幼馴染のあいつ ページ@ 

June 29 [Fri], 2007, 19:54
 とある高等学校に、3年C組のクラスがあった。

そこのクラスは、どこよりもいじめが多く、どこよりもドロドロしている。
その原因は、1人の少女のせいとも言える。
あとはなんだ・・・・・・クラスの人達の性格のせいかな。

その少女は、パッと見た瞬間から「こいついじめられてるな」という感じがしている。
髪の毛は長いのにぼさぼさで梳かす気配もない。
唇も肌との境界線が全くわからない。そして、とにかく地味。

筆箱はまるで小学生が使うかのようなどシンプルな茶色で、中は100円で買えるような赤ペンと青ペンと、家から適当に持ってきたような鉛筆5本とまとまるちゃん(消しゴム)。
セーラー服のスカートは膝と足の真ん中より下。
顔を変えれば昭和時代の不良だ。
そんな少女の名前は、相沢京子(あいざわきょうこ)。名前からして地味だ。
そしてふと気づくと、目の前にクラスメートの女子がぞろぞろとやってきた。
女子の目は、とても鋭かった。そして、口を開く。
「ちょっと京子ちゃ〜ん、あたし今日、お小遣いピンチなんだ〜。でね、親友の京子ちゃんにぃ、お金を貸してもらいたくてぇ〜」
そして別の女子も。
「あたしもなのぉ〜。あたし、家貧乏なんだよね〜」
女子の固まりから笑いがどっと毀れる。
「でぇ、今すぐに貸してほしいんだ〜。良いよね?だってあたしらってさ」
「親友じゃな〜い
「てなわけで、はい」
目の前にいる女子1人が、京子の目の前に差し出される。
「え・・・・・・」
京子は戸惑ってしまう。そんな簡単に貸すことができないからだ。
もちろん、この女子達は返す気全くなし。
「だーかーらー。・・・・・・貸せって言ってんだろーがよぉッ!!!」
京子の机をドカッと蹴る。
「いッ・・・・・・」
溝に上手く机がぶつかった。
「はーやーく!!!5万円!!!」
「ご・・・5万!?」
「この前3万貸してくれたでしょう?そのくらいのお金、持ってるんでしょ?」
「えッ・・・でも今日・・・」
京子は、猛スピードで頭の中でバッグを開けた。
たしか今日、財布の中には4300円しか入ってなかった気が・・・
「今日、私ね・・・4300円しか持ってなくて・・・」
「なんだとぉッ!!!」
今度は京子の筆箱を京子の顔に力こめて投げた。
「・・・・・・ッ」
・・・が、なんとか京子は手でガードすることができた。
「京子。バッグどこ」
「え?」
「バッグどこっつってんだよッ!!!」
京子は恐くなって急いで後ろのロッカーからバッグを抱いて持ってきた。
「・・・・・・こ、ここです・・・・・・」
抱いて持っていたバッグは女子達によって奪われ、女子達は中をごそごそと手で財布を捜す。
「・・・・・・あ、あった!!!」
「ふふ、顔に似合ってて、ボロボロの財布ねェ・・・・・・くすッ」
財布を除け、お金を手でつかもうとした。 が。
「・・・・・・はぁ?」
「え・・・」
その手には、2000円しか乗らなかった。
女子生徒の反応にビクビクしている京子は、震えながら呟いた。
「す・・・すいません・・・・・・今朝、少し買い物していてお金が無いんです・・・明日でも良いですか・・・?」
女子生徒は目を大きく見開いて、くしゃっと2000円を握る。と思ったら、女子生徒のライターが上着のポケットから出てくると、ライターの火は2000円へと届き、やがて灰となった。
「・・・あ・・・あたしの・・・」
「京子・・・?」
女子生徒の声には、殺気が沸いていた。
「このお金で何買えるかな・・・?」
「え・・・」
「こんなちっぽけな金じゃ何も買えねぇっつってんだろ!!!」
そう怒鳴ると、京子はいつの間にか椅子から落ち、机ごと後ろのロッカーまで吹っ飛んでいた。
京子は両手で顔を覆い、ぶるぶると震えていた。
「お前なんか・・・お前なんか・・・」
京子を吹っ飛ばした女子生徒のリーダーがあまりの怒りで言葉も出なかった。
それに気づいた他の女子生徒が、その言葉に続けた。
「覚えてなさいよ。今日の6時。屋上でね」
「・・・・・・・・・」
あまりの恐怖に、顔を覆ってる腕が、中々離れなかった。
少しずつ隙間を広げていくと、さっきまでゾロゾロといた女子生徒らが、いなくなっていた。
京子は涙目になりながらも、ふらふらしながら立ち、机と椅子の位置を直し、2000円の灰を手で集めて、ゴミ箱に捨てた。
「・・・なんで・・・あたしがこんな目に合うの・・・?」
ゴミ箱の前で、体の力がふっと抜け、がくんと倒れる。
なんとか腕が体を支えてくれたので、顔は床にぶつからなかった。
京子の涙は、まるで雨が今から降るかのように、ぽたぽたと床に落ちていく。
涙は蒸発し、密かに塩の塊ができていた。
泣く時間はやがて、恐怖の時間へと変わっていくのであった。

幼馴染のあいつ ページA 

July 19 [Thu], 2007, 23:26
今は、5時45分くらい。
京子はずっと、時が止まるのを願っていた。
短い針が6に止まらないよう、只管両手を握る。
そのときだ。
ふと人の気配を感じ、両手をパッと放し、辺りを見回した。
だが、誰もいなかった。な〜んだと思い、京子は前を向いてまた両手を握ろうと手を出すと、そこに同級生の男子、天沢隆(あまさわりゅう)がいた。めちゃめちゃ顔が笑ってた。
「よ。京子。・・・へへ、ビックリしたろ?お前こんなところにずっと座ってて、飽きねぇのか?」
京子は「ひぃッ!!!」とも声を出さずに目を真っ白にして静かにショックを受けていた。
「・・・あ、わりぃ。お前心臓こういうところで弱いもんな」
意識を取り戻した京子は、やっとのことで言葉を口に出すことができた。この言葉で。

「バカアッ!!!」

教室にしんみりと言葉が染み込んだ。
少しエコーもかかっていた。
「・・・だからごめんてば」
「許さん」
「ごめん」
「ちね」
「・・・・・・」
即答する京子を見て、隆は右手を握って口を隠すとくすっと笑った。
「ちょっとぉ。何が可笑しいのよ」
「お前の格好」
「あぁ?」
「お前さ、その格好して実はアイドルです〜なんて知ると笑えるんだ」
「・・・しょ、しょうがないじゃない。アイドルが普通に学校に行けると思う?」
「思わない」
「こうやって地味に過ごすのもひとつの人生だよ。きっと。・・・いいじゃない。あっちでは派手に活動してるんだから。バランスよバランス」
「でもそれはそれで似合ってるんじゃない?地味なキャラとか」
「隆・・・」
少し開けてた窓から、生温い風が頬にあたる。

「嬉しくないわい」

真顔でそう言った。

そう、実は京子はタレントだったのだ。
しかもCMとかドラマとか映画でものすごく活躍してる、ほぼ有名なタレントなのだ。
ペンネームは「嶋野亜矢芽(しまのあやめ)」だ。
歌も結構上手いので、歌手も一応やっている。
そんな自分を隠すため、京子は今このように地味に学校生活を贈っている。
ただ、あまりにも地味すぎて、友達もいないしさっきみたいにいじめられるし。
良いことは特に無かった。
でも、この学校には一人だけ信頼できる人がいた。
天沢隆だ。
隆は、幼稚園の頃から一緒で、小学校の時に、京子は違う町へと引越しすると、偶然隆も同じ町に引越ししてきて、また京子が引越しすると、またまた偶然。
そんな訳で、お互い何か縁あるのではと、一緒にいる。
それが今も続いてるわけだ。

だから、友達なんていらない。
隆だけでいいんだ。ずっと、ずっと。

隆と話を終えると、あっという間に時は過ぎ、5時56分になっていた。
「あ・・・もうすぐ6時になる・・・」
「何かあんのか?」
「うん、ちょっとまだ用事あるんだ。今日仕事無いから早めに家に帰りたかったけどね・・・じゃね。バイバイ」
「おう」
そのおうっていう言葉だけでも、京子は癒された。・・・

ジャスト6時に京子は屋上に着いた。
唾をごくりと飲む。
錆びたドアを嫌な音立てて閉めると、左右からコツコツと靴の音がした。
ハッと靴の音の主を見ると、女子生徒達の彼氏だった。
皆、ものすごくガラが悪かった。
「京子ぉ。お前、俺のリナにお金貸さなかったよなぁ?何でだぁ?え?」
「え・・・その・・・」
「俺の彼女今金ピンチってーのによー、お前友達を何で助けないんだ?あん?」
「えっと・・・んと・・・」
「ふざけんなぁッ!!!お前なんかクタバレやあ!!!」
そういうと、男子が京子の頬を大きくて硬いグーで殴る。
だが、京子は両手でなんとか顔を守ることができた。
「や・・・やめてください・・・」
「ああん?その前に『貸してあげられなくてごめんなさい』って土下座しろやあッ!!!」
もう一人の男子が京子の胸倉をつかんだ。
ごくっ。京子は恐らく大量の唾を飲んだ。
すると、男子は京子を屋上の柵にガシャンと音を立ててぶっ飛ばした。
「あう゛ッ・・・・・・・・・」
あまりの苦しさに、口から血が出た。
「・・・血・・・ゴホッ」
血を見て驚いている京子の前に、さらにもう一人の男子が近づいて、京子を見下す。
そしてストンとしゃがむと、京子の前髪をつかんだ。
────と思ったら、髪の毛が「にゅ」と取れた。
「・・・・・・あ・・・?んだこれ・・・」
京子のヅラが取れてしまったのだ。
「何でお前ヅラなんかって・・・お前、あの嶋野亜矢芽に似てるっていうか・・・嶋野亜矢芽じゃん!!!」
「あ・・・か・・・返して。それあたしの・・・・・・」
「うわーッ!!!嶋野亜矢芽ちゃん!!!そっくりじゃねえ!!!完璧嶋野亜矢芽だーッ!!!」
次々と男子がまじでかと叫ぶ。
それから京子は、男子に暴力を振るわれることは無くなった。
ただ、その代わりが京子を待っていた。


「ヅラ・・・・・・」
P R
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