」と 叫んでる



 YUIさんの詩コンに参加させていただきました。

『星と雲と僕』 

October 11 [Wed], 2006, 20:32


 おぼろげながら 微笑む空と
 夜の暗さに 目を瞠る僕
 冷たい涼風 ささやかに吹き
 今日のこの日を 祝しているよう

 見た目もかなり 露骨な雲に
 僕は思わず 笑います
 細切れの肉の それのよう
 千切れてくっ付き また離れ

 誇りの高い 星クズの様に
 僕は思わず 緊張し
 それと分からず 顔を顰めて
 具に語って みせました

 「大いなる空の 雲のよう
 夜長の陰りの 星のよう
 いつしか私も 育つよう
 誰かを真摯に 愛せるよう」


 手のひら合わせて 拝む日に
 夜風がすぅと 吹きました
 求めたぬくもり すぐ傍に
 この星の中に 佇みます

 仰いだ空には 雲ひとつ
 いつしか散ってく 思いもひとつ
 あの雲のように ゆったりと
 この心の中 揺れました

 雨の冷たさ 身に沁みて
 太陽の影に 追いすがり
 見上げた空には 懇願し
 雲の儚さ 忘れてく
 星の輝き 忘れてく

 僕の心の隅っこに 落としたものは 何だろう
 あの日呟き 契った言葉
 またもや謳い 誓います


 大いなる空の 雲のよう
 夜長の陰りの 星のよう
 いつしか私も 育つよう
 誰かを真摯に 愛せるよう

 僕の気持ちを 忘れぬよう



 芭月さんの詩コンに投稿させていただきました。

『鱗翅目の泪』 

October 11 [Wed], 2006, 20:27


 翅の輝く 見せしめの春
 気だるい陽射しに 溜め息ひとつ

 羽ばたいてつぃと 風受くるよう
 ふわりと舞う君 リンシモク

 蒼き想いを 翼に込めて
 誰かの元へと 脇目もふらず
 愚の骨頂にも 手を触れずに飛び
 まだかまだかと 夏を待つ


 嫌い 蔑み 始末する
 人の世界に 足一歩
 君の特技は 逃げること
 迷ってないで 逃げ惑う

 ふわりふらりと 地の果てへ
 虹を探して 浮き沈み
 雨降る峠を 今日も越え
 理想の境地を 探すのか

 君の見ている その世界
 血と殺しの様 どうだろう
 餓えた顔した 人の世が
 君の瞳に どう映る?


 感極まった 切っ先が
 左の触覚 切り落とし
 蒼き翼を また狙い
 今か今かと 窺うよう

 落とした雫は 見えぬよう
 君は翼で 覆って隠す

 人の世今にも 足一歩
 すぅと近づく リンシモク



 桜之宮 桃乃さんの詩コンに参加させていただきました。

『半崩れのティーポット』 

October 11 [Wed], 2006, 20:25

 うたかたの先の 小さなお水
 見えない魔の手に 導かれるよう
 そうっとそうっと 流れ零れ落ち
 床上ぴちょりと 濡らします

 錆びて凍りつく 鉄の塊に
 魂吹き込む 魔女のおばあさん
 呪文を 「何とか」 早口に言って
 餓えたその瞳 ぎょろ 動かします

 半崩れになる ティーポットの中
 いつもの出来事 繰り返されて
 腐ったミルクを 一滴垂らすと
 狂ったように 軋み出します


 百度を超えた 熱ぅいお湯に
 何を思ったか 砂糖を三杯
 見る影も無く 甘ぁいそのお湯
 餓えた魔女の人 飲み干しました

 鉄の塊の 鈍い歩く音
 とんてんとんてん 響いている夜
 澄んだ夜空など 広がらずにいて
 怪しい宴が 始まりました

 半崩れになる ティーポットひとつ
 あの甘いお湯を 注ぎ入れると
 奇怪な叫びが 籠って唸り
 窓の無い部屋に 充満します


 ハロウィンの夜中 軋み出す鼓動
 命を持った 鉄の塊
 半崩れのポット 探して歩き
 それ壊す時を 待っているよう

 見せかけの夜に 動けぬポット
 命のある鉄 歩いている音
 小さく聞き分け じぃっと待つよう
 壊される時を 知っているよう


 魔女の悪巧み みな知らぬフリ
 奇怪な叫びも 奇妙な響きも
 あの甘いお湯に 全て奪われた
 ハロウィンの日々を 素通りします




 カラメルさんの詩コンに参加させていただきました。

『呼吸』 

October 11 [Wed], 2006, 20:23


 すぅと風吹く 蛍の丘に
 駆け込み叫んで 倒れてみます

 仰向けに仰ぐ 蒼い蒼い空
 見えない空気で 雲が歩きます

 目頭の上の 眉の端っこ
 僕の命が 小さく鼓動し
 明日の天気を ぼんやり思う
 こんな日常 生きてみたいなぁ


 何も考えず 命を吸って
 星の顔出した 空を仰ぎます

 蛍の煌き そう誘われて
 たどり着く小川 夜空映します

 綺麗だな って心で思って
 口に呟くと なお綺麗になる
 そんなお星が 素直に好きで
 僕の心は 小さく揺れます


 左胸の奥 ずぅっと奥に
 僕の命が 鼓動して
 「明日を生きたい」「お空が見たい」
 我がままに言うの 僕に言うのです

 口に出して言う なお綺麗にするため
 「明日を生きたい」「お空が見たい」
 世界の変化を この命と共
 綺麗な変化を この蛍と共


 すぅと呼吸を してみます
 命が巡る 音がしました



 生紡さんの詩コンに投稿させていただきました。

『ハンキング・ツリーの下で』 

October 01 [Sun], 2006, 13:02


具に見開く その瞳
真っ赤に染まった 空高く
月の酔い知る 詔
あなたは今でも 白い顔

雪の舞い散る 一軒家
白けた装い 傍に置き
くつした下がる 子供部屋
あなたは一歩 近づくの

眼孔の窪み 気にしつつ
にっこり微笑む その姿
あばらの浮かんだ 胸を抱き
ゆっくりゆっくり 進んでく


見せしめの宴 始まって
あなたの笑顔が 見られない
ふぃと横向き しらんぷり
何だかとっても つまらなそう

子供の叫びが こだまして
やっとこあなたが 振り向いて
我が持つナイフを 奪い取り
自分の心臓 抉り出す

何を思って そうするか
純白の上の 猩々緋
潰れた鼻腔に しわを寄せ
優しく微笑み こう言うの

「あなたの犯した 罪多き
私が全て 被りましょう
そうして忘れぬ 夜にする
子供の待つ部屋 幸あれ」と


我がこの右腕 腐り落ち
蒙る恥辱を 打ち払い
そっと一歩と 歩きつつ
あなたの最期を 思い出す

骸のあなたを 思い出す



牡丹 真人さんの詩コンに投稿させていただきました。

『花咲かす薬缶』 

September 30 [Sat], 2006, 23:28

 熱く沸かした お湯の湯気
 ゆらゆらゆらゆら 揺れてます

 火を消した後の ぬくもりを
 ただただひたすら 求めます

 手をかざしても 冷たくなって
 いつしか誰かに すがるよう
 僕の右手は 彷徨うの
 やかんを探して 旅するの


 お花を見つけるため 誰かに尋ね
 お店を回っても 見つからずに 落胆
 右手の旅は続き いつしかたどり着いたお家

 レンガで出来た えんとつに
 うっすら昇る 煙たち
 中で聞こえる 笑い声に
 引き寄せられて 近づきます

 窓から見えた 家族の姿
 自分と見比べて 嘆息します
 「きっと僕にも あんな家族が
 いたんだろうな」 と思います


 笑顔の向こう側 やかんが鳴いている
 小さく小さく 僕を呼ぶように

 花瓶に揺れている お花が見えます
 僕の探していた 可憐なお花です
 
 湯気の彼方に 見え隠れ
 やかんのぬくもり お花の声
 儚く僕を 呼んでいるようで
 不思議と涙 こぼれました


 やかんのよこした ひと時の幸せ
 胸に抱き寄せ 眼を閉じてみます

 「あの家族のような 優しい夢が
 いつまでも冷めぬ 現であるよう」



 らあやさんの詩コンに投稿させていただきました。
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